公開日 2016/09/13 13:28
MQAデコーダーを内蔵/MQA配信は年内30タイトル
クリプトン、MQAやDSDの再生に対応したアクティブスピーカー最上位機「KS-9Multi」
編集部:小澤貴信
クリプトンは、PCMハイレゾ、DSD、MQAの再生に対応したデジタル入力搭載アクティブスピーカー「KS-9Multi」を10月1日より発売する。価格はオープンだが、28万円前後での実売が予想される。
本機はクリプトンのデジタル入力搭載アクティブスピーカーの最上位モデル。ベースとなっているのは「KS-7HQM」(関連ニュース)だが、こちらがPCMハイレゾ(192kHz/24bit)のみの再生に対応。KS-9Multiでは加えて、2.8MHz DSD、192kHz/24bitまでのMQAの再生に対応した。型番の「Multi」は、“PCM、DSD、MQAというマルチソースに対応する”という意味だ。
価格はKS-7HQMから3万円アップしている。なお、KS-7HQMも引き続き併売される。
KS-9Multiは、KS-7HQMと同じくFPGAを備えたデジタルオーディオ回路を搭載。入力されたデジタル信号は、XMOSによるD/Dコンバーターを経て、FPGAを用いたDSPによる独自のデジタルクロスオーバーネットワーク、そしてデジタルアンプへとフルデジタル伝送される。アナログ変換なしにデジタルアンプまで信号が送り届けられるので、変換ロスを避けた鮮度の高い再現が可能となっている。
外観および基本構成はKS-7HQMを踏襲しているが、内部のデジタル回路については大幅な変更が加えられたとのこと。従来比で2倍の容量を持つXMOSを新たに搭載し、ここにMQAデコーダーを組み込んでいる。その後段のFPGAでは、デジタル・クロスオーバー・ネットワークやボリュームなどを担当するDSPが構成されているが、ここには追加でDSDデコーダーが組み込まれた。
クリプトンは同社が運営するKRIPTON HQM STOREにて、10月1日よりMQA方式のハイレゾ配信を行うが(関連ニュース)、MQAのエンコードはクリプトンが自社にて行う。渡邉氏は「MQAのエンコードを自社で手がけ、かつ自社の製品でMQAデコードができるというのは、クリプトンが初めてでしょう」と説明した。
また、デジタルクロスオーバーやデジタルアンプなども本機用として新たにチューニングが行われた。大きな変更点としては、従来はデジタルアンプのカットオフを50Hzに設定していたものを、60Hzのカットオフへ変更。低域再生をさらに下に伸ばしたという。
新たに西陣絹織を用いたスピーカーグリルを採用(従来はジャージ素材)。音の透過性が向上し、グリルを装着したままでも美しい高域再生が楽しめるという。
ハイレゾ再生用に開発された60kHzまで再生可能な30mmリングダイアフラム・トゥイーター、84mmウーファーはKS-7HQMから踏襲。やはり同様に、4基のデジタルアンプによってバイアンプ駆動される。
厚さ8mmのオールアルミ製エンクロージャーを備え、フォールデッドダクトによるチューンドバスレフ方式を採用した点も同じだ。アルミ製エンクロージャーは不要振動を徹底的に抑制。また、ダクトを湾曲させることで小型筐体ながらバスレフダクトの距離を確保したことで、サイズを超えた豊かな低域再生を実現する。
渡邉氏はKS-9Multiについて「外見はKS-7HQMとほぼ同じですが、その音は大幅にブラッシュアップされています」と説明。実際に比較視聴も行われたが、低域の伸びや、より柔らかい高域再生、大音量再生時の余裕感など、KS-7HQMの音調をベースとしつつもそのサウンドが向上していることは一聴して確認できた。
なお、本機にはクリプトンによる特許取得デュアル構造を採用したUSBケーブル「UC-HRP1.0」(関連ニュース)が付属する。
スピーカーベースとして、ネオフェードカーボンマトリックス3層材によるインシュレーターが引き続き同梱。デスクトップの上などでも安定感のある中低域を再現できる。
アンプ総合出力は160W(40W×4)入力端子はUSB-B、HDMI、光デジタル、アナログ(ステレオミニ)を搭載。出力はHDMIスルー出力端子を備える。
右側スピーカーの前面には3つのLEDを搭載。それぞれの点灯色の組み合わせで、再生中のフォーマットおよびレゾリューションがわかるようになっている。たとえば、DSD再生時は「緑・オレンジ・緑」に、192kHz/24bit MQA再生時には「黄・黄・黄」に点灯する。
外形寸法は130W×200H×170Dmm、質量は右:約3.0kg、左:約2.9kg(スピーカーベース、サランネット含む)。
また、本機の発売に合わせて、購入者がMQA音源を無料ダウンロードできるキャンペーンも実施される。詳細は追ってアナウンスされるとのことだ。
渡邉氏は「MQA、DSD、PCMという3メディアを再生できる一体型アクティブスピーカーというのはおそらく世界初でしょう」ともコメントしていた。
■KRIPTON HQM STOREでのMQA配信タイトルを増強
前回の発表会では、同社のハイレゾ配信サイト KRIPTON HQM STOREにて10月1日からMQAタイトル 10作品を配信することが発表されたが(関連ニュース)、年内では合計30タイトルのMQA配信を行う。今回、追加のMQA配信も発表された。
10月1日からは発表済の10タイトルに10タイトルを追加した合計20タイトルをMQA配信。具体的にはUNAMASレーベルの10作品が追加された(UNAMAS作品については、KRIPTONでMQAエンコードは行っていない)。
11月1日からは、『ハイドン:交響曲第83番「めんどり」』などのカメラータ作品9タイトル、ウィリアムズ浩子『A Wish』、チューリップ『チューリップ・ガーデン』の合計10タイトルが配信される。
クリプトンの濱田社長は「MQA JAPAN代表の鈴木さんにお話をいただいてから、約2年にわたってMQAを検討してきましたが、クリプトンがいち早く、自社でエンコードを行ってのMQA配信と、MQAデコーダーを搭載したオーディオ製品の両方を手がけることができました。その成果は何より音に表れていると思いますので、ぜひ実際に音を聴いて確かめていただきたいです」とコメントしていた。
本機はクリプトンのデジタル入力搭載アクティブスピーカーの最上位モデル。ベースとなっているのは「KS-7HQM」(関連ニュース)だが、こちらがPCMハイレゾ(192kHz/24bit)のみの再生に対応。KS-9Multiでは加えて、2.8MHz DSD、192kHz/24bitまでのMQAの再生に対応した。型番の「Multi」は、“PCM、DSD、MQAというマルチソースに対応する”という意味だ。
価格はKS-7HQMから3万円アップしている。なお、KS-7HQMも引き続き併売される。
KS-9Multiは、KS-7HQMと同じくFPGAを備えたデジタルオーディオ回路を搭載。入力されたデジタル信号は、XMOSによるD/Dコンバーターを経て、FPGAを用いたDSPによる独自のデジタルクロスオーバーネットワーク、そしてデジタルアンプへとフルデジタル伝送される。アナログ変換なしにデジタルアンプまで信号が送り届けられるので、変換ロスを避けた鮮度の高い再現が可能となっている。
外観および基本構成はKS-7HQMを踏襲しているが、内部のデジタル回路については大幅な変更が加えられたとのこと。従来比で2倍の容量を持つXMOSを新たに搭載し、ここにMQAデコーダーを組み込んでいる。その後段のFPGAでは、デジタル・クロスオーバー・ネットワークやボリュームなどを担当するDSPが構成されているが、ここには追加でDSDデコーダーが組み込まれた。
クリプトンは同社が運営するKRIPTON HQM STOREにて、10月1日よりMQA方式のハイレゾ配信を行うが(関連ニュース)、MQAのエンコードはクリプトンが自社にて行う。渡邉氏は「MQAのエンコードを自社で手がけ、かつ自社の製品でMQAデコードができるというのは、クリプトンが初めてでしょう」と説明した。
また、デジタルクロスオーバーやデジタルアンプなども本機用として新たにチューニングが行われた。大きな変更点としては、従来はデジタルアンプのカットオフを50Hzに設定していたものを、60Hzのカットオフへ変更。低域再生をさらに下に伸ばしたという。
新たに西陣絹織を用いたスピーカーグリルを採用(従来はジャージ素材)。音の透過性が向上し、グリルを装着したままでも美しい高域再生が楽しめるという。
ハイレゾ再生用に開発された60kHzまで再生可能な30mmリングダイアフラム・トゥイーター、84mmウーファーはKS-7HQMから踏襲。やはり同様に、4基のデジタルアンプによってバイアンプ駆動される。
厚さ8mmのオールアルミ製エンクロージャーを備え、フォールデッドダクトによるチューンドバスレフ方式を採用した点も同じだ。アルミ製エンクロージャーは不要振動を徹底的に抑制。また、ダクトを湾曲させることで小型筐体ながらバスレフダクトの距離を確保したことで、サイズを超えた豊かな低域再生を実現する。
渡邉氏はKS-9Multiについて「外見はKS-7HQMとほぼ同じですが、その音は大幅にブラッシュアップされています」と説明。実際に比較視聴も行われたが、低域の伸びや、より柔らかい高域再生、大音量再生時の余裕感など、KS-7HQMの音調をベースとしつつもそのサウンドが向上していることは一聴して確認できた。
なお、本機にはクリプトンによる特許取得デュアル構造を採用したUSBケーブル「UC-HRP1.0」(関連ニュース)が付属する。
スピーカーベースとして、ネオフェードカーボンマトリックス3層材によるインシュレーターが引き続き同梱。デスクトップの上などでも安定感のある中低域を再現できる。
アンプ総合出力は160W(40W×4)入力端子はUSB-B、HDMI、光デジタル、アナログ(ステレオミニ)を搭載。出力はHDMIスルー出力端子を備える。
右側スピーカーの前面には3つのLEDを搭載。それぞれの点灯色の組み合わせで、再生中のフォーマットおよびレゾリューションがわかるようになっている。たとえば、DSD再生時は「緑・オレンジ・緑」に、192kHz/24bit MQA再生時には「黄・黄・黄」に点灯する。
外形寸法は130W×200H×170Dmm、質量は右:約3.0kg、左:約2.9kg(スピーカーベース、サランネット含む)。
また、本機の発売に合わせて、購入者がMQA音源を無料ダウンロードできるキャンペーンも実施される。詳細は追ってアナウンスされるとのことだ。
渡邉氏は「MQA、DSD、PCMという3メディアを再生できる一体型アクティブスピーカーというのはおそらく世界初でしょう」ともコメントしていた。
■KRIPTON HQM STOREでのMQA配信タイトルを増強
前回の発表会では、同社のハイレゾ配信サイト KRIPTON HQM STOREにて10月1日からMQAタイトル 10作品を配信することが発表されたが(関連ニュース)、年内では合計30タイトルのMQA配信を行う。今回、追加のMQA配信も発表された。
10月1日からは発表済の10タイトルに10タイトルを追加した合計20タイトルをMQA配信。具体的にはUNAMASレーベルの10作品が追加された(UNAMAS作品については、KRIPTONでMQAエンコードは行っていない)。
11月1日からは、『ハイドン:交響曲第83番「めんどり」』などのカメラータ作品9タイトル、ウィリアムズ浩子『A Wish』、チューリップ『チューリップ・ガーデン』の合計10タイトルが配信される。
クリプトンの濱田社長は「MQA JAPAN代表の鈴木さんにお話をいただいてから、約2年にわたってMQAを検討してきましたが、クリプトンがいち早く、自社でエンコードを行ってのMQA配信と、MQAデコーダーを搭載したオーディオ製品の両方を手がけることができました。その成果は何より音に表れていると思いますので、ぜひ実際に音を聴いて確かめていただきたいです」とコメントしていた。
- ジャンルスピーカーシステム
- ブランドKRIPTON
- 型番KS-9Multi
- 発売日2016年10月1日
- 価格¥OPEN(予想実売価格28万円前後)
【SPEC】●スピーカーユニット:ハイレゾ用30mmリングダイアフラム型ツィーター、84mmウーハー ●サンプリング周波数:44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz/24bit 2.18MHz/1bit 44.1、48 kHz/24bit(MQA) ●アンプ総合出力:160W ●アンプ構成:2way4アンプ構成40W×4 ●クロスオーバー周波数:3,500Hz ●周波数特性:60Hz〜60kHz ●入力端子:HDMI/ USB/光デジタル/アナログ(ステレオミニ) ●出力端子:HDMI(スルーOUT) ●外形寸法:130W×200H×170Dmm(スピーカーベース含む) ●質量:約3.0kg(右)、約2.9kg(左)(スピーカーベース・サランネット含む)