公開日 2018/10/03 06:00
安くて良いアンプはこれだ! 5万円で買えるプリメインアンプ、注目9製品を一斉比較レビュー(後編)
ハイエンド機の試聴経験などを総動員
前回に引き続き、オーディオ評論家 生形三郎氏による5万円以下のプリメインアンプ一斉試聴レポートをお届け。後半では、3万円から5万円のレンジの5モデルのレポートに加え、さらには全体を通じての筆者お薦めモデル、アンプ選びのコツも紹介する。
>>記事前編
安くて旨いアンプを選ぶ! 5万円で買えるプリメイン、注目9製品を比較レビュー(前編)
※試聴方法や組み合わせた機器の詳細等も前編で紹介している
【試聴モデル】
<前編>
・FX-AUDIO-「D802J+」 11,850円(税抜)
・FOSTEX「AP20d」 14,800円(税抜)
・CAMBRIDGE AUDIO「AM5」 19,800円(税抜)
・SONY「STR-DH190」 ¥OPEN(予想実売価格22,500円前後)
<後編>
・MARANTZ「PM5005」 32,500円(税抜)
・PIONEER「A-10AE」 38,800円(税抜)
・YAMAHA「A-S301」 40,000円(税抜)
・TEAC「AI-301DA-SP」 ¥OPEN(予想実売価格42,000円前後)
・DENON「PMA-30」 50,000円(税抜)
<試聴モデル5>
・MARANTZ 「PM5005」 32,500円(税抜)
【主なスペック】出力:55W×2(4Ω)、入力端子:アナログRCA×4/フォノMM×1、スピーカー端子:バナナプラグ対応・2系統搭載、外形寸法:440W×105H×370Dmm、質量:6.7kg
■クラシックでは楽器の音色を細やかに再現。空間表現も広い
上位機や歴代モデルで培った高音質技術を組み込んだ、マランツPMシリーズの末弟となるモデル。エントリー価格帯で高いシェアを誇るシリーズである。MMフォノイコライザーアンプを搭載。
価格帯もこのあたりになってくると、音楽に軽やかさのような表現も出てくる。信号増幅の電気的な流れにおいて、より充分なケアがなされることでスムーズな音質となり、音楽的にも流麗かつ自然な音の移ろいが生まれてくるのだろう。
ピアノトリオでは、ピアノのフレージングがより滑らかになり、ウッドベースのピチカートやドラムソロの連打にも、より疾走感を伴った説得力が生み出され、音楽の流れを積極的に牽引する。総じてトリオのアンサンブルとしての一体感が高いのだ。
高域方向にやや明るく明瞭な方向性を持っており、クラシックでは、それぞれの楽器の音色が、細やかさや煌びやかさを持って描かれる。コーラスの表現が明朗に描写されていく様が心地よい。空間表現も広く、楽器セクションの前後感やパートの重なりが詳細に描かれる。音楽演奏に自然な流れが生み出され、生き生きとした表情がある。
ポップスやロックでも、やはり上品な質感が出てくる。クラシックなどと同じく、楽器やそのミキシングの立体感も詳細に描かれる。エレキギターの歪みもどことなく上品さを湛え、ロックならではのワイルドさというよりも、紳士的で淑やかな質感が楽しめるようだ。
【音楽ジャンル相性】
ポップス/ロック:A
ジャズ:A+
クラシック:A+
<試聴モデル6>
・PIONEER 「A-10AE」 38,800円(税抜)
【主なスペック】出力:50W×2(4Ω)、入力:アナログRCA×4/フォノMM×1、スピーカー端子:バナナプラグ対応、外形寸法:435W×129H×323Dmm、質量:6.8kg
■バランスに優れた、ストレートなサウンドが楽しめる
先ほどのマランツ同様に、シリーズで多くの上位モデルを有し、それらで培った技術やノウハウが継承されたエントリーモデル。よって、同じくコストパフォーマンスが高いのが特長といえる。MMフォノイコライザーアンプや、小音量時や小型スピーカー使用時に有用なラウドネス機能も備える。
均整の取れた、ストレートサウンドが楽しめるアンプ。全ての帯域にわたって個性や癖を感じさせずに、全ての楽器が均一なエネルギーで描かれるバランスが取れたサウンドだ。同時に、音の出方にストレートな勢いを感じさせる。
ピアノトリオは、音の鮮度感が高く、ひとつひとつの楽器の音を分離良く、楽器本来のナチュラルな音色で把握することが出来る。特に、ドラムスのシンバルの澄んだ音色が印象的だ。ウッドベースは、しっかりとした楽器の重みを持ちながらも、贅肉がなくすっきりとした輪郭で描き出される。ピアノも、弱音のスタッカート表現など、タッチの繊細なディティールを丁寧に拾い上げる。とにかくバランスが良い。
クラシックでも、細かい楽器の重なりがよく分かる。バロックオーケストラが演奏するミサ曲は、大勢の奏者がステージ上にひしめいて演奏している様子も、ナチュラルな音色で描き出す。アンプよりも上流の接続機器の魅力を引き出す、飽きの来ない無色なトーンを楽しめるアンプだ。
【音楽ジャンル相性】
ポップス/ロック:A
ジャズ:A
クラシック:A+
>>記事前編
安くて旨いアンプを選ぶ! 5万円で買えるプリメイン、注目9製品を比較レビュー(前編)
※試聴方法や組み合わせた機器の詳細等も前編で紹介している
【試聴モデル】
<前編>
・FX-AUDIO-「D802J+」 11,850円(税抜)
・FOSTEX「AP20d」 14,800円(税抜)
・CAMBRIDGE AUDIO「AM5」 19,800円(税抜)
・SONY「STR-DH190」 ¥OPEN(予想実売価格22,500円前後)
<後編>
・MARANTZ「PM5005」 32,500円(税抜)
・PIONEER「A-10AE」 38,800円(税抜)
・YAMAHA「A-S301」 40,000円(税抜)
・TEAC「AI-301DA-SP」 ¥OPEN(予想実売価格42,000円前後)
・DENON「PMA-30」 50,000円(税抜)
<試聴モデル5>
・MARANTZ 「PM5005」 32,500円(税抜)
【主なスペック】出力:55W×2(4Ω)、入力端子:アナログRCA×4/フォノMM×1、スピーカー端子:バナナプラグ対応・2系統搭載、外形寸法:440W×105H×370Dmm、質量:6.7kg
■クラシックでは楽器の音色を細やかに再現。空間表現も広い
上位機や歴代モデルで培った高音質技術を組み込んだ、マランツPMシリーズの末弟となるモデル。エントリー価格帯で高いシェアを誇るシリーズである。MMフォノイコライザーアンプを搭載。
価格帯もこのあたりになってくると、音楽に軽やかさのような表現も出てくる。信号増幅の電気的な流れにおいて、より充分なケアがなされることでスムーズな音質となり、音楽的にも流麗かつ自然な音の移ろいが生まれてくるのだろう。
ピアノトリオでは、ピアノのフレージングがより滑らかになり、ウッドベースのピチカートやドラムソロの連打にも、より疾走感を伴った説得力が生み出され、音楽の流れを積極的に牽引する。総じてトリオのアンサンブルとしての一体感が高いのだ。
高域方向にやや明るく明瞭な方向性を持っており、クラシックでは、それぞれの楽器の音色が、細やかさや煌びやかさを持って描かれる。コーラスの表現が明朗に描写されていく様が心地よい。空間表現も広く、楽器セクションの前後感やパートの重なりが詳細に描かれる。音楽演奏に自然な流れが生み出され、生き生きとした表情がある。
ポップスやロックでも、やはり上品な質感が出てくる。クラシックなどと同じく、楽器やそのミキシングの立体感も詳細に描かれる。エレキギターの歪みもどことなく上品さを湛え、ロックならではのワイルドさというよりも、紳士的で淑やかな質感が楽しめるようだ。
【音楽ジャンル相性】
ポップス/ロック:A
ジャズ:A+
クラシック:A+
<試聴モデル6>
・PIONEER 「A-10AE」 38,800円(税抜)
【主なスペック】出力:50W×2(4Ω)、入力:アナログRCA×4/フォノMM×1、スピーカー端子:バナナプラグ対応、外形寸法:435W×129H×323Dmm、質量:6.8kg
■バランスに優れた、ストレートなサウンドが楽しめる
先ほどのマランツ同様に、シリーズで多くの上位モデルを有し、それらで培った技術やノウハウが継承されたエントリーモデル。よって、同じくコストパフォーマンスが高いのが特長といえる。MMフォノイコライザーアンプや、小音量時や小型スピーカー使用時に有用なラウドネス機能も備える。
均整の取れた、ストレートサウンドが楽しめるアンプ。全ての帯域にわたって個性や癖を感じさせずに、全ての楽器が均一なエネルギーで描かれるバランスが取れたサウンドだ。同時に、音の出方にストレートな勢いを感じさせる。
ピアノトリオは、音の鮮度感が高く、ひとつひとつの楽器の音を分離良く、楽器本来のナチュラルな音色で把握することが出来る。特に、ドラムスのシンバルの澄んだ音色が印象的だ。ウッドベースは、しっかりとした楽器の重みを持ちながらも、贅肉がなくすっきりとした輪郭で描き出される。ピアノも、弱音のスタッカート表現など、タッチの繊細なディティールを丁寧に拾い上げる。とにかくバランスが良い。
クラシックでも、細かい楽器の重なりがよく分かる。バロックオーケストラが演奏するミサ曲は、大勢の奏者がステージ上にひしめいて演奏している様子も、ナチュラルな音色で描き出す。アンプよりも上流の接続機器の魅力を引き出す、飽きの来ない無色なトーンを楽しめるアンプだ。
【音楽ジャンル相性】
ポップス/ロック:A
ジャズ:A
クラシック:A+
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