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公開日 2013/12/04 00:01

若手評論家4人が聴く ー オーディオテクニカ“IMシリーズ”全6機種総合レビュー

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オーディオテクニカからこの秋、注目のモニターイヤホンが多数登場した。複数BAドライバー搭載の「ATH-IM04」「ATH-IM03」「ATH-IM02」「ATH-IM01」と、ダイナミックドライバーを搭載した「ATH-IM70」「ATH-IM50」の計6機種だ。

日頃からさまざまなイヤホン/ヘッドホンを聴く若手評論家4人が、今回の新モデルの実力を徹底検証。それぞれのモデルに、独自の視点で迫った。


レビュー目次

ATH-IM01  by 岩井 喬
ATH-IM02  by 高橋 敦
ATH-IM03  by 野村ケンジ
ATH-IM04  by 折原一也
ATH-IM70&IM50 by 折原一也



ATH-IM01  by 岩井 喬 /製品詳細情報はこちら

“IMシリーズの理想の姿”が映し出されたモデル


ATH-IM01/¥OPEN(予想実売価格14,800円前後)
バランスド・アーマチュア型(以下、BA型)ドライバーを積む新生インイヤーモニター・シリーズの1ウェイモデルで、ATH-CK70PROの後継となるポジションである。IMシリーズ共通のワイヤー内蔵着脱式耳かけケーブル仕様を採用し、シースルーなスモークボディを用いたエルゴノミクス・フォルムもより洗練されたものとなった。

ドライバーの放出口からノズル開口部にかけ、導管を次第に広がるホーン形状を持たせたオーディオテクニカならではの独自技術である“アコースティックホーン"を取り入れ、音響放射抵抗を減らし、伝達特性を向上。癖の少ないナチュラルで音ヌケの良いスムーズなサウンド性はBA型方式のなかでも屈指のバランスといえる。イヤーチップにはコンプライタイプも同梱されており、装着性・遮音性の高さも申し分ない。

BA型ドライバーを搭載したラインナップとしては最もシンプルな1ドライバー仕様であるが、それゆえ、シリーズの持つ意味やサウンド性などブランドが思い描く理想の姿が映し出されるのではないか。

IMシリーズそのものは“モニター"の名を冠しているように、基本的にニュートラルでバランスの良いサウンドを目指している。上位のマルチウェイタイプも非常に完成度が高く、サウンドの密度も高い。しかし音伸びの素直さや滑らかなディティール表現力は上位機に負けておらず、安定感ある中域を軸にまとめた聴きやすい音色を持つ。

クラシックの管弦楽器はすっきりと旋律を描き出し、ローエンドを引き締めクリアなハーモニーを引き立てる。打楽器もアタック感が中心だ。ジャズピアノのアタックは軽やかでやや細身の印象。ウッドベースの胴鳴りはむっちりとしており、弦のたわみが鮮やかに際立つ。ロックのディストーションギターは軽快なピッキングで、ボーカルもスカッとヌケ良く浮かぶ。リズム隊のアタックはスムーズで厚みをほんのりと感じさせる。

ハイレゾ音源になるときちんと質感の差を描き分け、音場の透明感も向上。ボーカルの肉付きはナチュラルで高域にかけ素直にリリースが伸びてゆく。レンジ感は控えめであるが適度に音像の太さもあり聴きやすいサウンドである。

■試聴音源(再生機器:iBasso HDP-R10)
・レヴァイン指揮/シカゴ交響楽団『惑星』~木星(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・オスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』〜ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・デイヴ・メニケッティ『メニケッティ』~メッシン・ウィズ・ミスター・ビッグ(CDリッピング:44.1kHz/16bit・WAV)
・『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』〜届かない恋、夢であるように(192kHz/24bit・WAV)
・シカゴ『17』~ワンス・イン・ア・ライフタイム(192kHz/24bit・FLAC)


次ページ続いて高橋敦がATH-IM02をチェック

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