公開日 2015/03/09 10:00
B&O PLAY「H2」レビュー:上質なボディ、上質なサウンド。老舗の技術が活きた新ヘッドホン
B&O PLAYの母体であるBang&Olufsenは設立から90年間という長い歴史を持つオーディオブランドだ。若い世代の音楽ファンを中心に音楽の楽しみ方は多様化してきたが、ブランドネームの「PLAY」が由来するところの“遊び心”を大切にしながら、“音質”に対する関心をもっと高めてもらいたいという思いから、2012年に兄弟ブランドであるB&O PLAYが誕生した。
Bang&Olufsenはオーディオからホームシアターまで、音質とプロダクトデザインのハイレベルな融合を追求してきたプレミアムブランドだ。そのイメージをよりカジュアルなものに変えることがB&O PLAYの使命であったことから、スピーカーやヘッドホンなどB&O PLAYのプロダクトはより曲線を活かした優しいデザインを採り入れている。外観の親しみやすさを強調しながらも、「音質」においてはBang&Olufsenのこだわりと先進技術が余すところなく投じられている。
B&O PLAYにはオーディオ製品全体の音質決定を担当する「チューン・マイスター」と呼ばれる人物がいる。「彼の仕事はラボの中だけで完結するものではなく、ユーザーの実使用環境により近いシーンで音を作り込んでいく所に特徴がある」と語るのは、以前に筆者がインタビューをさせていただいたB&O PLAYのCEOであるヘンリク・タウドルフ・ローレンセン氏だ。チューン・マイスターは、例えばスピーカーなら自宅で、ヘッドホンならアウトドアでなど、リアルな環境で試聴を繰り返しながら音を追い込んでいくことをモットーにしているという。B&O PLAYのオーディオ製品を聴くたびに、鮮度が高く活き活きとしたライブ感が得られる背景から、チューン・マイスターのこだわりを垣間見ることができる。
「製品のデザインはルックスだけを重視しているのではなく、日常生活で音楽を楽しむ際の“使いやすさ”を一番に探求している」のだとローレンセン氏は説く。B&O PLAYのオーディオ製品は、長く使い込んでいくほどに洗練された機能美を実感できるところが共通している。想定している耐久年数の尺度は長短が異なっているが、昨今はオーディオ製品に限らず使い捨てることを前提に作られた製品が増えつつある中で、ユーザーに長く愛しんでもらえるものづくりを極めようとするB&O PLAYブランドのコンセプトと製品は独特の輝きを放っている。
■音だけでなく使い心地や素材にまでこだわった洗練ボディ
その洗練されたスタイルとサウンドは、ユーザーの音楽に対するこだわりに寄り添いながら個性をさりげなく演出するために生まれた。「H2」はB&O PLAY初のオンイヤー・ヘッドホンだ。プロダクトデザインはフラグシップ・ヘッドホンの「H6」と同じく、デンマーク出身のインダストリアルデザイナーであるJakob Wagner氏が手がけた。
ネオジウムマグネットを搭載する40mm口径のドライバーは本機のためにカスタムチューニングされている。低域をよりリッチに再現できるよう、イヤーカップの下側には2つのベースポートを設けて、コンパクトなイヤーカップながらもふくよかな量感を備えた低域の再生能力は大きな特徴の一つだ。
カラーバリエーションはシルバーとブルー、グリーンの3色で展開される。ヘッドバンドとイヤーカップのアウター素材に布地を用いるとともに、ヘッドバンドが頭部にぴたりとフィットするデザインとして、まるで衣服を身に着けているような自然なルックスを実現している。カジュアルからシックな装いまで、違和感の無いコーディネートが楽しめるヘッドホンだ。本体が約150gと軽量なので女性にも身に着けやすく感じられると思う。
「H2」ではピュアな音楽再生の喜びを高めるため、音質を追い込むと同時に本体に用いる素材も厳選している。
メインのシャーシには軽量ながら耐久性の高い複合材料を採用。イヤーパッドには柔らかなラムスキンを使って、肌触りの良さだけでなく音楽再生時の音漏れ防止にも高い効果をもたらしている。しなやかなヘッドバンドと合わせて心地良いフィット感が得られることから、通常のオンイヤー・ヘッドホンにありがちな耳元の締め付けが少なく、長い時間リスニングしていても聴き疲れる感覚はない。このあたりにBang&Olufsenが90年の長きにわたって培ってきたクラフトマンシップが活きているのだろう。
ケーブルは本体着脱式で長さは1.2m。インラインに3ボタンリモコンを搭載して、スマートフォンによる心地良い音楽リスニングも意識されている。
Bang&Olufsenはオーディオからホームシアターまで、音質とプロダクトデザインのハイレベルな融合を追求してきたプレミアムブランドだ。そのイメージをよりカジュアルなものに変えることがB&O PLAYの使命であったことから、スピーカーやヘッドホンなどB&O PLAYのプロダクトはより曲線を活かした優しいデザインを採り入れている。外観の親しみやすさを強調しながらも、「音質」においてはBang&Olufsenのこだわりと先進技術が余すところなく投じられている。
B&O PLAYにはオーディオ製品全体の音質決定を担当する「チューン・マイスター」と呼ばれる人物がいる。「彼の仕事はラボの中だけで完結するものではなく、ユーザーの実使用環境により近いシーンで音を作り込んでいく所に特徴がある」と語るのは、以前に筆者がインタビューをさせていただいたB&O PLAYのCEOであるヘンリク・タウドルフ・ローレンセン氏だ。チューン・マイスターは、例えばスピーカーなら自宅で、ヘッドホンならアウトドアでなど、リアルな環境で試聴を繰り返しながら音を追い込んでいくことをモットーにしているという。B&O PLAYのオーディオ製品を聴くたびに、鮮度が高く活き活きとしたライブ感が得られる背景から、チューン・マイスターのこだわりを垣間見ることができる。
「製品のデザインはルックスだけを重視しているのではなく、日常生活で音楽を楽しむ際の“使いやすさ”を一番に探求している」のだとローレンセン氏は説く。B&O PLAYのオーディオ製品は、長く使い込んでいくほどに洗練された機能美を実感できるところが共通している。想定している耐久年数の尺度は長短が異なっているが、昨今はオーディオ製品に限らず使い捨てることを前提に作られた製品が増えつつある中で、ユーザーに長く愛しんでもらえるものづくりを極めようとするB&O PLAYブランドのコンセプトと製品は独特の輝きを放っている。
■音だけでなく使い心地や素材にまでこだわった洗練ボディ
その洗練されたスタイルとサウンドは、ユーザーの音楽に対するこだわりに寄り添いながら個性をさりげなく演出するために生まれた。「H2」はB&O PLAY初のオンイヤー・ヘッドホンだ。プロダクトデザインはフラグシップ・ヘッドホンの「H6」と同じく、デンマーク出身のインダストリアルデザイナーであるJakob Wagner氏が手がけた。
ネオジウムマグネットを搭載する40mm口径のドライバーは本機のためにカスタムチューニングされている。低域をよりリッチに再現できるよう、イヤーカップの下側には2つのベースポートを設けて、コンパクトなイヤーカップながらもふくよかな量感を備えた低域の再生能力は大きな特徴の一つだ。
カラーバリエーションはシルバーとブルー、グリーンの3色で展開される。ヘッドバンドとイヤーカップのアウター素材に布地を用いるとともに、ヘッドバンドが頭部にぴたりとフィットするデザインとして、まるで衣服を身に着けているような自然なルックスを実現している。カジュアルからシックな装いまで、違和感の無いコーディネートが楽しめるヘッドホンだ。本体が約150gと軽量なので女性にも身に着けやすく感じられると思う。
「H2」ではピュアな音楽再生の喜びを高めるため、音質を追い込むと同時に本体に用いる素材も厳選している。
メインのシャーシには軽量ながら耐久性の高い複合材料を採用。イヤーパッドには柔らかなラムスキンを使って、肌触りの良さだけでなく音楽再生時の音漏れ防止にも高い効果をもたらしている。しなやかなヘッドバンドと合わせて心地良いフィット感が得られることから、通常のオンイヤー・ヘッドホンにありがちな耳元の締め付けが少なく、長い時間リスニングしていても聴き疲れる感覚はない。このあたりにBang&Olufsenが90年の長きにわたって培ってきたクラフトマンシップが活きているのだろう。
ケーブルは本体着脱式で長さは1.2m。インラインに3ボタンリモコンを搭載して、スマートフォンによる心地良い音楽リスニングも意識されている。