公開日 2015/11/16 11:00
CDリッピング対応で使い勝手がさらに進化。ソニー「HAP-Z1ES」の最新アップデートを検証
【特別企画】ハイレゾ対応HDDオーディオプレーヤー
ソニーのハイレゾオーディオプレーヤー「HAP-Z1ES」がさらなる進化を遂げた。USBディスクドライブを接続しての直接リッピングに対応したのだ。自身も自宅試聴室でHAP-Z1ESを愛用しているオーディオ評論家・角田郁雄氏が、改めてHAP-Z1ESの“進化する魅力”の本質を検証しつつ、この直接リッピング機能を実際に試した。
■ハイレゾ再生の理想形を具現化したHDDオーディオプレーヤー
10年ほど前から、スタジオで封印されているデジタルマスター音源(ハイレゾ音源)をオーディオ愛好家の皆さんと共に楽しみたいと考え、ハイレゾ再生の推進を行ってきた。そして今ではDSDまでもが、USB-DACやネットワークプレーヤーで再生できるようになったことは、喜ばしいことだ。
しかし、私はこれでは満足していなかった。パソコンを使ってハイレゾミュージックをダウンロードすることは不可欠だが、パソコンや設定が難しいNASを使わずに、CDプレーヤーのようにスタンドアローンで再生でき、かつタブレットでも付属のリモコンでも操作できるハイレゾプレーヤーが理想的だと考えていた。
2013年、まさにこの理想を具現化してくれたのがソニーのHDDプレーヤー「HAP-Z1ES」だった。1TBのハードディスクを内蔵し、5.6MHz DSDと192MHz/32bit PCM(WAVの場合。FLACは24bitまで)のハイレゾを、パソコンを使うことなく、携帯端末用の再生アプリ「HDD Audio Remote」で楽々とスマートに再生できる操作性に感激した。一方で、本体ディスプレイを見ながらCDプレーヤーのように付属のリモコンで再生できることも魅力だった。DSDリマスタリングエンジンで、ハイレゾを含むPCMを5.6MHz DSD信号に変換して再生できることにも感心させられた。
HAP-Z1ESは、バー・ブラウンの32bit型DAC「PCM1795」を左右chに1個ずつ使用。理想的なアナログFIRフィルターとクロックディレイを使った移動平均フィルターなどの効果により、倍音豊かでアナログらしい厚みのある音、一方で解像度の高く、弱音を引き立ててくれる音を再生した。私はすっかり回路技術に裏打ちされたこの音と、そして機能に惚れ込み、HAP-Z1ESを購入した(このときのことは、私の連載記事でも詳細を紹介している)。
■アップグレードでさらに進化を続けたHAP-Z1ES
私がさらに感心したのは、HAP-Z1ESのアップグレード体制だった。ソニーは多くのユーザーの声を聴き、少しでも使いやすく音質が向上するようにと、ファームウェアの開発と試聴を重ねて、発売以来、今日までアップグレードを提供し続けている。これはユーザーにとって嬉しいことで、せっかく買った製品を、古さを感じることなく使い続けられることは実に素晴らしい。HAP-Z1ESはまさしく、「常に進化するハイレゾプレーヤー」と言える。
ここまでのアップグレードを振り返ってみると、2013年に2回、2014年に5回、2015年には2回と、数多くのアップグレードがされている。音質の向上を実現したアップデートの中で最も嬉しかったのは、2014年10月に実施された「一気・8倍オーバーサンプリング」の精度を高めた「プレシジョンモード」の追加だった。これによりどんなサンプリングレートのPCM音源を再生しても、音像が浮き上がるような解像度の高さ、空間再現性の高さを実感できるようになったのだ。アップグレードで音質まで向上できるとは、本当に素晴らしい!
また今年の6月には、家庭で複数のHAP-Z1ES/HAP-S1を使っている場合、「ネットワーク設定」でネットワーク機器名をそれぞれ変更できるようになった。宅内各所で使っている“HAP”が、HDD Audio Remote上で特定できるというわけだ。
同じく6月に実施されたHDD Audio Remoteのアップデートでは、「アルバムリストにおけるフォーマット表示」「アルバム分割」「プレイリストやお気に入りなどに登録している曲から、その曲が収録されているアルバムへの移動機能」「プレイリストにトラック(曲)を追加する画面でのトラックリストのソート機能」が追加された。こうしたユーザーに寄り添った細部にわたるアップデートにより、アプリ上でのアルバム管理の機能がいっそう使いやすくなった。
■ハイレゾ再生の理想形を具現化したHDDオーディオプレーヤー
10年ほど前から、スタジオで封印されているデジタルマスター音源(ハイレゾ音源)をオーディオ愛好家の皆さんと共に楽しみたいと考え、ハイレゾ再生の推進を行ってきた。そして今ではDSDまでもが、USB-DACやネットワークプレーヤーで再生できるようになったことは、喜ばしいことだ。
しかし、私はこれでは満足していなかった。パソコンを使ってハイレゾミュージックをダウンロードすることは不可欠だが、パソコンや設定が難しいNASを使わずに、CDプレーヤーのようにスタンドアローンで再生でき、かつタブレットでも付属のリモコンでも操作できるハイレゾプレーヤーが理想的だと考えていた。
2013年、まさにこの理想を具現化してくれたのがソニーのHDDプレーヤー「HAP-Z1ES」だった。1TBのハードディスクを内蔵し、5.6MHz DSDと192MHz/32bit PCM(WAVの場合。FLACは24bitまで)のハイレゾを、パソコンを使うことなく、携帯端末用の再生アプリ「HDD Audio Remote」で楽々とスマートに再生できる操作性に感激した。一方で、本体ディスプレイを見ながらCDプレーヤーのように付属のリモコンで再生できることも魅力だった。DSDリマスタリングエンジンで、ハイレゾを含むPCMを5.6MHz DSD信号に変換して再生できることにも感心させられた。
HAP-Z1ESは、バー・ブラウンの32bit型DAC「PCM1795」を左右chに1個ずつ使用。理想的なアナログFIRフィルターとクロックディレイを使った移動平均フィルターなどの効果により、倍音豊かでアナログらしい厚みのある音、一方で解像度の高く、弱音を引き立ててくれる音を再生した。私はすっかり回路技術に裏打ちされたこの音と、そして機能に惚れ込み、HAP-Z1ESを購入した(このときのことは、私の連載記事でも詳細を紹介している)。
■アップグレードでさらに進化を続けたHAP-Z1ES
私がさらに感心したのは、HAP-Z1ESのアップグレード体制だった。ソニーは多くのユーザーの声を聴き、少しでも使いやすく音質が向上するようにと、ファームウェアの開発と試聴を重ねて、発売以来、今日までアップグレードを提供し続けている。これはユーザーにとって嬉しいことで、せっかく買った製品を、古さを感じることなく使い続けられることは実に素晴らしい。HAP-Z1ESはまさしく、「常に進化するハイレゾプレーヤー」と言える。
ここまでのアップグレードを振り返ってみると、2013年に2回、2014年に5回、2015年には2回と、数多くのアップグレードがされている。音質の向上を実現したアップデートの中で最も嬉しかったのは、2014年10月に実施された「一気・8倍オーバーサンプリング」の精度を高めた「プレシジョンモード」の追加だった。これによりどんなサンプリングレートのPCM音源を再生しても、音像が浮き上がるような解像度の高さ、空間再現性の高さを実感できるようになったのだ。アップグレードで音質まで向上できるとは、本当に素晴らしい!
また今年の6月には、家庭で複数のHAP-Z1ES/HAP-S1を使っている場合、「ネットワーク設定」でネットワーク機器名をそれぞれ変更できるようになった。宅内各所で使っている“HAP”が、HDD Audio Remote上で特定できるというわけだ。
同じく6月に実施されたHDD Audio Remoteのアップデートでは、「アルバムリストにおけるフォーマット表示」「アルバム分割」「プレイリストやお気に入りなどに登録している曲から、その曲が収録されているアルバムへの移動機能」「プレイリストにトラック(曲)を追加する画面でのトラックリストのソート機能」が追加された。こうしたユーザーに寄り添った細部にわたるアップデートにより、アプリ上でのアルバム管理の機能がいっそう使いやすくなった。
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