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公開日 2018/10/15 19:52
“ビビらない”スピーカー技術なども
<CEATEC>5GやAIを活かしたエンタメ技術を各社アピール/クラリオンは“スピーカーレス”オーディオをデモ
編集部:押野 由宇
IT・エレクトロニクスの総合展示会「CEATEC JAPAN 2018」が、明日10月16日〜19日にかけて開催される。本日、メディア向けに一部ブースが事前公開された中から、ソシオネクスト、KDDI、クラリオン、バンダイナムコグループなどの出展内容をレポートする。
■ソシオネクスト
ソシオネクストのブースでは、世界初というHDMI 2.1規格の送受信に対応した8K映像処理・表示制御用チップ「HV5シリーズ」のデモを実施。各種映像機器メーカーに向けては2019年3月より順次発売を行う。
HDMI 2.1は最大帯域が従来のHDMI 2.0の約2.7倍にあたる48Gbpsにまで高速化されており、8Kなど大容量コンテンツの高画質・高音質・低遅延での伝送を可能にする規格として期待される。今回開発されたのはこのHDMI 2.1に対応した送信・受信機能を搭載した映像処理用チップとなる。
HV5シリーズでは、HDMI 2.1 Tx機能により8K映像の送信を可能にするインターフェース変換チップ「SC1H05ACシリーズ」と、8Kテレビ用映像処理チップ「SC1H05AT1」を展開。SC1H05AT1はHDMI 2.0/2.1のほか、V-by-One規格の入出力に対応する。さらに、内蔵のアップスケーリング機能と同社独自の高画質化技術で、2K(フルHD)や4Kで制作されたコンテンツを8Kパネルに最適な画質で再現するとしている。
音響ソリューション「ForeArt」もアピール。ForeArtは、人の聴覚特性を利用することで、失われた低音域の連続倍音を補完して擬似的に低音を再現、テレビやスマートスピーカーに搭載されるような小型/薄型スピーカーでは出力できなかった低音域を拡張する「Harmonic Bass」技術などの同社音響ソリューションを体系化したものとなる。
ブースではHarmonic Bass技術を応用し、スピーカーの振動を抑えながら、豊かな低音感を再現するというデモを行っていた。これにより、筐体を共振させる特定の低音成分を減衰させ、テレビのビビリ対策がソフトウェアでの処理で行えるため製造工程の簡略化に貢献でき、また振動の抑制が隣の部屋などへの音漏れ対策となる効果も期待できるという。
■KDDI/NTTドコモ
KDDIやNTTドコモは、5G回線が実現する様々なエンターテインメントについて体験ブースを設けていた。XRグラスを用いた体験型スタジアムでは、XRグラスを装着することでバーチャル(AR)の野球体験が可能。ピッチャーが投げてくるボールを打ち返す動作をすることで、タイミングによってホームランやヒットなどの結果がフィードバックされるほか、同じ場所で観客としてその様子をXRグラスを通じて観戦することもできた。
2018年6月に沖縄セルラースタジアム那覇で実施された、5Gでの自由視点映像のリアルタイム配信の映像も展示。これは16台の4Kカメラにより、自由視点映像をリアルタイムに作成・配信し、カメラのないアングルからの選手の様子も鑑賞できるという、スポーツ観戦の新しいスタイルを提案するものだ。
また、「バーチャル観光案内所」も設置。 “5Gで地方活性化” を謳い、ARインフォメーションやVRを活用した望遠鏡、観光ツアーといった取り組みがより発展性を持って実施していくことができる。
ARインフォメーションは、XRとAIを組み合わせたバーチャルガイドソリューションの一例。マーカーを設置することで、バーチャルガイドに案内をさせたり、外国語での問いかけに対してGoogle GCPやRECUIUS、AWSなどのエンジンを活用した回答を行うといったことが可能となる。ブースではバーチャルガイド「レナ」が案内する様子が体験できた。またマーカーなどを上手く利用することで、リアル脱出ゲームのようなエンターテインメント活用もできるとのことだ。
NTTドコモは8K VRのライブ配信・視聴システムを用意。これまでVRライブ配信で課題とされてきた解像度改善に取り組み、8K映像処理にFPGAを用いることで8K30fpsのリアルタイムVR映像を実現した。
その特徴は4Kカメラと魚眼レンズ5台による映像撮影を行い、8K映像のスティッチ・圧縮処理をFPGAで実行。パノラマ超エンジン技術で、見ているところだけ本来の解像度で表示することで、8KVR映像を視聴できるようにしたとする。こうしたリアルタイム処理などの技術をベースとし、そこに5Gが組み合わさることで、これまでにない視聴体験が実現できるようになる。
■クラリオン
クラリオンでは、カーオーディオの最新技術として、振動スピーカーを活用した「ドアスピーカーレスオーディオシステム」が体験できるデモカーを用意していた。
これはトゥイーター一体型の振動スピーカー×2をダッシュボードに、ヘッドレストにスピーカー×4を内蔵、さらにリアガラスに振動スピーカーを配置した7chの音響システム。トゥイーター一体型振動スピーカーには中高域、ヘッドレストスピーカーに中域、リアの振動スピーカーはウーファーとして低域を受け持たせ、さらに独自の信号処理を行って再生を行う。
その利点はスピーカー用開口部を塞ぐことで車室内外への遮音性が向上、ドアスピーカーやサブウーファーが省略されることでスペースが有効に活用できるほか、配線やコネクターなどの削減からコストダウンが図られるといったことにあるという。
そのサウンドについてブースの担当者は「従来の同社のシステムがピュアオーディオ環境を目指しているのに対し、空間として聴きやすく心地よい音作りを目指している」とコメント。ドアスピーカーとの両立も可能で、より良い導入のかたちを探っていくとした。なおハイレゾ対応については、ダッシュボードやリアガラスで帯域を調整するのは難しいが、ヘッドレストスピーカーやトゥイーターのチューニングで対応していくことも可能とのことだ。
■トヨタ自動車
トヨタ自動車のブースでは、スマートフォンとの連携サービス「SMART DEVICE LINK(SDL)」をアピール。これはクルマとスマートフォンをBluetoothないしUSBで接続し、スマホアプリを車載ディスプレイ上で操作するためのプラットフォームだ。
これを利用して各メーカーが開発を行うことで、運転時に適したアプリが提供できることや、スマートフォン操作でのよそ見を防止するといった安全性の確保にもつながることがメリットとして挙げられている。音声操作にも対応し、現段階ではスマートフォンのマイクを利用するが、いずれはカーユニットにマイクを搭載していくことも考えられるという。
■バンダイナムコグループなど
CEATEC会場では、最新の技術を活用したエンターテインメントを紹介するブースもある。バンダイナムコグループのブースには、フィギュアとステージ、サイリウム型コントローラーでライブが楽しめる「デスクトップライブベース」などが展示された。
デスクトップライブベースは、ステージがメインの製品となり、RFIDを内蔵した別売の専用フィギュアを設置することで、キャラクターの種類や組み合わせによって音声や演出が楽しめるというもの。サイリウム型コントローラーを振って操作すると、ステージ上のLED照明の色を変える、歓声などのサウンドエフェクトの演出が行える。目覚まし機能なども実装し、ライブ以外にも楽しめるようにする予定とのことで、フィギュアは色々なIPと組んで展開していくという。
ほか、市販のスマートスピーカーと組み合わせることで音声AIが駒の位置やダメージ処理などを行ってくれるボードゲーム「パーティジョイAI」や、スマホの専用アプリから操作することでぬいぐるみがしゃべるように感じられる “CV(キャラクターボイス)スピーカー” 「Bischa(ビスチャ)」などを展示した。なお、「ガンシェルジュ ハロ」については2次受注の受付を開始し、2019年3月には『機動戦士GUNDAM 逆襲のシェア』の会話を追加するアップデートを実施予定だ。
ユカイ工学はコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を参考展示。これは2015年7月発売の “見守りロボット” 「BOCCO」のバージョンアップモデルで、BOCCOの機能を踏襲しながら、より感情表現を豊かに設計。さらに音声UIやIoTなどのサービス開発に活用することで、BOCCO emoを介してスマートホームの音声操作などが行えるという。主にBtoBを想定した製品で、2019年夏の提供開始が予定されている。
プログレス・テクノロジーズは、マンガ全巻を “1冊” に収録する電子書籍「全巻一冊」をデモ。これは本を模した本体デバイス(¥35,000/税抜)に、別売される専用コンテンツカセットを差し込むことで、紙の本を読むような感覚でマンガを楽しめるというもので、現在は『NARUTO-ナルト-』『シティーハンター』『北斗の拳』『銀河伝説 WEED ウィード&オリオン』『ミナミの帝王』『沈黙の艦隊/ジパング』がラインナップされる。
同社は全巻一冊の特徴として、従来の電子ペーパーに対し、出版社から提供されたデータをチューンアップして美しく仕上げていること、配信するわけではないため圧縮を行わないことから、極めて美しい絵が楽しめるとアピール。年末にさらにタイトルを追加予定で、今後も随時増やしていきたいとのことだ。
■ソシオネクスト
ソシオネクストのブースでは、世界初というHDMI 2.1規格の送受信に対応した8K映像処理・表示制御用チップ「HV5シリーズ」のデモを実施。各種映像機器メーカーに向けては2019年3月より順次発売を行う。
HDMI 2.1は最大帯域が従来のHDMI 2.0の約2.7倍にあたる48Gbpsにまで高速化されており、8Kなど大容量コンテンツの高画質・高音質・低遅延での伝送を可能にする規格として期待される。今回開発されたのはこのHDMI 2.1に対応した送信・受信機能を搭載した映像処理用チップとなる。
HV5シリーズでは、HDMI 2.1 Tx機能により8K映像の送信を可能にするインターフェース変換チップ「SC1H05ACシリーズ」と、8Kテレビ用映像処理チップ「SC1H05AT1」を展開。SC1H05AT1はHDMI 2.0/2.1のほか、V-by-One規格の入出力に対応する。さらに、内蔵のアップスケーリング機能と同社独自の高画質化技術で、2K(フルHD)や4Kで制作されたコンテンツを8Kパネルに最適な画質で再現するとしている。
音響ソリューション「ForeArt」もアピール。ForeArtは、人の聴覚特性を利用することで、失われた低音域の連続倍音を補完して擬似的に低音を再現、テレビやスマートスピーカーに搭載されるような小型/薄型スピーカーでは出力できなかった低音域を拡張する「Harmonic Bass」技術などの同社音響ソリューションを体系化したものとなる。
ブースではHarmonic Bass技術を応用し、スピーカーの振動を抑えながら、豊かな低音感を再現するというデモを行っていた。これにより、筐体を共振させる特定の低音成分を減衰させ、テレビのビビリ対策がソフトウェアでの処理で行えるため製造工程の簡略化に貢献でき、また振動の抑制が隣の部屋などへの音漏れ対策となる効果も期待できるという。
■KDDI/NTTドコモ
KDDIやNTTドコモは、5G回線が実現する様々なエンターテインメントについて体験ブースを設けていた。XRグラスを用いた体験型スタジアムでは、XRグラスを装着することでバーチャル(AR)の野球体験が可能。ピッチャーが投げてくるボールを打ち返す動作をすることで、タイミングによってホームランやヒットなどの結果がフィードバックされるほか、同じ場所で観客としてその様子をXRグラスを通じて観戦することもできた。
2018年6月に沖縄セルラースタジアム那覇で実施された、5Gでの自由視点映像のリアルタイム配信の映像も展示。これは16台の4Kカメラにより、自由視点映像をリアルタイムに作成・配信し、カメラのないアングルからの選手の様子も鑑賞できるという、スポーツ観戦の新しいスタイルを提案するものだ。
また、「バーチャル観光案内所」も設置。 “5Gで地方活性化” を謳い、ARインフォメーションやVRを活用した望遠鏡、観光ツアーといった取り組みがより発展性を持って実施していくことができる。
ARインフォメーションは、XRとAIを組み合わせたバーチャルガイドソリューションの一例。マーカーを設置することで、バーチャルガイドに案内をさせたり、外国語での問いかけに対してGoogle GCPやRECUIUS、AWSなどのエンジンを活用した回答を行うといったことが可能となる。ブースではバーチャルガイド「レナ」が案内する様子が体験できた。またマーカーなどを上手く利用することで、リアル脱出ゲームのようなエンターテインメント活用もできるとのことだ。
NTTドコモは8K VRのライブ配信・視聴システムを用意。これまでVRライブ配信で課題とされてきた解像度改善に取り組み、8K映像処理にFPGAを用いることで8K30fpsのリアルタイムVR映像を実現した。
その特徴は4Kカメラと魚眼レンズ5台による映像撮影を行い、8K映像のスティッチ・圧縮処理をFPGAで実行。パノラマ超エンジン技術で、見ているところだけ本来の解像度で表示することで、8KVR映像を視聴できるようにしたとする。こうしたリアルタイム処理などの技術をベースとし、そこに5Gが組み合わさることで、これまでにない視聴体験が実現できるようになる。
■クラリオン
クラリオンでは、カーオーディオの最新技術として、振動スピーカーを活用した「ドアスピーカーレスオーディオシステム」が体験できるデモカーを用意していた。
これはトゥイーター一体型の振動スピーカー×2をダッシュボードに、ヘッドレストにスピーカー×4を内蔵、さらにリアガラスに振動スピーカーを配置した7chの音響システム。トゥイーター一体型振動スピーカーには中高域、ヘッドレストスピーカーに中域、リアの振動スピーカーはウーファーとして低域を受け持たせ、さらに独自の信号処理を行って再生を行う。
その利点はスピーカー用開口部を塞ぐことで車室内外への遮音性が向上、ドアスピーカーやサブウーファーが省略されることでスペースが有効に活用できるほか、配線やコネクターなどの削減からコストダウンが図られるといったことにあるという。
そのサウンドについてブースの担当者は「従来の同社のシステムがピュアオーディオ環境を目指しているのに対し、空間として聴きやすく心地よい音作りを目指している」とコメント。ドアスピーカーとの両立も可能で、より良い導入のかたちを探っていくとした。なおハイレゾ対応については、ダッシュボードやリアガラスで帯域を調整するのは難しいが、ヘッドレストスピーカーやトゥイーターのチューニングで対応していくことも可能とのことだ。
■トヨタ自動車
トヨタ自動車のブースでは、スマートフォンとの連携サービス「SMART DEVICE LINK(SDL)」をアピール。これはクルマとスマートフォンをBluetoothないしUSBで接続し、スマホアプリを車載ディスプレイ上で操作するためのプラットフォームだ。
これを利用して各メーカーが開発を行うことで、運転時に適したアプリが提供できることや、スマートフォン操作でのよそ見を防止するといった安全性の確保にもつながることがメリットとして挙げられている。音声操作にも対応し、現段階ではスマートフォンのマイクを利用するが、いずれはカーユニットにマイクを搭載していくことも考えられるという。
■バンダイナムコグループなど
CEATEC会場では、最新の技術を活用したエンターテインメントを紹介するブースもある。バンダイナムコグループのブースには、フィギュアとステージ、サイリウム型コントローラーでライブが楽しめる「デスクトップライブベース」などが展示された。
デスクトップライブベースは、ステージがメインの製品となり、RFIDを内蔵した別売の専用フィギュアを設置することで、キャラクターの種類や組み合わせによって音声や演出が楽しめるというもの。サイリウム型コントローラーを振って操作すると、ステージ上のLED照明の色を変える、歓声などのサウンドエフェクトの演出が行える。目覚まし機能なども実装し、ライブ以外にも楽しめるようにする予定とのことで、フィギュアは色々なIPと組んで展開していくという。
ほか、市販のスマートスピーカーと組み合わせることで音声AIが駒の位置やダメージ処理などを行ってくれるボードゲーム「パーティジョイAI」や、スマホの専用アプリから操作することでぬいぐるみがしゃべるように感じられる “CV(キャラクターボイス)スピーカー” 「Bischa(ビスチャ)」などを展示した。なお、「ガンシェルジュ ハロ」については2次受注の受付を開始し、2019年3月には『機動戦士GUNDAM 逆襲のシェア』の会話を追加するアップデートを実施予定だ。
ユカイ工学はコミュニケーションロボット「BOCCO emo」を参考展示。これは2015年7月発売の “見守りロボット” 「BOCCO」のバージョンアップモデルで、BOCCOの機能を踏襲しながら、より感情表現を豊かに設計。さらに音声UIやIoTなどのサービス開発に活用することで、BOCCO emoを介してスマートホームの音声操作などが行えるという。主にBtoBを想定した製品で、2019年夏の提供開始が予定されている。
プログレス・テクノロジーズは、マンガ全巻を “1冊” に収録する電子書籍「全巻一冊」をデモ。これは本を模した本体デバイス(¥35,000/税抜)に、別売される専用コンテンツカセットを差し込むことで、紙の本を読むような感覚でマンガを楽しめるというもので、現在は『NARUTO-ナルト-』『シティーハンター』『北斗の拳』『銀河伝説 WEED ウィード&オリオン』『ミナミの帝王』『沈黙の艦隊/ジパング』がラインナップされる。
同社は全巻一冊の特徴として、従来の電子ペーパーに対し、出版社から提供されたデータをチューンアップして美しく仕上げていること、配信するわけではないため圧縮を行わないことから、極めて美しい絵が楽しめるとアピール。年末にさらにタイトルを追加予定で、今後も随時増やしていきたいとのことだ。