• ブランド
    特設サイト
公開日 2024/05/22 11:19

<HIGH END>VERTERE、フォノEQ「CALON」&トーンアーム「SG-II PTA」を発表

MOC向かいの「MOTORWORLD」にもオーディオメーカーが出展
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ミュンヘン・ハイエンドの開催期間中は、メイン会場であるMOC以外にも近隣のホテルやイベントスペースでもオーディオショウが開催され活気を呼んでいる。ここでは、「MOTORWORLD」(その名の通りヴィンテージカーなどがたくさん展示された車好きには夢のような場所)にて開催されたVERTERE(ヴァルテレ)の新製品発表会などをレポートしよう。

MOTORWORLD内のイベントスペースにてVERTEREのプレスカンファレンスが開催

トラジ・モグハダム氏が主催するイギリスのオーディオブランドVERTEREは、今年は「MOTORWORLD」にブースを構え、プレスカンファレンスでは新たにフォノイコライザー「CALON」とトーンアーム「Super Groove II PTA」を発表した。

VERTERE主宰者のトラジ・モグハダム氏

「CALON」の開発背景についてトラジ氏は、「レコードの音溝から引き出された信号をいかに精度高く保存して、次の機器にきちんと受け渡すかを考えて開発しました」と語り、単体の性能だけではなく、レコードプレーヤーからスピーカーまで連なる一連のアナログ再生システムの中でのフォノイコライザーの役割を強調する。

VERTEREのフォノイコライザー「CALON」。ゲインやインピーダンス/負荷容量を細かく設定できる

CALONは非磁性体のステンレス筐体で構成されており、MM/MCカートリッジの両方に対応。3つのゲインステージで構成され、初段は+10dB/+20dBから選択可能なゲインステージで、RIAAカーブの調整もここで行われる。高域はパッシブ、低域はアクティブフィルターになっているとのこと。続けて0-8dBまで2dB刻みでゲインを調整できる(フロントパネルから調整可能)中段ステージがあり、最終増幅段に送られる。

サブソニックフィルターが搭載され、超低周波によるノイズを抑えるとともに、アンプ側に無駄な負荷をかけないことで、「スピーカーのポテンシャルをより引き出すことができます」と訴える。バランス出力にはフェーズインバーターも搭載し、レコードに合わせて設定が可能だ。

フロントパネルのスイッチで、MCカートリッジについてはインピーダンス、MMカートリッジについては負荷容量も細かく設定できるようになっている。なお、CALONはRCA入力のみで、バランス入力は搭載していない(出力はXLR端子あり)。その理由についても「グラウンドが関係してくるのはプリアンプ以降で、フォノイコライザーにバランス入力は不要と考えています」と明確だ。

CALONの背面端子。入力はRCAのみを搭載する

もうひとつのトーンアーム「Super Groove II PTA(SG-II PTA)」は、フラグシップである「Reference Tonearm」と、「Super Groove Precision Tonearm」の中間価格帯の製品として生み出されたモデル。

トーンアーム「Super Groove II PTA」を披露

トラジ氏によると、「基本的なジオメトリーはSG-1 PTAと大きく変わりませんが、内部配線やベアリングシステムなどをすべてアップデートして新設計しています」と説明する。航空グレードのシリコンとタングステン素材の3点ピボットのベアリングにより、ふらつきのない音溝からのピックアップを実現するという。

アームチューブは軽くて硬いカーボンファイバーで、ヘッドシェルはチタン製。アームチューブに取り付けられたステンレスリングは、ウェイトの調整をさらに精度高く行うためのものだという。

会場では、FMアコースティックのプリ&パワーアンプに、PMCのスピーカー「fenestria」を組み合わせてデモンストレーションを実施。SN感の良さは抜群で、楽器そのものが目の前で鳴っているかのような驚異的なリアリティを聴かせてくれる。アントニオ・フォルチオーネのアコースティック・ギターは切れ味抜群ながら余韻もリッチ。アンネ=ゾフィ・ムターのヴァイオリンは、演者が弦を擦るその一瞬前の空気感から生々しく捉え、ステージングを雄大に再現する。レコードの旨みをこれでもかと引き出してくるトラジ氏のマジックにすっかり魅了されてしまう。

アナログプレーヤーはRG-1、カートリッジはXtraX MCを組み合わせ

ほかにもMOTORWORLDではいくつかのオーディオブランドがブースを展開。スタジオモニターユースとしても知られるKii Audioは、アクティブ・ワイヤレススピーカー「Kii SEVEN」などを展示。シンプルな構成だが洗練されたオーディオ世界を表現しており、しばし聴き入ってしまった。LINKWITZスピーカーは平面バッフル+ウーファーをキャビネットに納める独特のデザインが特徴。

アクティブ・ワイヤレススピーカーでシンプルな展示を行うKii Audio

独特のバッフルデザインが特徴のLINKWITZ

ドイツのMARTION AUDIOSYSTEMEというブランドは、独特の“同軸ホーン”スピーカー「Aeonor」(アンプ内蔵のアクティブモデルとのこと)を展示していた。なかなか日本ではお目にかかれない珍しいスピーカーが味わえるのもミュンヘン・ショウならではの醍醐味だ。

MARTION AUDIOSYSTEMEの「同軸ホーン」スピーカー

MOTORWORLDは車好きにはたまらないヴィンテージカーがそこかしこに展示!

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

関連リンク

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「オーディオのオンキヨー」復活へ。新スピーカーとセパレートシステムを年明けのCESで発表
2 【完全ワイヤレスイヤホン特集 PART.10】音のプロが選ぶベストバイは?
3 CD再生とファイル再生の架け橋に!Shanlingからリッピング機能付きトランスポート「CR60」が登場
4 今こそ「ミニコンポ」が面白い! デノン/マランツ/B&Wの令和ライフにマッチする厳選5モデルレビュー
5 水月雨、『崩壊:スターレイル』とのコラボ完全ワイヤレス。ダイナミック+環状平面駆動の同軸ドライバー搭載
6 【ミニレビュー】空き電源コンセントに挿入するだけ。オーディオみじんこ「SILVER HARMONIZER AC-ADVANCE」
7 モニターオーディオ「GOLDシリーズ」レビュー。ユニット大幅刷新の第6世代機は「ハイスピードで焦点の明確な音調」
8 AVIOT、『らんま1/2』コラボ完全ワイヤレスイヤホン。完全新録ボイス240種類以上搭載
9 Nothing、スマホ/イヤホンが最大30%オフ価格になるウィンターキャンペーン。先着順で靴下もらえる
10 要注目の新興ブランド、ラトビア「アレタイ」スピーカー試聴レビュー!広大な空間描写力が魅力
12/20 10:05 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.195
オーディオアクセサリー大全2025~2026
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2025~2026
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.22 2024冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.22
プレミアムヘッドホンガイド Vol.32 2024 AUTUMN
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.32(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX