公開日 2018/08/07 11:45
MC Centuryは世界限定100個
オルトフォン、100年記念の限定カートリッジ「MC Century」「The Concorde Century」
編集部:平山洸太
オルトフォンジャパン(株)は、同社100周年を記念するカートリッジ「MC Century」を世界100個、「The Concorde Century」を世界1,000個限定で8月20日に発売する。価格は、MC Centuryが1,260,000円(税抜)で、The Concorde Centuryが76,000円(税抜)。
本製品は、5月に独ミュンヘンにて開催の「Munich HIGH END 2018」で発表されたもので、その発売日と価格が正式にアナウンスされた格好となる(関連ニュース)。
MC Centuryは、同社では初の「ダイヤモンド・カンチレバー」を採用。ダイヤモンドの硬さによって素材に力が加わった際に変形が起こりづらいため、レコード再生時に盤溝をトレースした際の動きがムービングコイルに正確に伝わるほか、盤の微細な信号も減衰されないという。
また、素材内部での音の伝達速度が他の素材より速いため、トランジェント特性(音の立ち上がり/下がりの速さ)に優れることから、同社ではダイヤモンド・カンチレバーを「レコード盤に刻まれた情報の純粋な伝送に最もふさわしい、Centuryとオルトフォンの哲学に必要不可欠な存在」と説明している。
カンチレバーの先端に取り付けられたスタイラスチップは、ダイヤモンドスタイラス、オルトフォン・レプリカント100を使用した。このスタイラスは、レコード盤のマスターであるラッカー原盤の溝を刻む際にも使用するカッティング・ヘッドの針先の形状に近いもので、盤溝との接触面積が多い。そのため、細かな信号も逃さずに読み取ることが可能とのことだ。
ボディハウジングには、チタンを使用。チタンは硬く加工の難易度が高いが、同社のSLMテクノロジーを用いてチタン粉末をレーザー焼結で三次元的に立体成型することで、理想とするモノコックボディを作ることが可能になった。また、ボディ下部にはTPE(サーモ・プラスティック・エラストマー)素材を成形したダンピングボトムカバーを装着し、チタンとTPEの異なる素材で複合防振を行うことにより、共振対策を施した。
ムービングコイルでは、フラグシップモデル「MC Anna」から改良を行った空芯コイルを使用。空芯コイルは鉄芯に比べマグネットからの影響を受けずに動作することができ、再生時のサウンド表現がより繊細かつフラットになるという。その一方で空芯コイルは電圧が低いという弱点がある。これを克服するために、非磁性体アーマチュアを使用して、カートリッジに組み込まれたネオジムマグネットの磁力線を理想的になるようにコントロールし、電圧レベルを上げることを実現させた。
これらの技術は同社がモノラルの時代からカートリッジのゴムダンパーを自社開発・製造してきた歴史が培った高い技術力が可能にしたものであると説明。本製品は、同社の100年の歴史においての最高到達点であり、100周年地点を示すマイルストーンとして相応しい存在であるとしている。
The Concorde Centuryは、1979年に発売された「Concordeシリーズ」を、100周年記念でHi-Fi用カートリッジとして蘇らせたもの。Concordeシリーズはシェルコネクターから針先に向かって真っ直ぐに伸びるハウジング、一体型のフィンガー、ネジやワッシャー、リードワイヤーによるセッティングを必要とせずユニバーサル型アームに即座に取り付け可能な利便性を両立していることが特徴で、1979年の発売時にはデンマーク工業賞を受賞した。
Hi-Fiユーザーだけでなく、30年以上の歴史をもつDJの世界大会「DMC」において使用されたりと、クラブDJやターンテーブリストの間ではステータスシンボルになっているという。
今回発売される100周年モデルでは、ハウジングにクローム仕上げを施し、無垢ダイヤのファインライン・スタイラスを採用した。またMMのコイルにはシルバーメッキの銅線を採用し、空間表現、奥行き感、サウンドの緻密なディティールを創出するという。
主な仕様は以下の通り
■MC Century
出力電圧(1kHz, 5cm/sec.):0.2mV
チャンネルバランス(1kHz):0.5dB
チャンネルセパレーション(1kHz):25dB
チャンネルセパレーション(15kHz):22dB
周波数特性(20Hz-20,000Hz):+/-1.5dB
トラッキングアビリティー(315Hz、適正針圧下):80μm
水平コンプライアンス:9μm/mN
スタイラスタイプ:Nude Ortofon Replicant 100
スタイラスチップ半径:r/R 5/100μm
カンチレバー素材:無垢単結晶ダイヤモンド
適正針圧:2.4g
内部インピーダンス:6Ω
推奨負荷インピーダンス:10Ω以上
質量:15g
■The Concorde Century
出力電圧(1kHz,5cm/sec.):5.5mV
チャンネルバランス(1kHz):1dB
チャンネルセパレーション(1kHz):26dB
チャンネルセパレーション(15kHz):15dB
周波数帯域(-3dB時):20Hz-29,000Hz
周波数特性(20Hz-20,000Hz):+2dB/-0dB
トラッキングアビリティー(315Hz、適正針圧下):70μm
水平コンプライアンス:16μm/mN
スタイラスタイプ:Nude Fine Line
スタイラスチップ半径:r/R 8/40μm
カンチレバー素材:アルミニウム
適正針圧:1.8g
内部インピーダンス:1.2kΩ
内部インダクタンス:630mH
推奨負荷抵抗値:47kΩ
推奨負荷容量値:150-300pF
カートリッジボディーカラー:クローム
質量:18.5g
本製品は、5月に独ミュンヘンにて開催の「Munich HIGH END 2018」で発表されたもので、その発売日と価格が正式にアナウンスされた格好となる(関連ニュース)。
MC Centuryは、同社では初の「ダイヤモンド・カンチレバー」を採用。ダイヤモンドの硬さによって素材に力が加わった際に変形が起こりづらいため、レコード再生時に盤溝をトレースした際の動きがムービングコイルに正確に伝わるほか、盤の微細な信号も減衰されないという。
また、素材内部での音の伝達速度が他の素材より速いため、トランジェント特性(音の立ち上がり/下がりの速さ)に優れることから、同社ではダイヤモンド・カンチレバーを「レコード盤に刻まれた情報の純粋な伝送に最もふさわしい、Centuryとオルトフォンの哲学に必要不可欠な存在」と説明している。
カンチレバーの先端に取り付けられたスタイラスチップは、ダイヤモンドスタイラス、オルトフォン・レプリカント100を使用した。このスタイラスは、レコード盤のマスターであるラッカー原盤の溝を刻む際にも使用するカッティング・ヘッドの針先の形状に近いもので、盤溝との接触面積が多い。そのため、細かな信号も逃さずに読み取ることが可能とのことだ。
ボディハウジングには、チタンを使用。チタンは硬く加工の難易度が高いが、同社のSLMテクノロジーを用いてチタン粉末をレーザー焼結で三次元的に立体成型することで、理想とするモノコックボディを作ることが可能になった。また、ボディ下部にはTPE(サーモ・プラスティック・エラストマー)素材を成形したダンピングボトムカバーを装着し、チタンとTPEの異なる素材で複合防振を行うことにより、共振対策を施した。
ムービングコイルでは、フラグシップモデル「MC Anna」から改良を行った空芯コイルを使用。空芯コイルは鉄芯に比べマグネットからの影響を受けずに動作することができ、再生時のサウンド表現がより繊細かつフラットになるという。その一方で空芯コイルは電圧が低いという弱点がある。これを克服するために、非磁性体アーマチュアを使用して、カートリッジに組み込まれたネオジムマグネットの磁力線を理想的になるようにコントロールし、電圧レベルを上げることを実現させた。
これらの技術は同社がモノラルの時代からカートリッジのゴムダンパーを自社開発・製造してきた歴史が培った高い技術力が可能にしたものであると説明。本製品は、同社の100年の歴史においての最高到達点であり、100周年地点を示すマイルストーンとして相応しい存在であるとしている。
The Concorde Centuryは、1979年に発売された「Concordeシリーズ」を、100周年記念でHi-Fi用カートリッジとして蘇らせたもの。Concordeシリーズはシェルコネクターから針先に向かって真っ直ぐに伸びるハウジング、一体型のフィンガー、ネジやワッシャー、リードワイヤーによるセッティングを必要とせずユニバーサル型アームに即座に取り付け可能な利便性を両立していることが特徴で、1979年の発売時にはデンマーク工業賞を受賞した。
Hi-Fiユーザーだけでなく、30年以上の歴史をもつDJの世界大会「DMC」において使用されたりと、クラブDJやターンテーブリストの間ではステータスシンボルになっているという。
今回発売される100周年モデルでは、ハウジングにクローム仕上げを施し、無垢ダイヤのファインライン・スタイラスを採用した。またMMのコイルにはシルバーメッキの銅線を採用し、空間表現、奥行き感、サウンドの緻密なディティールを創出するという。
主な仕様は以下の通り
■MC Century
出力電圧(1kHz, 5cm/sec.):0.2mV
チャンネルバランス(1kHz):0.5dB
チャンネルセパレーション(1kHz):25dB
チャンネルセパレーション(15kHz):22dB
周波数特性(20Hz-20,000Hz):+/-1.5dB
トラッキングアビリティー(315Hz、適正針圧下):80μm
水平コンプライアンス:9μm/mN
スタイラスタイプ:Nude Ortofon Replicant 100
スタイラスチップ半径:r/R 5/100μm
カンチレバー素材:無垢単結晶ダイヤモンド
適正針圧:2.4g
内部インピーダンス:6Ω
推奨負荷インピーダンス:10Ω以上
質量:15g
■The Concorde Century
出力電圧(1kHz,5cm/sec.):5.5mV
チャンネルバランス(1kHz):1dB
チャンネルセパレーション(1kHz):26dB
チャンネルセパレーション(15kHz):15dB
周波数帯域(-3dB時):20Hz-29,000Hz
周波数特性(20Hz-20,000Hz):+2dB/-0dB
トラッキングアビリティー(315Hz、適正針圧下):70μm
水平コンプライアンス:16μm/mN
スタイラスタイプ:Nude Fine Line
スタイラスチップ半径:r/R 8/40μm
カンチレバー素材:アルミニウム
適正針圧:1.8g
内部インピーダンス:1.2kΩ
内部インダクタンス:630mH
推奨負荷抵抗値:47kΩ
推奨負荷容量値:150-300pF
カートリッジボディーカラー:クローム
質量:18.5g