公開日 2018/08/06 07:30
<レビュー>JVCの“重低音&タフ”な完全ワイヤレスイヤホン「HA-XC70BT」を聴く
「XX」シリーズに登場した完全ワイヤレス機
JVC「XX」シリーズイヤホンに完全ワイヤレスモデル「HA-XC70BT」が登場。「重低音」「タフ」というシリーズコンセプトを完全ワイヤレスというフォーマットでどう生かすか?という挑戦を成功させ、他にない個性を獲得。加えて紛失・水没・破損に備えての「イヤホン補償サポート」という安心感まである、注目の製品だ。
まず「重低音」。独自の音響機構「エクストリームディープバスポート」で低音を強化していることはシリーズ共通だ。
加えての大きなポイントは電気的にも低音を増幅する「バスブーストモード」の搭載。ワイヤードモデルと違いアンプ回路が搭載されているので、それを有効活用したのだ。
オン/オフはアプリから行う。普段はバランス重視の「フラット」にしておき、騒音が多くて低音が負けがちな地下鉄では「ベース」モードで低音を強化するなど、適時使いこなしたい。細かく設定できるイコライザーではなく「フラットかバスブーストの二択!」なのでかえって迷いなく使いやすいと思う。
続いて「タフ」デザイン。
イヤホン本体はハウジング全体をラバープロテクターで覆い、マットな質感で精悍な迫力。これはシリーズの今まで通りだ。しかし完全ワイヤレスにおいてイヤホン本体と同等に重要なのはケース。その大きさや形、操作性やデザイン性は製品全体の印象を左右する。
このモデルはケースもプロテクターで頑丈に仕上げられ、見た目もかっこいいし対衝撃の安心感も強い。カプセルをひねるようにロック&解除する開閉機構も強そうだ。
さらにケースの片側先端にリングを装備。カラビナなどを付ければバッグのリングなどに引っ掛けてラフに携帯できる。それができる製品は他にもあるが、このモデルのケースは頑丈なので実際そのスタイルで使うときの安心感が違う!
他、バッテリー駆動は本体3時間+ケースからの充電9時間分と十分なレベル。スマホアプリは「イヤホンを探す」「バッテリー残量確認」「フラット/ベース切替」とシンプルな機能。
ひとつ残念なのは、タフさが売りなのに防滴仕様ではないことか。しかし代わりにこの製品には東京海上日動火災保険の動産総合保険が「イヤホン補償サポート」として標準付帯する。「紛失・水没・破損した場合、補償期間中1回に限り、5000円にて、新品の代替品に交換」という救済システムだ。「落としてなくした……」「落とした……水の中に……」「何だか壊れた……」などの際にも最小限の出費でリカバリーできる。
では実際に使用してチェック。装着感は正直なところ快適!優秀!とは言えない。大柄で無骨な形状なので、装着も音も安定するポジションを見つけるまでには少し手間取った。だがポジションがハマれば、大柄かつラバープロテクターな筐体が耳をがっつりと塞ぐからか、遮音性の高さは完全ワイヤレスイヤホンにおいてトップクラス。
音質はまず「フラット」モードでチェック。空間を左右にあまり広げず全ての音を少し中央に寄せ、がっしりとした一体感で聴かせてくることが印象的だ。エネルギーをセンターにまとめることで独特のパワフルさ、「塊感」的な迫力が生まれている。いわゆるHi-Fiオーディオとは方向性の異なる音作りだが、このシリーズのイメージには見事に合致。
ロックバンドの曲との相性はもちろんよい。特にライブで本領を発揮するようなバンドの曲は、ライブハウス的な心地よい密閉感や低音の響き方を得意とするこのイヤホンにぴったりだ。例えばトリオ編成のロックバンドが叩き出してくるシンプルなサウンドをライブ的な迫力で楽しみたい方には「このイヤホンはまさにそのためのサウンド!」とおすすめできる。
シンバルのザクッとしたシャープさやスネアドラムのバシッとくる炸裂感といった、ロックらしい濁点の強さとも好相性。かといってギターのクリーントーンや女性ボーカルの声までも荒れてしまうということはない。そこの加減もわかっている。
そして推しポイントの低音もたしかに充実!Robert Glasper Experiment「Human」のディープなベースも、底深い響きまでは再現しきれないが、膨らませて密度を薄れさせるようなことはなく、濃さと力感を備えたグッとくる低音で届けてくれる。
そして「ベースブースト」をオンにするとだが…これが実に巧い効き具合! バンドサウンドでもクラブサウンドでも、ベースを大柄に飽和させることなく、エネルギーを込めてぐっと前に出してくるような印象だ。プッシュの仕方が的確なので、ボーカルや他の楽器とのバランスが崩れることもない。先ほどは使い分けをおすすめしたが、ベースブースト常用でもよいかも。
完全ワイヤレスの製品数は一気に増加しており、性能の底上げも進み、価格帯の幅も広がっている。ユーザーにアピールするには「そのモデルにしかない個性」が必要だ。
そしてイヤホン本体からケースまでトータルかつ徹底的に「重低音&タフ」を打ち出したこのモデルは、そのコンセプトに撃ち抜かれてしまった人には「もうこれしかない」モデルになることだろう。
まず「重低音」。独自の音響機構「エクストリームディープバスポート」で低音を強化していることはシリーズ共通だ。
加えての大きなポイントは電気的にも低音を増幅する「バスブーストモード」の搭載。ワイヤードモデルと違いアンプ回路が搭載されているので、それを有効活用したのだ。
オン/オフはアプリから行う。普段はバランス重視の「フラット」にしておき、騒音が多くて低音が負けがちな地下鉄では「ベース」モードで低音を強化するなど、適時使いこなしたい。細かく設定できるイコライザーではなく「フラットかバスブーストの二択!」なのでかえって迷いなく使いやすいと思う。
続いて「タフ」デザイン。
イヤホン本体はハウジング全体をラバープロテクターで覆い、マットな質感で精悍な迫力。これはシリーズの今まで通りだ。しかし完全ワイヤレスにおいてイヤホン本体と同等に重要なのはケース。その大きさや形、操作性やデザイン性は製品全体の印象を左右する。
このモデルはケースもプロテクターで頑丈に仕上げられ、見た目もかっこいいし対衝撃の安心感も強い。カプセルをひねるようにロック&解除する開閉機構も強そうだ。
さらにケースの片側先端にリングを装備。カラビナなどを付ければバッグのリングなどに引っ掛けてラフに携帯できる。それができる製品は他にもあるが、このモデルのケースは頑丈なので実際そのスタイルで使うときの安心感が違う!
他、バッテリー駆動は本体3時間+ケースからの充電9時間分と十分なレベル。スマホアプリは「イヤホンを探す」「バッテリー残量確認」「フラット/ベース切替」とシンプルな機能。
ひとつ残念なのは、タフさが売りなのに防滴仕様ではないことか。しかし代わりにこの製品には東京海上日動火災保険の動産総合保険が「イヤホン補償サポート」として標準付帯する。「紛失・水没・破損した場合、補償期間中1回に限り、5000円にて、新品の代替品に交換」という救済システムだ。「落としてなくした……」「落とした……水の中に……」「何だか壊れた……」などの際にも最小限の出費でリカバリーできる。
では実際に使用してチェック。装着感は正直なところ快適!優秀!とは言えない。大柄で無骨な形状なので、装着も音も安定するポジションを見つけるまでには少し手間取った。だがポジションがハマれば、大柄かつラバープロテクターな筐体が耳をがっつりと塞ぐからか、遮音性の高さは完全ワイヤレスイヤホンにおいてトップクラス。
音質はまず「フラット」モードでチェック。空間を左右にあまり広げず全ての音を少し中央に寄せ、がっしりとした一体感で聴かせてくることが印象的だ。エネルギーをセンターにまとめることで独特のパワフルさ、「塊感」的な迫力が生まれている。いわゆるHi-Fiオーディオとは方向性の異なる音作りだが、このシリーズのイメージには見事に合致。
ロックバンドの曲との相性はもちろんよい。特にライブで本領を発揮するようなバンドの曲は、ライブハウス的な心地よい密閉感や低音の響き方を得意とするこのイヤホンにぴったりだ。例えばトリオ編成のロックバンドが叩き出してくるシンプルなサウンドをライブ的な迫力で楽しみたい方には「このイヤホンはまさにそのためのサウンド!」とおすすめできる。
シンバルのザクッとしたシャープさやスネアドラムのバシッとくる炸裂感といった、ロックらしい濁点の強さとも好相性。かといってギターのクリーントーンや女性ボーカルの声までも荒れてしまうということはない。そこの加減もわかっている。
そして推しポイントの低音もたしかに充実!Robert Glasper Experiment「Human」のディープなベースも、底深い響きまでは再現しきれないが、膨らませて密度を薄れさせるようなことはなく、濃さと力感を備えたグッとくる低音で届けてくれる。
そして「ベースブースト」をオンにするとだが…これが実に巧い効き具合! バンドサウンドでもクラブサウンドでも、ベースを大柄に飽和させることなく、エネルギーを込めてぐっと前に出してくるような印象だ。プッシュの仕方が的確なので、ボーカルや他の楽器とのバランスが崩れることもない。先ほどは使い分けをおすすめしたが、ベースブースト常用でもよいかも。
完全ワイヤレスの製品数は一気に増加しており、性能の底上げも進み、価格帯の幅も広がっている。ユーザーにアピールするには「そのモデルにしかない個性」が必要だ。
そしてイヤホン本体からケースまでトータルかつ徹底的に「重低音&タフ」を打ち出したこのモデルは、そのコンセプトに撃ち抜かれてしまった人には「もうこれしかない」モデルになることだろう。