【第72回】iPhoneでハイレゾ再生、どっちを選ぶ？「HF Player」「FLAC Player」を徹底比較

■iPhoneからハイレゾ出力できるアプリ2種類を徹底聴き比べ

先日の本連載にて、iOS 7へのアップデートでiPhoneやiPod touchでも可能となった、iOS機器でのカメラアダプタ経由でのUSB-DACハイレゾ再生を検証した。

内容をざっくり言うと、
・iOS機器→カメラアダプタ→一部のUSB-DACという接続
・ハイレゾ対応再生アプリの利用
という条件においてそれは動作し、音質面でもハイレゾ再生と呼ぶにふさわしいものであることを確認できたというのが、前回の記事だ。

今回は先ほどの条件のうち後者、「ハイレゾ対応再生アプリ」に焦点を当ててみる。前回も紹介した以下のアプリ2種類それぞれの機能や音質面での特徴・特長を見ていき、「で、どっちがいいの？」というところを考えてみようというわけだ。

・Dan Leehr L.L.C.「FLAC Player」（1,000円）
https://itunes.apple.com/jp/app/flac-player/id390532592

・オンキヨー「ONKYO HF Player」（無料＋アプリ内課金1,000円））
https://itunes.apple.com/jp/app/onkyo-hf-player/id704139896

テストしたのは取材時の最新バージョンの、FLAC Player 2.0.1、ONKYO HF Player 1.0.6だ。まずは主要機能の比較表を用意したのでご覧いただきたい。

…やはり、単純な機能比較だとこのように、HF Playerの大勝利だ。後発の優位もあるし、設計思想からして異なるというのもあるだろう。何にせよ「iOSでハイレゾ再生ならFLAC Player一択！」という状況が終わりを告げたことは間違いない。では、以下に各項目を見ていこう。

・FLAC再生
　FLAC Player：◯｜HF Player：◯
ハイレゾ配信の主流であるFLACへの対応はハイレゾ再生アプリの最低条件であるので共にクリア。FLAC Playerは「FLACしか再生できない」という頑固っぷり。

・192kHz対応
　FLAC Player：◯｜HF Player：◯
これもどちらもクリア。

・DSD再生
　FLAC Player：ー｜HF Player：◯
HF Playerのみ対応。DoP方式でのネイティブ伝送・再生、5.6MHzファイルの再生にまで対応する。

・イコライザ
　FLAC Player：◯｜HF Player：◎
FLAC Playerは普通の10バンドグライコ。HF Playerは超高精度処理＆ほぼ無段階。

・アップサンプリング
　FLAC Player：ー｜HF Player：◯
HF Palyerのみ搭載。効果については賛否のある機能だが、オンオフ可能な形で搭載されていれば実際に試して判断できるわけで、搭載されていて損はない。

・標準の音楽ライブラリへのアクセス
　FLAC Player：ー｜HF Player：◯
HF Playerのみ対応。アプリに別途に転送したハイレゾ音源だけでなく、iTunesから通常の手順で同期した標準の音楽ライブラリにもアクセスして再生できる。これは地味に大きい。

・価格
　FLAC Player：1,000円｜HF Player：無料＋1,000円
HF Playerはアプリ自体は無料だが、ハイレゾ再生にはアプリ内課金（アドオン）1,000円が必要。前述の標準ライブラリへのアクセスと合わせて、非ハイレゾ高音質再生アプリとしては無料で活躍。

では次ページから、2機種それぞれの機能や使い勝手を細かく見ていこう。