HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース
公開日 2006/05/25 19:57
未来の放送技術が集結 − 「NHK技研公開2006」会場レポート(2)
NHK放送技術研究所の公開展示が、本日25日(木)から28日(日)まで開催されている。レポート(1) に続き、その他の注目技術をレポートする。
■過去の番組をVOD配信するサーバー型サービス
入り口を入ってすぐの1回の展示スペースでは、「サーバー型サービス」のデモを大々的に展示。NHKが準備を進めるサーバー型サービスの概要を、とある家族が使うという設定で説明している。
本サービスは、NHKのサーバーに蓄積されたコンテンツをインターネットを使って家庭のテレビで視聴できるというもので、過去一週間に見逃した番組やNHKアーカイブスのコンテンツをオンデマンド方式で提供する。サービスの利用には専用の受信機が必要となる。
サービスのポータル画面には各メニューがわかりやすく表示され、リモコン操作で目的の番組を検索し購入する。同ジャンルの番組をまとめた「NHKセレクション」は、好みのものをポータル画面に表示設定し、いつでも直接アクセスできるようになっている。
検索した各番組には、購入ボタンと試写ボタンが用意されており、購入を選択すると購入する映像のフォーマットを選択する画面に移る。ここでは受信機用、光ディスク、携帯端末の3種類が用意されており、選択するとダウンロードが開始される。
ダウンロードしたコンテンツの視聴制限に関しては様々な検討が行われている。受信機のHDDにダウンロードしたコンテンツに関してはディスクメディアにコピー可能とし、家庭内においてのみ視聴ができるようにしたり、メモリーカードに移し携帯端末で視聴する場合は通信を利用してライセンスを取得する仕組みを取り入れるなど、高い利便性とコンテンツ保護の両立を目指して開発を進めているという。
説明員によれば「2007年度中(2008年3月まで)にサービスを開始したいと思っている」とのことで、民放各局にもサービスへの参加を呼びかけているという。
■デジタル放送の再送信技術
地上デジタル放送の電波が直接届かない場所に、同軸ケーブルや光ファイバーで放送を伝送する技術を紹介。
「IPマルチキャスト」は、IP通信インフラを放送と通信で供用することで、視聴するテレビ放送とインターネットを1本の有線回線で実現するもの。中継地点であるIP再送信設備でデータに暗号化をかけることでセキュリティの強化を図っているほか、誤り訂正情報を付加することで高品位な伝送を可能にする。
また「光波長多重方式」は、放送専用回線を設けることで全てのチャンネルを配信する技術。光ファイバーの広帯域性という特長を活かし、通信に影響されない安定した伝送を実現する。
■家庭でのスーパーハイビジョンを実現するPDP & 冷陰極ディスプレイ
7,680×4,320ドットという、スーパーハイビジョンの超高精細映像を家庭内のディスプレイで再生するために開発を進めているのが、高精細プラズマディスプレイパネル(PDP)と高精細冷陰極ディスプレイ。
展示されたPDPの試作機は、画素ピッチ0.3×0.3mm、画素数192×160の小型モデル。パネルの封入ガス圧力を高めることで画素ピッチを小さくすることに成功しており、同じ画素サイズでスーパーハイビジョンのディスプレイをつくると103インチに収まる計算だ。
展示された冷陰極ディスプレイは、SEDと同様の技術を使ったディスプレイ。各画素に電子源を持っており、試作品は1.6インチで192×192ドットという高精細な映像を映し出した。
■フレキシブル ディスプレイ
薄くて軽く、丸めて持ち運びができるディスプレイ。インクジェット法でRGBの燐光材料を基盤に付着させた「フレキシブル有機ELディスプレイ」の試作品は5インチ、128(RGB)×72の解像度を実現している。また、昨年の技研公開にも出品されたA4サイズの「フレキシブルフィルム液晶ディスプレイ」も展示。96×64の画素数はそのままだがコントラストを改善したのだという。
■小型ハイビジョンカメラを目指す有機撮像デバイス
光電変換膜に有機材料を使用した有機撮像デバイス。特定の色だけに感度を持つ有機材料の特徴を利用しすることで、プリズムを使わずに3原色の分離が可能となり、カメラの小型・軽量化を実現することが可能となる。
【イベント概要】
●イベント名:NHK技研公開2005
●日時:5月25日(木)〜28日(日)
午前10:00〜午後5:00
(入場は午後4:30まで)
●会場:NHK 放送技術研究所
東京都世田谷区砧1-10-11
(Phile-web編集部)
■過去の番組をVOD配信するサーバー型サービス
入り口を入ってすぐの1回の展示スペースでは、「サーバー型サービス」のデモを大々的に展示。NHKが準備を進めるサーバー型サービスの概要を、とある家族が使うという設定で説明している。
本サービスは、NHKのサーバーに蓄積されたコンテンツをインターネットを使って家庭のテレビで視聴できるというもので、過去一週間に見逃した番組やNHKアーカイブスのコンテンツをオンデマンド方式で提供する。サービスの利用には専用の受信機が必要となる。
サービスのポータル画面には各メニューがわかりやすく表示され、リモコン操作で目的の番組を検索し購入する。同ジャンルの番組をまとめた「NHKセレクション」は、好みのものをポータル画面に表示設定し、いつでも直接アクセスできるようになっている。
検索した各番組には、購入ボタンと試写ボタンが用意されており、購入を選択すると購入する映像のフォーマットを選択する画面に移る。ここでは受信機用、光ディスク、携帯端末の3種類が用意されており、選択するとダウンロードが開始される。
ダウンロードしたコンテンツの視聴制限に関しては様々な検討が行われている。受信機のHDDにダウンロードしたコンテンツに関してはディスクメディアにコピー可能とし、家庭内においてのみ視聴ができるようにしたり、メモリーカードに移し携帯端末で視聴する場合は通信を利用してライセンスを取得する仕組みを取り入れるなど、高い利便性とコンテンツ保護の両立を目指して開発を進めているという。
説明員によれば「2007年度中(2008年3月まで)にサービスを開始したいと思っている」とのことで、民放各局にもサービスへの参加を呼びかけているという。
■デジタル放送の再送信技術
地上デジタル放送の電波が直接届かない場所に、同軸ケーブルや光ファイバーで放送を伝送する技術を紹介。
「IPマルチキャスト」は、IP通信インフラを放送と通信で供用することで、視聴するテレビ放送とインターネットを1本の有線回線で実現するもの。中継地点であるIP再送信設備でデータに暗号化をかけることでセキュリティの強化を図っているほか、誤り訂正情報を付加することで高品位な伝送を可能にする。
また「光波長多重方式」は、放送専用回線を設けることで全てのチャンネルを配信する技術。光ファイバーの広帯域性という特長を活かし、通信に影響されない安定した伝送を実現する。
■家庭でのスーパーハイビジョンを実現するPDP & 冷陰極ディスプレイ
7,680×4,320ドットという、スーパーハイビジョンの超高精細映像を家庭内のディスプレイで再生するために開発を進めているのが、高精細プラズマディスプレイパネル(PDP)と高精細冷陰極ディスプレイ。
展示されたPDPの試作機は、画素ピッチ0.3×0.3mm、画素数192×160の小型モデル。パネルの封入ガス圧力を高めることで画素ピッチを小さくすることに成功しており、同じ画素サイズでスーパーハイビジョンのディスプレイをつくると103インチに収まる計算だ。
展示された冷陰極ディスプレイは、SEDと同様の技術を使ったディスプレイ。各画素に電子源を持っており、試作品は1.6インチで192×192ドットという高精細な映像を映し出した。
■フレキシブル ディスプレイ
薄くて軽く、丸めて持ち運びができるディスプレイ。インクジェット法でRGBの燐光材料を基盤に付着させた「フレキシブル有機ELディスプレイ」の試作品は5インチ、128(RGB)×72の解像度を実現している。また、昨年の技研公開にも出品されたA4サイズの「フレキシブルフィルム液晶ディスプレイ」も展示。96×64の画素数はそのままだがコントラストを改善したのだという。
■小型ハイビジョンカメラを目指す有機撮像デバイス
光電変換膜に有機材料を使用した有機撮像デバイス。特定の色だけに感度を持つ有機材料の特徴を利用しすることで、プリズムを使わずに3原色の分離が可能となり、カメラの小型・軽量化を実現することが可能となる。
【イベント概要】
●イベント名:NHK技研公開2005
●日時:5月25日(木)〜28日(日)
午前10:00〜午後5:00
(入場は午後4:30まで)
●会場:NHK 放送技術研究所
東京都世田谷区砧1-10-11
(Phile-web編集部)