公開日 2024/05/13 18:38
海外新作ハイエンドスピーカー紹介・その1
<HIGH END>ソナス・ファベール「SONETTO G2」デビュー/エステロン、アヴァンギャルドも新作発表
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
5月9日より開催されていた「ミュンヘン・ハイエンド2024」。海外ハイエンドメーカーのワールドプレミアの場でもあり、今回も数多くの新作スピーカーがお目見えした。
ここでは、Sonus Faber(ソナス・ファベール)、ESTELON(エステロン)、Avantgarde(アヴァンギャルド)、Avalos Sound Design(アヴァロス・サウンド・デザイン)などの新作を紹介しよう。
ソナス・ファベール「SONETTO G2」は、先般発表されたフラグシップモデル「SUPREMA」で培われた音響技術を搭載したモデルとなり、同社の中核シリーズSONETTOの後継機となる。キャビネット形状は同社おなじみの奥がすぼまった“リュート形状”が採用されており、木目も揃った美しい仕上げとなっている。
大きな特徴はミッドレンジに搭載された「Camelia」(日本語ではツバキ)と呼ばれるユニットで、ふちが少し凹んだ花びらのような独特の形状によって、中域の再現性をさらに改善しているという。ユニット中央にはsfの文字を刻んだフェーズプラグも配置される。
フロア型スピーカーとして「SONETTO VIII G2」を筆頭にV、III、ブックシェルフとしてII、Iを用意。ほかにもセンターやウォールなどもラインナップする。またカラーはウォルナット、ウェンゲなどの木目デザインのほか、ピアノブラック仕上げも用意する。
またMOCとは別に、ミュンヘンの高級ホテル・アンダーズでは、「SUPREMA」のお披露目パーティを開催。マッキントッシュの75周年モデルと組み合わせたスーパーハイエンドシステムだが、よくぞおここまで、と思うほどの低域の切れ味と安定感は抜群。ソナス・ファベールの到達点を見せつけた。
ミュンヘン・ハイエンドで毎年非常に印象に残るブースのひとつ、エステロン。今年は限定モデルとして3ウェイスピーカー「X DIAMOND Signature Edition」が登場した。
フラグシップモデル「Forza」の技術を引き継ぎつつ、ネットワーク回路や内部配線などを一新。ユニットはアキュトン製だが、トゥイーターはダイヤモンドを採用しており精緻な高域再生を実現。写真では伝わりにくくて恐縮だが、ブラックメタリックの仕上げにキラキラと輝くラメが上品で、思わず頬擦りしたくなるほど。
プリアンプにはPilium(ピリウム)の「Alexander」、パワーアンプにはMSBテクノロジーのモノアンプ「M500」を組み合わせた優美でシャープなサウンドはまさに絶品。広いステージングだがぼやけずくっきり存在する音場の中に、そっと立つ女性ボーカルはとろけ出しそうなほどの色気と艶感に溢れて、ほっとリラックスした時間をもたらしてくれる。
昨年コンセプトモデルとして発表されたドイツ・アヴァンギャルドの「COLIBRI」が今年は正式に登場。アヴァンギャルドのモデルの中ではもっとも小さいサイズとなり、同社を象徴するスフェリカルホーンと背後にウーファーを搭載。輸入元のエソテリックによると、来春日本にも登場予定とのこと。
縦置き、横置きの両方が可能で、横置きの場合は左右スピーカーそれぞれについてサブウーファーを組み合わせた2.2chとしてのシステム構築も可能となる(なお日本国内ではあまり見かけないが、小型2ウェイ+サブウーファーを別筐体とした2.2ch構成は海外ハイエンドショウではしばしば見かけるスタイル)。
独創的なデザインだが音質はなかなかに本格的。試聴ルームではより大型の「Mezzo G3」と「COLIBRI」の両方が鳴らしわけられていたが、いずれもカチッとしながらもリッチな音場感が特徴としながらも、COLIBRIならではの“まとまり感”も魅力的。アヴァンギャルド・サウンドを省スペースで実現できるものとして期待できそうだ。
また、スペインのハイエンドケーブルブランドとして知られるfono acustica(フォノ・アクースティカ)は、新たに「Avalos Sound Design(アヴァロス・サウンド・デザイン)」というスピーカーブランドを始動。フォノ・アクースティカの創業者であるフェリックス・アヴァロス氏の名前から取られたもので、第一弾スピーカーは「WAVE」。
音楽は“波”の動きであることを表すとともに、全体的に丸みを帯びた流麗なデザインで、フロントはサーフボードをイメージした形となっている。キャビネットはアクリルやコンポジットなどの複合素材で、内部配線材にはフォノ・アクースティカのVirtuosoグレードの製品を投入するスーパーハイエンドモデル。アヴァロス氏によると、スピーカー製造のために新たに工場も拡張したとのことで、さらなるハイエンド世界への挑戦に意欲を燃やしていた。
ウィーン・アコースティクスはパッシブスピーカー「Liszt Reference」を披露。昨年はアクティブスピーカー「Mozart inifinity」のみ!(ネットワーク&アンプ機能内蔵のため、2本のスピーカーだけで音楽再生が可能)というシンプルなシステムを提案していた一方で、今年は弩級システムを提示してくるのもウィーン・アコースティクスならではの懐の広さ。
またモニター・オーディオは今年はメーカーとしては出展していなかったが、真空管アンプブランド、Vitus Audio(ヴィタス・オーディオ)のブースにてフラグシップモデル「HYPHN」を披露。奇抜な形状とは裏腹にストレートで素直なサウンドが印象に残った。
ここでは、Sonus Faber(ソナス・ファベール)、ESTELON(エステロン)、Avantgarde(アヴァンギャルド)、Avalos Sound Design(アヴァロス・サウンド・デザイン)などの新作を紹介しよう。
花びら形状のミッドレンジ搭載「SONETTO G2」
ソナス・ファベール「SONETTO G2」は、先般発表されたフラグシップモデル「SUPREMA」で培われた音響技術を搭載したモデルとなり、同社の中核シリーズSONETTOの後継機となる。キャビネット形状は同社おなじみの奥がすぼまった“リュート形状”が採用されており、木目も揃った美しい仕上げとなっている。
大きな特徴はミッドレンジに搭載された「Camelia」(日本語ではツバキ)と呼ばれるユニットで、ふちが少し凹んだ花びらのような独特の形状によって、中域の再現性をさらに改善しているという。ユニット中央にはsfの文字を刻んだフェーズプラグも配置される。
フロア型スピーカーとして「SONETTO VIII G2」を筆頭にV、III、ブックシェルフとしてII、Iを用意。ほかにもセンターやウォールなどもラインナップする。またカラーはウォルナット、ウェンゲなどの木目デザインのほか、ピアノブラック仕上げも用意する。
またMOCとは別に、ミュンヘンの高級ホテル・アンダーズでは、「SUPREMA」のお披露目パーティを開催。マッキントッシュの75周年モデルと組み合わせたスーパーハイエンドシステムだが、よくぞおここまで、と思うほどの低域の切れ味と安定感は抜群。ソナス・ファベールの到達点を見せつけた。
ブラック・メタリックの仕上げも美しいエステロン限定モデル
ミュンヘン・ハイエンドで毎年非常に印象に残るブースのひとつ、エステロン。今年は限定モデルとして3ウェイスピーカー「X DIAMOND Signature Edition」が登場した。
フラグシップモデル「Forza」の技術を引き継ぎつつ、ネットワーク回路や内部配線などを一新。ユニットはアキュトン製だが、トゥイーターはダイヤモンドを採用しており精緻な高域再生を実現。写真では伝わりにくくて恐縮だが、ブラックメタリックの仕上げにキラキラと輝くラメが上品で、思わず頬擦りしたくなるほど。
プリアンプにはPilium(ピリウム)の「Alexander」、パワーアンプにはMSBテクノロジーのモノアンプ「M500」を組み合わせた優美でシャープなサウンドはまさに絶品。広いステージングだがぼやけずくっきり存在する音場の中に、そっと立つ女性ボーカルはとろけ出しそうなほどの色気と艶感に溢れて、ほっとリラックスした時間をもたらしてくれる。
アヴァンギャルドの省スペースモデルに期待
昨年コンセプトモデルとして発表されたドイツ・アヴァンギャルドの「COLIBRI」が今年は正式に登場。アヴァンギャルドのモデルの中ではもっとも小さいサイズとなり、同社を象徴するスフェリカルホーンと背後にウーファーを搭載。輸入元のエソテリックによると、来春日本にも登場予定とのこと。
縦置き、横置きの両方が可能で、横置きの場合は左右スピーカーそれぞれについてサブウーファーを組み合わせた2.2chとしてのシステム構築も可能となる(なお日本国内ではあまり見かけないが、小型2ウェイ+サブウーファーを別筐体とした2.2ch構成は海外ハイエンドショウではしばしば見かけるスタイル)。
独創的なデザインだが音質はなかなかに本格的。試聴ルームではより大型の「Mezzo G3」と「COLIBRI」の両方が鳴らしわけられていたが、いずれもカチッとしながらもリッチな音場感が特徴としながらも、COLIBRIならではの“まとまり感”も魅力的。アヴァンギャルド・サウンドを省スペースで実現できるものとして期待できそうだ。
スペインのケーブルブランドがスピーカーをスタート
また、スペインのハイエンドケーブルブランドとして知られるfono acustica(フォノ・アクースティカ)は、新たに「Avalos Sound Design(アヴァロス・サウンド・デザイン)」というスピーカーブランドを始動。フォノ・アクースティカの創業者であるフェリックス・アヴァロス氏の名前から取られたもので、第一弾スピーカーは「WAVE」。
音楽は“波”の動きであることを表すとともに、全体的に丸みを帯びた流麗なデザインで、フロントはサーフボードをイメージした形となっている。キャビネットはアクリルやコンポジットなどの複合素材で、内部配線材にはフォノ・アクースティカのVirtuosoグレードの製品を投入するスーパーハイエンドモデル。アヴァロス氏によると、スピーカー製造のために新たに工場も拡張したとのことで、さらなるハイエンド世界への挑戦に意欲を燃やしていた。
ウィーン・アコースティクス&モニター・オーディオ
ウィーン・アコースティクスはパッシブスピーカー「Liszt Reference」を披露。昨年はアクティブスピーカー「Mozart inifinity」のみ!(ネットワーク&アンプ機能内蔵のため、2本のスピーカーだけで音楽再生が可能)というシンプルなシステムを提案していた一方で、今年は弩級システムを提示してくるのもウィーン・アコースティクスならではの懐の広さ。
またモニター・オーディオは今年はメーカーとしては出展していなかったが、真空管アンプブランド、Vitus Audio(ヴィタス・オーディオ)のブースにてフラグシップモデル「HYPHN」を披露。奇抜な形状とは裏腹にストレートで素直なサウンドが印象に残った。
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