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公開日 2007/12/03 13:42

折原一也が「スター・チャンネル HV」の実力をチェック − ビットレートは地デジ並み

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2007年12月1日、BSデジタル放送に新たな展開があった。民放の無料放送に「BSデジタル11」「TwellV(トゥエルビ)」が新規参入し、有料放送の「スター・チャンネル」も「スター・チャンネル ハイビジョン」としてリニューアルした。既にテレビやデジタルレコーダーの番組表で新顔を見つけた人も数多くいることだろう。

番組ラインナップにも、それぞれ個性がある。新規参入の「BSデジタル11」は家電量販店ビックカメラなどを中心とした日本BS放送による運営で、団塊世代を中心に、30代以上の大人をターゲットとして番組を編成する。『機動戦士ガンダム』『トップをねらえ!』など強力なアニメラインナップや、独自編成のドキュメンタリーなどに期待できそうだ。

「TwellV(トゥエルビ)」(BS12チャンネル)は三井物産が100%出資する子会社による運営。日中と深夜時間帯にテレビ通販の「QVCジャパン」を放送して、旅行番組番組や海外コンテンツなどが揃っている。

今回放送の3局。番組表ではWOWOWの次に表示される

チャンネルはリモコン上で「スター・チャンネル ハイビジョン」が10ch、「BSデジタル11」が11ch、「TwellV(トゥエルビ)」が12chだ

●AVファンの注目は映画専用チャンネルの「スター・チャンネル」

AVファンの期待が集まるのは、やはり映画専門チャンネルの「スター・チャンネル ハイビジョン」だ。BS放送で初めて全作品「ピュアハイビジョン」の映画放送を打ち出し、5.1chデジタルサラウンド放送を行う、高画質映画専用チャンネルとして生まれ変わった。

実際の契約形態は、今回開始した「スター・チャンネル ハイビジョン」と、従来の110度CS放送のリニューアルとなる24時間吹き替え映画専門の「スター・チャンネル プラス」、従来の「スターチャンネル クラシック」とのセット契約となり、これら3チャンネルを月額視聴料1,890円ですべて見ることができる。

さて、新規放送のスタートとなれば、やはり気になるのは放送の画質とビットレートだ。筆者は放送開始のサービスで行われた12月1日、12月2日の放送を視聴・録画したので簡単なインプレッションをお届けしよう。

12月1日、2日は大々的に無料放送が行われた。ただ、録画した番組を観ても加入案内が表示される機器もあったのがやや残念

●「スター・チャンネル ハイビジョン」の実力と活用法

今回視聴したのは、無料放送から録画した『スピード』『レディ・イン・ザ・ウォーター』『ユー・ガット・メール』『インサイド・マン』など全6作品。WOWOWとのクオリティ差が気になるところだが、今回は厳密に同一作品を用意して比較することはできなかった。ただし、BD-ROM版で見たことがある『スピード』は、一見してやや解像感が甘いように見えたが、ソースの質は地上デジタル放送と比べると良好で、『インサイド・マン』の解像度志向の映像は見応えを感じた。WOWOWと同一作品で比べたらどういう結果が出るか興味深い。

録画した映像は著作権保護の観点から直接はお見せできないがBDZ-V9で録画して視聴を行った

この疑問はBDへのアーカイブを行って氷解した。スター・チャンネルの、少なくとも今回の放送分はビットレートがやや低めなようで、『インサイド・マン』(2時間11分)で14.1GB、『レディ・イン・ザ・ウォーター』(1時間52分)で10.2GB、『スピード』(1時間53分)で13.1GBしか、それぞれ容量を必要としない。ビットレートは作品ごとに幅があるが、おおむね15Mbps〜19Mbps程度という計算になる。これは、WOWOWの平均ビットレート23Mbps〜25Mbps程度と比べて低く、その差が画質に反映されていると考えられる。

もっとも、ある程度ビットレートが低いことには、録画時間を稼げるというメリットがある。筆者が使っているBDZ-V9は、1層25GBのBDしか使えず、MPEG4 AVC録画もできないが、今回録画した『ユー・ガット・メール』『レディ・イン・ザ・ウォーター』2作品を、まとめて1層25GBのディスク1枚に収めることができた。アーカイブ化の際のコストを抑えられるのは嬉しいポイントだ。

約2時間の映画2時間を1層25GBのBD1枚に収録。前後の番宣などを全くカットしていない状態でもダビングできた

●映画専用チャンネルとして12月から年末年始のラインナップにも期待

「スター・チャンネル ハイビジョン」では今後、「ハイビジョンで観たい 映画史に輝くベストフィルム」として『JAWS/ジョーズ』『ウェスト・サイド物語』『ダイ・ハード』『史上最大の作戦』『ダヴィンチ・コード』など様々な作品の放映を予定している。

HDクオリティの映画を大量にアーカイブしたい人にとって、映画専用で、手軽にアーカイブできるチャンネルの存在はありがたい。現在、BSデジタル10chの「スター・チャンネル ハイビジョン」にチャンネルを合わせると、16日無料体験の申し込みが表示されるので、まずは試しに登録してみて、名作を無料で楽しみながらアーカイブに値するクオリティか確認してみると良いだろう。

(折原一也)

執筆者プロフィール
埼玉県出身。コンピューター系出版社編集職を経た後、フリーライターとして雑誌・ムック等に寄稿し、現在はデジタル家電をはじめとするAVに活動フィールドを移す。PCテクノロジーをベースとしたデジタル機器に精通し、AV/PCを問わず実用性を追求しながら両者を使い分ける実践派。

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