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公開日 2009/06/08 16:43
シャープ、2010年の環境目標を前倒しで達成 − 新環境ビジョンは「エコポジティブ・カンパニー」
2012年の新目標も公開
シャープ(株)は、同社が2004年に掲げた環境ビジョン「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」を2年前倒しで達成したと発表。同時に今年度から新たな環境ビジョン「エコポジティブ・カンパニー」を掲げ、温室効果ガスの削減を図っていく。本日、東京都内で同社の環境ビジョンに関する記者説明会が開催された。
2004年に掲げた「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」は、温室効果ガスの排出量と削減貢献量を差し引きゼロにしようという目標。同社の取締役 専務執行役員 太田賢司氏はビジョンを制定した当時を「社内でも数値目標が大きすぎるのではないかなどの意見が出たが、あえて正面から取り組もうと考えた」と振り返った。
「削減貢献量」という指標は、太陽電池などにより生産した創エネルギーと、商品の省エネ効果により算出される。商品の省エネ効果については、家電製品の寿命を10年と仮定し、その年に発売された製品は10年前の製品と入れ替えることを想定。10年前の製品と現在の製品の消費電力の差から、温室効果ガスの排出量を計算する。
2008年度実績では、温室効果ガスの排出量が170万トンと、前年度比10万トン削減したのに対し、削減貢献量は逆に197万トンと大幅に増加。削減貢献量が排出量を上回り、2年前倒しで「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」目標を達成した。
太田専務は、今後の新たな環境ビジョンについて、「これまでの環境に対するネガティブインパクトから、ポジティブインパクトに変えていく。環境負荷ゼロ企業から環境貢献企業になる」と発想の転換を強調。新たなビジョンの名称は「エコポジティブ・カンパニー」で、具体的には削減貢献量を排出量で割った新たな指標「ROEMm」を導入。この数値を、同社創業100周年となる2012年に2以上、つまり排出量に対する削減貢献量を2倍以上にする、という新たな目標を掲げ、実現に向けてさらなる削減貢献量拡大と排出量抑制に取り組んでいく。
発表会ではさらに、この「エコポジティブ・カンパニー」ビジョンの深化をめざした「エコポジティブ戦略」について、同社 執行役員 環境安全本部 本部長の森本弘氏が説明した。
森本氏はエコポジティブ戦略の概要について、「弊社の環境への取り組みをバリューチェーン全域で深化させていくもの。これまでは現場=工場の排出量を中心に排出量の削減を行ってきたが、今後は環境への取り組みをバリューチェーン全体に広げていく」とした。
具体的には、この戦略は「テクノロジー」「プロダクト」「オペレーション」「リレーションシップ」の4面から実行していく。
まず「テクノロジー」面では、太陽電池の変換効率向上、燃料電池など直流電源で動く家電の開発、さらに再生プラスチックの使用量を増やすことなどを行っていく。また「プロダクト」面については、液晶テレビの消費電力削減などはもちろん、「低炭素社会の実現のためには、LED照明を家庭にも普及させる必要がある」(森本氏)と説明。さらに海外で販売する製品についても、全世界共通の環境基本性能を満たすことはもちろん、販売地域での第三者ラベルを取得した「アドバンスト グリーン プロダクト(AGP)」や、さらに“断トツ省エネNo.1"性能を実現した「スーパー グリーン プロダクト(SGP)」を増やしていくと述べた。
モノ作りにおける環境負荷低減を行う「オペレーション」面では、工場の環境負荷をこれまで以上に抑えるため、新たに「スーパーグリーンファクトリーII(SFGII)」という取り組みを行う。これまでも独自に算出したポイントで90点以上の工場を「スーパーグリーンファクトリー(SGF)」として認定していたが、国内では全拠点がこれを達成したため、さらに細かくランク分けしたSGFIIに移行する。SGFIIは、上からS/A/B/Cの4ランクに分けられ、2012年度に国内拠点はAランク以上、海外拠点はBランク以上になることを目標とする。
また工場の環境負荷軽減には、大阪府堺市に建設中の「21世紀型コンビナート」が大きく貢献することになるという。最大約18MWと、亀山工場の3倍以上に相当する大規模ソーラー発電システムを採用するほか、全工場に約10万台のLED照明を導入。また燃料電池システムの導入、水資源の再生利用など、様々な面から環境対応を図っていく。
最後の「リレーションシップ」という観点からは、社会との関わり合いを通じた企業価値を拡大させる。環境フォーラムや環境・社会報告書、ホームページなどを通じた情報公開を積極的に進めるほか、小学校で環境教育を行うなどの取り組みも進める。環境教育については、今年4月から米国と中国でも本格展開するという。
2004年に掲げた「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」は、温室効果ガスの排出量と削減貢献量を差し引きゼロにしようという目標。同社の取締役 専務執行役員 太田賢司氏はビジョンを制定した当時を「社内でも数値目標が大きすぎるのではないかなどの意見が出たが、あえて正面から取り組もうと考えた」と振り返った。
「削減貢献量」という指標は、太陽電池などにより生産した創エネルギーと、商品の省エネ効果により算出される。商品の省エネ効果については、家電製品の寿命を10年と仮定し、その年に発売された製品は10年前の製品と入れ替えることを想定。10年前の製品と現在の製品の消費電力の差から、温室効果ガスの排出量を計算する。
2008年度実績では、温室効果ガスの排出量が170万トンと、前年度比10万トン削減したのに対し、削減貢献量は逆に197万トンと大幅に増加。削減貢献量が排出量を上回り、2年前倒しで「2010年 地球温暖化負荷ゼロ企業」目標を達成した。
太田専務は、今後の新たな環境ビジョンについて、「これまでの環境に対するネガティブインパクトから、ポジティブインパクトに変えていく。環境負荷ゼロ企業から環境貢献企業になる」と発想の転換を強調。新たなビジョンの名称は「エコポジティブ・カンパニー」で、具体的には削減貢献量を排出量で割った新たな指標「ROEMm」を導入。この数値を、同社創業100周年となる2012年に2以上、つまり排出量に対する削減貢献量を2倍以上にする、という新たな目標を掲げ、実現に向けてさらなる削減貢献量拡大と排出量抑制に取り組んでいく。
発表会ではさらに、この「エコポジティブ・カンパニー」ビジョンの深化をめざした「エコポジティブ戦略」について、同社 執行役員 環境安全本部 本部長の森本弘氏が説明した。
森本氏はエコポジティブ戦略の概要について、「弊社の環境への取り組みをバリューチェーン全域で深化させていくもの。これまでは現場=工場の排出量を中心に排出量の削減を行ってきたが、今後は環境への取り組みをバリューチェーン全体に広げていく」とした。
具体的には、この戦略は「テクノロジー」「プロダクト」「オペレーション」「リレーションシップ」の4面から実行していく。
まず「テクノロジー」面では、太陽電池の変換効率向上、燃料電池など直流電源で動く家電の開発、さらに再生プラスチックの使用量を増やすことなどを行っていく。また「プロダクト」面については、液晶テレビの消費電力削減などはもちろん、「低炭素社会の実現のためには、LED照明を家庭にも普及させる必要がある」(森本氏)と説明。さらに海外で販売する製品についても、全世界共通の環境基本性能を満たすことはもちろん、販売地域での第三者ラベルを取得した「アドバンスト グリーン プロダクト(AGP)」や、さらに“断トツ省エネNo.1"性能を実現した「スーパー グリーン プロダクト(SGP)」を増やしていくと述べた。
モノ作りにおける環境負荷低減を行う「オペレーション」面では、工場の環境負荷をこれまで以上に抑えるため、新たに「スーパーグリーンファクトリーII(SFGII)」という取り組みを行う。これまでも独自に算出したポイントで90点以上の工場を「スーパーグリーンファクトリー(SGF)」として認定していたが、国内では全拠点がこれを達成したため、さらに細かくランク分けしたSGFIIに移行する。SGFIIは、上からS/A/B/Cの4ランクに分けられ、2012年度に国内拠点はAランク以上、海外拠点はBランク以上になることを目標とする。
また工場の環境負荷軽減には、大阪府堺市に建設中の「21世紀型コンビナート」が大きく貢献することになるという。最大約18MWと、亀山工場の3倍以上に相当する大規模ソーラー発電システムを採用するほか、全工場に約10万台のLED照明を導入。また燃料電池システムの導入、水資源の再生利用など、様々な面から環境対応を図っていく。
最後の「リレーションシップ」という観点からは、社会との関わり合いを通じた企業価値を拡大させる。環境フォーラムや環境・社会報告書、ホームページなどを通じた情報公開を積極的に進めるほか、小学校で環境教育を行うなどの取り組みも進める。環境教育については、今年4月から米国と中国でも本格展開するという。