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【特別企画】待望のオーディオ用ハイエンドNASがついに登場

バッファローのオーディオ用NAS“DELA”「N1Z/N1A」開発者インタビュー

公開日 2014/03/20 10:47 聞き手:山之内正 構成:ファイル・ウェブ編集部
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■アートワークを高解像度で表示できることの重要性

荒木氏 使い勝手という点では、他にも様々な工夫を盛り込みました。かつてのNASは、初期設定のままだと音楽ファイルを追加してもすぐに反映されませんでした。古い製品では、性能的に反映を素早く行うのが難しかったという面もあります。N1シリーズは、音楽ファイルをコピーしたらすぐに再生できる仕様になっています。

ーー それは使いやすいですね。

荒木氏 他にユーザーからたくさんの要望があったのが、「アートワークがきれいに表示できない」という問題です。確かに、100万円を超える価格のプレーヤーで音楽を聴いているときに、無残に崩れたアートワークがタブレットに表示されているというのは許せないですよね。


従来のNASでは、写真のようにアートワークの表示が崩れてしまうケースが多かった
ーー わざわざ大きなアートワークを音楽ファイルに埋め込んでいるのに、タブレットに解像度の低いジャケットが表示されてしまいガッカリしたオーディオファンは多かったでしょう。

荒木氏 BUFFALOの「LS421D」なら、設定を変更するだけで改善できることなのです。しかし、ユーザーが設定すれば何とかなる、というのは今回のDELAの製品の思想とは相容れません。ですから、初期設定から高解像度でアートワークを表示できる仕様にしました。

ーー そもそも、なぜこれまでのNASは「アートワークを縮小する」という設定になっていたのでしょうか。


6年にわたってネットワークオーディオに取り組んできた山之内氏だからこそ、アートワーク表示の重要性を認識している
荒木氏 DLNAという規格自体が2000年代中盤に策定されたこともあり、再生するプレーヤーやコントローラーの能力が低いことが前提になっているのです。それで、再生に支障がないように、わざわざアートワークを縮小して伝送してしまう仕様になっているのです。

ーー 考えてみれば、2000年代中盤というのはタブレットや、Retinaディスプレイのない時代ですからね。

荒木氏 N1シリーズは、相手を考えるということは一切せずに元データの解像度でアートワークを送り出します。現行製品でテストした限りでは、各モデルで問題なく再生できています。非常に古いモデルでは問題がある可能性もありますが、そもそもN1シリーズはそういった製品との組み合わせは想定していません。

ーー ネットワークオーディオというのは、音は当然重要なのですが、アートワークがきちんと美しく表示されるということもとても大事なのですね。タブレットだけでなく、AVアンプなどのHDMI出力して大画面でアートワークが見える製品についても、この点は重要です。

荒木氏 こうした点が改善できたのも、ユーザーやオーディオ専門店への聞き取り調査を繰り返して行ってきたことがあるからです。ユーザーが本当に求めている使い勝手とは何なのか、こうした段階から検討を重ねてきました。

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