公開日 2019/01/08 17:26
Lotooの新旗艦DAP「PAW Gold TOUCH」をレビュー。トップレベルの透明度と鮮明な音
音質から機能まで集中検証
「PAW Gold TOUCH」はLotoo(ロトゥー)の初代「PAW Gold」の本格的な後継機である。PAW Goldが高価な値段にも関わらずに人気商品となったのはやはり音質が優れていたからだ。その古風で質実剛健な初代に比べると、PAW Gold TOUCHではその名の通りにタッチ操作を可能にした大型液晶を中心に現代的なデザインに生まれ変わった。しかし、その中身を見ると驚くほど初代の良さが踏襲されたうえでの進化が施されており、名実ともに後継機にふさわしいものとなっている。
本稿では開発者に確認した内容も踏まえて詳細なレビューと使い方のヒントなどを書いていく。
■独自OSによる驚異の起動速度とあらゆるインピーダンス負荷に対して最適化された出力回路
PAW Gold TOUCHの特徴としては、まず3.77インチのタッチパネル液晶を採用して液晶画面でのタッチ操作が可能となったことだ。これによって操作が簡単になっただけではなくアルバムアートも綺麗に表示することが可能となった。
通常、こうしたタッチ液晶のDAPにおいてはAndroidをベースとしたOSを採用することが多いが、PAW Gold TOUCHではPAW Goldと同様に独自の軽量なOSを採用していることが特筆すべき点だ。このことによって操作面で動作が軽く俊敏な反応が得られ、かつ音質も良いのがPAW Gold TOUCHの長所となっている。一般に多くのユーザーが不満に思うのがDAPの起動時間だが、PAW Gold TOUCHにおいてはなんと2秒とほぼ瞬時である。このLotoo独自のOSは「LTOS」と呼ばれ、独自のロゴが筐体にプリントされている。Lotooブランドの母体であるInformediaは組み込み機器の会社でもあり、ここは得意分野とも言えるだろう。
また、3.5mmの通常のステレオミニ出力端子(バランスに対してシングルエンドとも呼ばれる)に加えて、4.4mmのバランス出力端子にも対応した。4.4mmの規格はソニーを中心に制定されたもので、いまでは多くの交換ケーブルメーカーが製品を出しているのでリケーブルの際に困ることもないだろう。
PAW Gold TOUCHで特徴的なのは3.5mmのシングルエンド出力と4.4mmのバランス出力では異なるオペアンプを用いて異なった設計が為されていることだ。普通に考えるとこうしたDAPでは4chのバランス回路をベースにしてシングルエンドの時には2chのみの出力を使うものであるので、こうして別々に回路を組むことは珍しい。
理由を聞くと、Lotoo開発陣はバランス出力とシングルエンド出力では適切な音質が異なると考えていて、その出力にあったオペアンプを選択しているということだ。シングルエンド出力回路のOPA1612+LME49600とバランス出力回路のOPA1622ではどちらもリファレンスレベルにある音質ではあるものの、LME49600の方はスピードが速くクリアであり、OPA1622の方はいわば高級感のある音がするという。つまりPAW Gold TOUCHには、ひとつのボディに3.5mm用と4.4mm用の別々のアンプがふたつ入っているということで、その違いを楽しめるとも言える。
使い方という点でも3.5mm出力と4.4mm出力では個別にラインアウトの設定ができるため、さまざまな使い方が可能だ。例えば4.4mm端子はイヤホンに使用して、3.5mm端子は外付けの高性能ポータブルヘッドホンアンプ用に使用するということもできる。ゲインも個別に設定が可能なので、3.5mmは高感度IEM用として、4.4mmはバランスのヘッドホン用として使い分けることもできるだろう。この時に上記のオペアンプの違いで使い分けるのもマニアックで面白い使い方だ。出力は500mW(32Ω)とハイパワーを誇っている。
ラインアウトは可変出力と固定出力の使い分けもできる。これらはいずれもアンプ回路を通るものだが、PAW Gold TOUCHではあらゆるインピーダンス負荷に対して最適化された独自の出力回路を採用し、高いインピーダンスのヘッドホンから高感度IEMに至るまで対応している。そのため受け側が高インピーダンス受けのヘッドホンアンプのライン入力でも対応できるという。
本稿では開発者に確認した内容も踏まえて詳細なレビューと使い方のヒントなどを書いていく。
■独自OSによる驚異の起動速度とあらゆるインピーダンス負荷に対して最適化された出力回路
PAW Gold TOUCHの特徴としては、まず3.77インチのタッチパネル液晶を採用して液晶画面でのタッチ操作が可能となったことだ。これによって操作が簡単になっただけではなくアルバムアートも綺麗に表示することが可能となった。
通常、こうしたタッチ液晶のDAPにおいてはAndroidをベースとしたOSを採用することが多いが、PAW Gold TOUCHではPAW Goldと同様に独自の軽量なOSを採用していることが特筆すべき点だ。このことによって操作面で動作が軽く俊敏な反応が得られ、かつ音質も良いのがPAW Gold TOUCHの長所となっている。一般に多くのユーザーが不満に思うのがDAPの起動時間だが、PAW Gold TOUCHにおいてはなんと2秒とほぼ瞬時である。このLotoo独自のOSは「LTOS」と呼ばれ、独自のロゴが筐体にプリントされている。Lotooブランドの母体であるInformediaは組み込み機器の会社でもあり、ここは得意分野とも言えるだろう。
また、3.5mmの通常のステレオミニ出力端子(バランスに対してシングルエンドとも呼ばれる)に加えて、4.4mmのバランス出力端子にも対応した。4.4mmの規格はソニーを中心に制定されたもので、いまでは多くの交換ケーブルメーカーが製品を出しているのでリケーブルの際に困ることもないだろう。
PAW Gold TOUCHで特徴的なのは3.5mmのシングルエンド出力と4.4mmのバランス出力では異なるオペアンプを用いて異なった設計が為されていることだ。普通に考えるとこうしたDAPでは4chのバランス回路をベースにしてシングルエンドの時には2chのみの出力を使うものであるので、こうして別々に回路を組むことは珍しい。
理由を聞くと、Lotoo開発陣はバランス出力とシングルエンド出力では適切な音質が異なると考えていて、その出力にあったオペアンプを選択しているということだ。シングルエンド出力回路のOPA1612+LME49600とバランス出力回路のOPA1622ではどちらもリファレンスレベルにある音質ではあるものの、LME49600の方はスピードが速くクリアであり、OPA1622の方はいわば高級感のある音がするという。つまりPAW Gold TOUCHには、ひとつのボディに3.5mm用と4.4mm用の別々のアンプがふたつ入っているということで、その違いを楽しめるとも言える。
使い方という点でも3.5mm出力と4.4mm出力では個別にラインアウトの設定ができるため、さまざまな使い方が可能だ。例えば4.4mm端子はイヤホンに使用して、3.5mm端子は外付けの高性能ポータブルヘッドホンアンプ用に使用するということもできる。ゲインも個別に設定が可能なので、3.5mmは高感度IEM用として、4.4mmはバランスのヘッドホン用として使い分けることもできるだろう。この時に上記のオペアンプの違いで使い分けるのもマニアックで面白い使い方だ。出力は500mW(32Ω)とハイパワーを誇っている。
ラインアウトは可変出力と固定出力の使い分けもできる。これらはいずれもアンプ回路を通るものだが、PAW Gold TOUCHではあらゆるインピーダンス負荷に対して最適化された独自の出力回路を採用し、高いインピーダンスのヘッドホンから高感度IEMに至るまで対応している。そのため受け側が高インピーダンス受けのヘッドホンアンプのライン入力でも対応できるという。
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