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公開日 2019/04/04 06:30
MADD. Award screening 2019にて披露
8K×3D×インタラクティブで新たな映像体験。圧倒的な没入感の『カナシミの国のアリス』を見た
編集部:小澤貴信
新しい映像表現にチャンレンジする場の提供を目的として、アワードやイベントを実施する団体MADD.(Movie for Art, Design and Data)は、MADD. Award screening 2019を3月30日・31日に開催した。映像の可能性を切り拓く作品を募集する本アワードの今年のテーマは「8K」だ。
プロ/アマから多数応募された8K映像を一般公開した同イベントにおいて、NHKエンタープライズとNHKメディアテクノロジーが作成した8K 3Dによるインタラクティブ映像作品『カナシミの国のアリス』が披露された。
両社はこれまでも、8K映像の放送外活用の取り組みとして、8K:VRプロジェクトなど、体感型エンターテイメントのプロトタイプ開発を進めてきた。今回、その一環として製作されたのが “8K×3D×interactive” 作品と銘打たれた『カナシミの国のアリス』だ。
本作品では、正面スクリーンに投映される8Kプロジェクターによる3D映像、スクリーン直下の舞台(床面)に展開される4K2D映像が組み合わされている。音声は最大22.2chに対応する(今回の上映では9.2ch)。
これに加えて、会場に設置されたセンサーで舞台上の観客を認識し映像を変化させ、さらには備え付けられた3本のマイクで集音した音に応じてリアルタイムで描画したりといったインタラクティブな要素が盛り込まれた。
作品は「現代の東京に生きるある女の子が束の間、異世界に逃避行をする」という内容。リアルと幻想がクロスするような詩的な映像表現なのだが、8Kによる想像以上に精細な3D映像、生々しいサラウンド音響によって、物語に引き込まれてしまう。
8K 3D映像は、アストロデザイン製の8K/120p対応プロジェクターで投映。3Dはフレームシーケンシャル方式で、専用のメガネを用いて鑑賞する。ベースとなる8K 3D映像は、REDの8Kビデオカメラ2台を用い、ハーフミラーを使って撮影されたとのことだ。舞台床面の4K映像は、天井から下向きに設置されたプロジェクターで投映される。
このベースとなる映像に重ねて、「TouchDesigner」というソフトウェアを使って、リアルタイムに、8Kによるインタラクティブ映像を描画していく。もちろんプロジェクターは1台であり、リアルタイムで現場のパソコンによって映像処理を行っていくことになる。実際、その処理負荷は相当大きなものだという。
具体的なインタラクティブな映像はというと、「舞台上の鑑賞者をセンサーで読み取り人数に応じてシャボン玉が3Dで表示される」「鑑賞者の下にうごめく影を出現させる」「マイクから拾った音の波形がリアルタイムで3D描画される」「拍手に反応してシャボン玉が花に変化する(その際の音は拍手の位置に合わせてパンニングする)」といったものだ。また、3Dの飛び出し具合もリアルタイムで調整することが可能なのだという。
映像と音響、そしてオーディエンスが一体となってインタラクションを起こすことを目指したというが、8K 3Dの完成度と、そこに違和感なく加えられるインタラクティブな要素が、物語への圧倒的な没入感を生み出している。インタラクティブであることの意味が、8K映像のリアリティによって高められており、単なるアトラクションにとどまらない映像表現の可能性を感じさせられた。
MADD. Award screening 2019では、MADD. Awardに応募された8K作品の上映も行われた。応募要項は、「8K解像度(7680x4320)に対応した実写の動画、アニメーション/CG」で、「60秒から180秒以内」という短いもの。今回、プロの映像作家から学生のアマチュアに至るまで、幅広い層からの応募があったという。作品は実写映像から、CG、実写とCGを組み合わせたものまで様々だった。優秀賞を獲得した作品の作者には賞金10万円が贈呈された。
プロ/アマから多数応募された8K映像を一般公開した同イベントにおいて、NHKエンタープライズとNHKメディアテクノロジーが作成した8K 3Dによるインタラクティブ映像作品『カナシミの国のアリス』が披露された。
両社はこれまでも、8K映像の放送外活用の取り組みとして、8K:VRプロジェクトなど、体感型エンターテイメントのプロトタイプ開発を進めてきた。今回、その一環として製作されたのが “8K×3D×interactive” 作品と銘打たれた『カナシミの国のアリス』だ。
本作品では、正面スクリーンに投映される8Kプロジェクターによる3D映像、スクリーン直下の舞台(床面)に展開される4K2D映像が組み合わされている。音声は最大22.2chに対応する(今回の上映では9.2ch)。
これに加えて、会場に設置されたセンサーで舞台上の観客を認識し映像を変化させ、さらには備え付けられた3本のマイクで集音した音に応じてリアルタイムで描画したりといったインタラクティブな要素が盛り込まれた。
作品は「現代の東京に生きるある女の子が束の間、異世界に逃避行をする」という内容。リアルと幻想がクロスするような詩的な映像表現なのだが、8Kによる想像以上に精細な3D映像、生々しいサラウンド音響によって、物語に引き込まれてしまう。
8K 3D映像は、アストロデザイン製の8K/120p対応プロジェクターで投映。3Dはフレームシーケンシャル方式で、専用のメガネを用いて鑑賞する。ベースとなる8K 3D映像は、REDの8Kビデオカメラ2台を用い、ハーフミラーを使って撮影されたとのことだ。舞台床面の4K映像は、天井から下向きに設置されたプロジェクターで投映される。
このベースとなる映像に重ねて、「TouchDesigner」というソフトウェアを使って、リアルタイムに、8Kによるインタラクティブ映像を描画していく。もちろんプロジェクターは1台であり、リアルタイムで現場のパソコンによって映像処理を行っていくことになる。実際、その処理負荷は相当大きなものだという。
具体的なインタラクティブな映像はというと、「舞台上の鑑賞者をセンサーで読み取り人数に応じてシャボン玉が3Dで表示される」「鑑賞者の下にうごめく影を出現させる」「マイクから拾った音の波形がリアルタイムで3D描画される」「拍手に反応してシャボン玉が花に変化する(その際の音は拍手の位置に合わせてパンニングする)」といったものだ。また、3Dの飛び出し具合もリアルタイムで調整することが可能なのだという。
映像と音響、そしてオーディエンスが一体となってインタラクションを起こすことを目指したというが、8K 3Dの完成度と、そこに違和感なく加えられるインタラクティブな要素が、物語への圧倒的な没入感を生み出している。インタラクティブであることの意味が、8K映像のリアリティによって高められており、単なるアトラクションにとどまらない映像表現の可能性を感じさせられた。
MADD. Award screening 2019では、MADD. Awardに応募された8K作品の上映も行われた。応募要項は、「8K解像度(7680x4320)に対応した実写の動画、アニメーション/CG」で、「60秒から180秒以内」という短いもの。今回、プロの映像作家から学生のアマチュアに至るまで、幅広い層からの応募があったという。作品は実写映像から、CG、実写とCGを組み合わせたものまで様々だった。優秀賞を獲得した作品の作者には賞金10万円が贈呈された。