公開日 2018/04/18 10:12

グラフェン採用で3,000円台! パイオニアの高コスパイヤホン「SE-CH3T」レビュー

【編集部員気まぐれレビュー】
編集部:成藤正宣
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
いわゆる高級イヤホンが数多く世に出回るようになってから、もう10年以上になるだろうか。音質を高めるため矢継ぎ早に新しい技術/素材が投入され、様々な音が楽しめるようになったが、コストも高騰。今では5万円、10万円程度のイヤホンは珍しくない。

とはいえ、そうして高級機の開発で培われた技術は、裾野である普及価格帯へ着実に反映されつつある。特に1万円を切るエントリークラスの音質の進歩は目覚ましいものがあって、音にも構造にも興味を惹かれる製品が登場している。

その中のひとつ、安価ながら高級機顔負けの最新素材を投入した製品が、3,000円台でハイレゾに対応しているパイオニアの「SE-CH3T」だ。

PIONEER「SE-CH3T 」¥OPEN(予想実売価格3,400円前後)

パイオニアは、昨年も手ごろな価格帯のハイレゾ対応イヤホン「SE-CH9」「SE-CH5」を発売し、ヒットさせているが、SE-CH3Tはモデル名から分かる通り、その弟分にあたる。とはいえ、音に対するアプローチは兄弟機とはずいぶん異なっている。

「SE-CH9」(左)「SE-CH5」(右)は、比較的手ごろな価格と整った音質が特徴。一時は品切れを起こすほどのヒット商品となった

■最新素材“グラフェン”をドライバーに採用

SE-CH3Tは、ステージモニター方式の耳掛けスタイルを採用していた兄貴分から一転、ケーブルを下方に垂らすトラディショナルなイヤホンの形状に回帰した。しかしハウジングが円筒状のシンプルな形状であるため、好みに応じて耳掛けスタイルで装着することも可能だ。

余分な飾りのないシンプルでミニマルなデザイン

アルミ製のハウジングに収まっているのは、Φ5.5mmの超小型ダイナミックドライバー。強力なマグネットを内蔵しており、しかも振動板には“グラフェン”によるコーティングが施されている。

L/Rの表記だけが施されたアルミハウジングに、超小型ドライバーを内蔵している

“グラフェン”というのは2004年ごろから研究の進んだシートのような物質で、炭素の原子が蜂の巣状に並び、それでいて厚みは原子1個分という形状だ。このグラフェン、軽くて伸縮性があるのに、引っ張る力には大変強く、平面での頑丈さはダイヤモンド以上なのだとか。

ところでイヤホンの振動板の素材は、軽くてしなやか、頑丈さもあり、余分な振動をしないものが最適と言われている。グラフェンが目を付けられないわけがない。

結果として生まれたグラフェンコート振動板は、クリアな音、細かな音の変化にも反応する反応性、そして高音の伸びを特徴として、いくつかのメーカーで採用されている。そしていよいよ3,000円台のイヤホンでも使われる時代となった。

次ページ音はサイズや価格からは想像できないほど

1 2 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オンキヨーの特許技術を搭載したヘッドホンアンプキットを作ってみた…ら思ったよりも高難度!でも音は最高!
2 B&W「707S3 Prestige Edition」とDALI「KUPID」がスピーカー両部門で首位堅持<ハイファイオーディオ売れ筋ランキング11月>
3 高額査定のポイントとは? 買取専門店に聞いた、オーディオ売るコツ/買うコツ
4 カーオーディオの頂点からホームへ──AV Kansai岩元秀明氏が構築した理想郷。京都・宇治に誕生したハイエンドショールーム
5 マライア・キャリーの美声を110インチのホームシアターで堪能!“クリスマスの女王”からの特別プレゼント
6 ヤマハ、オートバックスとの協業で車載スピーカーを開発中。新たな振動抑制技術も投入
7 final、音色を個人最適化できる完全ワイヤレスイヤホン「TONALITE」の一般販売スタート
8 Sonos、最上位サウンドバーやヘッドホンなどが最大20%オフの「New Year Sale」。12/27から
9 iFace、税込1980円のUSB-Cイヤホン。3.5mmプラグ仕様モデルも
10 B&W、予約制マンスリー試聴会を来年1/10より実施。第1回は「803 D4で聴くニューイヤーコンサート」
12/24 11:01 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX