• ブランド
    特設サイト
公開日 2021/10/02 07:00

評論家が選んだ“オーディオ楽曲”を聴こう!厳選サブスクプレイリスト『イヤホン&ヘッドホンレビュー編』

レビュー記事試聴音源をチョイス
選出と解説:高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
オーディオビジュアルの専門サイトPHILE WEBがオーディオファンにおすすめの楽曲をテーマごとにぎゅっとセレクトして紹介する厳選プレイリスト。今回のテーマは「イヤホン&ヘッドホンレビュー楽曲セレクション」です。

PHILE WEB掲載のイヤホン&ヘッドホンレビュー記事で試聴音源として使われていた曲からピックアップ。プロレビュアーが信頼を置く高音質曲はもちろん、音楽ファンにとって身近な曲を選んで流行のサウンドとの相性をチェックしている場合もあります。それらのオーディオ的な聴きどころとは?

LiSA「紅蓮華 - From THE FIRST TAKE」


おなじみ「紅蓮華」の歌とピアノだけのアレンジです。注目はバンドサウンドの場合とは異なる歌唱アプローチ。全体を通して声の低域側をより強く響かせていますし、ファルセット成分も増えています。語尾などのニュアンス付けもより豊かです。バンドサウンドと被りやすい帯域やバンドサウンドの中では埋もれやすい表現も、その配慮が必要のないこのアレンジではフル活用。バンドがいなくてもそれに劣らない情感や迫力を叩き出すためにリミッターを外したフル表現力モード! みたいな感じですね。そのボーカルの繊細な表現、声自体の強さや艶やかさなどをどれだけ感動的に届けてくれるか。イヤホンやヘッドホンへの要求も厳しい楽曲です。

YOASOBI「夜に駆ける」


エレクトロな印象も受ける楽曲ですが、主な構成要素はボーカルにピアノ、ギターとベースにドラムスと、バンドサウンドのそれ。ではエレクトロな印象はどこからくるのかというと、特に強いのはピアノでしょう。鍵盤ではなく画面に向かって組み立てられたフレーズらしい音の並びやリズムです。それをシンセの音色で鳴らすとありがちなエレクトロっぽくなってしまいそうなですが、ピアノの音色で鳴らすことで独特の強い印象が生み出されています。ですのでイヤホンやヘッドホンにも、そのピアノの煌びやかな音色を鮮やかに描き出してほしいところ。スラップ系ベースなど全体にキレの良さも持ち味なので、再生側でそのキレを損ねないことも大切です。

山中千尋「Donna Lee」


伝統的に優秀録音作品が多いジャズの世界から、ピアノ・トリオの最新優秀録音です。ポータブルオーディオ層の好みとはあまり重ならないかもしれませんが、アコースティック楽器を生々しく録音するとはこういうことだ!を体感しておくことも、趣味を深めるためには有用でしょう。例えばドラムス。ポップスでは各パーツごとのオンマイク成分を組み立ててドラムス全体の音を作り上げる手法が主流ですが、ジャズでは最初から全体の音をまとめて捉えるオーバーヘッドマイク成分を軸に調整するのが主流。最大級のアコースティック容積を持つ低音楽器、ウッドベースの活躍もポイントです。それらはイヤホンやヘッドホンからはどう聴こえるのでしょうか?

Michael Jackson「Beat It」


最高のアナログ設備を揃えたスタジオに最高のミュージシャンやエンジニア、プロデューサーらが集結して作られていた、ポップスが最もゴージャスだった時期を象徴する作品のひとつです。初代ウォークマンが発売されてまだ数年というタイミングですから、ポータブルオーディオなんてものは全く想定されていない音作りなはず。ですがイヤホンやヘッドホンで聴いてもそのビッグでゴージャスなサウンドが崩れることはありません。ビッグでゴージャスな音作りでありながら、帯域バランスや各楽器の定位などはスタンダードな整いであり、高い完成度だからでしょう。それが崩れて聴こえるならイヤホンやヘッドホンの側の癖が強いのかもしれません。

Oscar Peterson Trio「You Look Good To Me」


こちらもピアノ・トリオですが、こちらは半世紀以上も前に録音された作品。ドラムスは左、ピアノは真ん中、ベースは右と明確な割り振りの楽器配置に時代を感じます。そのようにやはり古さもあるのあるのですが、楽器のひとつひとつに耳を傾けると、それを超えた鮮度を感じられます。もう冒頭すぐに、ドラムスのチャイムの輝き、ベースのボウイングの響きに驚かされるほどです。音楽やオーディオの世界には、ワイドレンジだとかクリアさだとかそういった要素とは別次元での音の良さというものがある。それを体感できる名録音です。

BTS「Butter」


流れ変わってこちらは現代ポップスを代表する楽曲。それでいて、どちらもアメリカを中心に世界のヒットチャートを制した作品という共通点が時代を越えるのか、音場のスケールの大きさなど、マイケル・ジャクソンの曲とどこか似た雰囲気も感じられます。シンプルなビートとぶっといシンセベースを軸にブロックごとにサウンドを増やし、サビでは空間の広がりも演出して一気に開放感!という単純な構造の曲だからこそ、それを構成する個々の音色の再現性へのオーディオ的な要求は厳しめ。それは、ひとつひとつの音を磨き上げて最小限の音数で最大限の効果を得るという、現代の音作りのトレンドに沿った楽曲全般に共通するポイントでもあります。

LiSA「紅蓮華」


先に挙げたボーカル&ピアノのバージョンでのボーカルと聴き比べると、こちらはバンドサウンドに負けず埋もれず突き抜けてリスナーに届く声、歌い方になっていることがわかることでしょう。そういう歌い方にしなければ負けてしまうほど、バンドサウンドが強烈なのです。オーディオ的にもポイントになるのはギターとベースの低い音域。ギターはダウンチューニングによる低い音域のフレーズでも鋭いエッジによる明瞭さを備えます。多弦ベースは特にサビでの、バンド全体の底に潜り込むような低重心が印象的。それを不明瞭にボワボワした音にしたり、重心を上に浮かせてしまったりするイヤホンやヘッドホンだと、この曲本来の迫力は引き出せません。



本プレイリストはApple Musicで公開中。すべての曲が配信されており、試聴可能です。



この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 「Amazon プライムデー」本セールが7月16日0時からついにスタート!安くなるものを事前チェック!
2 ヨドバシやビック、Amazonプライムデーより安い超特価セール実施中!見比べないと損をする
3 「音良すぎだろ…」。VGPコスパ大賞イヤホン、SOUNDPEATS「Capsule3 Pro+」レビュー【割引クーポン有】
4 Amazonプライムデー、みんな何買ってる? いま1番売れてる商品はコレ!
5 【レビューあり】Amazonプライムセール、JBLの人気サウンドバー「BAR 1000/800」が激安!
6 Amazonプライムデー先行セールで「半額」「半額以下」で買えちゃうイヤホン・ヘッドホン
7 Prime Videoの有料チャンネル「アニメタイムズ」が60日間無料。7/17まで
8 マッキントッシュやナグラなど、本邦初披露モデルも多数登場。ハイエンドモデルの聴き比べも好評な「サウンドピット創業祭」をレポート
9 Amazonプライムデーで編集部員が買ったもの:コーラ24本、5kgのパスタ。BUFFALOのUSBメモリなど
10 <HIGH END>山之内 正が聴いたミュンヘン・ハイエンド#2:パワーアンプの進化を実感&広がるアナログ再生
7/17 11:07 更新
MAGAZINE
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー193号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.193
オーディオアクセサリー大全2024~2025
別冊・ケーブル大全
別冊・オーディオアクセサリー大全
最新号
2024~2025
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.21 2023 WINTER
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.21
プレミアムヘッドホンガイド Vol.31 2024 SPRING
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.31(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2024年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2024年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2023受賞製品お買い物ガイド(2023年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2023年冬版(電子版)
音元出版の雑誌 電子版 読み放題サービス
「マガジンプレミアム」お試し無料!

雑誌販売に関するお問合せ

WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX