公開日 2013/10/18 19:34
<音展>評論家・鴻池氏が“画質グレードアップセミナー” − 映像視聴環境の新ガイドライン解説
10月18日(金)〜20日(日)の期間で開催されている「オーディオ・ホームシアター展 2013(音展2013)」。会場の「TIME24」では、ライブイベントや工作教室など、日替わりで様々な催しが行われている。本記事では、初日の18日に開催された評論家 鴻池賢三氏によるテレビの画質グレードアップをテーマとしたセミナーの模様をレポートする。
セミナーのタイトルは「最新映像機器の高画質事情 〜あなたの映像機器のグレードアップのために〜」。鴻池氏が映像視聴時におけるディスプレイの画質設定ポイントやキャリブレーション方法を解説するとともに、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が本日発表した「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」の内容を紹介した。
■4Kであれば高画質…というわけではない
セミナー冒頭、「テレビ業界では“4K”が最新のトレンドとして謳われていますが、4Kだから高画質というわけではありません。“高画質とは何か”についてお話しましょう」と切り出した鴻池氏。まずは「高画質の定義」が解説された。
鴻池氏は「高画質とは、映像の制作者が意図した状態の映像」という考えを根底に置いた。そのうえで、「解像度/画素数」「ユニフォーミティ」「黒の再現性」「コントラスト比」などを項目を映像装置における高画質の要素として挙げ、「より良い映像を楽しむためには、テレビを購入後に、いま挙げた項目を自分で調整できると知っているかどうかが大きいのです」と語った。そして会場に用意されたパナソニックの4K対応ビエラ「TH-L65WT600」で映像モードの調整を実践した。
鴻池氏は「まずは、テレビ製品の画質を自宅の視聴環境に合わせる工夫から始めましょう。ぜひ多くの方に、制作基準に沿った映像モードを選択して、映像調整を実践してほしいです」と語った。なお、鴻池氏が会場に「自宅のテレビの画質調整を行っている方はどれくらいいますか?」と問いかけると、7割近くの来場者が手を挙げており、イベントに訪れた来場者の画質グレードアップに対する意識の高さが伺えた。
そのほか、テレビのキャリブレーションについても説明。キャリブレーション調整画面を表示しつつ、キャリブレーションがしっかり行われているテレビとそうでないテレビの画像を例として表示し、キャリブレーションの必要性をわかりやすく解説した。
「映像調整とキャリブレーションはどこが違うのか?」について鴻池氏は、「映像調整は視聴環境や好みに最適化するものですが、キャリブレーションはそもそものベースとなる色のズレを較正するものです。例えるならば、キャリブレーションが土台で、その上に建つ家が映像調整のようなもの。土台がしっかりしていないと、映像調整も適正に行えません」と語った。
■「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」策定
続いて鴻池氏は、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が本日発表した「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」の内容を紹介した。ダウンロードはこちらから行える。
デジタルハイビジョン放送・コンテンツが普及し、一般家庭で手軽に高精細な映像が楽しめるようになっているが、各家庭での視聴条件にはばらつきがあり、設置された映像装置が100%の力を発揮できていない環境が多くある。
そこで、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が、ホームシアターの品質向上に関連する研究成果や知見を収集して整理し、「視距離」「画面輝度」「映像調整」「色温度設定」「映り込み軽減」の5項目について、環境に適した設置条件を示すガイドラインを策定した。これにより、より多くのユーザーに高品位な映像視聴体験を提供することを目的としている。
視距離につていは、一般的にディスプレイの高さの3倍(3H)が良いとされており、人間工学的にも3.9H〜5.9Hが“人間が視聴を快適に感じる距離”とされている。これに基づき、本ガイドラインでは、視距離から適正な画面サイズがわかる早見表も用意している。
セミナーでは鴻池氏の解説により、画面輝度は外光がある場合とない場合で条件が異なり、外光がある場合は時間帯によって調整値を変える必要があるため、テレビの自動調光をONにする必要があることや、スクリーンについては映画館の48カンデラが基準となることなども説明された。加えて、人間の目照明の色に応じて色温度の調整をする必要性も語られた。
映り込みの軽減については、「ディスプレイの向かいに窓がある」「ディスプレイの設置位置が部屋の上の方にある」など、映り込みが起こりやすい環境が示されている。
なお鴻池氏は「映画を観るときに“シネマモードにしよう”と調整する人が増えるだけでも万々歳です。映像モードが調整できることを多くの方に知って頂きたいと思います」とコメントし、「このガイドラインが全てではありません。映像をより良く楽しむ出発点として、このガイドラインを活用して頂きたいです」と語った。
セミナーのタイトルは「最新映像機器の高画質事情 〜あなたの映像機器のグレードアップのために〜」。鴻池氏が映像視聴時におけるディスプレイの画質設定ポイントやキャリブレーション方法を解説するとともに、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が本日発表した「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」の内容を紹介した。
■4Kであれば高画質…というわけではない
セミナー冒頭、「テレビ業界では“4K”が最新のトレンドとして謳われていますが、4Kだから高画質というわけではありません。“高画質とは何か”についてお話しましょう」と切り出した鴻池氏。まずは「高画質の定義」が解説された。
鴻池氏は「高画質とは、映像の制作者が意図した状態の映像」という考えを根底に置いた。そのうえで、「解像度/画素数」「ユニフォーミティ」「黒の再現性」「コントラスト比」などを項目を映像装置における高画質の要素として挙げ、「より良い映像を楽しむためには、テレビを購入後に、いま挙げた項目を自分で調整できると知っているかどうかが大きいのです」と語った。そして会場に用意されたパナソニックの4K対応ビエラ「TH-L65WT600」で映像モードの調整を実践した。
鴻池氏は「まずは、テレビ製品の画質を自宅の視聴環境に合わせる工夫から始めましょう。ぜひ多くの方に、制作基準に沿った映像モードを選択して、映像調整を実践してほしいです」と語った。なお、鴻池氏が会場に「自宅のテレビの画質調整を行っている方はどれくらいいますか?」と問いかけると、7割近くの来場者が手を挙げており、イベントに訪れた来場者の画質グレードアップに対する意識の高さが伺えた。
そのほか、テレビのキャリブレーションについても説明。キャリブレーション調整画面を表示しつつ、キャリブレーションがしっかり行われているテレビとそうでないテレビの画像を例として表示し、キャリブレーションの必要性をわかりやすく解説した。
「映像調整とキャリブレーションはどこが違うのか?」について鴻池氏は、「映像調整は視聴環境や好みに最適化するものですが、キャリブレーションはそもそものベースとなる色のズレを較正するものです。例えるならば、キャリブレーションが土台で、その上に建つ家が映像調整のようなもの。土台がしっかりしていないと、映像調整も適正に行えません」と語った。
■「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」策定
続いて鴻池氏は、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が本日発表した「ホームシアター映像 調整・環境ガイドライン」の内容を紹介した。ダウンロードはこちらから行える。
デジタルハイビジョン放送・コンテンツが普及し、一般家庭で手軽に高精細な映像が楽しめるようになっているが、各家庭での視聴条件にはばらつきがあり、設置された映像装置が100%の力を発揮できていない環境が多くある。
そこで、日本オーディオ協会およびデジタルホームシアター普及委員会が、ホームシアターの品質向上に関連する研究成果や知見を収集して整理し、「視距離」「画面輝度」「映像調整」「色温度設定」「映り込み軽減」の5項目について、環境に適した設置条件を示すガイドラインを策定した。これにより、より多くのユーザーに高品位な映像視聴体験を提供することを目的としている。
視距離につていは、一般的にディスプレイの高さの3倍(3H)が良いとされており、人間工学的にも3.9H〜5.9Hが“人間が視聴を快適に感じる距離”とされている。これに基づき、本ガイドラインでは、視距離から適正な画面サイズがわかる早見表も用意している。
セミナーでは鴻池氏の解説により、画面輝度は外光がある場合とない場合で条件が異なり、外光がある場合は時間帯によって調整値を変える必要があるため、テレビの自動調光をONにする必要があることや、スクリーンについては映画館の48カンデラが基準となることなども説明された。加えて、人間の目照明の色に応じて色温度の調整をする必要性も語られた。
映り込みの軽減については、「ディスプレイの向かいに窓がある」「ディスプレイの設置位置が部屋の上の方にある」など、映り込みが起こりやすい環境が示されている。
なお鴻池氏は「映画を観るときに“シネマモードにしよう”と調整する人が増えるだけでも万々歳です。映像モードが調整できることを多くの方に知って頂きたいと思います」とコメントし、「このガイドラインが全てではありません。映像をより良く楽しむ出発点として、このガイドラインを活用して頂きたいです」と語った。