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公開日 2009/01/23 18:07
グレースノート社がCESで画期的な選曲システムを発表
会田肇のCES2009レポート
クルマで音楽を楽しむのは家の中とは何かと勝手が違うことが多い。たとえば家の中では簡単にできる選曲でも、運転中に行うことは結構難しい作業のひとつだ。
最近はクルマの中でもHDD化が進んで膨大な楽曲を収録できるようになった分、聴きたい曲を探し出すのはより難しくなったとも言える。そんな中で、楽曲のデータベースを展開しているグレースノート社はCES2009において、ロケーションや時刻などを考慮した選曲を自動的に行う『Car Stars』のデモを行った。
これは、グレースノート社と音声認識技術を提供するVoxonix社が共同で開発したもので、今回のデモは車両を日産自動車が、音楽ソースをAtlantic Recordsが提供することで実現した。
車両は日産自動車が北米を中心に販売している4ドアセダンのアルティマで、クルマを見ただけではごく普通のカーナビ付き車にしか見えない。しかし、この車両にはかつてない画期的な楽曲の検索システムが搭載されていたのだ。
その画期的なものとは、まず、カーナビ機能で取得した位置情報から、その場所や時刻に合った最適な音楽を自動的に探し出して再生できることだ。たとえば、真夏の海辺を走っているとき、夜景が見えそうな都会を走っている時など、その状況に合わせた最適な選曲をスイッチ一つの操作で行えるのだ。
しかも、驚くのはその選曲方法だ。なんと好みのアーティストが、自身の声で選曲のサポートをしてくれる。アーティストが「こんな曲はどう?」といった具合にユーザーが好みそうな楽曲を選んでくれるのだ。
しかも、アーティストはたとえ外国人であってもその国の言葉に合わせて翻訳して話してくれる。もちろん、アーティストが実際にいろんな国の言葉で話しているわけではない。アーティストの音声データをサンプリングし、それを翻訳されたデータをVoxonix社の音声技術によって変換して案内を行うのだ。だから、たとえばマドンナが日本語で、スマップの中居君が英語でオススメする楽曲を案内してくれたりするとういうわけだ。
驚くことはまだある。その時に勧められた楽曲は、通信料を除き、ユーザー負担なしでダウンロードできるようにしているのだ。アーティストが勧める楽曲はHDDに収録した楽曲も対象とするが、オススメされる楽曲は未収録の楽曲となることもある。そんな時でもユーザーは「YES!」と答えるだけで、金銭面での心配なしに楽曲のダウンロードが可能なのだ。
この件についてグレースノート日本支社のSHO IZAKI氏は「おおまかには、システムを供給する会社がグロスで楽曲提供会社に料金を支払うことで、ユーザーが楽曲をダウンロードする度に費用を負担することはないサービスを考えている」と話す。放送局は音楽の利用料についてJASRAC(日本音楽著作権協会)に対し、グロスで支払っているとされるが、考え方としてはこれに近い。
このシステムはあくまでCES2009用デモとして用意したプロトタイプである。ただ、外国人アーティストであっても、翻訳した内容でユーザーに楽曲を勧めてくれるスタイルはこれまでなかったし、楽曲のダウンロードに対してもシステムの価格内に含まれるという考え方も従来にはなかった。技術的には今後も改良すべき点はあると思うが、重要なのは楽曲を提供する会社がどこまで広がっていくか。ユーザーにとってメリットは相当に大きいサービスであることは間違いなく、この広がりの行方には大いに気になるところではある。
最近はクルマの中でもHDD化が進んで膨大な楽曲を収録できるようになった分、聴きたい曲を探し出すのはより難しくなったとも言える。そんな中で、楽曲のデータベースを展開しているグレースノート社はCES2009において、ロケーションや時刻などを考慮した選曲を自動的に行う『Car Stars』のデモを行った。
これは、グレースノート社と音声認識技術を提供するVoxonix社が共同で開発したもので、今回のデモは車両を日産自動車が、音楽ソースをAtlantic Recordsが提供することで実現した。
車両は日産自動車が北米を中心に販売している4ドアセダンのアルティマで、クルマを見ただけではごく普通のカーナビ付き車にしか見えない。しかし、この車両にはかつてない画期的な楽曲の検索システムが搭載されていたのだ。
その画期的なものとは、まず、カーナビ機能で取得した位置情報から、その場所や時刻に合った最適な音楽を自動的に探し出して再生できることだ。たとえば、真夏の海辺を走っているとき、夜景が見えそうな都会を走っている時など、その状況に合わせた最適な選曲をスイッチ一つの操作で行えるのだ。
しかも、驚くのはその選曲方法だ。なんと好みのアーティストが、自身の声で選曲のサポートをしてくれる。アーティストが「こんな曲はどう?」といった具合にユーザーが好みそうな楽曲を選んでくれるのだ。
しかも、アーティストはたとえ外国人であってもその国の言葉に合わせて翻訳して話してくれる。もちろん、アーティストが実際にいろんな国の言葉で話しているわけではない。アーティストの音声データをサンプリングし、それを翻訳されたデータをVoxonix社の音声技術によって変換して案内を行うのだ。だから、たとえばマドンナが日本語で、スマップの中居君が英語でオススメする楽曲を案内してくれたりするとういうわけだ。
驚くことはまだある。その時に勧められた楽曲は、通信料を除き、ユーザー負担なしでダウンロードできるようにしているのだ。アーティストが勧める楽曲はHDDに収録した楽曲も対象とするが、オススメされる楽曲は未収録の楽曲となることもある。そんな時でもユーザーは「YES!」と答えるだけで、金銭面での心配なしに楽曲のダウンロードが可能なのだ。
この件についてグレースノート日本支社のSHO IZAKI氏は「おおまかには、システムを供給する会社がグロスで楽曲提供会社に料金を支払うことで、ユーザーが楽曲をダウンロードする度に費用を負担することはないサービスを考えている」と話す。放送局は音楽の利用料についてJASRAC(日本音楽著作権協会)に対し、グロスで支払っているとされるが、考え方としてはこれに近い。
このシステムはあくまでCES2009用デモとして用意したプロトタイプである。ただ、外国人アーティストであっても、翻訳した内容でユーザーに楽曲を勧めてくれるスタイルはこれまでなかったし、楽曲のダウンロードに対してもシステムの価格内に含まれるという考え方も従来にはなかった。技術的には今後も改良すべき点はあると思うが、重要なのは楽曲を提供する会社がどこまで広がっていくか。ユーザーにとってメリットは相当に大きいサービスであることは間違いなく、この広がりの行方には大いに気になるところではある。