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公開日 2008/01/28 17:49
篠田プラズマ、新型PDPの量産に向け3社と業務提携 − 08年後半にパネルを出荷
篠田プラズマ(株)は、大画面フィルム型ディスプレイ「プラズマチューブアレイ(PTA)」の事業基盤強化のため、(株)アルバック、藤森工業(株)、大電(株)の3社とのアライアンス体制を構築すると発表した。
今回の提携で篠田プラズマは、PTAの開発について各企業と技術協力を行っていくほか、3社から出資を受け、生産体制の強化を図る。
PTAは、“プラズマテレビの父”とも呼ばれる同社代表取締役会長 篠田傳氏が研究開発を進めているプラズマディスプレイ技術。蛍光体を塗布し、放電ガスを封入した直径1mm×長さ1mのガラスチューブを並べることでディスプレイを形成するプラズマディスプレイパネルで、大画面化や折り曲げが可能なほか、軽量、省電力を実現するのが特徴だ。パネルは1m×1mのモジュールとして生産され、使用用途に応じて3×2mや6×3mといったサイズに組み合わせて製品化される。主に、広告用や展示会用、公共機関やアミューズメント施設などがターゲットとなる。
本日同社は記者会見を開催。会見には篠田傳氏のほか、アルバックの山川洋幸専務取締役、藤森工業の飯島崇夫常務取締役が出席し、今回の提携について説明した。
■ 篠田プラズマ 篠田氏
今回の提携について説明を行ったのは篠田氏。2005年に同社を設立し研究開発を進めてきたPTAは、昨年のCEATECで高い評価を得ることができ、08年上半期の量産開始に向け準備を進めているという。
篠田氏は、「液晶やプラズマなど、ディスプレイの成功にはそれぞれの『入り口市場』があった。PTAは“公衆向け”で“100インチ以上”という、今後拡大が見込まれる市場を参入の入り口とすることで、成功すると考えている」と説明。曲面表示の優位性や、大型ながら軽量で小消費電力であることをアピールした。また生産のプロセスが簡単で、製造工場が小規模に抑えられる点もPTAの特徴であると説明した。
パネルは、08年上期に量産を開始し、08年下期にはセットメーカーに出荷していく予定。篠田氏は「セットメーカー次第だが、来年度後半から再来年度前半ころには製品として発売されるのではないか」と説明した。
今回提携・出資を行った各企業の詳細は以下の通り。
■ アルバック 製造装置の開発
アルバックはPTAの製造装置について篠田プラズマと技術協力を行うほか、1億円の出資を行う。同社は他方式のディスプレイの製造装置も手がけており、売り上げの約半分がフラットパネルディスプレイ関連の企業だ。山川氏は「“新しいものを創出する”というアルバックの社風と、篠田プラズマの方向性とマッチした。篠田氏の熱意についていきたいと思っている。また、PTAによって広告の新しいかたちが生まれると思う。その新しい変化に携わっていきたい」と前向きな姿勢を見せた。
■ 藤森工業 電極フィルムの開発
藤森工業は、PTAのガラスチューブを挟み込む「電極フィルム」に関する技術協力を行う。出資は5,000万円。同社は「機能材料」を主に扱う企業で、PTAに対しては「PDP用光学フィルター」の技術を提供する。同フィルターはディスプレイの表面に使用するもので、独自の技術により、光の反射の軽減やクリアな映像表示を可能にしているという。
■ 大電 蛍光体の開発
大電は蛍光体の開発で技術協力を行うとともに、4,000万円の出資を行う。同社からの説明は行われなかったが、代表取締役社長 森昭典氏から「PTAにより新たな映像文化を築いていけると思う」というコメントが寄せられた。
なお篠田プラズマは今後、製品開発面や販売面でのアライアンス体制の構築も行っていく予定。製品開発面では電機メーカーとの調整を進めているという。
記者会見で行われた質疑応答の主な内容は以下の通り。
Q.モジュールは「1mmチューブで1m×1m」だが、それ以上の解像度やサイズが必要では?
A.これは篠田プラズマのフィロソフィーだ。小さな設備で効率よく作れる。まずは、これまでにない市場でしっかりした技術に育てることが先決。それから成長していきたいとおもう。「150インチでハイビジョン表示」を第一目標にやっていく。高解像度化も考えており、アイデアはある。
Q.価格は?
A.150インチクラスの場合、LEDより安価に提供していきたいが、数千万円になると思う。
Q.昨年竣工した工場の生産能力は?
A.3×2mサイズを基準にすると200台くらいが最大。市場を見ながら拡大していきたいと思っている。
Q.出資の時期は?
A.大電はすでに出資を頂いている。その他は2月をめどに出資いただく予定だ。3社で約2億円で、全体の10%弱となる。
Q.篠田プラズマの役割は?
A.ガラスチューブ、モジュール、駆動回路などの開発・製造を行う。
Q.蛍光材料は従来のPDPと異なる?
A.ほとんど同じだ。駆動回路に関しては従来のものを使用できるよう設計している。
(Phile-web編集部)
今回の提携で篠田プラズマは、PTAの開発について各企業と技術協力を行っていくほか、3社から出資を受け、生産体制の強化を図る。
PTAは、“プラズマテレビの父”とも呼ばれる同社代表取締役会長 篠田傳氏が研究開発を進めているプラズマディスプレイ技術。蛍光体を塗布し、放電ガスを封入した直径1mm×長さ1mのガラスチューブを並べることでディスプレイを形成するプラズマディスプレイパネルで、大画面化や折り曲げが可能なほか、軽量、省電力を実現するのが特徴だ。パネルは1m×1mのモジュールとして生産され、使用用途に応じて3×2mや6×3mといったサイズに組み合わせて製品化される。主に、広告用や展示会用、公共機関やアミューズメント施設などがターゲットとなる。
本日同社は記者会見を開催。会見には篠田傳氏のほか、アルバックの山川洋幸専務取締役、藤森工業の飯島崇夫常務取締役が出席し、今回の提携について説明した。
■ 篠田プラズマ 篠田氏
篠田氏は、「液晶やプラズマなど、ディスプレイの成功にはそれぞれの『入り口市場』があった。PTAは“公衆向け”で“100インチ以上”という、今後拡大が見込まれる市場を参入の入り口とすることで、成功すると考えている」と説明。曲面表示の優位性や、大型ながら軽量で小消費電力であることをアピールした。また生産のプロセスが簡単で、製造工場が小規模に抑えられる点もPTAの特徴であると説明した。
パネルは、08年上期に量産を開始し、08年下期にはセットメーカーに出荷していく予定。篠田氏は「セットメーカー次第だが、来年度後半から再来年度前半ころには製品として発売されるのではないか」と説明した。
今回提携・出資を行った各企業の詳細は以下の通り。
■ アルバック 製造装置の開発
■ 藤森工業 電極フィルムの開発
藤森工業は、PTAのガラスチューブを挟み込む「電極フィルム」に関する技術協力を行う。出資は5,000万円。同社は「機能材料」を主に扱う企業で、PTAに対しては「PDP用光学フィルター」の技術を提供する。同フィルターはディスプレイの表面に使用するもので、独自の技術により、光の反射の軽減やクリアな映像表示を可能にしているという。
■ 大電 蛍光体の開発
大電は蛍光体の開発で技術協力を行うとともに、4,000万円の出資を行う。同社からの説明は行われなかったが、代表取締役社長 森昭典氏から「PTAにより新たな映像文化を築いていけると思う」というコメントが寄せられた。
なお篠田プラズマは今後、製品開発面や販売面でのアライアンス体制の構築も行っていく予定。製品開発面では電機メーカーとの調整を進めているという。
記者会見で行われた質疑応答の主な内容は以下の通り。
Q.モジュールは「1mmチューブで1m×1m」だが、それ以上の解像度やサイズが必要では?
A.これは篠田プラズマのフィロソフィーだ。小さな設備で効率よく作れる。まずは、これまでにない市場でしっかりした技術に育てることが先決。それから成長していきたいとおもう。「150インチでハイビジョン表示」を第一目標にやっていく。高解像度化も考えており、アイデアはある。
Q.価格は?
A.150インチクラスの場合、LEDより安価に提供していきたいが、数千万円になると思う。
Q.昨年竣工した工場の生産能力は?
A.3×2mサイズを基準にすると200台くらいが最大。市場を見ながら拡大していきたいと思っている。
Q.出資の時期は?
A.大電はすでに出資を頂いている。その他は2月をめどに出資いただく予定だ。3社で約2億円で、全体の10%弱となる。
Q.篠田プラズマの役割は?
A.ガラスチューブ、モジュール、駆動回路などの開発・製造を行う。
Q.蛍光材料は従来のPDPと異なる?
A.ほとんど同じだ。駆動回路に関しては従来のものを使用できるよう設計している。
(Phile-web編集部)