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公開日 2008/09/10 17:40

「ハイビジョン=ソニーを不動のものに」− ソニーマーケティング宮下社長が語る年末商戦の“鍵”

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ソニー(株)は、特約店に向けた新商品の内覧展示会“ソニーディーラーコンベンション2008”を本日開催し、新製品の発表などを行った。

コンベンションはまず首脳陣による会見からスタート。会見には、ソニーマーケティング(株)代表取締役社長の宮下次衛氏と同取締役副社長の栗田伸樹氏、そしてソニー(株)DI事業部事業本部長の石塚茂樹氏が出席し、それぞれ新商品や事業戦略について説明した。

最初に登壇したのは宮下氏。今年の年末商戦に向けて「ハイビジョンビジネスの最大化」と「マーケティングにおけるブランドコミュニケーション」という2点から同社の考えを述べた。

ソニーマーケティング(株)代表取締役社長 宮下次衛氏

「70年代初めのハイビジョン開発着手以来30年強、ソニーは放送のデジタル化やハイビジョン化を強力にサポートしてきた。これからもハイビジョンのリーディングメーカーとして、様々な業界の発展に貢献していきたい」と、冒頭でハイビジョンに対する同社の取り組みと今後への意気込みを語った宮下氏。続いて同氏は、ハイビジョンのさらなる普及に向けて、4つの方向性から需要を喚起していきたいと語った。

ハイビジョン機器に対するソニーの歴史。最近では松竹(株)による映像作品「シネマ歌舞伎」もサポートしている

ハイビジョンの変遷についての図

その4点は「さらなる高画質化・高音質化を実現した製品単体の魅力によるアプローチ」「高機能化・複雑化するデジタル家電をブラビアリンクなどによって簡単・手軽・快適に使いこなすアプローチ」「アプリキャストなどによる映画などのプロフェッショナルコンテンツの楽しみを提供するアプローチ」というもの。この4点から需要を喚起してハイビジョンの普及を図っていくという。

4つの方向性からハイビジョンの普及へ取り組む

一方、ブランドコミュニケーションに関しては主にライフスタイル提案の面からコメント。ベータマックスやハンディカム、ブラビアまで様々なカテゴリーブランドを古くから立ち上げて顧客とのコミュニケーションを作り上げてきた功績、そして昨年からは“群”をキーワードに機器同士の連携など新しい取り組みを行っていることをアピールした。

各ブランドがリンクし“群”となることでの相乗効果を狙う

また、宮下氏は今後の戦略について「世界の誰もがすぐに判別できる“SONY”の4文字ロゴを前面に立ててマーケティングコミュニケーションを展開していく」と説明。売り場での展開イメージなどをスクリーンで紹介した後、「年末商戦においては、『世界最”X”』のソニーらしい製品の徹底した市場導入、およびソニーブランドかつカテゴリーブランドの統一したマーケティングコミュニケーションでさらなるブランド力のアップを狙う。日本国内でのソニー復活を確実なものにするべく全社一丸となって取り組んでいく」と意気込みを語った。

カタログや梱包などあらゆる面で「SONY」のロゴとブランドロゴを前面に押し出す

売り場展開でも同様にロゴを使用していく

続いては、栗田氏が登壇し年末に向けてのマーケティングプランと、新たなウェブサービス「Life-X」についての説明を行った。

ソニーマーケティング(株)取締役副社長 栗田伸樹氏

栗田氏は「ソニーでは中鉢が社長に就任して以来“Technology No.1”という全社的なイニシアチブの下に技術力と商品力を強化してきた。『技術のソニー』を復活させる」と語り、年末に向けブラビアなど様々な商品を世界に先駆けて国内市場へ投入することを説明。以前にも発表のあった通り、BDレコーダーのシェア40%、37V型以上の大型液晶TVにおいてシェア30%という目標を設定し、その数値を達成するべく数々の新製品で年末商戦を戦っていくと語った。

世界最薄など各分野でナンバー1を実現した商品を投入

年末商戦でBDレコーダーは40%、大型液晶TVで30%のシェアを狙う

年末商戦に向けて同社の鼻息は荒い

栗田氏は続いて、ソニーマーケティング独自の新たな取り組みとなるウェブサービス「Life-X」について説明。同サービスは、写真や動画、日記など個人の様々なデジタルデータによる活動記録を一括管理するツールで、家族や友人とデータ共有もできるというもの。栗田氏は、同サービスについて「コンテンツを通じたコミュニケーションを実現することにより、新しい時代のライフスタイルを実現するものだ」と説明した。なお、同サービスについては別項で詳しくレポートするのでそちらをご参照頂きたい。

「Life-X」の概念図

インターネットの歴史と今後の展望

デジタルデータで残す様々な生活の記録「ライフログ」を友人などと共有するというコンセプト

そして最後に「α」や「サイバーショット」、「ハンディカム」などデジタルイメージ領域を担当している石塚氏が登壇。サイバーショットの累計出荷台数が世界で1億台を超えたことや、“伝統と挑戦”をキーワードにαの開発を続けてきたことなどを説明した。

ソニー(株)DI事業部事業本部長 石塚茂樹氏

今年6月に世界で初めて累計1億台の出荷を達成

石塚氏は、「α200」がヨーロッパの写真賞であるTIPAで受賞したこと、「α350」も同じくヨーロッパの写真賞EIZAで受賞したことなど、αシリーズの歩みについて紹介した後、新モデル「α900」について言及。フラグシップ機が華々しくデビューを飾った。なお、本機についても別項で詳しくレポートするので、そちらをご覧頂きたい。

αシリーズの歩み

石塚氏によって新モデルがお披露目された

技術の粋を集めたフラグシップモデル。発売は10月23日

最後に、宮下氏は世界中の写真家を対象にした「Sony World Photography Awards」などを通じて写真文化の創造も推進していくことを説明。「これからも、初心者から上級者まで全ての層の顧客にデジタルイメージングの世界を満喫してもらえる様々なカメラを提供していく」とコメントし会見を締めくくった。

賞を主催することで文化創造の側面からもカメラに携わる

(Phile-web編集部)

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