旗艦セパレートの技術を凝縮
ラックスマン「L-509X」レビュー。“ワンボディ・セパレート”を体現した旗艦プリメインアンプ
ラックスマンの旗艦プリメインアンプ「L-509X」を角田郁雄氏がレビュー。ワンボディ・セパレート思想の元で、フラグシップのセパレートアンプで培った技術を惜しみなく凝縮した本機について、その技術内容から音質までを詳細に解き明かす。
■ワンボディ・セパレート思想の元で開発された旗艦プリメイン
デジタル技術はもちろん、アナログ技術も着実に進化を続け、従来より回路サイズを小さくしながらも同等以上の性能を凝縮することが可能になっている。だからこそ小型モデルでも、これまでの大型モデルを超えるほどの性能を発揮させることができる。アンプのカテゴリーでは、プリメインアンプがまさにこの恩恵を受けている。
さらに現在は、シンプルでスタイリッシュな居住環境を望む方が多くみられる。大きなスペースが必要となるセパレート・アンプよりも、高性能なプリメインアンプを導入したいという傾向が世界的にも見られているようだ。
ラックスマンは今年、プリメインアンプ3機種を投入した。まずは従来モデルを「L-505uXII」「L-507uXII」へと刷新。そしてこの秋には、2006年に発売して2011年に生産を終えた「L-509u」を甦らせ、最新の技術によって進化させたフラグシップ・プリメインアンプ「L-509X」を発売した。
L-509Xは、L-509uにおいて提案した“ワンボディ・セパレート”の設計開発を昇華させたモデルであり、ここにはフラグシップのプリアンプ「C-900u」とパワーアンプ「M-900u」の技術が凝縮されている。
■最上位モデルらしくデザインもさらに洗練された
このモデルを見てまず感激したのは、精密感を漂わせたデザインである。センターにアナログメーターを配置するデザインには変わりがないが、ホワイト・イルミネーションのLEDを採用した点が変わった。
そしてセレクターやボリューム、メーターの下に配置されたスイッチは、以前と比べても輝きを増している。私が格別に好んでいるプリアンプC-900uのアルミ・ヘアラインのトップボードのデザインが加えられ、全体を引き立てているのだ。
放熱口は美しく切削され、パワーアンプM-900uのイメージも漂わせている。サイドパネルは厚みのあるアルミ製。不要振動の影響を排除する強固な筐体構造を備え、回路のアース・インピーダンスを下げるループレス・シャーシもさらに進化した。この進化は、弱音の再現性を高めてダイナミックレンジを拡張する意味でも大切なことである。
■旗艦プリの技術を全面的に投入したプリアンプ部
もちろん魅力的なのは外観のデザインだけではなく、内部に凝縮された技術である。トップボードを開けると、シャーシ内部が「メーターを含めたフロント制御部」「リア上段のプリアンプ部」「左右に分割されたパワーブロック=出力段」「中央の電源部」の5つのパートに分割されていることがわかる。
プリアンプ部は、筐体の中で最も静寂で、かつ入出力端子に直結できる位置に配置される。セレクター部と入力部(MM/MCフォノイコライザー回路も搭載)は2枚基板構成。精密抵抗ネットワークを切り替えて音量を調整する独自の電子ボリューム「LECUA」は、C-900uと同様のLECUA1000が搭載。アンプ回路と一体化されている。
さらに、ディスクリート構成のバッファー回路基板も配置する。私が特に魅力的に感じるのはこのバッファー回路で、こちらもC-900uと同等のもの。このプリアンプ部から、S/Nを劣化させることなく、鮮度の高い音を左右のパワーブロック=出力段に伝送する。
■ODFN4.0増幅旗艦回路を投入したM-900u直系のパワーアンプ部
さらに驚くのは精緻を極めたパワーブロックで、C-900u/M-900uなどで採用されたプリントパターンの厚いピールコート基板を採用している。この基板には、信号の滑らかな伝送を考慮し、丸みを帯びたラウンドパターンが採用されている。また、パターンは金メッキで、音の鮮度を活かすためにノンレジストとしている。
■ワンボディ・セパレート思想の元で開発された旗艦プリメイン
デジタル技術はもちろん、アナログ技術も着実に進化を続け、従来より回路サイズを小さくしながらも同等以上の性能を凝縮することが可能になっている。だからこそ小型モデルでも、これまでの大型モデルを超えるほどの性能を発揮させることができる。アンプのカテゴリーでは、プリメインアンプがまさにこの恩恵を受けている。
さらに現在は、シンプルでスタイリッシュな居住環境を望む方が多くみられる。大きなスペースが必要となるセパレート・アンプよりも、高性能なプリメインアンプを導入したいという傾向が世界的にも見られているようだ。
ラックスマンは今年、プリメインアンプ3機種を投入した。まずは従来モデルを「L-505uXII」「L-507uXII」へと刷新。そしてこの秋には、2006年に発売して2011年に生産を終えた「L-509u」を甦らせ、最新の技術によって進化させたフラグシップ・プリメインアンプ「L-509X」を発売した。
L-509Xは、L-509uにおいて提案した“ワンボディ・セパレート”の設計開発を昇華させたモデルであり、ここにはフラグシップのプリアンプ「C-900u」とパワーアンプ「M-900u」の技術が凝縮されている。
■最上位モデルらしくデザインもさらに洗練された
このモデルを見てまず感激したのは、精密感を漂わせたデザインである。センターにアナログメーターを配置するデザインには変わりがないが、ホワイト・イルミネーションのLEDを採用した点が変わった。
そしてセレクターやボリューム、メーターの下に配置されたスイッチは、以前と比べても輝きを増している。私が格別に好んでいるプリアンプC-900uのアルミ・ヘアラインのトップボードのデザインが加えられ、全体を引き立てているのだ。
放熱口は美しく切削され、パワーアンプM-900uのイメージも漂わせている。サイドパネルは厚みのあるアルミ製。不要振動の影響を排除する強固な筐体構造を備え、回路のアース・インピーダンスを下げるループレス・シャーシもさらに進化した。この進化は、弱音の再現性を高めてダイナミックレンジを拡張する意味でも大切なことである。
■旗艦プリの技術を全面的に投入したプリアンプ部
もちろん魅力的なのは外観のデザインだけではなく、内部に凝縮された技術である。トップボードを開けると、シャーシ内部が「メーターを含めたフロント制御部」「リア上段のプリアンプ部」「左右に分割されたパワーブロック=出力段」「中央の電源部」の5つのパートに分割されていることがわかる。
プリアンプ部は、筐体の中で最も静寂で、かつ入出力端子に直結できる位置に配置される。セレクター部と入力部(MM/MCフォノイコライザー回路も搭載)は2枚基板構成。精密抵抗ネットワークを切り替えて音量を調整する独自の電子ボリューム「LECUA」は、C-900uと同様のLECUA1000が搭載。アンプ回路と一体化されている。
さらに、ディスクリート構成のバッファー回路基板も配置する。私が特に魅力的に感じるのはこのバッファー回路で、こちらもC-900uと同等のもの。このプリアンプ部から、S/Nを劣化させることなく、鮮度の高い音を左右のパワーブロック=出力段に伝送する。
■ODFN4.0増幅旗艦回路を投入したM-900u直系のパワーアンプ部
さらに驚くのは精緻を極めたパワーブロックで、C-900u/M-900uなどで採用されたプリントパターンの厚いピールコート基板を採用している。この基板には、信号の滑らかな伝送を考慮し、丸みを帯びたラウンドパターンが採用されている。また、パターンは金メッキで、音の鮮度を活かすためにノンレジストとしている。
次ページ歪み感が皆無のニュートラルな音調。スケールの大きな音場を描く