公開日 2017/05/21 10:00
ブランド創立40周年記念、独自アイデア満載
<HIGH END>ブルメスター、初のアナログプレーヤー「175」発表。350kg超のスピーカーも
山之内 正
ブランド創立40周年を記念し、BURMESTER(ブルメスター)が同社初のレコードプレーヤー「175」をHIGH END 2017で発表した。ターンテーブル、トーンアーム、カートリッジ、フォノイコライザーアンプをすべて組み込んだ意欲的な製品だが、第一弾とは思えない完成度の高さをうかがわせ、独自のアイデアを随所に投入している点も注目に値する。
このプレーヤーシステムと新たなフラグシップスピーカーを同時に披露する場となった試聴イベントの盛況ぶりからは、同ブランドへの関心の強さが伝わってきた。
175は仕上げの美しい金属加工が目を引くが、内容は外見以上に注目すべき点が多い。プラッターは2層のアルミの間に真鍮を挟んだサンドイッチ構造で、裏面に制振性コーティングを施すことで強力に共振を抑えている。スピンドル外周に配置した4基のモーターと複数のベルトでサブプラッターに回転を伝える独自の回転機構を採用し、スムーズな回転と素早い立ち上がりを実現している点も見逃せない。
トーンアームはアルミとカーボンの混合素材でアームパイプの共振を低減。カートリッジの出力は同社の「100」と同等の内蔵フォノイコライザー基板を経て出力される。磁気の影響を遮断する3つのフットで60kgの本体を支える構造は堅固そのものだ。発売時期は2017年末、価格は3万ユーロ前後になる見込みだ。
再生システムのなかでひときわ目を引く巨大なスピーカー「BC350」も、同じく40周年を記念する製品で、175と同様リファレンスラインの新たなフラグシップである。アメリカン・ウォールナットとアルミを組み合わせたエンクロージャーは高さ187.3cm×奥行き100cmという堂々たるサイズで、重さは350kgを超える。
側面に32cmウーファーを2基、前面に22cmミッドウーファーを2基それぞれ配置し、高域は大小2つのAMTトゥイーターが受け持つ。このトゥイーターは特殊な役割を担っており、「ライヴモード」を選んだ場合は小さい方のトゥイーターがトップパネルから天井に向けて音を放射し、プレゼンスを加える効果を発揮。一方、「ピュアモード」では正面のAMTだけを駆動して高解像度でフォーカスの優れた音像を再現する。1つのスピーカーで2つの再生モードを持つという、ハイファイスピーカーとしてはかなり珍しい機能である。
仕上げの美しさはブルメスターの上級モデルならではのもので、バスレフポートにはベルリンのKPM(王立磁器製陶所)が製作した特別仕様のパーツを組み込むなど、プレミアム感は半端ではない。ペア6万ユーロ前後で2017年9月から受注開始の予定だ。
ピュアモードで再生したレコードのサウンドは、周波数レンジとダイナミックレンジの制約から聴き手を解き放つもので、音量を上げてもストレスを一切感じさせない。アコースティックギターが刻むリズムは鮮鋭だがドライではなく、ヴォーカル、バスドラムどちらも音像がふくらまずに鮮明なイメージが浮かぶ。システムの総額は10万ユーロを大きく超えるが、そこから出てくるサウンドは装置の存在を意識させない自然なものであった。
このプレーヤーシステムと新たなフラグシップスピーカーを同時に披露する場となった試聴イベントの盛況ぶりからは、同ブランドへの関心の強さが伝わってきた。
175は仕上げの美しい金属加工が目を引くが、内容は外見以上に注目すべき点が多い。プラッターは2層のアルミの間に真鍮を挟んだサンドイッチ構造で、裏面に制振性コーティングを施すことで強力に共振を抑えている。スピンドル外周に配置した4基のモーターと複数のベルトでサブプラッターに回転を伝える独自の回転機構を採用し、スムーズな回転と素早い立ち上がりを実現している点も見逃せない。
トーンアームはアルミとカーボンの混合素材でアームパイプの共振を低減。カートリッジの出力は同社の「100」と同等の内蔵フォノイコライザー基板を経て出力される。磁気の影響を遮断する3つのフットで60kgの本体を支える構造は堅固そのものだ。発売時期は2017年末、価格は3万ユーロ前後になる見込みだ。
再生システムのなかでひときわ目を引く巨大なスピーカー「BC350」も、同じく40周年を記念する製品で、175と同様リファレンスラインの新たなフラグシップである。アメリカン・ウォールナットとアルミを組み合わせたエンクロージャーは高さ187.3cm×奥行き100cmという堂々たるサイズで、重さは350kgを超える。
側面に32cmウーファーを2基、前面に22cmミッドウーファーを2基それぞれ配置し、高域は大小2つのAMTトゥイーターが受け持つ。このトゥイーターは特殊な役割を担っており、「ライヴモード」を選んだ場合は小さい方のトゥイーターがトップパネルから天井に向けて音を放射し、プレゼンスを加える効果を発揮。一方、「ピュアモード」では正面のAMTだけを駆動して高解像度でフォーカスの優れた音像を再現する。1つのスピーカーで2つの再生モードを持つという、ハイファイスピーカーとしてはかなり珍しい機能である。
仕上げの美しさはブルメスターの上級モデルならではのもので、バスレフポートにはベルリンのKPM(王立磁器製陶所)が製作した特別仕様のパーツを組み込むなど、プレミアム感は半端ではない。ペア6万ユーロ前後で2017年9月から受注開始の予定だ。
ピュアモードで再生したレコードのサウンドは、周波数レンジとダイナミックレンジの制約から聴き手を解き放つもので、音量を上げてもストレスを一切感じさせない。アコースティックギターが刻むリズムは鮮鋭だがドライではなく、ヴォーカル、バスドラムどちらも音像がふくらまずに鮮明なイメージが浮かぶ。システムの総額は10万ユーロを大きく超えるが、そこから出てくるサウンドは装置の存在を意識させない自然なものであった。