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公開日 2024/10/30 14:02
『十一人の賊軍』がDolby Cinemaで公開。Dolby Vision & Atmosの魅力を白石和彌監督が語る
録音・浦田知治氏/音響効果・柴崎憲治氏も登壇
第37回東京国際映画祭のオープニング作品となった映画『十一人の賊軍』が11月1日(金)に全国公開される。同日にDolby Cinema(ドルビーシネマ)でも公開が決定。本稿では、Dolby Cinemaでの公開に先立ち、監督の白石和彌氏、録音の浦田知治氏、音響効果の柴崎憲治氏が登壇された、メディア向け特別取材会のレポートをお届けする。
『十一人の賊軍』は、『仁義なき戦い』シリーズなどで知られる脚本家の笠原和夫氏が1964年に執筆したプロットと、『孤狼の血』『碁盤斬り』を手掛けた白石和彌監督によって、60年の時を経て映画化された作品。
明治維新の中で起きた「戊辰戦争」の最中、新発田(しばた)藩で繰り広げられた歴史的事件である奥羽越列藩同盟軍への裏切り、旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた罪人たちが“決死隊”として砦を守る任に着く物語である。
特別取材会では、『十一人の賊軍』をDolby Cinema作品として制作した経緯をはじめ、Dolby Vision & Dolby Atmosで表現できたこと、そして今後のDolby Vison & Dolby Atmosの活用方法などについて、制作陣の思いを聞くことができた。
『十一人の賊軍』は、邦画作品でDolby Cinemaで採用されているDolby Vision & Dolby Atmosフォーマットで収録された映画作品がまだまだ少ない中、撮影開始当初からDolby Cinemaコンテンツとして制作されていった作品であるという。
Dolby Cinema作品として撮影された経緯について、「『十一人の賊軍』を世界的な作品として制作していくときに、現状で最高峰の形で制作していこうという背景があり、Dolby Cinemaで上映する作品として撮影する流れも必然のものだった。また、プロジェクトチームの意向も強かった」と、白石監督は語る。
音声フォーマットのDolby Atmosを用いて制作を行っていくことについて浦田氏は、「制作を始めていって現場からDolby Atmosで作ろうという声が上がることもあるが、今回は最初からDolby Atmosで鳴らすことを想定して進めていくことができた。本作品で登場人物も多いため、マイクの本数も非常に多かったが、やはり通常よりも時間は掛かってしまう」と、制作現場の作業量が大幅にアップすると明かした。
柴崎氏は、「5.1chサウンドとは違って、断然トラック数が多い。トップスピーカーもあって、サラウンドもあり、リアサラウンドがある、音の繋がりのバランスを整えることがかなり大変になる。本作品では、雨のシーンがあるが、雨の音も高い位置の音からベースとなる音まで必要となる」と、表現の幅が広がる分、気を配らないといけない点が増えると語る。
そして柴崎氏は、「音響面においての映画作品の主役は、やはり台詞であり、雨や風といったアフレコによる効果音、BGMといった音響は、セリフを引き立たせるために、できる限りリアリティを追求した表現が大切だ。音が動く部分では、Dolby Atmosならではの効果が体感できて、効果音を作る人間として本当に楽しい。メインとなるセリフなどを邪魔しない、ギリギリの線を狙っていく部分が多かった。やはり空気感を作るという点でDolby Atmosは凄く最適な技術だ」と、作品の空気感を作る、またキーアイテムに対して音を当てていく、効果音制作の立場からDolby Atmosならではの魅力を伝えてくれた。
台詞を録るマイク、環境音を録音するマイク、そしてアフレコの音声など、膨大な数の音が情報としてあるため、それを整音していくだけでも、多くの時間が要するという。また、通常は1か月程度で完了する整音も、『十一人の賊軍』ではほぼ4か月の日数を要したようだ。
音声制作ソフト「Pro Tools」で作業を進める際、普段であれば10個程度のプラグインで作り上げることができるが、今回は倍となる20個以上のプラグインを使用したとのこと。特に空間系にエフェクトに関連するプラグインの数が増え、どのプラグインを組み合わせていくが吟味していく作業も時間が掛かると説明する。
本作品のポイントである雨の音について、いろいろな効果音を用いて作り込まれている。引きのシーンと寄りのシーンで雨の音の聴こえ方は異なるため、どのシーンでも同じ雨の音にするのではなく、雨音の質感を変えて臨場感を作り出しているとのこと。雨の音だけでも何十トラックもあり、雨の音も何重にも重ねていくとディレイ効果が発生し、雨の空気の音のようなものも表現できるようになる。そういった効果音が、シーンの臨場感をいっそう高めるという。
戦闘シーンでは、効果音をいくつも重ねていって、銃撃の音などを“作り出す”とのこと。銃の音とは異なる、例えば雷鳴の音などを組み合わせて作り込んでいくと、迫力のある重低音を生み出すことができる。
白石監督は、「良い意味で臨場感に包まれる感覚が強まる。だからこそどのシーンにおいても、このシーンでは一体何の音を一番に聴かせたいのか、その選択が難しかった。セリフを聴かせたいのはもちろん、音楽も聴かせたい、でも雨の音など効果音も聴かせたいという気持ちが生まれ、どこかを立てると別のところが凹んでしまう、ときに聴こえなくなっている音なども出てくるが、そういった部分での調整に多く時間が掛かった」とDolby Atmosならではの難しさに直面したという。
Dolby Visionによる映像面での効果について、実際に現実で見えている画の感覚に限りなく近付けていくことを、カメラマンと相談しながら追求していったとのこと。暗部はどこまで暗くしても階調を出せるのか、今まででは白飛びしていた明るい部分が見えることでどういった表現ができるのかを吟味していったという。
ただ、ダイナミックレンジが広がる分、見せられる要素が増えるため、やはりシーン毎に何を見せたいのかを、その部分にフォーカスをしっかり当てられるよう慎重に撮影していったと明かしており、技術的に表現できることが大幅に増えたからこそ、制作サイトが何と伝えたいのかということを明瞭化していく必要があったと語られた。
また白石監督は、「映画というのは画においても、音の設計においても“匂い立つもの”というものがある。本来聴こえていないものが聴こえているように感じる、映像を観ることで想像力が揺さぶるような感覚を得られるような部分を意識して制作に臨んだ。また暗いシーンの中での光の見え方などは、今まででは撮影することができなかったが、Dolby Visionによって見せ方のバリエーションまで増やすことができたと感じた」と、Dolby Visionならではの特徴を実際に目の当たりし、また今回の経験でやってみたい撮影が次々と思い浮かんだという。
Dolby Visionによる効果は、映像の見え方だけでなく、役者の演技にも変化を与えたとのこと。従来まで暗いシーンはライトなどを焚いて、役者の顔が見えるように撮影していたが、Dolby Visionを採用することで暗いシーンが“そのまま暗いまま”撮影することができるため、役者が自然体で演じることができ、演技の面からもリアリティが増したようだ。
Dolby Cinema作品として『十一人の賊軍』の製作を経て、白石監督は「一度、Dolby Atmosで制作したら、今後5.1chなどのサラウンドでの制作に戻れるのか、物足りなくなってしまうのではないかと心配になってしまうほど、Dolby Atmosのサウンドは魅力的」と語ってくれた。
続いて浦田氏は「これからの全ての映画作品がDolby Cinemaコンテンツとして制作されていってほしい。もちろん制作作業はとても大変になるのだが、それと引き換えにしても素晴らしい体験が得られる。今度は」“しっとり”として映画作品で、Dolby Atmosによる制作に携わってみたい」と、Dolby Atmosで制作してみたい作品についても明かす。
そして柴崎氏は「改めてDolby Atmosと環境音の表現の繋がりが深く、映画作品の没入感に直結していると感じた。音の奥行きがあるため、歩いていたりするシーンでいろんな音が通り過ぎていく、そんな何気ないシーンも作品に入り込んだような没入感で楽しむことができる。またそういった撮影の中で芝居ができることも大きなアドバンテージになるだろう」と、改めてDolby Atmosが今後の映画作品のクオリティを高めてくれることを示唆した。
最後に、「Dolby Cinemaで『十一人の賊軍』を観るというよりも、Dolby Cinemaで体感してみてほしい。観ていただいた方に、ぜひ『十二人目の賊軍』になってもらいたい」とコメントしてくれた。Dolby Cinemaは全国10スクリーン、Dolby Atmosは全国34か所42スクリーンで楽しむことができる。
監督:白石和彌氏(しらいしかずや)
1974 年12月17日生まれ、北海道出身。1995年に中村幻児監督主催の映像塾に参加したのち、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した映画『凶悪』(13)で第37
回日本アカデミー賞優秀作品賞と監督賞ほか各映画賞を総なめした。さらに、2017年に映画『彼女がその名を知らない鳥たち』でブルーリボン賞監督賞を受賞すると、翌年も『孤狼の血』を含む3作品で同賞を受賞。近年の主な監督作は、映画『孤狼の血LEVEL2』(21)、『死刑にいたる病』(22)、『碁盤斬り』(24年5月)などがある。
録音:浦田知治氏
1949年生まれ。北海道出身。日本映画・テレビ録音協会会員。『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』76年(柳町光男監督)初技師後、濱マイクシリーズ3部作(林海像監督)、劇場版ウルトラマンシリーズを『ウルトラマン ゼアス』以降8作担当。近年では、白石和彌監督の劇映画の全ての作品の録音を担い、その技術力と感性が高く評価されており、長年にわたり、さまざまなジャンルの映画制作において重要な役割を果たし続けている。
音響効果:柴崎憲治氏(しばさきけんじ)
1955年生まれ、埼玉県出身。アルカブース代表取締役。音響効果の重要性を映画界に認知させた立役者の一人であり、「日本一多忙な音効マン」としても知られる。これまでに数々の映画作品で音響効果を担当し、その緻密な音作りは多くの監督やスタッフから高く評価されている。担当作に『大怪獣のあとしまつ』『死刑にいたる病』『峠 最後のサムライ』などがある。
『十一人の賊軍』は、『仁義なき戦い』シリーズなどで知られる脚本家の笠原和夫氏が1964年に執筆したプロットと、『孤狼の血』『碁盤斬り』を手掛けた白石和彌監督によって、60年の時を経て映画化された作品。
明治維新の中で起きた「戊辰戦争」の最中、新発田(しばた)藩で繰り広げられた歴史的事件である奥羽越列藩同盟軍への裏切り、旧幕府軍への裏切りのエピソードをもとに、捕らえられていた罪人たちが“決死隊”として砦を守る任に着く物語である。
特別取材会では、『十一人の賊軍』をDolby Cinema作品として制作した経緯をはじめ、Dolby Vision & Dolby Atmosで表現できたこと、そして今後のDolby Vison & Dolby Atmosの活用方法などについて、制作陣の思いを聞くことができた。
『十一人の賊軍』は、邦画作品でDolby Cinemaで採用されているDolby Vision & Dolby Atmosフォーマットで収録された映画作品がまだまだ少ない中、撮影開始当初からDolby Cinemaコンテンツとして制作されていった作品であるという。
Dolby Cinema作品として撮影された経緯について、「『十一人の賊軍』を世界的な作品として制作していくときに、現状で最高峰の形で制作していこうという背景があり、Dolby Cinemaで上映する作品として撮影する流れも必然のものだった。また、プロジェクトチームの意向も強かった」と、白石監督は語る。
音声フォーマットのDolby Atmosを用いて制作を行っていくことについて浦田氏は、「制作を始めていって現場からDolby Atmosで作ろうという声が上がることもあるが、今回は最初からDolby Atmosで鳴らすことを想定して進めていくことができた。本作品で登場人物も多いため、マイクの本数も非常に多かったが、やはり通常よりも時間は掛かってしまう」と、制作現場の作業量が大幅にアップすると明かした。
柴崎氏は、「5.1chサウンドとは違って、断然トラック数が多い。トップスピーカーもあって、サラウンドもあり、リアサラウンドがある、音の繋がりのバランスを整えることがかなり大変になる。本作品では、雨のシーンがあるが、雨の音も高い位置の音からベースとなる音まで必要となる」と、表現の幅が広がる分、気を配らないといけない点が増えると語る。
そして柴崎氏は、「音響面においての映画作品の主役は、やはり台詞であり、雨や風といったアフレコによる効果音、BGMといった音響は、セリフを引き立たせるために、できる限りリアリティを追求した表現が大切だ。音が動く部分では、Dolby Atmosならではの効果が体感できて、効果音を作る人間として本当に楽しい。メインとなるセリフなどを邪魔しない、ギリギリの線を狙っていく部分が多かった。やはり空気感を作るという点でDolby Atmosは凄く最適な技術だ」と、作品の空気感を作る、またキーアイテムに対して音を当てていく、効果音制作の立場からDolby Atmosならではの魅力を伝えてくれた。
台詞を録るマイク、環境音を録音するマイク、そしてアフレコの音声など、膨大な数の音が情報としてあるため、それを整音していくだけでも、多くの時間が要するという。また、通常は1か月程度で完了する整音も、『十一人の賊軍』ではほぼ4か月の日数を要したようだ。
音声制作ソフト「Pro Tools」で作業を進める際、普段であれば10個程度のプラグインで作り上げることができるが、今回は倍となる20個以上のプラグインを使用したとのこと。特に空間系にエフェクトに関連するプラグインの数が増え、どのプラグインを組み合わせていくが吟味していく作業も時間が掛かると説明する。
本作品のポイントである雨の音について、いろいろな効果音を用いて作り込まれている。引きのシーンと寄りのシーンで雨の音の聴こえ方は異なるため、どのシーンでも同じ雨の音にするのではなく、雨音の質感を変えて臨場感を作り出しているとのこと。雨の音だけでも何十トラックもあり、雨の音も何重にも重ねていくとディレイ効果が発生し、雨の空気の音のようなものも表現できるようになる。そういった効果音が、シーンの臨場感をいっそう高めるという。
戦闘シーンでは、効果音をいくつも重ねていって、銃撃の音などを“作り出す”とのこと。銃の音とは異なる、例えば雷鳴の音などを組み合わせて作り込んでいくと、迫力のある重低音を生み出すことができる。
白石監督は、「良い意味で臨場感に包まれる感覚が強まる。だからこそどのシーンにおいても、このシーンでは一体何の音を一番に聴かせたいのか、その選択が難しかった。セリフを聴かせたいのはもちろん、音楽も聴かせたい、でも雨の音など効果音も聴かせたいという気持ちが生まれ、どこかを立てると別のところが凹んでしまう、ときに聴こえなくなっている音なども出てくるが、そういった部分での調整に多く時間が掛かった」とDolby Atmosならではの難しさに直面したという。
Dolby Visionによる映像面での効果について、実際に現実で見えている画の感覚に限りなく近付けていくことを、カメラマンと相談しながら追求していったとのこと。暗部はどこまで暗くしても階調を出せるのか、今まででは白飛びしていた明るい部分が見えることでどういった表現ができるのかを吟味していったという。
ただ、ダイナミックレンジが広がる分、見せられる要素が増えるため、やはりシーン毎に何を見せたいのかを、その部分にフォーカスをしっかり当てられるよう慎重に撮影していったと明かしており、技術的に表現できることが大幅に増えたからこそ、制作サイトが何と伝えたいのかということを明瞭化していく必要があったと語られた。
また白石監督は、「映画というのは画においても、音の設計においても“匂い立つもの”というものがある。本来聴こえていないものが聴こえているように感じる、映像を観ることで想像力が揺さぶるような感覚を得られるような部分を意識して制作に臨んだ。また暗いシーンの中での光の見え方などは、今まででは撮影することができなかったが、Dolby Visionによって見せ方のバリエーションまで増やすことができたと感じた」と、Dolby Visionならではの特徴を実際に目の当たりし、また今回の経験でやってみたい撮影が次々と思い浮かんだという。
Dolby Visionによる効果は、映像の見え方だけでなく、役者の演技にも変化を与えたとのこと。従来まで暗いシーンはライトなどを焚いて、役者の顔が見えるように撮影していたが、Dolby Visionを採用することで暗いシーンが“そのまま暗いまま”撮影することができるため、役者が自然体で演じることができ、演技の面からもリアリティが増したようだ。
Dolby Cinema作品として『十一人の賊軍』の製作を経て、白石監督は「一度、Dolby Atmosで制作したら、今後5.1chなどのサラウンドでの制作に戻れるのか、物足りなくなってしまうのではないかと心配になってしまうほど、Dolby Atmosのサウンドは魅力的」と語ってくれた。
続いて浦田氏は「これからの全ての映画作品がDolby Cinemaコンテンツとして制作されていってほしい。もちろん制作作業はとても大変になるのだが、それと引き換えにしても素晴らしい体験が得られる。今度は」“しっとり”として映画作品で、Dolby Atmosによる制作に携わってみたい」と、Dolby Atmosで制作してみたい作品についても明かす。
そして柴崎氏は「改めてDolby Atmosと環境音の表現の繋がりが深く、映画作品の没入感に直結していると感じた。音の奥行きがあるため、歩いていたりするシーンでいろんな音が通り過ぎていく、そんな何気ないシーンも作品に入り込んだような没入感で楽しむことができる。またそういった撮影の中で芝居ができることも大きなアドバンテージになるだろう」と、改めてDolby Atmosが今後の映画作品のクオリティを高めてくれることを示唆した。
最後に、「Dolby Cinemaで『十一人の賊軍』を観るというよりも、Dolby Cinemaで体感してみてほしい。観ていただいた方に、ぜひ『十二人目の賊軍』になってもらいたい」とコメントしてくれた。Dolby Cinemaは全国10スクリーン、Dolby Atmosは全国34か所42スクリーンで楽しむことができる。
監督:白石和彌氏(しらいしかずや)
1974 年12月17日生まれ、北海道出身。1995年に中村幻児監督主催の映像塾に参加したのち、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した映画『凶悪』(13)で第37
回日本アカデミー賞優秀作品賞と監督賞ほか各映画賞を総なめした。さらに、2017年に映画『彼女がその名を知らない鳥たち』でブルーリボン賞監督賞を受賞すると、翌年も『孤狼の血』を含む3作品で同賞を受賞。近年の主な監督作は、映画『孤狼の血LEVEL2』(21)、『死刑にいたる病』(22)、『碁盤斬り』(24年5月)などがある。
録音:浦田知治氏
1949年生まれ。北海道出身。日本映画・テレビ録音協会会員。『ゴッド・スピード・ユー! BLACK EMPEROR』76年(柳町光男監督)初技師後、濱マイクシリーズ3部作(林海像監督)、劇場版ウルトラマンシリーズを『ウルトラマン ゼアス』以降8作担当。近年では、白石和彌監督の劇映画の全ての作品の録音を担い、その技術力と感性が高く評価されており、長年にわたり、さまざまなジャンルの映画制作において重要な役割を果たし続けている。
音響効果:柴崎憲治氏(しばさきけんじ)
1955年生まれ、埼玉県出身。アルカブース代表取締役。音響効果の重要性を映画界に認知させた立役者の一人であり、「日本一多忙な音効マン」としても知られる。これまでに数々の映画作品で音響効果を担当し、その緻密な音作りは多くの監督やスタッフから高く評価されている。担当作に『大怪獣のあとしまつ』『死刑にいたる病』『峠 最後のサムライ』などがある。