放送とVODをシームレスにつないでくれる新サービス「もっとTV」

映像配信をより身近にしてくれる「もっとTV」

ビエラは他社に先駆けてこの4月に新しいネットワークサービスに対応した。民放キー局5局と電通が共同で推進するテレビ用VODサービス「もっとTV」だ。テレビ局の制作コンテンツであるドラマ、アニメ、映画といった作品は既存の映像配信サービス、放送局各局による自社サービスで提供されているが、ポータルとして各局をとりまとめ、より利用しやすくしたのが本サービスだ。「もっとTV」を使えばどのようなベネフィットがあるのか。TH-L42DT5で実際に体験してみた。

「もっとTV」最大の特徴は、サービスへのスムーズなアクセスにある。ビエラ付属リモコンのチャンネルボタンのすぐ横に、「VOD」と表示されたボタンを押してみよう。「ビエラ・コネクト」メニューを経由することなく直接「もっとTV」コーナーへとジャンプできる。VODサービスへすんなり入れる仕組みが構築されている。

「もっとTV」トップページ自体にもひと工夫ある。「もっとTV」ボタンを押すと、常に現在視聴している放送局の作品が並ぶ売り場に直結しているのだ。つまり、フジテレビを視聴していれば「フジテレビオンデマンド」、TBSを視聴していれば「TBSオンデマンド」に到着する。各局がオンデマンドで提供している作品は、基本的には各局が現在放送している作品の見逃し配信の番組であったり、過去に放送している番組であったりする。視聴者にとっても、今観ているドラマやアニメの過去の放送回を購入できる画面にジャンプできるので、放送の一部のようにオンデマンドサービスをシームレスに取り扱える点がユニークだ。

放送局ごとのページを俯瞰すると、運営するテレビ局ごとにイチ押しのものがそれぞれ工夫されて配置されていることが分かり、非常に興味深い。ドラマ、アニメ等を紹介するサムネイル画面が美しく並び、作品ありきで番組を選べる。日テレオンデマンドなら『家政婦のミタ』、テレ朝動画では放送終了直後のドラマ『都市伝説の女』や『時効警察』のライブラリー配信、TBSオンデマンドで『ハンチョウ』シリーズ、テレビ東京オンデマンドでは『イナズマイレブン』が並ぶなど、番組を選ぶ楽しさが視聴者に伝わりやすい。これは、ポータルとして「もっとTV」がまず存在し、その先につながる仕掛けが整備されているからこそ伝わることなのだ。

今回はTBSオンデマンドで提供している沢尻エリカ主演のスペシャルドラマ『悪女について』をオンデマンドで購入してみた。「TBSオンデマンド」メニューを開いて購入を選ぶと、設定画面（初回のみ表示される）が表示され、認証コードの入力、パスワード、等の入力がそれぞれ求められる。その購入画面での「見る」を押せば実際に視聴可能だ。配信方式はストリーミングだが、クオリティは安定している。もちろんHD画質で、地上デジタル放送と比べても遜色ないレベルでの画質がキープできていることが確認できた。



テレビ局独自の運営による見逃し配信はいままでもPC向けサービスとして存在していたが、映画を中心とした膨大な作品数が提供されている映像配信にアクセスして、作品を見つけ出すまでのハードルがこれまで非常に高かった。テレビ局発のサービスへのアクセスを一手に引き受けた「もっとTV」サービスは、映像配信をより身近にしてくれるものとして大いに評価できる存在だ。

もっとTV対応機種一覧
■プラズマテレビ／液晶テレビ「VIERA」
ZT5シリーズ	TH-P65ZT5	TH-P50ZT5
WT5シリーズ	TH-L55WT5	TH-L47WT5
VT5シリーズ	TH-P60VT5	TH-P55VT5	TH-P50VT5
GT5シリーズ	TH-P60GT5	TH-P55GT5	TH-P50GT5	TH-P42GT5
DT5シリーズ	TH-L55DT5	TH-L47DT5	TH-L42DT5
ET5シリーズ	TH-L55ET5	TH-L47ET5	TH-L42ET5	TH-L37ET5	TH-L32ET5
E5シリーズ	TH-L42E5
■ブルーレイレコーダー「DIGA」
DMR-BZT920	DMR-BZT820	DMR-BZT720	DMR-BWT620	DMR-BWT520