公開日 2024/07/16 06:45
オーディオ評論家・土方久明氏が大活躍
マッキントッシュやナグラなど、本邦初披露モデルも多数登場。ハイエンドモデルの聴き比べも好評な「サウンドピット創業祭」をレポート
季刊・アナログ編集部・野間美紀子
名古屋のオーディオショップ・サウンドピットの創業祭2024が7月6日(土)と7日(日)の2日間、名古屋市中小企業会館「吹上ホール」9階の特設会場にて開催された。
多くの場合、オーディオイベントではメーカーごとにブースが設けられ、来場者が移動して試聴する形となるが、サウンドピットの創業祭は、ブースも設けられてはいるものの、広い特設会場の試聴会講演がメインとなり、各社のアンプやスピーカー等を「横並び」で試聴できるのが大きな特徴となる。
この形になったのはここ3年ほどである。2022年からオーディオ評論家の土方久明氏がその形式で試聴会講演を担うようになって好評を呼び、定着してきた。今回も丸2日間にわたり、怒涛の数の聴き比べが土方氏の講演により行われた。
ソース機器、アンプ、スピーカーシステムと、主役となるジャンルが決められ、1ブランド1曲の
デモンストレーションが行われると、機器が入れ替えられていく。
6日の10時半から、まずはソース機器をフィーチャーした試聴会。アンプとスピーカーが固定され、SACD/CDプレーヤー、ミュージックサーバー、そしてアナログプレーヤーなどソース機器たちのデモが行われた。
SACD/CDプレーヤーのデモンストレーションでは、ラックスマン、エソテリック、アキュフェーズ、TADなどの国産メーカーのほか、プレイバック・デザインズなど輸入ブランド製品も登場。貴重な聴き比べの機会となった。
またネットワークオーディオも注目製品が多数登場しており、他ではなかなか聴けないTAIKO AUDIOのroonサーバー搭載ミュージックサーバー「Extreme Server」のサウンドも披露。ATOLLのネットワークプレーヤー「ST300 Signature」も初登場した。
アナログ再生の時間では、スピーカーをMARTENの「Mingus」に固定。アナログプレーヤーの高級機7機種の音が披露された。エソテリックの弩級のアナログプレーヤー「Grandioso T1」には、GLANZLABの新しいフラグシップトーンアーム「刀」を装備しての試聴。VERTEREのアナログプレーヤー「SG1-PKG」の美しいアクリルデザインも注目。
元Appleのジョナサン・アイヴがデザインしたLINNの50周年モデル「LP12-50」にも関心は高い。また高音質レコードとして知られるMoFi Electronicsのアナログプレーヤーは、今年から輸入商社ディバインが国内展開を開始している。
フォノイコライザーとしてSoulutionのフォノイコライザー「755」やナグラの「MC PHONO」が本邦初披露されたほか、DS AUDIOは光カートリッジの入門モデル「DS-E3」をデモンストレーションを行った。
同日14時からはアンプを主役とし、プレーヤーとスピーカーを固定して、プリアンプ、パワーアンプを入れ替えて聴いた。
国産の真空管ブランドにも強力な製品が多数登場した、オーディオ・ノートのプリアンプ「G700」やエアータイトのパワーアンプ「ATM-1 2024EDITION」は国内外で人気も高い。トライオードからはEVOLUTIONシリーズとして「EVOLUTION MUSASHI」と「EVOLUTION PRE」を組み合わせ。オーロラサウンドは真空管と半導体のハイブリッド・プリメイン「HFSA-01」を披露した。
輸入製品としては、LINNがこの春発表したモノラルパワーアンプ「KLIMAX SOLO 800」が登場したほか、Goldmundの新しいステレオパワーアンプ「TELOS 800」は、同社プリアンプ「MIMEISIS REFERENCE」と組み合わせて再生。超巨大なプレイバック・デザインズのパワーアンプ「SPA8」も来場者の目と耳を驚かせていた。
また、マッキントッシュのモノラルパワーアンプ「2.1kW」も本邦初公開となった製品。片チャンネル3筐体の超弩級パワーアンプ。その堂々たる威容とブルーライトの美しさにも注目が集まっていた。
ソース機器、アンプそれぞれ、価格の低いものから高いものへという順で試聴が行われたが、高いものになると数千万円を超えるモデルも続いた。弩級のハイエンドオーディオは芸術作品のように姿形も美しく、それらが連立する様子は圧巻。それらが一つ一つスケール大きく鳴らされるのは快感だった。
各メーカーや輸入商社の方々が、機器の入れ替えやセッティングを、企業間を超えて連携プレイで行っていたのも印象的だった。
また、6日(土)の18時からは、実力派ヴァイオリニスト、戸田弥生氏による生演奏が行われた。バッハの無伴奏パルティータ3番、バッハのシャコンヌ、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタなどが披露された。ハイエンドオーディオによる再生音と、生のヴァイオリンの音の両方を楽しめるのも創業祭ならではのお楽しみ。
入り口を入ったところでは、大阪のレコードショップ、スマイルレコードがたくさんのアナログ盤を特価で販売していた。
1日目の講演を終えた土方氏は次のように語った。「僕がオーディオユーザーならば、絶対に来たいイベントです。今が旬のオーディオがこんなに次から次へと聴けるなんて、他にはないと思います。サウンドピットというお店への信頼があって、メーカーの方々が力を合わせていたように思います」
サウンドピット代表の坂口昌司氏は「ご来場ありがとうございました。お祭りですから皆さんで楽しんでいっていただきたいと思っています。土方さんや、メーカーや輸入商社の方々にも拍手をお願いします」とコメントした。
膨大な数のハイエンドオーディオの音に一日中対峙し、来場者たちはまるでスポーツをした後のように高揚した顔ぶれで帰路についていた。
そのほか注目の製品について写真でレポートしよう。
多くの場合、オーディオイベントではメーカーごとにブースが設けられ、来場者が移動して試聴する形となるが、サウンドピットの創業祭は、ブースも設けられてはいるものの、広い特設会場の試聴会講演がメインとなり、各社のアンプやスピーカー等を「横並び」で試聴できるのが大きな特徴となる。
この形になったのはここ3年ほどである。2022年からオーディオ評論家の土方久明氏がその形式で試聴会講演を担うようになって好評を呼び、定着してきた。今回も丸2日間にわたり、怒涛の数の聴き比べが土方氏の講演により行われた。
ソース機器、アンプ、スピーカーシステムと、主役となるジャンルが決められ、1ブランド1曲の
デモンストレーションが行われると、機器が入れ替えられていく。
6日の10時半から、まずはソース機器をフィーチャーした試聴会。アンプとスピーカーが固定され、SACD/CDプレーヤー、ミュージックサーバー、そしてアナログプレーヤーなどソース機器たちのデモが行われた。
SACD/CDプレーヤーのデモンストレーションでは、ラックスマン、エソテリック、アキュフェーズ、TADなどの国産メーカーのほか、プレイバック・デザインズなど輸入ブランド製品も登場。貴重な聴き比べの機会となった。
またネットワークオーディオも注目製品が多数登場しており、他ではなかなか聴けないTAIKO AUDIOのroonサーバー搭載ミュージックサーバー「Extreme Server」のサウンドも披露。ATOLLのネットワークプレーヤー「ST300 Signature」も初登場した。
アナログ再生の時間では、スピーカーをMARTENの「Mingus」に固定。アナログプレーヤーの高級機7機種の音が披露された。エソテリックの弩級のアナログプレーヤー「Grandioso T1」には、GLANZLABの新しいフラグシップトーンアーム「刀」を装備しての試聴。VERTEREのアナログプレーヤー「SG1-PKG」の美しいアクリルデザインも注目。
元Appleのジョナサン・アイヴがデザインしたLINNの50周年モデル「LP12-50」にも関心は高い。また高音質レコードとして知られるMoFi Electronicsのアナログプレーヤーは、今年から輸入商社ディバインが国内展開を開始している。
フォノイコライザーとしてSoulutionのフォノイコライザー「755」やナグラの「MC PHONO」が本邦初披露されたほか、DS AUDIOは光カートリッジの入門モデル「DS-E3」をデモンストレーションを行った。
同日14時からはアンプを主役とし、プレーヤーとスピーカーを固定して、プリアンプ、パワーアンプを入れ替えて聴いた。
国産の真空管ブランドにも強力な製品が多数登場した、オーディオ・ノートのプリアンプ「G700」やエアータイトのパワーアンプ「ATM-1 2024EDITION」は国内外で人気も高い。トライオードからはEVOLUTIONシリーズとして「EVOLUTION MUSASHI」と「EVOLUTION PRE」を組み合わせ。オーロラサウンドは真空管と半導体のハイブリッド・プリメイン「HFSA-01」を披露した。
輸入製品としては、LINNがこの春発表したモノラルパワーアンプ「KLIMAX SOLO 800」が登場したほか、Goldmundの新しいステレオパワーアンプ「TELOS 800」は、同社プリアンプ「MIMEISIS REFERENCE」と組み合わせて再生。超巨大なプレイバック・デザインズのパワーアンプ「SPA8」も来場者の目と耳を驚かせていた。
また、マッキントッシュのモノラルパワーアンプ「2.1kW」も本邦初公開となった製品。片チャンネル3筐体の超弩級パワーアンプ。その堂々たる威容とブルーライトの美しさにも注目が集まっていた。
ソース機器、アンプそれぞれ、価格の低いものから高いものへという順で試聴が行われたが、高いものになると数千万円を超えるモデルも続いた。弩級のハイエンドオーディオは芸術作品のように姿形も美しく、それらが連立する様子は圧巻。それらが一つ一つスケール大きく鳴らされるのは快感だった。
各メーカーや輸入商社の方々が、機器の入れ替えやセッティングを、企業間を超えて連携プレイで行っていたのも印象的だった。
また、6日(土)の18時からは、実力派ヴァイオリニスト、戸田弥生氏による生演奏が行われた。バッハの無伴奏パルティータ3番、バッハのシャコンヌ、イザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタなどが披露された。ハイエンドオーディオによる再生音と、生のヴァイオリンの音の両方を楽しめるのも創業祭ならではのお楽しみ。
入り口を入ったところでは、大阪のレコードショップ、スマイルレコードがたくさんのアナログ盤を特価で販売していた。
1日目の講演を終えた土方氏は次のように語った。「僕がオーディオユーザーならば、絶対に来たいイベントです。今が旬のオーディオがこんなに次から次へと聴けるなんて、他にはないと思います。サウンドピットというお店への信頼があって、メーカーの方々が力を合わせていたように思います」
サウンドピット代表の坂口昌司氏は「ご来場ありがとうございました。お祭りですから皆さんで楽しんでいっていただきたいと思っています。土方さんや、メーカーや輸入商社の方々にも拍手をお願いします」とコメントした。
膨大な数のハイエンドオーディオの音に一日中対峙し、来場者たちはまるでスポーツをした後のように高揚した顔ぶれで帰路についていた。
そのほか注目の製品について写真でレポートしよう。