PR 公開日 2022/11/04 06:30
“音が良い”から売れている、デノン完全ワイヤレス「AH-C830NCW」の魅力を再確認した
オーディオ評論家も納得する性能とサウンド!
2022年のいま、音で完全ワイヤレスを選ぶなら発売後1年経ってもAH-C830NCWがいい。そんな根強い声が評論家筋からもよく届く。そこで今回はデノンのHi-Fi製品も詳しい小原由夫氏に830の魅力を語ってもらった。
デノンからリリースされた初のワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」が、発売から約1年経っても市場で好評の由。改めてその魅力を分析せよとの命が編集部より届いた。私も発売当初こそ試聴したが、その後、追試できておらず、ふたつ返事で引き受けた次第。このプレーンなイヤホンを久々に耳に差した。
デノンは昨年創業110周年を向かえたが、実はヘッドホンも55年に渡る長い経験を有しており、そのテクノロジーやノウハウの蓄積には膨大なものがある。今回それらを同社初のワイヤレスイヤホンに傾注したことになるわけだが、果たして現在のイヤホン市場の7割を占めるといわれるワイヤレスで、どのようなオリジンが打ち出せたのだろうか。
市場ではミドルクラスに位置付けられるAH-C830NCWは、昨今見る機会が多くなったノイズキャンセリング/通話用マイクがノズル先端部に仕込まれたカナル型である。内蔵ドライバーはダイナミック型の11×10mm径。音声コーデックはAAC/SBC準拠である。ノイキャン機能はハイブリッドアクティブ方式で、周囲音ミックス機能や装着検出機能などを装備。3マイク集音方式という点がセールスポイントといえそうだ。
一方では、ビジネスシーンでも使いやすいよう、片側使用でもハンズフリー通話に対応している。さらに本体のタッチ操作でSiriやGoogleアシスタントの呼出し等が可能だ(google Fast Pair機能搭載)。バッテリー駆動時間は、本体のみで4.8時間、充電ケース込みで19時間というところ(ノイキャンON)。ちなみにイヤーピースは3種類を付属し、防滴性能IPX4準拠となっている。
以上が本機の大雑把な特徴とスペックだが、本機を特徴付けているのが、イヤホン/ヘッドホンの設計者とは別に、デノンのHi-Fiコンポーネントの担当もするサウンドマスターが音決めに参画している点だ。そのサウンドコンセプトは、同社Hi-Fiオーディオと同じ「Vivid & Spacious」というから頼もしいではないか! つまり、音の表情を色彩豊かに生き生きと描きつつ、音の位置関係をありのままに表現するという、同社のHi-Fiオーディオ機器と同じ基準でチューニングされているということなのである。
本体の質量はわずか5.3gで、耳に装着した感覚は軽快そのもの。ノイキャン/周囲音ミックス/オフのサウンドモード切替えは、左側の本体のタップで行なう。この時の効果音でどのモードになったかが判別でき、慣れてしまえば簡単だ。
さて、肝心の音である。ローエンドにわずかなブーストがかかったような低重心のエネルギーバランスで、ポップスやロックのビートが気持ちよく刻まれる。声はたいそう躍動的で、瑞々しさや色艶もあり、この辺りがサウンドコンセプトの“Vivid”の所以だろう。
ジャズの熱気の再現も立派なもの。前述のエネルギーバランスがリズムセクションの骨格をがっちりと支える。また、ソロとアンサンブルの距離感の再現も良好だ。ここでANCと周囲音ミックス、両方オフを順次切替えてみたが、それぞれのポジションの効き具合がブロードで、強調感がないのが美点と感じた。
クラシックではオーケストラのハーモニーに重厚なスケール感があり、フォルテシモでも決して崩れず、内声部の楽器の細かな動きやアンサンブルの様子がクリアに浮かび上がった。ミドルクラスの完全ワイヤレスとしては、満足できるパフォーマンスといえる。
ANC効果は若干控えめにも感じるが、その辺りはナチュラルなサウンド、あるいは空間再現を意識した“Spacious”という要件とトレードオフだったのかもしれない。いずれにせよ、様々な効果音でイヤホン本体のステータスを知らせる工夫にも独自性を感じさせるAH-C830NCWは、伝統あるデノンのブランドイメージのDNAをしっかりと伝承したモデルであることは間違いない。
SPEC ●通信方式:Bluetooth Ver.5.0 with LE ●対応コーデック:SBC、AAC ●ドライバー口径:11×10mm ●連続再生時間:4.8時間(ケース込み19時間) ※いずれもノイズキャンセリング・オン時 ●質量:5.3g(イヤホン片側)、43g(ケース) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、USB Type-C充電用ケーブル
(協力:D&Mホールディングス)
本記事はプレミアムヘッドホンガイド最新号VOL.28所収記事を転載したものです。
■発売して約1年経っても使えるスペックを備える
デノンからリリースされた初のワイヤレスイヤホン「AH-C830NCW」が、発売から約1年経っても市場で好評の由。改めてその魅力を分析せよとの命が編集部より届いた。私も発売当初こそ試聴したが、その後、追試できておらず、ふたつ返事で引き受けた次第。このプレーンなイヤホンを久々に耳に差した。
デノンは昨年創業110周年を向かえたが、実はヘッドホンも55年に渡る長い経験を有しており、そのテクノロジーやノウハウの蓄積には膨大なものがある。今回それらを同社初のワイヤレスイヤホンに傾注したことになるわけだが、果たして現在のイヤホン市場の7割を占めるといわれるワイヤレスで、どのようなオリジンが打ち出せたのだろうか。
市場ではミドルクラスに位置付けられるAH-C830NCWは、昨今見る機会が多くなったノイズキャンセリング/通話用マイクがノズル先端部に仕込まれたカナル型である。内蔵ドライバーはダイナミック型の11×10mm径。音声コーデックはAAC/SBC準拠である。ノイキャン機能はハイブリッドアクティブ方式で、周囲音ミックス機能や装着検出機能などを装備。3マイク集音方式という点がセールスポイントといえそうだ。
一方では、ビジネスシーンでも使いやすいよう、片側使用でもハンズフリー通話に対応している。さらに本体のタッチ操作でSiriやGoogleアシスタントの呼出し等が可能だ(google Fast Pair機能搭載)。バッテリー駆動時間は、本体のみで4.8時間、充電ケース込みで19時間というところ(ノイキャンON)。ちなみにイヤーピースは3種類を付属し、防滴性能IPX4準拠となっている。
■イヤホンでもHi-Fi製品と同じコンセプトは頼もしい!
以上が本機の大雑把な特徴とスペックだが、本機を特徴付けているのが、イヤホン/ヘッドホンの設計者とは別に、デノンのHi-Fiコンポーネントの担当もするサウンドマスターが音決めに参画している点だ。そのサウンドコンセプトは、同社Hi-Fiオーディオと同じ「Vivid & Spacious」というから頼もしいではないか! つまり、音の表情を色彩豊かに生き生きと描きつつ、音の位置関係をありのままに表現するという、同社のHi-Fiオーディオ機器と同じ基準でチューニングされているということなのである。
本体の質量はわずか5.3gで、耳に装着した感覚は軽快そのもの。ノイキャン/周囲音ミックス/オフのサウンドモード切替えは、左側の本体のタップで行なう。この時の効果音でどのモードになったかが判別でき、慣れてしまえば簡単だ。
■ビートは気持ちよく刻まれ、声は躍動的で色艶がある
さて、肝心の音である。ローエンドにわずかなブーストがかかったような低重心のエネルギーバランスで、ポップスやロックのビートが気持ちよく刻まれる。声はたいそう躍動的で、瑞々しさや色艶もあり、この辺りがサウンドコンセプトの“Vivid”の所以だろう。
ジャズの熱気の再現も立派なもの。前述のエネルギーバランスがリズムセクションの骨格をがっちりと支える。また、ソロとアンサンブルの距離感の再現も良好だ。ここでANCと周囲音ミックス、両方オフを順次切替えてみたが、それぞれのポジションの効き具合がブロードで、強調感がないのが美点と感じた。
クラシックではオーケストラのハーモニーに重厚なスケール感があり、フォルテシモでも決して崩れず、内声部の楽器の細かな動きやアンサンブルの様子がクリアに浮かび上がった。ミドルクラスの完全ワイヤレスとしては、満足できるパフォーマンスといえる。
ANC効果は若干控えめにも感じるが、その辺りはナチュラルなサウンド、あるいは空間再現を意識した“Spacious”という要件とトレードオフだったのかもしれない。いずれにせよ、様々な効果音でイヤホン本体のステータスを知らせる工夫にも独自性を感じさせるAH-C830NCWは、伝統あるデノンのブランドイメージのDNAをしっかりと伝承したモデルであることは間違いない。
SPEC ●通信方式:Bluetooth Ver.5.0 with LE ●対応コーデック:SBC、AAC ●ドライバー口径:11×10mm ●連続再生時間:4.8時間(ケース込み19時間) ※いずれもノイズキャンセリング・オン時 ●質量:5.3g(イヤホン片側)、43g(ケース) ●付属品:イヤーチップ(S/M/L)、USB Type-C充電用ケーブル
(協力:D&Mホールディングス)
本記事はプレミアムヘッドホンガイド最新号VOL.28所収記事を転載したものです。