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公開日 2010/10/04 20:32
「Regza Apps Connect」はテレビの“サードインパクト” − 東芝・片岡氏に聞くクラウドテレビ構想のねらい
チャプター情報共有機能「タグリストシェア」も搭載
(株)東芝は、同社の液晶テレビ、デジタルビデオレコーダー向けの新たな“クラウドテレビサービス”「Regza Apps Connect」を公開。10月下旬リリース予定のiPad/iPhone/iPod touch対応アプリ「RZコマンダー」を発表した。
「東芝クラウドテレビ構想」を宣言 − テレビを中心とした新しいAVライフスタイルを提案
「Regza Apps Connect」は、家庭におけるオーディオ・ビジュアル エンターテインメントの中心であるテレビの可能性を広げ、ユーザーに新しいライフスタイルを提案するためのコンセプト、およびクラウドを活用した新サービスを指す。
家庭における映像の視聴環境を振り返ると、ビデオテープ録画機の登場により「タイムシフト」視聴のライフスタイルが実現。その後HDD搭載ビデオ録画機が発表され、長時間・大容量のテレビ録画や、記録メディアへのアーカイブ保存など普及してきた。東芝は2009年末に、高速処理プロセッサーや大容量HDD、複数のデジタル放送用チューナーを内蔵し、地上デジタル放送を最大8ch、約26時間まで過去に遡って楽しめる「タイムシフトマシン機能」を“CELL REGZA”シリーズで提案。デジタル録画の新たなライフスタイルの創造を牽引してきた。
今回東芝が発表した「Regza Apps Connect」は、同社のCELL REGZAシリーズなどテレビ製品、REGZAブルーレイなどレコーダー製品のユーザーが利用でき、クラウドサーバーをベースに、スマートフォンやタブレットPC対応の「Apps」を利用して新たな機能や使い勝手を提供するためのサービスである。同社は新しいサービスの立ち上げと共に「東芝クラウドテレビ構想」コンセプトを提唱し、今後、テレビ/レコーダー製品向けの新たなクラウドベースのサービスを継続的に開発・提供していくことを宣言した。
iPad/iPhone/iPod touchで利用できるオリジナルアプリ「RZコマンダー」を10月下旬リリース
「Regza Apps Connect」の第一弾・アプリケーションサービスとして、10月下旬にアップル「App Store」にて「RZコマンダー」の無料提供が開始される。本アプリは先述の通り、iPad/iPhone/iPod touchなどiOS搭載端末で利用でき、タッチパネル対応デバイスの操作性を活かして、東芝のテレビやレコーダーをリモート操作したり、クラウドサービスを利用した新たな録画番組の視聴機能を楽しむことができる。Android 版、Windows7 版についても順次展開する予定だ。
なお、「RZコマンダー」による操作に対応する製品は、“CELL REGZA”「X2/XE2」シリーズ、並びに“REGZAブルーレイ”、“RDシリーズ”のラインナップから「ネットdeナビ」の機能を搭載する全ての東芝製レコーダーとなる。
「RZコマンダー」で利用できる機能は、「タッチリモコン」と「タグリストシェア」の二つに大別することができる。それぞれの特徴を順に紹介していこう。
CELL REGZA/RDシリーズの対応機がiPadなどからリモコン操作できる
「RZコマンダー」のアプリを起動すると、iPad/iPhone/iPod touchの画面上に、同じホームネットワークに接続されているテレビ、およびレコーダーの一覧が表示される。操作したい機器を選択すると、テレビ/レコーダーと同じキーレイアウトのソフトウェアリモコンが画面に表示され、ユーザーはタッチやスワイプなど、タッチパネルならではの操作で、ワイヤレス接続したAV機器の操作が行える。なお、「RZコマンダー」のリモコン機能は、対応するモバイル機器用に簡易化したり、機能を省略したりなどはしておらず、実際のテレビやレコーダーに付属する動作をほぼ全て再現している点が大きな特徴の一つだ。
1つの「RZコマンダー」をインストールした機器に対して、最大20台までの機器を登録し、単一のiPadなどタッチパネル対応機器でリモコン操作が行える。それぞれの機器操作は、画面上に表示される登録済みの複数のレグザやレコーダーの一覧からタッチして選ぶだけ。機器を選択すると、テレビ、レコーダーそれぞれに対応するリモコンが表示される。カーソルキーやカラーボタンを備える「メインリモコン」、番組選局用の「チューナーリモコン」や「再生リモコン」、電源ON/OFFを選択する「機能リモコン」がそれぞれ機器付属のリモコンと同じように再現されており、各機能をそのまま利用できる。
タッチリモコンのメリットを活かした代表的な機能のひとつに「タイムバーサーチ」がある。ユーザーは視聴したい動画を再生後、タッチリモコンに表示される「スライドバー」を指でスワイプしながら、見たいシーンを直感的に探し出すことができる。他にも「ジェスチャーモード」をONにすると、画面上に表示されるコントローラーを指でスワイプして、上下で「音量」を、左右で「再生/早送り」などが操作できる。実際にソフトウェアリモコンのタッチ操作を体験してみると、ボタン選択やスライドバー操作の反応は非常に機敏で、ハードリモコンと変わらない操作感を実現しており、ストレスなく利用することができる。
ユーザーどうしの録画情報をシェアして楽しめる「タグリストシェア」機能
「RZコマンダー」のもうひとつの特徴的な機能である「タグリストシェア」については、ある録画番組に対して「Regza Apps Connect」のサービスを共有するユーザー同士で、録画番組に設定したチャプター情報、プレイリストを「タグ情報」として記録。そのデータをクラウドを通じてシェアするというものだ。
録画番組の再生時に「再生リモコン」から「タグリスト一覧」を選択すると、同じサービスを利用するユーザーが該当番組に設定し、クラウド上に公開した「タグリスト」が表示される。表示順はタグの「新着順」となるが、サービスの開始後には後述するレーティング機能を使った「人気順」での表示にも対応が検討されているという。タグの活用事例としては、例えばあるサッカー番組を録画して、「ゴールシーン」だけにチャプターを打ったものや、テレビドラマで「人気女優のクローズアップ映像」だけを集めて頭出しできるものなど、ユーザーが自由に作成したものがリスト一覧として表示される、というイメージだ。録画番組ごとに作成されたリストの一覧から、ユーザーは好みの「タグ」を選択するだけで、手元の録画機器を使ってタグリストに記録されたチャプター情報を使った再生が楽しめる。
タグリストは各ユーザーの録画機上に直接反映されてしまうものではなく、いわば「仮想チャプター」のような使い方ができる。例えば複数のユーザーがつくった「タグ情報」を何度利用しても、レコーダーに録画された番組に実体を持ったチャプター情報が反映されてしまうことはない。クラウド上にあるタグ情報だけを参照しながら、「Regza Apps Connect」のユーザーが作ったオリジナルのタグ情報を自由に利用し、これまでにない感覚で録画番組の視聴が行える。
なお、録画番組とタグとのマッチングは、EPGから取得された番組名で関連づけされる仕組みとなっている。異なるユーザーが録画した番組の尺や、録画時の画質設定が異なっていても、タグを関連づけて参照することができる。なおタグリストを読み込んだ後は、「±7秒」で全チャプター位置をオフセット補正できる機能も備えている。
「タグリスト」はサービスと対応機器を利用する全てのユーザーが自身で作成して、タグの名前を付けて公開できる。また、タグリストの一覧にはタグを作成したユーザーの名前も表示されるため、「いつも面白いタグをアップしている人」や「友人が公開したタグ」などの情報が一目でわかるようになっている。なお、タグリストの作成後の編集については、作成したユーザー自身が後から編集することは可能だが、他のユーザーがそれに手を加えることはできない。またタグリストは例えば一年以上昔に録画したコンテンツや、DVDにVRモードで記録したコンテンツからも作成できる。
そのほか、タグリストにユーザーが「コメント」を付られる「リタグ」機能や、「★マーク」でレーティングして楽しめる機能も設けられている。リタグ機能については任意のタグを選択後、コメントを記述してアップロードするだけと、操作も簡単だ。
開発担当者・片岡秀夫氏が語る − 「Regza Apps Connect」がテレビライフの“サードインパクト”をもたらす
“クラウドテレビサービス”「Regza Apps Connect」、および第一弾のアプリケーションとなる「RZコマンダー」の企画開発意図について、東芝ビジュアルプロダクツ社の片岡秀夫氏に話を聞いた。
片岡氏によれば、「RZコマンダー」の特徴的な機能の一つである「タグリストシェア」のイメージ自体は、RDシリーズで、録画タイトルの本編とCM部を録画時に自動チャプター分割する「マジックチャプター」機能を開発・実現した時点で明確になっていたという。その後、いくつかの試行錯誤を経た後、薄型テレビやクラウドサービス、またタッチパネル操作に対応するiPadやiPod touchなどのデバイスが普及したことにより、より操作性も含めて洗練させた「RZコマンダー」というかたちにたどり着いたのだという。
片岡氏は、テレビを中心とした「あらたな価値・楽しみ方」を提供することが「Regza Apps Connect」の大きな狙いと説明。「最近は録画テレビやレコーダーのHDD容量が増え、長時間録画機能も充実してきたことから、多くのテレビ番組を手軽に録画できるようになった。一方で、ユーザーが録画した多くの番組を視聴できる時間そのものには限りがある。結果、『どの番組も見たいけど、見られない』状況が生まれてしまっている。今回提供するアプリの“タグリストシェア”を活用することで、録りためた番組の楽しみ方が広がり、コンテンツが“死蔵”してしまうことが少なくなっていくだろう」と、今回のサービスが、これまでになかった、テレビの新しい楽しみ方を開拓するものになると説明する。
「Regza Apps Connect」は、イコール「RZコマンダー」で終わってしまうものではなく、同社のテレビやレコーダー製品の楽しみ方をより広げるものに成長・進化していくと片岡氏は語る。進化の方向軸は4つ。「録画予約・再生の進化」「リモコン機能のさらなる進化」「ソーシャル機能の進化」「家庭内コンテンツ共有の進化」であるという。「ビデオデッキの登場が“ファーストインパクト”、HDDレコーダーによる大容量録画が“セカンドインパクト”とすれば、今回の“Regza Apps Connect”は、テレビ視聴のライフスタイルに“サードインパクト”をもたらすだろう」と片岡氏は意気込む。「RZコマンダー」については10月下旬にリリース後、さらなる使い勝手や機能の進化も期待できそうだ。
なお、スカパーJSAT(株)では「Regza Apps Connect」対応機器で利用できる「公式タグ」のリスト提供についても、現在正式に検討しているという。例えばスカパー!で放送するサッカー番組を対象に、ゴールシーンや有名選手の映像を頭出しできる公式タグを活用したり、ユーザーどうしが「リタグ」で盛り上がったり、面白そうなタグリストを見つけて、再放送の録画後に改めてタグを使って楽しむという視聴方法も可能になりそうだ。
「東芝クラウドテレビ構想」を宣言 − テレビを中心とした新しいAVライフスタイルを提案
「Regza Apps Connect」は、家庭におけるオーディオ・ビジュアル エンターテインメントの中心であるテレビの可能性を広げ、ユーザーに新しいライフスタイルを提案するためのコンセプト、およびクラウドを活用した新サービスを指す。
家庭における映像の視聴環境を振り返ると、ビデオテープ録画機の登場により「タイムシフト」視聴のライフスタイルが実現。その後HDD搭載ビデオ録画機が発表され、長時間・大容量のテレビ録画や、記録メディアへのアーカイブ保存など普及してきた。東芝は2009年末に、高速処理プロセッサーや大容量HDD、複数のデジタル放送用チューナーを内蔵し、地上デジタル放送を最大8ch、約26時間まで過去に遡って楽しめる「タイムシフトマシン機能」を“CELL REGZA”シリーズで提案。デジタル録画の新たなライフスタイルの創造を牽引してきた。
今回東芝が発表した「Regza Apps Connect」は、同社のCELL REGZAシリーズなどテレビ製品、REGZAブルーレイなどレコーダー製品のユーザーが利用でき、クラウドサーバーをベースに、スマートフォンやタブレットPC対応の「Apps」を利用して新たな機能や使い勝手を提供するためのサービスである。同社は新しいサービスの立ち上げと共に「東芝クラウドテレビ構想」コンセプトを提唱し、今後、テレビ/レコーダー製品向けの新たなクラウドベースのサービスを継続的に開発・提供していくことを宣言した。
iPad/iPhone/iPod touchで利用できるオリジナルアプリ「RZコマンダー」を10月下旬リリース
「Regza Apps Connect」の第一弾・アプリケーションサービスとして、10月下旬にアップル「App Store」にて「RZコマンダー」の無料提供が開始される。本アプリは先述の通り、iPad/iPhone/iPod touchなどiOS搭載端末で利用でき、タッチパネル対応デバイスの操作性を活かして、東芝のテレビやレコーダーをリモート操作したり、クラウドサービスを利用した新たな録画番組の視聴機能を楽しむことができる。Android 版、Windows7 版についても順次展開する予定だ。
なお、「RZコマンダー」による操作に対応する製品は、“CELL REGZA”「X2/XE2」シリーズ、並びに“REGZAブルーレイ”、“RDシリーズ”のラインナップから「ネットdeナビ」の機能を搭載する全ての東芝製レコーダーとなる。
「RZコマンダー」で利用できる機能は、「タッチリモコン」と「タグリストシェア」の二つに大別することができる。それぞれの特徴を順に紹介していこう。
CELL REGZA/RDシリーズの対応機がiPadなどからリモコン操作できる
「RZコマンダー」のアプリを起動すると、iPad/iPhone/iPod touchの画面上に、同じホームネットワークに接続されているテレビ、およびレコーダーの一覧が表示される。操作したい機器を選択すると、テレビ/レコーダーと同じキーレイアウトのソフトウェアリモコンが画面に表示され、ユーザーはタッチやスワイプなど、タッチパネルならではの操作で、ワイヤレス接続したAV機器の操作が行える。なお、「RZコマンダー」のリモコン機能は、対応するモバイル機器用に簡易化したり、機能を省略したりなどはしておらず、実際のテレビやレコーダーに付属する動作をほぼ全て再現している点が大きな特徴の一つだ。
1つの「RZコマンダー」をインストールした機器に対して、最大20台までの機器を登録し、単一のiPadなどタッチパネル対応機器でリモコン操作が行える。それぞれの機器操作は、画面上に表示される登録済みの複数のレグザやレコーダーの一覧からタッチして選ぶだけ。機器を選択すると、テレビ、レコーダーそれぞれに対応するリモコンが表示される。カーソルキーやカラーボタンを備える「メインリモコン」、番組選局用の「チューナーリモコン」や「再生リモコン」、電源ON/OFFを選択する「機能リモコン」がそれぞれ機器付属のリモコンと同じように再現されており、各機能をそのまま利用できる。
タッチリモコンのメリットを活かした代表的な機能のひとつに「タイムバーサーチ」がある。ユーザーは視聴したい動画を再生後、タッチリモコンに表示される「スライドバー」を指でスワイプしながら、見たいシーンを直感的に探し出すことができる。他にも「ジェスチャーモード」をONにすると、画面上に表示されるコントローラーを指でスワイプして、上下で「音量」を、左右で「再生/早送り」などが操作できる。実際にソフトウェアリモコンのタッチ操作を体験してみると、ボタン選択やスライドバー操作の反応は非常に機敏で、ハードリモコンと変わらない操作感を実現しており、ストレスなく利用することができる。
ユーザーどうしの録画情報をシェアして楽しめる「タグリストシェア」機能
「RZコマンダー」のもうひとつの特徴的な機能である「タグリストシェア」については、ある録画番組に対して「Regza Apps Connect」のサービスを共有するユーザー同士で、録画番組に設定したチャプター情報、プレイリストを「タグ情報」として記録。そのデータをクラウドを通じてシェアするというものだ。
録画番組の再生時に「再生リモコン」から「タグリスト一覧」を選択すると、同じサービスを利用するユーザーが該当番組に設定し、クラウド上に公開した「タグリスト」が表示される。表示順はタグの「新着順」となるが、サービスの開始後には後述するレーティング機能を使った「人気順」での表示にも対応が検討されているという。タグの活用事例としては、例えばあるサッカー番組を録画して、「ゴールシーン」だけにチャプターを打ったものや、テレビドラマで「人気女優のクローズアップ映像」だけを集めて頭出しできるものなど、ユーザーが自由に作成したものがリスト一覧として表示される、というイメージだ。録画番組ごとに作成されたリストの一覧から、ユーザーは好みの「タグ」を選択するだけで、手元の録画機器を使ってタグリストに記録されたチャプター情報を使った再生が楽しめる。
タグリストは各ユーザーの録画機上に直接反映されてしまうものではなく、いわば「仮想チャプター」のような使い方ができる。例えば複数のユーザーがつくった「タグ情報」を何度利用しても、レコーダーに録画された番組に実体を持ったチャプター情報が反映されてしまうことはない。クラウド上にあるタグ情報だけを参照しながら、「Regza Apps Connect」のユーザーが作ったオリジナルのタグ情報を自由に利用し、これまでにない感覚で録画番組の視聴が行える。
なお、録画番組とタグとのマッチングは、EPGから取得された番組名で関連づけされる仕組みとなっている。異なるユーザーが録画した番組の尺や、録画時の画質設定が異なっていても、タグを関連づけて参照することができる。なおタグリストを読み込んだ後は、「±7秒」で全チャプター位置をオフセット補正できる機能も備えている。
「タグリスト」はサービスと対応機器を利用する全てのユーザーが自身で作成して、タグの名前を付けて公開できる。また、タグリストの一覧にはタグを作成したユーザーの名前も表示されるため、「いつも面白いタグをアップしている人」や「友人が公開したタグ」などの情報が一目でわかるようになっている。なお、タグリストの作成後の編集については、作成したユーザー自身が後から編集することは可能だが、他のユーザーがそれに手を加えることはできない。またタグリストは例えば一年以上昔に録画したコンテンツや、DVDにVRモードで記録したコンテンツからも作成できる。
そのほか、タグリストにユーザーが「コメント」を付られる「リタグ」機能や、「★マーク」でレーティングして楽しめる機能も設けられている。リタグ機能については任意のタグを選択後、コメントを記述してアップロードするだけと、操作も簡単だ。
開発担当者・片岡秀夫氏が語る − 「Regza Apps Connect」がテレビライフの“サードインパクト”をもたらす
“クラウドテレビサービス”「Regza Apps Connect」、および第一弾のアプリケーションとなる「RZコマンダー」の企画開発意図について、東芝ビジュアルプロダクツ社の片岡秀夫氏に話を聞いた。
片岡氏によれば、「RZコマンダー」の特徴的な機能の一つである「タグリストシェア」のイメージ自体は、RDシリーズで、録画タイトルの本編とCM部を録画時に自動チャプター分割する「マジックチャプター」機能を開発・実現した時点で明確になっていたという。その後、いくつかの試行錯誤を経た後、薄型テレビやクラウドサービス、またタッチパネル操作に対応するiPadやiPod touchなどのデバイスが普及したことにより、より操作性も含めて洗練させた「RZコマンダー」というかたちにたどり着いたのだという。
片岡氏は、テレビを中心とした「あらたな価値・楽しみ方」を提供することが「Regza Apps Connect」の大きな狙いと説明。「最近は録画テレビやレコーダーのHDD容量が増え、長時間録画機能も充実してきたことから、多くのテレビ番組を手軽に録画できるようになった。一方で、ユーザーが録画した多くの番組を視聴できる時間そのものには限りがある。結果、『どの番組も見たいけど、見られない』状況が生まれてしまっている。今回提供するアプリの“タグリストシェア”を活用することで、録りためた番組の楽しみ方が広がり、コンテンツが“死蔵”してしまうことが少なくなっていくだろう」と、今回のサービスが、これまでになかった、テレビの新しい楽しみ方を開拓するものになると説明する。
「Regza Apps Connect」は、イコール「RZコマンダー」で終わってしまうものではなく、同社のテレビやレコーダー製品の楽しみ方をより広げるものに成長・進化していくと片岡氏は語る。進化の方向軸は4つ。「録画予約・再生の進化」「リモコン機能のさらなる進化」「ソーシャル機能の進化」「家庭内コンテンツ共有の進化」であるという。「ビデオデッキの登場が“ファーストインパクト”、HDDレコーダーによる大容量録画が“セカンドインパクト”とすれば、今回の“Regza Apps Connect”は、テレビ視聴のライフスタイルに“サードインパクト”をもたらすだろう」と片岡氏は意気込む。「RZコマンダー」については10月下旬にリリース後、さらなる使い勝手や機能の進化も期待できそうだ。
なお、スカパーJSAT(株)では「Regza Apps Connect」対応機器で利用できる「公式タグ」のリスト提供についても、現在正式に検討しているという。例えばスカパー!で放送するサッカー番組を対象に、ゴールシーンや有名選手の映像を頭出しできる公式タグを活用したり、ユーザーどうしが「リタグ」で盛り上がったり、面白そうなタグリストを見つけて、再放送の録画後に改めてタグを使って楽しむという視聴方法も可能になりそうだ。