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レグザ、新フラグシップ4K有機EL「X9900R」。「RGB4スタック発光層」採用パネルで明るさ・色域が向上
TVS REGZAは、2025年度のフラグシップ・4K有機ELテレビ “X9900Rシリーズ” を5月23日に発売する。画面サイズは55型/65型の2モデルを展開。いずれも価格はオープンで、市場での予想実売価格は以下の通り。
<X9900Rシリーズ>
・65型 「65X9900R」 税込638,000円前後
・55型 「55X9900R」 税込484,000円前後

本シリーズは、2024年度モデル “X9900Nシリーズ” の後継機種。「レグザ インテリジェンス」機能を搭載。AI技術とセンシング技術を活用し、映像体験をさらに向上させたとアピールする
本機能導入の背景について、「近年の動画配信サービスの普及によるコンテンツの爆発的増大に伴い、ユーザーは前のめりで能動的にテレビを視聴するようになっている」と指摘したうえで、「レグザ インテリジェンス」によってユーザーのテレビ視聴をサポートし、本来のリラックスした視聴スタイルへの回帰を目指すためだと語っている。
X9900Rシリーズにおいては、生成AIと連携してコンテンツや情報を素早く検索する「AIボイスナビゲーター」、履歴や趣向傾向を分析して新しいコンテンツとの出会いをサポートする「AIリコメンド」、従来よりも判別範囲を拡大した「AIシーン高画質」、音声と環境音を抽出して自動的に音質調整を行う「AI快適リスニング」という、4つの機能を担うという。

X9900Rシリーズでは有機ELパネルも刷新。新開発の「高輝度広色域RGB4 スタック有機ELパネル」を搭載した。赤/青/緑から成る4層構造の「新開発RGB4スタック発光層」を採用することで、2024年度モデル “X9900Nシリーズ” 比で約1.3倍の輝度向上、約1.1倍の色域拡大を実現したという。
さらに新開発の低反射ARコートも採用。外光の映り込みが前モデルから約3割低減し、引き締まった黒とともに色鮮やかな映像を楽しめるという。HDRフォーマットは、Dolby Vision/HDR10+/HDR10/HLGに対応。


映像処理エンジンには、2025年版「レグザエンジンZRα」を搭載。高画質化機能「AIシーン高画質PRO」も進化している。判別可能シーンが、従来の夜景/花火・星空/リング競技などに加え、新たにライブシーンにも対応。照明による顔の白飛びを抑制するほか、引きのショットではアーティストの精細感を向上。独自の映像信号処理とパネル駆動処理により、ライブ会場にいるようなリアルな映像を再現するという。



ネット動画の種類や特性をAIが自動で画質調整を行う「ネット動画ビューティPRO」を搭載。AIでフィルムグレインを検出して、ビデオ映像/フィルム映像/アニメ映像などのジャンルに分類して、画質化の最適化を図る。また、ネット動画などの高圧縮コンテンツで発生しがちな圧縮ノイズやバンディングを抑制する「ネット動画バンディングスムーサーPRO」にも対応。なめらかで自然な高画質を実現するとしている。

地デジやBS放送向けの高画質化機能「地デジAIビューティPRO」も採用。放送波に対し、リアルタイムで複数回の超解像処理を施すことでノイズを低減。動きのある映像では残像を抑制することで、高精細でクリアな映像を再生するという。そのほか、テロップ検出や、ワイプなどの顔領域検出といった機能にも対応することで、テレビ番組の高画質化を図っている。

AIエンジンが映像内にある顔領域をリアルタイムで検出し、照明などの影響で不自然にカラーシフトした顔色を自然な色に補正する「ナチュラルフェイストーンPRO」も導入。色相ベースのシーンチェンジ判定を行うことで、被写体が背中を向けるといった動きのあるシーンでも、安定的に適切な肌色を再現するとのこと。

音響面では、高音質化技術として「レグザAI快適リスニング」を新たに採用。AIがコンテンツ内の音声成分を認識し、音声と環境音のバランスを調整。人の声をより聴きやすくするという。またスポーツなどのコンテンツにおいては、解説の音声を抑えつつ、スタジアムの歓声を強調して臨場感を高めるといった演出も可能。


独自開発のオーディオポストプロセッサーによって、5.1.2ch出力に対応する「イマーシブサウンド360 PRO」を搭載。さらに、スピーカーごとに周波数特性や音圧、タイミングなどを細かく最適化する「マルチスピーカークオリティーマネジメント」もサポートすることで、臨場感あるリアルな高音質を実現するという。 立体音響フォーマットはDolby Atmosに対応する。

また本シリーズには「重低音立体音響システム XIS」を導入。65X9900Rは18個のスピーカー(メインスピーカー×4基/サイドスピーカー×4基/トップスピーカー×4基/センタースピーカー×4基、ウーファー×2基)を180Wマルチアンプで独立駆動。55X9900Rは14個のスピーカー(メインスピーカー×4基/サイドスピーカー×4基/トップスピーカー×2基/センタースピーカー×2基、ウーファー×2基)を170Wマルチアンプで独立駆動する。
「レグザAIボイスナビゲーター」も新たに搭載。Googleの生成AI「Gemini」を利用した音声検索が使用可能となっている。発話内容の文脈やニュアンスを理解する仕様で、番組のタイトルがわからない場合でも、「最近話題のドラマ」といった抽象的な言葉に対してトレンドやユーザーの好みに合ったコンテンツを表示する。なお、今夏のソフトウェア・アップデートによって、対話形式の表示に対応予定とのことだ。

具体的な操作感としては、その言葉に合致する複数作品をピックアップし、より合致する順番でサジェスト。表示されたコンテンツには番号が振られており、「2番を再生して」と言えば、2番目にサジェストされたコンテンツが再生されるという具合。
また「みるコレ」とも連動しており、抽象的な言葉に対しても、ユーザーの趣向傾向にあうコンテンツを検索・サジェストする仕様となっている。

フラグシップモデルに採用される機能「高感度ミリ波レーダー」も継承。ユーザーの視聴距離を感知して、自動で適切な映像・音声処理を実施する。本シリーズではセンシング機能が向上しており、人物との距離感知の精度を上げているという。
また、「スマートちょっとタイム」という新機能を実装。センサーの感知範囲内から人がいなくなると、自動的に動画コンテンツを一時停止。また範囲内に人が入ってくると自動的に再生を開始するという便利な機能となっている。


上位機種ならではの機能、「タイムシフトマシン」を搭載。地上デジタル放送を最大6チャンネル録画することができる。また、好きなタレントやジャンルなどを登録するだけで自動録画できる「おまかせ録画」にも対応する。

“推し活”に特化した機能として「みるコレ」を搭載。好きなタレントや好みのテーマの「みるコレパック」をお気に入りに追加すると、関連した番組やシーンを自動的に検索・表示できる。関連する未来の番組や、過去に放送された番組も「推し活リスト」からチェックすることも可能。

「新ざんまいスマートアクセス」にも対応し、「みるコレパック」でお気に入りに追加したタレントの番組やシーン、ネット動画をすぐに視聴できる。また、録画番組の見たいシーンをすぐに表示できる「シーンリスト/出演者」機能もサポートする。
そのほか気になる番組の配信先も簡単にチェックできる「番組こねくと」や、アーティストやアイドル、タレントなどの出演番組スケジュールを確認できる「みるコレ番組ガイド」も用意する。

ゲーミング機能は、4K/144p入力/ALLM/VRR(バリアブルリフレッシュレート)に対応。ゲーム機に合わせて適切な設定に変更する「オートゲームアジャスト」機能や、約0.83msecの表示速度を可能にする「瞬速ゲームモード」も搭載している。
付属のリモコンには、YouTube/Prime Video/Netflix/Disney+/NHK+/U-NEXT/ABEMA/TVer/FOD/hulu/DAZN/Net-VISIONの合計12種類のサービスにダイレクトでアクセスできるボタンを搭載。また、任意のネット動画サービスやHDMI入力端子などを登録し、ボタンひとつで起動できる「My.Choice」ボタンも実装している。
加えて、使用頻度の高いキーをカーソル周りに配置することでUIを向上を狙ったほか、キーの傾斜形状も見直すことで操作性の向上も図られている。



チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS・110度デジタル×3、BS4K・110度CS4K×2を搭載。主な入出力端子は、HDMI入力×4基(eARC対応は入力2のみ、4K/120p・VRRは入力1・2のみ、ALLMは全入力が対応)、光デジタル音声出力×1基、ヘッドホン出力×1基、LAN×1基、USB Type-A入力×4基(タイムシフト専用×2、通常録画用×1、汎用×1)を装備。
各モデルの消費電力(待機時)は、65X9900Rが491W(0.4W)、55X9900Rが390W(0.4W)。
メディア向けに開催された新製品発表会にて、TVS REGZA 取締役 副社長 である石橋泰博氏は、「2025年度も、レグザは “有機ELも本気、Mini LED液晶も本気” という2トップ戦略を打ち出してゆく。今回発表するフラグシップモデルは、そのコンセプトに恥じないクオリティーとなっている」と語った。
