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公開日 2019/07/07 11:12
カスタムIEM、ケーブルもユニークな出展が豊富

<ポタ研>ゼンハイザー「IE 500/400 PRO」やFitEarの静電ドライバー搭載機など新製品や試作機が盛りだくさん

編集部:成藤 正宣
7月6日、東京・中野サンプラザにて「ポタ研2019夏」が開催された。本稿では「リーフ」「エトワール」「ロビー」に出展した各ブランドの模様をレポートする。

濃厚な出展内容が満載の「ポタ研」

アユートは、Astell&Kernブランドから7月より発売予定のフラグシップDAP「A&ultima SP2000」、ES9038PROデュアル搭載の大型DAP「KANN CUBE」、そして「A&ultima SP1000」と7月から発売予定の専用オプション「SP1000 AMP」の3モデルの比較試聴を実施。感想を投票した先着100名にはノベルティを配布していた。

Astell&Kernの注目DAPを聴き比べ、投票を行うイベント

ULTRASONEブランドからは今年5月より発売した密閉型ヘッドホン「Edition 15 Veritas」、7月発売予定の静電型ドライバーとBAドライバーのハイブリッドイヤホン「SAPHIRE」の試聴機を出展。どちらも約40万円のハイエンドモデルとなっている。

いずれも約40万円のULTRASONE「Edition 15 Veritas」「Saphire」の試聴も

また、豪BURSON AUDIOブランドからはES9038を搭載するUSB-DAC「PLAYMATE」を参考出展した。AVアダプターからの給電のほか、PCケースの5インチベイに装着し、PC内の電源ユニットから電源供給することもできるというユニークな設計を採用。また、海外では搭載オペアンプを5種類の中から選んで注文することができるという。今回参考出展したモデルは649ドルのミドルクラスのオペアンプを搭載したもので、同社ではオペアンプ選択サービスも含め、取り扱いを検討中としていた。

オペアンプ交換やPCケースへの組み込みなどユニークな設計のUSB-DAC

ゼンハイザージャパンは、7月11日発売予定のイヤーモニター「IE 500 PRO」(78,000円前後)、「IE 400 PRO」(46,000円前後)を、コンシューマー向けのイベントでは初めて出展した。動作原理から再設計したという7mmダイナミックドライバーや、ワイドレンジや低歪を実現する“TrueResponseテクノロジー”を搭載し、遮音性も高めたプロ向けのモニターイヤホン。IE 500 PROはディテールの詳細さと広い音場に優れ、タッチノイズの少ないシルバーのツイストケーブルが付属。IE 400 PROはよりパンチの効いた透明感のあるサウンドが特徴としている。

ゼンハイザーの新イヤモニ「IE 500/400 PRO」が試聴できた。銀のツイストケーブルが付属するこちらが「IE 500 PRO」

IE 500/400 PROの外見的差異は少ないが、付属ケーブルの仕様やハウジングの刻印、内部のドライバーを覆っているカプセルなどで判別できる

FitEarは、静電型ドライバーを採用したカスタムIEM新モデル「FitEar DC」の試作機を出展。同社が前回発表したモデル「FitEar EST」と同様、静電型ドライバーをトゥイーターとして搭載し、そこにフルレンジの9mmダイナミックドライバーを2基組み合わせている。静電型ドライバーとBAドライバーを組み合わせていたFitEar ESTと比較して、ドライバー間の繋がりがよりスムーズになっている等の違いがあるという。

静電トゥイーターとデュアルダイナミックドライバーを組み合わせた「FitEar DC」を出展。テスト販売も開始している

FitEar DCは本日7月6日から7月20日までの期間、正式発売に向けた評価確認として173,500円(送料・税込/耳型採取費用除く)にてテスト販売を実施している。正式販売時の本体価格は予価240,000円を見込んでいるとのこと。

FitEarブースの隣では、同ブランド代表の須山氏が「中国ポタ出張展示コーナー」を展開。まだ国内代理店がついていない中国ブランドのオーディオ製品を紹介するというコンセプトで、個性豊かなイヤホンやDAPを展示していた。須山氏によれば、現在中国ではCD/レコード再生が主流で、製品もそれに合わせた音作りが多いとのこと。

中国の国内未導入製品を紹介。胸ポケットサイズのDAP、ポップでカラフルな見た目にながら重厚なメタルボディを持つイヤホンや、片側あたり20個近くのBAを組み込んだイヤモニなどバリエーション豊か

S'NEXTは、同社が取り扱うfinal/DITAブランドの製品を出展。finalブランドからは先月発売となったエンジニア主導のイヤホン「Bシリーズ」や、ユーザーがチューニングを行える「MAKEシリーズ」などの既存ラインナップを試聴できた。DITAブランドからは、今年8月〜9月初頭に25万円前後での発売を予定しているフラグシップモデル「Dream XLR」の最新試作機を出展。これまでイベントで公開していたものから、低音をやや強めにチューニングしてあるとのこと。

「Bシリーズ」「MAKEシリーズ」など既存ラインナップの試聴を実施。開発中ヘッドホン「D8000 Pro Edition」も調整が進んだバージョンを試聴できる


DITA「Dream XLR」はチューニングのアップデートのほか、従来モデルの「Dream」からケーブル着脱端子のサイズ変更なども行われる
完実電気は、今年6月から標準ストレートケーブルのみ同梱のパッケージ販売を再開した「SE846」をはじめとするSHURE製品や、MASTER&DYNAMIC/SOL REPUBLIC/YEVO等の完全ワイヤレスイヤホンを出展。また、光城精工の真鍮製イヤホン「KEYAGU」やポータブルアンプなども展示していた。光城精工では、円柱型のコンパクトなポータブルアンプ「PAMP」を再チューニングした“BLACK EDITION”を開発中としていた。

完実電気&光城精工ブースでは、定番のSHUREブランドから完全ワイヤレス、真鍮製イヤホン/ヘッドホンアンプなど試聴可能

Just earは、カスタムIEMの通常モデル「XJE-MH2」、歌手のLiSAさんに合わせ、ベースのグルーヴ感にこだわってチューニングを行ったコラボレーションモデル「XJE-MH/L1SA」の試聴を実施。本イベント後も全国で試聴会を予定しており、本日7日は大阪にて出張販売および試聴会を実施している。

ユーザーに合わせたチューニングに加え、アーティストコラボチューニングモデルも人気

アルファ☆デシベルは、今年5月から販売を開始したカスタムIEM新モデル「Capella」「Spica」を出展。どちらも大手BAメーカーSonion製のウーファー/トゥイーター2基1組のBAドライバー「23E25」を採用し、高域の伸び、特に女性ボーカルの表現力を強化している。その他、シェル(本体)の材料であるレジンの調合を改良し、透明度や経年による色味の変化も改善したという。

2基1組のBAドライバーを採用し、女性ボーカルの映えるチューニングに仕上げたという「Capella」「Spica」を新規出展


SATOLEXは、イヤホン「Tumuri」をベースに開発中のアルミハウジングイヤホンを参考出展。前回のイベントで好評だった、高域重視チューニングをベースに開発を続けているとのこと

サイラスブースでは、Oriolusブランドで従来モデルをベースに開発したアップグレードモデルを展示


センサフォニクスブースではフルシリコンカスタムIEMを展示。ユーザーからの要望で音響フィルターを追加した作例などオプションも豊富

FOSTER Alliance Programのブースでは、フォスター電機製ドライバーを用いた様々なヘッドホン/イヤホンの取り組みを見ることができる


ORBは海外向け製品と同じ導体を用いて開発中のケーブルを参考出展。

部品の独自開発など、こだわりの高級ケーブルを製造するNIDEONでは、現在西陣織の被覆など「和」の要素をふんだんに取り入れたハイエンドモデルを開発中、今秋のイベントでお披露目したいと語っていた


オーディオみじんこ/かじゅまるケーブル/六連星音響研究会/The CableMASTER/オヤイデ電気などケーブルメーカーブースでは、独自に製作したケーブルの販売のほか、電源プラグをつかったケーブルなど実験的な展示も楽しめた

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