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公開日 2011/02/16 16:02
三菱電機、赤色レーザーバックライト搭載の液晶テレビを年度内発売へ
色再現範囲が約1.3倍に
三菱電機(株)は同社の第29回目となる研究開発成果披露会を実施した。イベントでは環境・エネルギー、映像、通信など各分野への取り組みとその成果を説明するとともに、新規事業の1つとして「レーザーバックライト液晶テレビ」の開発状況についても紹介が行われ、試作機が展示された。同社が展開する液晶テレビ“REAL”シリーズの新たなフラグシップモデルとして、2011年度中の製品化を目指しているという。
今回展示された試作機には、昨年に発表された、レーザー光源を用いた3D対応のDLPリアプロジェクションテレビ“LASERVUE”「75-LT1」の開発により培ったレーザー技術を投入。人の目の識別能力が高い色でありながら、これまで白色LEDでは再現が鈍かった「赤色」の光源にのみ赤色レーザーバックライトを採用している。残る青色と緑色については、青色LEDに緑色の蛍光体を組み合わせて発光させるシアン色LEDを光源とし、高品位かつ高効率な映像再現を可能にした。
また今回、レーザー光源の照度分布を最適化して液晶パネルを均一に照射する独自の光学系を開発し、2種類の異なる光源を使用しながらも色ムラの無い画面を実現した。
展示会場では、最上位機種である液晶テレビ“MDR1シリーズ”との視聴比較デモを実施。同社の発表によれば、純度の高い赤色レーザーを使用することで、MDR1シリーズとの比較では約1.3倍の色再現範囲を実現しているという。
また、光の3原色RGBの光源を全てレーザーバックライトとした投射型のLASERVUEに対し、赤色だけをレーザーバックライトとしたことにより、製造コストを抑えながら、同時にディスプレイ部の薄型化も可能にした。今回展示された試作機でも、奥行き70mmの薄さを実現している。
パネルの解像度は1,920×1,080のフルHD対応。10個のスピーカーで5.1chサラウンドを再現するサウンドシステムや、本体下部にBDレコーダー機能を統合した構造などは従来のMDR1シリーズの設計を踏襲する予定だという。本体側面にはHDMIやUSBなどを端子を備えている。
イベントでは同社執行役社長 山西健一郎氏と、常務執行役開発本部長 堤和彦氏が登壇し、同社の研究開発戦略や今後のビジョンについてコメントした。
「2010年は円高の急速な進行など厳しい局面があったが、世界的な景気回復や、当社が進めてきた事業競争力強化、経営体質強化、財務体質強化の取り組みが徐々に実を結んだ」と述べる山西氏。今期は残り1月ほどとなった現段階で、同社全体の事業については前年度比で大幅な増収増益が見込まれているという。
続けて山西氏は、「2011年度も円高やグローバル競争に加え、レアアースや銅など素材価格の高騰といったリスク要因は存在するだろう。決して楽観視はできないが、世界的な環境志向の高まりや、中国・アジア諸地域の高い経済成長、新興国を中心とした社会インフラ整備の加速など、状況をグローバルに見ると、事業拡大の見込みが期待できると考えている」とし、成長戦略として環境エネルギー、社会インフラの分野を中心に取り組んでいく考えを示した。
また、今年2月1日で90周年を迎えた同社の、今後の企業ビジョンについても説明が行われた。「社会環境や経営状況、市場動向が大きく様変わりしたこの90年の間、三菱電機は技術を通じて宇宙から家庭まで社会に貢献することを目標に進んできた。かつて80周年を期に“Changes for the Better”を提唱したが、90周年を迎えた今年は、新たに100周年に向けたスタートの年として、環境ステートメント“eco change(エコチェンジ)”を併せて掲げる。グローバルで豊かな社会構築に貢献する環境先進企業として、今後の10年をさらに切り拓いていきたい」と述べた。
今回展示された試作機には、昨年に発表された、レーザー光源を用いた3D対応のDLPリアプロジェクションテレビ“LASERVUE”「75-LT1」の開発により培ったレーザー技術を投入。人の目の識別能力が高い色でありながら、これまで白色LEDでは再現が鈍かった「赤色」の光源にのみ赤色レーザーバックライトを採用している。残る青色と緑色については、青色LEDに緑色の蛍光体を組み合わせて発光させるシアン色LEDを光源とし、高品位かつ高効率な映像再現を可能にした。
また今回、レーザー光源の照度分布を最適化して液晶パネルを均一に照射する独自の光学系を開発し、2種類の異なる光源を使用しながらも色ムラの無い画面を実現した。
展示会場では、最上位機種である液晶テレビ“MDR1シリーズ”との視聴比較デモを実施。同社の発表によれば、純度の高い赤色レーザーを使用することで、MDR1シリーズとの比較では約1.3倍の色再現範囲を実現しているという。
また、光の3原色RGBの光源を全てレーザーバックライトとした投射型のLASERVUEに対し、赤色だけをレーザーバックライトとしたことにより、製造コストを抑えながら、同時にディスプレイ部の薄型化も可能にした。今回展示された試作機でも、奥行き70mmの薄さを実現している。
パネルの解像度は1,920×1,080のフルHD対応。10個のスピーカーで5.1chサラウンドを再現するサウンドシステムや、本体下部にBDレコーダー機能を統合した構造などは従来のMDR1シリーズの設計を踏襲する予定だという。本体側面にはHDMIやUSBなどを端子を備えている。
イベントでは同社執行役社長 山西健一郎氏と、常務執行役開発本部長 堤和彦氏が登壇し、同社の研究開発戦略や今後のビジョンについてコメントした。
「2010年は円高の急速な進行など厳しい局面があったが、世界的な景気回復や、当社が進めてきた事業競争力強化、経営体質強化、財務体質強化の取り組みが徐々に実を結んだ」と述べる山西氏。今期は残り1月ほどとなった現段階で、同社全体の事業については前年度比で大幅な増収増益が見込まれているという。
続けて山西氏は、「2011年度も円高やグローバル競争に加え、レアアースや銅など素材価格の高騰といったリスク要因は存在するだろう。決して楽観視はできないが、世界的な環境志向の高まりや、中国・アジア諸地域の高い経済成長、新興国を中心とした社会インフラ整備の加速など、状況をグローバルに見ると、事業拡大の見込みが期待できると考えている」とし、成長戦略として環境エネルギー、社会インフラの分野を中心に取り組んでいく考えを示した。
また、今年2月1日で90周年を迎えた同社の、今後の企業ビジョンについても説明が行われた。「社会環境や経営状況、市場動向が大きく様変わりしたこの90年の間、三菱電機は技術を通じて宇宙から家庭まで社会に貢献することを目標に進んできた。かつて80周年を期に“Changes for the Better”を提唱したが、90周年を迎えた今年は、新たに100周年に向けたスタートの年として、環境ステートメント“eco change(エコチェンジ)”を併せて掲げる。グローバルで豊かな社会構築に貢献する環境先進企業として、今後の10年をさらに切り拓いていきたい」と述べた。