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公開日 2003/10/01 18:49
松下、ネット家電コンセプト説明会を開催〜ホームネットワーク新技術など発表
<左>説明を行う常務取締役の櫛木好明氏 <右>1セグ地上波受信モバイルのコンセプトモデルも展示 |
冒頭に同氏は、同社のこれまでの「家電のデジタル・ネットワーク化」について説明した。現在同社は、くらしに密着した“サービス”と“生活空間”をネットワークで結ぶ『eHII構想』の段階におり、ノンPCインターネット製品の製品数がPCの約5倍となるなど、ネット家電時代が始まっていると強調した。
同社はネット家電商品として「Tナビ対応テレビ」「ブロードバンドレシーバー内蔵DVDレコーダー」「ホームネットワークカメラ/ステーション」「くらしステーションと白物ネット家電」の4種類を柱として、ネットワーク機能を簡単かつ安心して使える製品、サービスを提供していくという。
また、「easy networking ideas」というコンセプトを掲げ、「夢・感動」「便利・快適」「安全・安心」「環境・共存」を実現する、ネットワークによる新生活を提案していく意向を示した。
さらに同社は、以上のネット家電を実現すべく、以下の技術発表を同時に行った。
1.100Mbpsネット家電向けIPv6モジュール
プログラムを格納するメモリサイズが小さく、また性能が低いCPUにも対応できる、IPv6による通信を行うためのソフトウェアと暗号処理ハードウェアからなるモジュール。通信速度は100Mbpsを実現している。
IPv6プロトコル処理のプログラムサイズを従来比1/3にコンパクト化(70KB)したため、白物家電からAV家電までの現在想定されるネット家電に搭載が可能だ。同社では2004年から、本モジュールを搭載したネット家電を実用化する予定だ。
2.ネット家電向けリアルタイム宅外制御技術「KEBAB」
外出先から携帯電話などのモバイル機器を使って、宅内にあるネット家電を簡単かつリアルタイムに制御できる技術。本技術は、HDD内蔵DVDビデオレコーダー「DIGA」や、ホームネットワーク家電システムの「くらしステーション」に既に実装されている。
本技術を使用することで、ルータなどの設定をせずに家電機器のインターネットの簡単接続を実現するほか、宅外からのリアルタイム機器操作やセキュリティ保持通信が可能となる。
説明回の最後に行われた質疑応答の内容を以下に掲載する。
Q.御社が参加している「CE Linuxフォーラム」の進捗状況は?
A.順調です。Linuxの開発をサポートする団体として機能を果たしています。
Q.マイクロソフトとトロンの協力体制に関しての松下の意向は?
A.OSは適材適所に使っていくというのが弊社のスタンスです。現在は成り行きを見守っていきたいと考えています。
Q.ネット家電の普及は、今後どうなっていくと予測しているか?
A.今後、テレビ・DVD・カーナビなどが加速していくと予想しています。99年に携帯電話で始まったiモードをステップ1とすれば、ステップ2、3はAV機器、白物家電と続くと考えています。
Q.現在の松下製デジタル家電の搭載OSの比率は?
A.大部分はトロンで、カー製品はWindows CE。Linuxは今後取り入れていく予定で、同OSには大変期待しています。
Q.アメリカで起こっているLinuxの訴訟について、懸念することは?
A.特にありません。今しばらくは静観していきたいと思います。CE Linuxの開発に手を緩めるつもりはありません。
Q.簡単・安全の「KEBAB」が完成したが、IPv6の開発に意味はあるのか?
A.IPv6はv4に比べ、設置・接続が簡単、セキュリティが強いなど、大きなメリットがあるので順次切り換えていきたいと考えています。
Q.現在の松下のネット家電製品の売り上げの割合は?
A.大半は携帯電話です。家電のネット接続が普及してきた時のニーズ次第で今後変わっていくと思います。
Q.今後、技術開発費はどうしていく予定か?
A.十分に確保するようにしていくつもりだが、大幅に増やす必要はないと思っています。
(Phile-web編集部)