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公開日 2020/02/20 19:39

NHKのネット配信「NHKプラス」をいち早く体験。スマホで快適視聴、追加料金不要

3月1日から試験的にスタート
編集部:平山洸太
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NHKのネット配信サービス「NHKプラス」が3月1日から試験的に開始する。本日メディア向けに体験会が実施され、その詳細が明らかになった。実際に触った感想やアプリの機能などをレポートをはじめ、利用開始するための手順などを紹介していこう。

「NHKプラス」を体験した

NHKプラスのアプリアイコン

アプリの動作はサクサク、画質も十分

NHKプラスは、総合テレビとEテレの番組を地上波放送と同時にインターネットでも視聴できるとともに、見逃し配信視聴もできるサービス。常時同時配信は、毎日6時から24時までの18時間程度実施。見逃し配信は原則としてテレビ放送後7日間、24時間利用できる。

サービス名には、視聴者に新しい価値を“プラス”、公共性の高い情報に接する機会を“プラス”するという2つの意味があるという。パソコンのブラウザや、Android・iOSのアプリを使用してスマートフォンやタブレットでも楽しめるようにする予定だ。

なお、NHKプラスの利用に際して、追加料金等は不要。受信契約者およびその家族(生計を同一にしている場合)は追加負担なく利用できる。

“プラス”には2つの意味があるという

今回はiPhoneを使用して、iOS版アプリを試してみた。さっそくアプリを立ち上げてみると、まずはNHK総合の生放送が現れるデザインとなっている。この画面から左にスワイプをすることで、Eテレと切り替えることも可能。動きもサクサクしていて、動作もスムーズだ。

横画面表示した状態

感想としては同時配信ということもあり、NHKのテレビ放送そのもの。追いかけ再生にも対応しているため、番組の頭から再生したり、シークバーで好きなところへ戻ったりすることもできる。なお同時配信といっても、テレビ放送から30秒ほど遅れて配信されることに注意したい。毎回の起動時に注意書きとして表示されるが、リアルタイム性の高い一部情報を除き、あまり気にならないだろう。

生放送は、映像をタップすると右下に赤い「LIVE」の文字を表示。追いかけ生成中は白色になる

起動中に表示されるメッセージ

ここで、画質や音質にも触れておきたい。画質は高/中/低/最低の4種類が用意されており、通信状況に応じて自動的に切り替える設定にも対応する。Wi-Fi接続時とモバイルデータ通信時で別々に設定することも可能。高では960×540(1.5Mbps)、中では640×360(769kbps)、低では448×252(384kbps)、最低では416×232(192kbos)の設定となっている。

画質は4段階で設定可能。自動で切り替える設定も備える

設定画面にはこれらの数字は記載されていないが、1時間あたりの容量の目安として、高は約0.7GB、中は約0.4GB、低は約0.2GB、最低は約0.1GBと表示されている。高設定では毎日20分みると1ヶ月で7GBになってしまうなど、設定の目安としてわかりやすい仕様だと感じた。

今回はiPhoneで体験したため、縦向きでの縮小表示では綺麗に視聴でき、そして全画面表示にしてもあまり画質は気にならなかった。iPadやパソコンなどの大きい画面でみると不満があるかもしれないが、少なくともスマートフォンの画面サイズでは十分に楽しめそうだ。

また音声のビットレートは64kbpsで、こちらは固定設定。設定画面からは、主音声のほか、「副音声優先」という設定も選ぶことができる。こちらもiPhoneの内蔵スピーカーから再生する分には、とくに不満は感じなかった。

見逃し配信にも対応。キーワードなどで番組を見つけるプレイリスト機能も

NHKプラスでは同時配信や追いかけ配信のほか、7日間の見逃し配信にも対応する。たとえば、大河ドラマが放送される前に前週分をみて、その後すぐに次の話を視聴することが可能。番組の放送終了後に、前週の同じ番組が配信終了するかたちとなっている。

見逃し配信では10秒戻る/30秒進むボタンを用意

1週間より前の番組については、NHKオンデマンドのサービスとして、まるごと見放題パック(税込990円/月)が3月1日から提供される。NHKオンデマンドではこれまで放送から2週間の「見逃し放題パック」と2週間後以降の「特選見放題パック」を提供していたが、変更されるかたちだ。

アプリの話に戻ると、見逃し配信で視聴できる番組はNHKが用意したハッシュタグによって、#ドキュメンタリー、#エンタメ、#ミュージックなどのジャンルから選ぶことができる「プレイリスト」機能によって探すことも可能。ハッシュタグについては固定のものではなく、オススメの番組名や注目単語であったりと、随時変更されていくという。

プレイリスト機能

加えて、キーワードからの検索や、放送日・放送時間でリスト状表示される「配信カレンダー」から探すことも可能。キーワード検索については電子番組表(EPG)の情報をもとに探すため、検索に引っかからない場合もあるとのこと。また今後の課題だそうだが、あいまい検索にも対応していないため、人物名などは正確に入力する必要があると話していた。

配信カレンダー

「ニュース」で検索した様子

そのほかの機能として、番組の概要や出演者、ジャンルなどの情報もアプリから確認することができる。これは生放送中の番組であっても同様に確認可能。番組によっては公式サイトへのリンクも設置されていたり、おはよう日本や正午のニュースといったニュース番組では、チャプターが表示され、そこから好きな内容を見ることも可能となっている。

ニュースはチャプター表示に対応

そして、番組や場面を共有する機能も搭載する。おすすめの番組やドラマのワンシーンなどをメールやSNSなどで共有でき、その番組や場面から再生開始することもできるという。字幕表示にも対応し、画面の上に表示するオーバーレイ、画面の下に表示する枠外表示の2種類の設定を備える。

字幕を枠外表示(左)/オーバーレイ表示(右)で表示した状態

このように多くの機能を搭載しているが、そのぶん使いこなすには、若干の慣れが必要だと感じたことも付け加えておきたい。とはいえ、今後も機能などブラッシュアップしていくはずだし、冒頭に記述したように動作はサクサク。大きなストレスはなく、全体的にかなり完成度が高い印象だった。

サービスは申し込み直後から利用可能。必要情報は氏名と住所だけ

ここで、サービスを利用する手順についても説明していこう。サービスは3月1日から試行的に実施され、本格的なサービスは4月1日からスタートする。同時配信の放送時間は1日中ではなく、試行中は7時から24時までの17時間、4月1日からは6時から24時までの18時間となっている。

利用するために必要な情報は、受信契約をしている本人の氏名と住所のみ。利用申込みをした当日からすぐに、サービスを利用開始することができる。

手順としては、3月1日からアクセスできるようになる申込画面において、メールアドレスを入力する。するとメールで入力ページのURLが届くため、ログインIDとパスワード、秘密の質問を設定。続いて氏名と住所を入力するだけで終了し、5 - 10分ほどで見られるようになるとのこと。

なお、1 - 3週間後にはハガキが届くため、確認コードを入力する必要があるが、その間も問題なくサービスを利用できるという。

アナウンサーの池田伸子さん

そのほか、体験会ではアナウンサーの池田伸子さんによるアプリのデモも実施された。

実際に使用してみた感想について池田さんは「昨日のあれを見逃したなということを、電車などで思い出すことも多い。いま時間があるなど、ちょっと見たいときにすごく使いやすいと思った。新型肺炎など、あの先生が何を言っていたかなとか、それぞれの番組ごとにどう伝えているのかなどもわかるので、自分の暮らしの安心感にもつながるのかなと、ユーザーとして感じた」と述べる一幕もあった。

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