公開日 2016/09/14 20:03
Kyの仲野さんがWAVとMQA聴き比べ
RME、独自レーベルのMQA音源を紹介。Ky(キィ)の新譜など今後も随時追加予定
編集部:小澤 麻実
既報のとおり、シンタックスジャパンは、同社が手がける音楽レーベル「RME Premium Recording」から、MQAでエンコーディングしたアルバム3作品を発売する。
RME Premium Recordingは、これまで96kHz/24bit以上で録音したハイレゾ・コンテンツを提供してきた高音質コンテンツ専門レーベル。ここにMQAコンテンツが加わることになる。
MQA配信される音源は『三枝伸太郎:Orquesta de la Esperanza』『ボロディン&スメタナ:弦楽四重奏』『コントラポントのヴェスプロ』の3作品。配信はe-onkyo musicのほか、ドイツのハイレゾ配信サイト「HIGHRESAUDIO」でも行われる。
シンタックスジャパンは本日発表会を開催。「HIGHRESAUDIO」のマネージングディレクター Lothar Kerestedjian氏は、ビデオメッセージで「シンタックスの素晴らしい音源を配信できることになって嬉しい」とコメントを寄せた。
また、9月22日リリースのKy(キィ)の新譜「Desespoir agreable(心地よい絶望)」もMQAにて配信されることが明らかにされた。こちらはクラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」とコラボしたOTTAVA RecordsからCDでも同時リリースされる。
Ky(キィ)はパリ市立音楽院ジャズ科の同窓生・仲野麻紀(アルトサックス/メタルクラリネット/ボーカル)とヤン・ピタール(ウード/ギター)によるユニット。10年間演奏してきたサティの楽曲から、「グノシエンヌ 第1番」など選りすぐりの5曲を収めたPart1と、Kyの演奏の軸となる即興演奏をベースとしたオリジナル曲や、ウードのルーツであるアラブ圏の伝統曲を収めたPart2で構成される。
録音は今年6月13日〜21日に、フランスのプリエー修道院礼拝堂にて行われた。使用したのはノイマンのデジタルマイク「KM 133 D」とRMEのインターフェース「DMC-842」、Mac1台とプリソナスのDAW「Studio1」といったコンパクトなシステム。録音フォーマットは192kHz/24bitで行われた。担当エンジニアは寒河江勇次氏。
発表会には仲野麻紀さんと、推薦コメントを寄せたミュージシャンの久保田麻琴さんが登場。音源を聴きながら、録音時の秘話や、目指している音楽性などについて語った。
Part2に収録されたオリジナル曲「Un oeil,une historie(ひとつの眼、ひとつの歴史)」は、ライブでは何度も演奏したことがあったものの、録音は今回が初めてだったとのこと。楽器編成はメタルクラリネット(G管)とウード。
「メタルクラリネットはいつも音を録るのにすごく苦労するんですよね。今回寒河江さんは『音の芯を録りたい』と。ライブだと客席に伝わる振動が、録音では伝わらないから、思い切り吹いてと言われました。それとヤンさんはものすごいペダルマニアで(笑)、ライブの時は沢山のペダルを駆使して演奏しているんですが、今回は“アコースティック”がテーマだったので使いませんでした。高さ3mくらいのところに3本のマイクを立てていたんですが、ペダルを踏む音も拾ってしまいますし。私のクラリネットのタンギングの音もキャッチされてしまって、客観的に聴くとこうなんだなあ…と」と語る仲野さん。「マイク3本でこの音場はすごい」と久保田さん。
そしてPart1の「グノシエンヌ 第1番」のみ、マスタリングを行ったとのこと。シンタックスの村井氏は「普段は極力手を入れない音づくりをしているのだが、この曲はアルトクラリネットの低音が前に出すぎてしまっていた。アルバムの1曲目という、作品全体を支配する曲なのでこういう選択をした」と説明していた。
仲野さんは「アルバムのライナーノーツにヤンさんが、演奏で大事にしていたこととして『空気を迎え入れる』ということを書いていたんですね。サイレンス、空気のしじまを迎え入れることが、今回の録音ではできたと思います。そして、サティもそういうことを考えて作品を作ったんじゃないかな…と思ったりしました。彼の作品は小節線がはっきりとしていないんですが、そういうことろで空気を迎え入れ、その場にいる人と共鳴することができれば…と思いました」と語っていた。
また仲野さんはWAVとMQAで同じ音源を聴き比べ。特にPart2のトラック5「Bint el Shalabiya(ビンテルシャラビーア)」はボーカルが入っており、違いが歴然。「MQAの方が、自分が聴いていた音、内耳を通して聴いた音の感じに近い。今までとは雲泥の差」と感想を口にしていた。
RME Premium Recordingは、これまで96kHz/24bit以上で録音したハイレゾ・コンテンツを提供してきた高音質コンテンツ専門レーベル。ここにMQAコンテンツが加わることになる。
MQA配信される音源は『三枝伸太郎:Orquesta de la Esperanza』『ボロディン&スメタナ:弦楽四重奏』『コントラポントのヴェスプロ』の3作品。配信はe-onkyo musicのほか、ドイツのハイレゾ配信サイト「HIGHRESAUDIO」でも行われる。
シンタックスジャパンは本日発表会を開催。「HIGHRESAUDIO」のマネージングディレクター Lothar Kerestedjian氏は、ビデオメッセージで「シンタックスの素晴らしい音源を配信できることになって嬉しい」とコメントを寄せた。
また、9月22日リリースのKy(キィ)の新譜「Desespoir agreable(心地よい絶望)」もMQAにて配信されることが明らかにされた。こちらはクラシック専門インターネットラジオ「OTTAVA」とコラボしたOTTAVA RecordsからCDでも同時リリースされる。
Ky(キィ)はパリ市立音楽院ジャズ科の同窓生・仲野麻紀(アルトサックス/メタルクラリネット/ボーカル)とヤン・ピタール(ウード/ギター)によるユニット。10年間演奏してきたサティの楽曲から、「グノシエンヌ 第1番」など選りすぐりの5曲を収めたPart1と、Kyの演奏の軸となる即興演奏をベースとしたオリジナル曲や、ウードのルーツであるアラブ圏の伝統曲を収めたPart2で構成される。
録音は今年6月13日〜21日に、フランスのプリエー修道院礼拝堂にて行われた。使用したのはノイマンのデジタルマイク「KM 133 D」とRMEのインターフェース「DMC-842」、Mac1台とプリソナスのDAW「Studio1」といったコンパクトなシステム。録音フォーマットは192kHz/24bitで行われた。担当エンジニアは寒河江勇次氏。
発表会には仲野麻紀さんと、推薦コメントを寄せたミュージシャンの久保田麻琴さんが登場。音源を聴きながら、録音時の秘話や、目指している音楽性などについて語った。
Part2に収録されたオリジナル曲「Un oeil,une historie(ひとつの眼、ひとつの歴史)」は、ライブでは何度も演奏したことがあったものの、録音は今回が初めてだったとのこと。楽器編成はメタルクラリネット(G管)とウード。
「メタルクラリネットはいつも音を録るのにすごく苦労するんですよね。今回寒河江さんは『音の芯を録りたい』と。ライブだと客席に伝わる振動が、録音では伝わらないから、思い切り吹いてと言われました。それとヤンさんはものすごいペダルマニアで(笑)、ライブの時は沢山のペダルを駆使して演奏しているんですが、今回は“アコースティック”がテーマだったので使いませんでした。高さ3mくらいのところに3本のマイクを立てていたんですが、ペダルを踏む音も拾ってしまいますし。私のクラリネットのタンギングの音もキャッチされてしまって、客観的に聴くとこうなんだなあ…と」と語る仲野さん。「マイク3本でこの音場はすごい」と久保田さん。
そしてPart1の「グノシエンヌ 第1番」のみ、マスタリングを行ったとのこと。シンタックスの村井氏は「普段は極力手を入れない音づくりをしているのだが、この曲はアルトクラリネットの低音が前に出すぎてしまっていた。アルバムの1曲目という、作品全体を支配する曲なのでこういう選択をした」と説明していた。
仲野さんは「アルバムのライナーノーツにヤンさんが、演奏で大事にしていたこととして『空気を迎え入れる』ということを書いていたんですね。サイレンス、空気のしじまを迎え入れることが、今回の録音ではできたと思います。そして、サティもそういうことを考えて作品を作ったんじゃないかな…と思ったりしました。彼の作品は小節線がはっきりとしていないんですが、そういうことろで空気を迎え入れ、その場にいる人と共鳴することができれば…と思いました」と語っていた。
また仲野さんはWAVとMQAで同じ音源を聴き比べ。特にPart2のトラック5「Bint el Shalabiya(ビンテルシャラビーア)」はボーカルが入っており、違いが歴然。「MQAの方が、自分が聴いていた音、内耳を通して聴いた音の感じに近い。今までとは雲泥の差」と感想を口にしていた。