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公開日 2019/05/09 18:38
収益力の強化推進
シャープが'18年度連結業績を発表。「量から質」への転換で業績予想から下振れも最終黒字を確保
Senka21編集部 徳田ゆかり
シャープは2018年度決算概要について説明会を開催、同社代表取締役 兼 副社長執行役員 野村勝明氏が登壇し説明を行った。
2018年度の市況環境を「米中貿易摩擦や大手顧客の需要変動の影響などが強まり、年度末にかけて想定以上に厳しい市場環境となった」と振り返った野村氏。それに対し「シャープは環境変化に先んじて、第二四半期以降に量から質への転換を進めていた」とし、「こうした効果もあり、業績予想から下振れしたものの前年度を上回る最終利益率を確保することができた」と語った。また、「四半期ベースでは、2016年度第三四半期以降10四半期連続で最終黒字を継続している。そのほかA種種類株式の一部取得・消却など資本の質的向上に取り組んだ」とした。
2018年度、商品部門は堅調ながら米中の貿易摩擦による顧客需要変動などが影響
2018年度の業績数値(以下)については、「環境変化に先んじ収益力の強化を進めたこともあり、厳しい市場環境下でも前年度を上回る最終利益、最終利益率を確保できた」とした。
対前年度、セグメント別の売上高・営業利益の増減(以下)については、「商品部門は厳しい市場環境下でも堅調だった。スマートホームも順調に伸長、スマートビジネスソリューションも底堅く推移した。米中の貿易摩擦などにより、デバイスの顧客需要に変動があり、量から質への転換に向け中国でテレビの販売抑制を行なったことなどから、IoTエレクトロデバイスとアドバンスディスプレイシステムが全体を押し下げた」とした。
対前年度、営業利益の要因別増減分析(以下)については、「前年度からのプラス要因は、コストダウン、モデルミックスによる979億円の収益改善や、販売増減での148億円の利益増があった。マイナス要因は、売価ダウンによる1133億円の利益減、経費にかかわる77億円の収支影響があった」とした。
2018年度第四四半期の業績数値は以下のとおり。「非常に厳しい市場環境となったが、量から質への転換などで10四半期連続の最終黒字を確保した」とした。
セグメント別の売上高、営業利益は以下のとおり。「スマートホームでは、エアコンや洗濯機、エネルギーソリューションのEPC需要が伸長し、冷蔵庫なども好調。ダイナブック株式会社の連結効果もあった。スマートビジネスソリューションは、海外の動きが堅調。IoTエレクトロデバイスは、半導体が伸長したが大手顧客向けセンサーモジュールが前年度を下回った。アドバンスディスプレイシステムは、中国でテレビ販売を抑制、スマートフォン向けパネルの売り上げが減少した」とし、「液晶テレビ事業でアジア地域の販売が伸長、ディスプレイ事業でPC・タブレットや中型パネルの売り上げが増加、シャープが注力する地域や領域で事業拡大が確実に進展している」とした。
各セグメントとも黒字となり、「白物中心に販売増加、コストダウンが進んだ。スマートビジネスソリューションも価格下落の影響があったが販売が伸長。IoTエレクトロデバイスは半導体が伸長、コストダウンにも取り組んだが大手顧客の需要変動や成長投資にともなう消却費の増加などがあった。アドバンスディスプレイシステムは米中貿易摩擦の影響による市況悪化、競争環境の激化、有機ELディスプレイの立ち上げ費用などがあり、コストダウンを推進した」とした。
2019年度は収益力強化と事業拡大の両立を図る
2019年度通期の連結業績予想については、「厳しい事業環境が継続し、第一四半期は特に厳しいものになると考える」とし、「相応の影響は受けるが、8K+5GエコシステムとAIoTの最先端技術で、特徴商品、サービスを創出し、グローバルブランドの強化を図る」との方向性により、「通期で売上高、利益とも前年度を上回る予想」とした。
2019年度の取り組みについては、「2018年度は収益力の強化を進めてきた。2019年度はさらなるコストダウンに取り組み、事業を展開する空間を広げ、収益力強化と事業拡大の両立を図る。商品事業が引き続き順調に成長し、デバイス事業で実力向上させ第二四半期以降伸長するとみる。資本の質の向上にも取り組む」と語った。
2019年度の業績予想数値は以下のとおり。「事業環境は中期経営計画策定期の想定より厳しいものになっている。事業拡大より収益力強化優先を判断、量から質への転換で2018年度は前年度を上回る最終利益を確保できた。2019年度はあらためて販売強化にもとりくみ収益力強化と事業拡大の両立を図る」とした。
2019年度の方向性については、「ディスプレイ、通信、クラウド/IoT技術、センシング技術など独自の最先端技術を保有している。それを核に新規事業を創出し、スマートホームやスマートオフィス、エンターテイメント、インダストリーなどの事業分野でさまざまなイノベーションを実現する」。
2019年度は「シャープの目指す方向性に沿って、グローバル事業拡大、新規事業の創出、M&A/協業、競争力強化を進め、特徴商品やサービスを創出する。AIoT対応機器やサービスの拡大、5Gスマートフォンの発売などを図る。8Kテレビ販売強化、コンテンツの拡大、小型8Kビデオカメラ商品化などに取り組む」とした。
また、グローバルブランド企業の確立も加速する。「中国で量から質への転換を加速、白物家電を本格展開し、米州でブランドビジネスの本格展開を図るなど、地域でのニーズとシャープの強みを考慮した効果的な取り組みを進める。デバイス事業では技術活用で中型パネルへのシフトや有機ELパネルの外販推進などに取り組む」とした。
また昨日発表されたアメリカのテレビ事業参入についての質疑で、野村氏は「今回の数字には織り込んでいない。2019年度後半からしっかり売上を伸ばし、収益への貢献をしたい」と語った。アメリカでのテレビ以外での商品展開については、「黒物について販売したいし、白物の販売網も伸ばす。ダイナブックもありいろいろな商品を拡大したい」とし、「シャープにとっての空白市場、これを広げたい」と力を込めた。
2018年度の市況環境を「米中貿易摩擦や大手顧客の需要変動の影響などが強まり、年度末にかけて想定以上に厳しい市場環境となった」と振り返った野村氏。それに対し「シャープは環境変化に先んじて、第二四半期以降に量から質への転換を進めていた」とし、「こうした効果もあり、業績予想から下振れしたものの前年度を上回る最終利益率を確保することができた」と語った。また、「四半期ベースでは、2016年度第三四半期以降10四半期連続で最終黒字を継続している。そのほかA種種類株式の一部取得・消却など資本の質的向上に取り組んだ」とした。
2018年度、商品部門は堅調ながら米中の貿易摩擦による顧客需要変動などが影響
2018年度の業績数値(以下)については、「環境変化に先んじ収益力の強化を進めたこともあり、厳しい市場環境下でも前年度を上回る最終利益、最終利益率を確保できた」とした。
対前年度、セグメント別の売上高・営業利益の増減(以下)については、「商品部門は厳しい市場環境下でも堅調だった。スマートホームも順調に伸長、スマートビジネスソリューションも底堅く推移した。米中の貿易摩擦などにより、デバイスの顧客需要に変動があり、量から質への転換に向け中国でテレビの販売抑制を行なったことなどから、IoTエレクトロデバイスとアドバンスディスプレイシステムが全体を押し下げた」とした。
対前年度、営業利益の要因別増減分析(以下)については、「前年度からのプラス要因は、コストダウン、モデルミックスによる979億円の収益改善や、販売増減での148億円の利益増があった。マイナス要因は、売価ダウンによる1133億円の利益減、経費にかかわる77億円の収支影響があった」とした。
2018年度第四四半期の業績数値は以下のとおり。「非常に厳しい市場環境となったが、量から質への転換などで10四半期連続の最終黒字を確保した」とした。
セグメント別の売上高、営業利益は以下のとおり。「スマートホームでは、エアコンや洗濯機、エネルギーソリューションのEPC需要が伸長し、冷蔵庫なども好調。ダイナブック株式会社の連結効果もあった。スマートビジネスソリューションは、海外の動きが堅調。IoTエレクトロデバイスは、半導体が伸長したが大手顧客向けセンサーモジュールが前年度を下回った。アドバンスディスプレイシステムは、中国でテレビ販売を抑制、スマートフォン向けパネルの売り上げが減少した」とし、「液晶テレビ事業でアジア地域の販売が伸長、ディスプレイ事業でPC・タブレットや中型パネルの売り上げが増加、シャープが注力する地域や領域で事業拡大が確実に進展している」とした。
各セグメントとも黒字となり、「白物中心に販売増加、コストダウンが進んだ。スマートビジネスソリューションも価格下落の影響があったが販売が伸長。IoTエレクトロデバイスは半導体が伸長、コストダウンにも取り組んだが大手顧客の需要変動や成長投資にともなう消却費の増加などがあった。アドバンスディスプレイシステムは米中貿易摩擦の影響による市況悪化、競争環境の激化、有機ELディスプレイの立ち上げ費用などがあり、コストダウンを推進した」とした。
2019年度は収益力強化と事業拡大の両立を図る
2019年度通期の連結業績予想については、「厳しい事業環境が継続し、第一四半期は特に厳しいものになると考える」とし、「相応の影響は受けるが、8K+5GエコシステムとAIoTの最先端技術で、特徴商品、サービスを創出し、グローバルブランドの強化を図る」との方向性により、「通期で売上高、利益とも前年度を上回る予想」とした。
2019年度の取り組みについては、「2018年度は収益力の強化を進めてきた。2019年度はさらなるコストダウンに取り組み、事業を展開する空間を広げ、収益力強化と事業拡大の両立を図る。商品事業が引き続き順調に成長し、デバイス事業で実力向上させ第二四半期以降伸長するとみる。資本の質の向上にも取り組む」と語った。
2019年度の業績予想数値は以下のとおり。「事業環境は中期経営計画策定期の想定より厳しいものになっている。事業拡大より収益力強化優先を判断、量から質への転換で2018年度は前年度を上回る最終利益を確保できた。2019年度はあらためて販売強化にもとりくみ収益力強化と事業拡大の両立を図る」とした。
2019年度の方向性については、「ディスプレイ、通信、クラウド/IoT技術、センシング技術など独自の最先端技術を保有している。それを核に新規事業を創出し、スマートホームやスマートオフィス、エンターテイメント、インダストリーなどの事業分野でさまざまなイノベーションを実現する」。
2019年度は「シャープの目指す方向性に沿って、グローバル事業拡大、新規事業の創出、M&A/協業、競争力強化を進め、特徴商品やサービスを創出する。AIoT対応機器やサービスの拡大、5Gスマートフォンの発売などを図る。8Kテレビ販売強化、コンテンツの拡大、小型8Kビデオカメラ商品化などに取り組む」とした。
また、グローバルブランド企業の確立も加速する。「中国で量から質への転換を加速、白物家電を本格展開し、米州でブランドビジネスの本格展開を図るなど、地域でのニーズとシャープの強みを考慮した効果的な取り組みを進める。デバイス事業では技術活用で中型パネルへのシフトや有機ELパネルの外販推進などに取り組む」とした。
また昨日発表されたアメリカのテレビ事業参入についての質疑で、野村氏は「今回の数字には織り込んでいない。2019年度後半からしっかり売上を伸ばし、収益への貢献をしたい」と語った。アメリカでのテレビ以外での商品展開については、「黒物について販売したいし、白物の販売網も伸ばす。ダイナブックもありいろいろな商品を拡大したい」とし、「シャープにとっての空白市場、これを広げたい」と力を込めた。