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公開日 2005/07/21 18:24
パイオニア新プラズマ発表会レポート「究極のXGAパネルを実現した自信作」
別項でお伝えしたように、パイオニア(株)は、同社第6世代となるプラズマテレビ“ピュアビジョン”シリーズの新製品3機種を発表した。ここでは、本シリーズの発表会の模様をお伝えしよう。
発表会の冒頭にあいさつした同社社長の伊藤周男氏は、プラズマの世界市場規模について、2009年には1,500万台の規模に達すると予想。今年度は560万台の市場規模を見込み、同社では80万台の出荷を目標としている。拡大する市場で戦っていくため、NECプラズマ事業との統合を進めているほか、7月1日にパイオニアマーケティングを発足させ、販売チャネルの強化、製品アピールの強化を行っていると語った。
また伊藤社長は、「最近プラズマの旗色が悪いという論調があるようだが、どこを見て言っているのか」と強い口調で述べ、「自宅でパイオニアのプラズマを使って星空の映像などを見ることがあるが、星の数が非常に多く表示され、深みのある黒が表現できている」と画質面での優位性をアピール。「優れた色再現性やコントラストなど、プラズマならではのメリットは多い」。また、液晶テレビの方が消費電力が低いというイメージについても「そんなことは決してない」と真っ向から否定。「新モデルでは定格電力、年間消費電力ともに液晶テレビの最新モデルより低い」とした。
また、PDPパネルのフルHD化についても言及。「現在開発中で、今年のCEATECか来年初めのInternational CESで試作機を見せられると思う。販売は来年のワールドカップに間に合わせたい」と述べた。
伊藤社長は最後に、「パイオニアはPDPの先駆者。開発期間20年、商品化してから8年、計28年間の経験の蓄積をすべて投入したのが今回の新製品だ」と製品の出来栄えに強い自信を示した。
続いて、同社常務取締役でPDP開発センター所長の佐藤陽一氏が登壇。同氏はまず、これまでのパイオニアのプラズマ技術の歴史を紹介し、ダイレクトカラーフィルターやディープワッフルリブ、ブラックストライプ、高xeガスなど同社独自技術の概要と利点を説明した。
今回の新シリーズの技術的ハイライトである「高純度クリスタル層」については、フルHDパネルを開発する中で発見し、実用化に至ったものだという。高純度クリスタル層で可能になった1Wあたり2.2ルーメンという発光効率の良さは、パネルの高精細化を進める上でも大きな前進になるのだという。
佐藤常務は今回の新製品を「究極のXGAパネルを実現した自信作」と表現。プラズマと液晶の比較では、「動画解像度」という新たな評価基準を持ち出し、「液晶は、静止状態では確かに解像度は高いが、少しでも映像が動くととたんに解像度が落ち、SD解像度以下になる。プラズマは応答速度が速いので映像が動いていても解像度が落ちにくい」と説明した。
コントラストについても「一般的なリビングの明るさで見るとプラズマの方がはるかにコントラスト感が高い」と説明。さらに視野角についても「今の測定基準ではほとんどの液晶テレビが150度以上の視野角を持っているが、実際の視聴では実用的でないという研究結果もある」とし、この点でもプラズマが勝っていると説明した。同氏はPDPと液晶の総合比較チャートを紹介し、PC用途や店頭でのデモのほか、ほぼすべてでPDPの方が上回っていると主張した。
商品の特徴については、プラズマディスプレイカンパニー商品企画部長の佐久間康雄氏が説明。佐久間氏は、「パイオニアの新技術や顧客サービスに対して数々の賞が贈られている」とし、製品技術の面でファインテック・ジャパンの「アドバンスト・ディスプレイ・オブ・ザ・イヤー2005」を受賞したこと、日経ビジネスのアフターサービス調査で、薄型テレビ部門の満足度ナンバーワンになったことなどを説明した。
発表会場では、様々なスタイルで製品の展示が行われ、他社製液晶テレビやプラズマテレビとの比較デモも見ることができた。3モデルを並べての消費電力表示デモでは、今回の新製品がほぼすべての場面で最低の消費電力であることが示された。また、照明を落として夜空に浮かぶ月を映し出すシーンでは、液晶に比べて格段に引き締まった黒が表示できることはもちろん、「他社製プラズマテレビでは黒が青っぽく表示されているが、ピュアビジョンでは真っ黒が実現できている」と説明。
さらに別室には、動画解像度をアピールするデモも用意。スクロールするモノスコチャートを表示し、動画ボケが少ないプラズマの利点をアピールしていたほか、ダイレクトカラーフィルターにより二重映りがないメリットも強調されていた。
(Phile-web編集部)
発表会の冒頭にあいさつした同社社長の伊藤周男氏は、プラズマの世界市場規模について、2009年には1,500万台の規模に達すると予想。今年度は560万台の市場規模を見込み、同社では80万台の出荷を目標としている。拡大する市場で戦っていくため、NECプラズマ事業との統合を進めているほか、7月1日にパイオニアマーケティングを発足させ、販売チャネルの強化、製品アピールの強化を行っていると語った。
また伊藤社長は、「最近プラズマの旗色が悪いという論調があるようだが、どこを見て言っているのか」と強い口調で述べ、「自宅でパイオニアのプラズマを使って星空の映像などを見ることがあるが、星の数が非常に多く表示され、深みのある黒が表現できている」と画質面での優位性をアピール。「優れた色再現性やコントラストなど、プラズマならではのメリットは多い」。また、液晶テレビの方が消費電力が低いというイメージについても「そんなことは決してない」と真っ向から否定。「新モデルでは定格電力、年間消費電力ともに液晶テレビの最新モデルより低い」とした。
また、PDPパネルのフルHD化についても言及。「現在開発中で、今年のCEATECか来年初めのInternational CESで試作機を見せられると思う。販売は来年のワールドカップに間に合わせたい」と述べた。
伊藤社長は最後に、「パイオニアはPDPの先駆者。開発期間20年、商品化してから8年、計28年間の経験の蓄積をすべて投入したのが今回の新製品だ」と製品の出来栄えに強い自信を示した。
続いて、同社常務取締役でPDP開発センター所長の佐藤陽一氏が登壇。同氏はまず、これまでのパイオニアのプラズマ技術の歴史を紹介し、ダイレクトカラーフィルターやディープワッフルリブ、ブラックストライプ、高xeガスなど同社独自技術の概要と利点を説明した。
今回の新シリーズの技術的ハイライトである「高純度クリスタル層」については、フルHDパネルを開発する中で発見し、実用化に至ったものだという。高純度クリスタル層で可能になった1Wあたり2.2ルーメンという発光効率の良さは、パネルの高精細化を進める上でも大きな前進になるのだという。
佐藤常務は今回の新製品を「究極のXGAパネルを実現した自信作」と表現。プラズマと液晶の比較では、「動画解像度」という新たな評価基準を持ち出し、「液晶は、静止状態では確かに解像度は高いが、少しでも映像が動くととたんに解像度が落ち、SD解像度以下になる。プラズマは応答速度が速いので映像が動いていても解像度が落ちにくい」と説明した。
コントラストについても「一般的なリビングの明るさで見るとプラズマの方がはるかにコントラスト感が高い」と説明。さらに視野角についても「今の測定基準ではほとんどの液晶テレビが150度以上の視野角を持っているが、実際の視聴では実用的でないという研究結果もある」とし、この点でもプラズマが勝っていると説明した。同氏はPDPと液晶の総合比較チャートを紹介し、PC用途や店頭でのデモのほか、ほぼすべてでPDPの方が上回っていると主張した。
商品の特徴については、プラズマディスプレイカンパニー商品企画部長の佐久間康雄氏が説明。佐久間氏は、「パイオニアの新技術や顧客サービスに対して数々の賞が贈られている」とし、製品技術の面でファインテック・ジャパンの「アドバンスト・ディスプレイ・オブ・ザ・イヤー2005」を受賞したこと、日経ビジネスのアフターサービス調査で、薄型テレビ部門の満足度ナンバーワンになったことなどを説明した。
発表会場では、様々なスタイルで製品の展示が行われ、他社製液晶テレビやプラズマテレビとの比較デモも見ることができた。3モデルを並べての消費電力表示デモでは、今回の新製品がほぼすべての場面で最低の消費電力であることが示された。また、照明を落として夜空に浮かぶ月を映し出すシーンでは、液晶に比べて格段に引き締まった黒が表示できることはもちろん、「他社製プラズマテレビでは黒が青っぽく表示されているが、ピュアビジョンでは真っ黒が実現できている」と説明。
さらに別室には、動画解像度をアピールするデモも用意。スクロールするモノスコチャートを表示し、動画ボケが少ないプラズマの利点をアピールしていたほか、ダイレクトカラーフィルターにより二重映りがないメリットも強調されていた。
(Phile-web編集部)