公開日 2012/02/15 18:58
D&M、DALIの新フラグシップ「EPICON 6」を正式発表 − ペア120万円・4月下旬発売
カラーバリエーションは3色
(株)ディーアンドエムホールディングスは、同社が取り扱うDALI、B&W、AUDIOQUESTブランドの新製品発表会を開催した。DALIからは、インターナショナルオーディオショウで注目を集めた「EPICON 6」のほか、スタイリッシュな「FAZON F5」も発表された。
EPICON 6
60万円(1本・税込)/4月下旬発売
ブラック/ウォールナット/ルビーマッカサル
シリーズ名の“EPICON”は、英語の“EPIC”(雄大である、壮大な)という言葉から得たという、ブランドの新しいフラグシップモデル。3色のカラーバリエーションで展開される。
3ウェイ・4スピーカーの構成を採用しており、29mmソフトドームを1基と10×55mmリボンを1基の2ユニット構成によるトゥイーター部と、独自のウッドファイバーコーンを採用した165mmウーファーを2基搭載する。
本日ディーアンドエムホールディングスが開催した新製品発表会には、DALI本社から研究開発ディレクターのKim Kristiansen氏が来日し、新製品の紹介を行った。「EPICON 6」については、「DALIの優秀なエンジニアたちとともに、音楽に対して完璧に専念できるスピーカーを目指して開発した。当社のスピーカーづくりや音のバランスに関するノウハウを全て盛り込みながら、DALIの新しいリファレンスとなるようなスピーカーを丁寧に造り上げた」とKristiansen氏は語る。
高音域はトゥイーターのユニットを2分割して、大口径のソフトドームとリボントゥイーターをハイブリッド構成で配置。新開発のソフトドームトゥイーターは素材にシルクを用い、29mmと口径を大きく採った。大型化したことにより、トゥイーターユニット全体が受け持つ音域の中でも、低い帯域の再生能力が高まり、ウーファーとの音のつながりが高められている。リボントゥイーターは上限を30kHzに設定し、実用帯域内の再生を重視した設計としている。これら2つのユニットをアルミダイキャスト製のプレートに配置し、エンクロージャーに装着。Kristiansen氏はこのハイブリッド・トゥイーター・モジュールを「DALIにとってシグネチャー技術のようなものである」と表現する。
低域再生用にはEUPHONIAシリーズ以来、採用を続けてきたウッドファイバーコーンを、EPICON 6用にチューニングしたものが採用されている。素材自体は軽量・高剛性を特徴としており、低損失で微細な信号も埋もれることなく再生できることがメリットであるという。
ウーファーユニットについては、DALIのスピーカーシリーズの中で初めて内製化を実現している。Kristiansen氏は「EPICONに使われているユニットは、全てデンマークにあるDALIの自社工場にて開発・生産されたものだ」と胸を張る。
磁気回路にはコアとなる技術である「Linear Force Motor System」を採用。ポールピースとトッププレートの内周部、ボイスコイルに近接する部分に特許出願中の「SMC(Soft Magnetic Compound)」を採用。新開発の鉄の粉の一粒一粒に科学コーティングを施し、電気的絶縁性を持たせた。その結果、電流歪を極限まで抑えることに成功しているという。また十字型ポールピース、上下分割型アルミショートリングなど、磁気回路に起因する歪みを徹底的に低減した結果、「アンプ並みの歪特性を実現した」(Kristiansen氏)という。
スピーカー本体の高さは約1m。キャビネットはウーファーとトゥイーター、両方の動作環境を最適化するために、堅牢な構造を採用。素材はMDFを採用し、側面に6層、背面は多層構成で53mmの厚さ、フロントバッフル部は2層33mmで構成する。2基のウーファーの背圧をスムーズに逃がすための構造を採用し、大きなバスレフダクトを真後ろに2つ設けて、滑らかなキャビネット内の挙動コントロールにつなげている。
2基のウーファーユニットの間には仕切りを設け、低域の干渉を避ける構造を採用。底部のネットワークボックスも隔離構成とし、空気圧の影響を受けないよう配慮している。ユニットを取り付けるための7本のネジも、間隔を広くとってウーファー後部の自由な空気の流れを確保している。
外装の塗装は塗りと研磨の工程を各10回ずつ施した。塗膜の厚みは2mmにも達し、美しい仕上がりとともに音質向上にも役割を果たしている。
他にも細かな部品の選定などについても、音質を高めるため最上のものを吟味しているという。スピーカーターミナルも自社で専用のパーツを開発。ウーファーをキャビネットに固定するためのネジについても、本機のために専用開発されたパーツが用いられている。
本日の発表会には(株)ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 本部長の本田統久氏も登壇。昨年の同社の販売活動を振り返った本田氏は「昨年は当社の白河工場(福島県)が被災したため、当地での生産が4ヶ月間ほどストップしたことがあった。これは大変困難な出来事であった一方、当社が取り扱うDALI、B&W、AudioQuestなどインポートブランドの成長が後押ししてくれたおかげで、成長を強く確信できる成績を残すことができた」とし、今年も強力な新製品を各ブランドから投入していくことを宣言した。
本日の新製品発表会は、ディーアンドエムホールディングスの恵比寿リスニングルームで開催された。会場では「EPICON 6」のデモンストレーションも行われた。
今回は新製品のデモ機でクラシック、ジャズのCD再生、PCからのジャズのハイレゾ音源の再生が行われた。リファレンスには同社が取り扱うクラッセのシステムと、AUDIOQUESTのケーブルが用いられた。いずれの音源の再生もSNが非常に優れており、明瞭な高域を再現。かつ豊かな低域再生も味わえ、まさに新しいフラグシップモデルに相応しい再生能力を見せつけてくれた。同リスニングルームなどで、本機の実力をさらに深く体験できる機会を心待ちにしたい。
【問い合わせ先】
ディーアンドエムホールディングス
ディストリビューター営業部
TEL/044-670-6611
EPICON 6
60万円(1本・税込)/4月下旬発売
ブラック/ウォールナット/ルビーマッカサル
シリーズ名の“EPICON”は、英語の“EPIC”(雄大である、壮大な)という言葉から得たという、ブランドの新しいフラグシップモデル。3色のカラーバリエーションで展開される。
3ウェイ・4スピーカーの構成を採用しており、29mmソフトドームを1基と10×55mmリボンを1基の2ユニット構成によるトゥイーター部と、独自のウッドファイバーコーンを採用した165mmウーファーを2基搭載する。
本日ディーアンドエムホールディングスが開催した新製品発表会には、DALI本社から研究開発ディレクターのKim Kristiansen氏が来日し、新製品の紹介を行った。「EPICON 6」については、「DALIの優秀なエンジニアたちとともに、音楽に対して完璧に専念できるスピーカーを目指して開発した。当社のスピーカーづくりや音のバランスに関するノウハウを全て盛り込みながら、DALIの新しいリファレンスとなるようなスピーカーを丁寧に造り上げた」とKristiansen氏は語る。
高音域はトゥイーターのユニットを2分割して、大口径のソフトドームとリボントゥイーターをハイブリッド構成で配置。新開発のソフトドームトゥイーターは素材にシルクを用い、29mmと口径を大きく採った。大型化したことにより、トゥイーターユニット全体が受け持つ音域の中でも、低い帯域の再生能力が高まり、ウーファーとの音のつながりが高められている。リボントゥイーターは上限を30kHzに設定し、実用帯域内の再生を重視した設計としている。これら2つのユニットをアルミダイキャスト製のプレートに配置し、エンクロージャーに装着。Kristiansen氏はこのハイブリッド・トゥイーター・モジュールを「DALIにとってシグネチャー技術のようなものである」と表現する。
低域再生用にはEUPHONIAシリーズ以来、採用を続けてきたウッドファイバーコーンを、EPICON 6用にチューニングしたものが採用されている。素材自体は軽量・高剛性を特徴としており、低損失で微細な信号も埋もれることなく再生できることがメリットであるという。
ウーファーユニットについては、DALIのスピーカーシリーズの中で初めて内製化を実現している。Kristiansen氏は「EPICONに使われているユニットは、全てデンマークにあるDALIの自社工場にて開発・生産されたものだ」と胸を張る。
磁気回路にはコアとなる技術である「Linear Force Motor System」を採用。ポールピースとトッププレートの内周部、ボイスコイルに近接する部分に特許出願中の「SMC(Soft Magnetic Compound)」を採用。新開発の鉄の粉の一粒一粒に科学コーティングを施し、電気的絶縁性を持たせた。その結果、電流歪を極限まで抑えることに成功しているという。また十字型ポールピース、上下分割型アルミショートリングなど、磁気回路に起因する歪みを徹底的に低減した結果、「アンプ並みの歪特性を実現した」(Kristiansen氏)という。
スピーカー本体の高さは約1m。キャビネットはウーファーとトゥイーター、両方の動作環境を最適化するために、堅牢な構造を採用。素材はMDFを採用し、側面に6層、背面は多層構成で53mmの厚さ、フロントバッフル部は2層33mmで構成する。2基のウーファーの背圧をスムーズに逃がすための構造を採用し、大きなバスレフダクトを真後ろに2つ設けて、滑らかなキャビネット内の挙動コントロールにつなげている。
2基のウーファーユニットの間には仕切りを設け、低域の干渉を避ける構造を採用。底部のネットワークボックスも隔離構成とし、空気圧の影響を受けないよう配慮している。ユニットを取り付けるための7本のネジも、間隔を広くとってウーファー後部の自由な空気の流れを確保している。
外装の塗装は塗りと研磨の工程を各10回ずつ施した。塗膜の厚みは2mmにも達し、美しい仕上がりとともに音質向上にも役割を果たしている。
他にも細かな部品の選定などについても、音質を高めるため最上のものを吟味しているという。スピーカーターミナルも自社で専用のパーツを開発。ウーファーをキャビネットに固定するためのネジについても、本機のために専用開発されたパーツが用いられている。
本日の発表会には(株)ディーアンドエムホールディングス 国内営業本部 本部長の本田統久氏も登壇。昨年の同社の販売活動を振り返った本田氏は「昨年は当社の白河工場(福島県)が被災したため、当地での生産が4ヶ月間ほどストップしたことがあった。これは大変困難な出来事であった一方、当社が取り扱うDALI、B&W、AudioQuestなどインポートブランドの成長が後押ししてくれたおかげで、成長を強く確信できる成績を残すことができた」とし、今年も強力な新製品を各ブランドから投入していくことを宣言した。
本日の新製品発表会は、ディーアンドエムホールディングスの恵比寿リスニングルームで開催された。会場では「EPICON 6」のデモンストレーションも行われた。
今回は新製品のデモ機でクラシック、ジャズのCD再生、PCからのジャズのハイレゾ音源の再生が行われた。リファレンスには同社が取り扱うクラッセのシステムと、AUDIOQUESTのケーブルが用いられた。いずれの音源の再生もSNが非常に優れており、明瞭な高域を再現。かつ豊かな低域再生も味わえ、まさに新しいフラグシップモデルに相応しい再生能力を見せつけてくれた。同リスニングルームなどで、本機の実力をさらに深く体験できる機会を心待ちにしたい。
【問い合わせ先】
ディーアンドエムホールディングス
ディストリビューター営業部
TEL/044-670-6611
関連リンク
- ジャンルスピーカーシステム
- ブランドDALI
- 型番EPICON 6
- 発売日2012年4月下旬
- 価格¥600,000(1本・税込)
【SPEC】●周波数特性(±3dB):35Hz〜30kHz ●クロスオーバー周波数:700/2550/15000Hz ●入力感度:88dB ●インピーダンス:5Ω ●ユニット構成:29mmソフトドームトゥイーター、10×55mmリボントゥイーター、165mmウーファー×2 ●エンクロージャー:バスレフ(背面)×2 ●防地:非対応 ●外形寸法:232W×1025H×441Dmm ●質量:29.8kg