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公開日 2004/06/10 11:52
<本日発売>会田肇のソニーHDD AVナビシステム「XYZ(ジィーゼット)」体験レポート〜Part.2〜
タッチパネルと新開発「デュアルジョグリモコン」で快適な操作が可能だ |
今回は「XYZ」の魅力をカーオーディオ評論のスペシャリストである会田肇氏にいち早く体験していただいた。前回Part.1に引き続き、本機の備える魅力のすべてを会田氏のレポートによりお伝えしていこう。
ソニーのHDD AVナビシステム「XYZ [zi:zet]」シリーズ 新登場
車とホームシアターを結ぶ「XYZ(ジィーゼット)」シリーズの優れたポータビリティ
XYZの本体はポータビリティあふれる一体型となっている。つまり、クルマと家を行き来できるカーナビとして新たな使い方を提案し、実現しているのだ。その魅力をもっとも活かしたのがPCとのリンクである。ホームステーションを使うことで、USB(2.0対応)経由でPCに保存したTV番組や音楽データの転送を可能にしているのだ。
映像はMPEG1とMPEG2の二つのフォーマットに対応し、VGAモニターの搭載もあって、特に地図と同時に表示する子画面表示時の美しさは格別。今まで、どうして録画したTV番組がカーナビで見られなかったのか、不思議に感じてしまうほどだ。また、音楽データについてはATRAC3、ATRAC3+、そしてMP3の3つのフォーマットに対応する。もっとも簡単な転送方法は付属のアプリケーション「SonicStage」を使うことだが、転送時間としてはMP3で行うのがもっとも早くできるようだ。USBで接続したXYZは一つのドライブとして認識されるので、映像と音楽データはPC画面上でドラッグするだけで簡単に転送が終了する。強いて難しいことと言えば、転送するデータを探し出して転送元に移す作業ぐらい。また、PC上に不要な地図データを移しておいて、映像や音楽のために領域を増やすことも可能。これによって、30GBの限られたHDDをより有効に活用できるようになったのだ。
「XYZ(ジィーゼット)」ならどこでもインターネットが自由自在に楽しめる
本体にカードスロット用意したことで、通信カードや無線LANカードのセットアップを可能にしていることは前に述べた。この通信カードについて動作確認が取れているのはDDIポケットの「Air H"」※註で、この場合「Air H"」の定額制プランが魅力だが、通信速度は32kbpsしか出せない。これではネット接続するには少々つらいものがある。プランの中には128kbpsもあるが、これだと今度は接続時間が気になってしまう。
NTTドコモの「@FreeD」なら64kbpsで定額制があるので、できるならこのプランが良いと思うのだが、残念ながらNTTドコモの「@FreeD」については今のところ動作はメーカーの保証外である。今回試験的にNTTドコモの「P-in m@ster」を使ってテストしたところ、無事に接続ができたところをみると「@FreeD」でも接続は問題なさそうにも思う。一方、無線LANについては環境さえ整っていれば自由にインターネットへの接続が可能になる。PCに比べれば起動時間も早く、手軽なインターネットビュワーとして使うことができる。手元に置いて使い方はどんどん広がるのがXYZなのだ。
※註 メーカーで動作確認がとれている機種は「AH-N401C」「CEF-02」「AH-H403C」「AH-S405C」の4機種
カーナビを超えた「XYZ(ジィーゼット)」のモバイルエンタテインメント
この夏、カーAV機能を備えたカーナビゲーションは数多く登場した。そのほとんどはDVDビデオが見られ、CDをそのまま録音する機能を備えている。ところが、XYZにはこのどちらも備えられていない。あくまでPCとリンクすることではじめてAV機能がXYZで楽しめることになっているのだ。その意味で、XYZをフルに楽しむのであればPCとセットで使うことが大前提となる。USB2.0への対応もあり、プラグ&プレイで楽しめるので扱いにくさは一切ないし、一度操作を把握してしまえば、その使い心地に快適さをおぼえてしまうほど。
仮に、カーナビとして使うことをメインにXYZ55のセットを買ったとしても、オプションとして必要なユニットが取り揃えられるのがいい。カーナビとしての高精細な地図表示に大きな魅力を感じるし、ポータブルナビとしての使い方もできる。XYZはまさにカーナビを超える新しい使い方を提供してくれるモバイルグッズとなることは間違いない。
(取材/文 会田 肇)