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公開日 2019/11/18 13:43
「TLV320ADC5140」/従来比4倍の距離からでも音声認識
Burr-Brown、スマートスピーカーに「遠くから・騒音下でも・小声でも」音声認識させられるADコンバーター
編集部:川田菜月
日本テキサス・インスツルメンツ(TI)は、従来比で4倍の距離からでも高精度に音声認識が可能となる、Burr-BrownオーディオADC「TLV320ADC5140」を発表した。
「TLV320ADC5140」は、パルス密度変調(PDM)マイクロフォン入力用に、最大4つのアナログ・チャネルまたは8つのデジタル・チャネルを同時にサンプリングできる高性能Burr-BrownオーディオADC。ダイナミックレンジが106dB超の最新マイクに完全対応しているとのこと。
ダイナミックレンジエンハンサ(DRE)を内蔵し、120dBのSN比を実現。ビーム形成システムにおいて、低音量のオーディオ信号を増幅すると同時に、スピーカー出力のすぐ近くであっても歪みの少ないクリアな録音を維持することが可能としている。
スマートスピーカーなどのデバイスに搭載することで、騒音の大きな環境下や遠い距離からでも、高精度に音声のキャプチャが可能。小声で発せられたコマンドも繰り返すことなく、クリアに認識できるとしており、同社は「前世代や市場にある他のプロダクトと比較して、約4倍の距離(目安として、最も高性能なマイクを組み合わせた場合で10m以上)からの音声も対応する」と説明する。
ラインおよびマイクロフォン入力をサポートし、シングルエンドと差動の両方の入力構成が可能。マイクロフォン・アレイの不整合を均等化するゲイン、および位相キャリブレーションなどプログラム可能な機能も搭載する。
その他にもプログラム可能なゲイン・アンプ、ハイパス・フィルタ、チャネル・ミキシング、リニア・フェーズまたは超低レイテンシーのデジメーション・フィルタなどを搭載。最大768kHzのサンプリング・レートに対応する。
サイズは4mm×4mmで、同等レベルの性能では業界最小とのこと。スマートスピーカーだけでなく、サウンドバーや液晶テレビといった家電から、IP ネットワークカメラ、テレビ会議システムといった様々な製品のアプリケーションに組み込むことができる。
チャネルあたりの消費電力は48kHzで9.5mW。内蔵する機能を利用することで、デジタル信号処理の負担を軽減でき、システムの信頼性を損なわずに設計サイズを縮小することが可能とのこと。またアレイのマイク数を減らすことで、設計コストの削減にも貢献するとしている。
なお同製品は現在3種類ラインナップしており、いずれも騒音の大きな環境での低歪オーディオ録音が可能なだけでなく、あらゆる環境で高音質のファー・フィールド録音を実現するとしている。
同社は本日、製品説明会を開催。TI社オーディオ製品マーケティング・エンジニアのAbhi Muppiri氏が登壇した。
高品位な音質が求められるジャンルとして、カーオーディオ/プロ用製品/スマートホームと3つのカテゴリーを挙げ、TLV320ADC5140はスマート家電向けのADCであると説明。スマートホームのシステム構築が進む現在、「500億のデバイスがお互いに接続し合い、マイクやスピーカーにおいても同様の状況」だとし、発展に向けた課題の一つとして「ファー・フィールド音声キャプチャ」を挙げる。
「スマホなどモバイルデバイスだけでなく、冷蔵庫やエアコンといった家電に至るまで、デバイス同士が互いに接続することに加えて、使用するユーザーとのやりとりも要求されている。つまり、高音質に音声をとらえる必要がある」とし、今回「より高音質で、高い性能のダイナミックレンジで、デバイス同士の接続を実現したいと考えた」と語る。
市場ではスマートスピーカーはもちろん、55インチ以上のテレビ製品、カメラ、サウンドバーなどにおいてオーディオ性能の重要度は高まっているという。一方現在のシステムでは、限られたマイク数と信号処理能力の制限から、ユーザーとの距離が離れてしまったり、騒音の大きな環境の中では、正しく音声コマンドを受け取り認識することが困難とされているとし、TLV320ADC5140の開発ではこの課題に取り組んだという。
「ユーザーがデバイスとやりとりする際、繰り返すことなく、高精度に認識することが求められている。TLV320ADC5140では、部屋の反対側からの音声でも良好にキャプチャできる」とアピールする。なお音声認識性能については、同社ラボにて何度もテストを行い、騒音の多い環境下かつ10m以上の距離から小声で発したコマンドも捉えることに成功したとのこと。
スマートスピーカー以外における例として、IP ネットワークカメラなどでは、人が侵入した際に音を感知してデバイスを起動、アナログマイクでオーディオ録音しビデオ録画を開始するといった活用も可能。サウンドバーでは、スピーカーが大きな音量で再生を行なっている場合でも、出力をフィルター処理することで音声を受け取ることができるとし、「アナログ/デジタルマイク両方の特性を活かすことができ、また電力消費を低く抑えられる点も特長」だと語る。
開発にはスマートスピーカーの開発メーカーとパートナーシップを結び、製品に求められるフィーチャーをより正確に確認できたと語る。TLV320ADC5140は11月5日にすでに米国発表、発売されており、多くのメーカーから様々なフィードバックがあるという。Muppiri氏は「オーディオのメッカである日本においても、提供していきたいと考えている」とした。
なお、TI社がBurr-Brownを2000年に買収完了としてから久しいが、TLV320ADC5140を新たな「Burr-BrownオーディオADC」として発表した意義について質問も上がった。
Muppiri氏はこれについて「たしかに買収後はTI社としてオーディオデバイスに対する力の入れ方は強くなかったかもしれない」としつつ、「先に説明した通り、エレクトロニクス産業において高音質に対する技術要求は高まっている。Burr-Brownのリブランディングという意味合いではないが、オーディオ業界に知られるBurr-Brownの技術力、高音質テクノロジーの哲学を、最新デザインの中に生かしていきたいと考えた」と説明。
今後も「特にオーディオ市場のため、スマートホームやカーオーディオ関連も含めて、Burr-Brownの技術を生かした高品質、高音質な製品導入を考えている」とし、高性能クラスDアンプ、データ・コンバータ、オペアンプ、ADCやDACなど各製品ラインナップにおいても技術導入をしていく予定とした。
「TLV320ADC5140」は、パルス密度変調(PDM)マイクロフォン入力用に、最大4つのアナログ・チャネルまたは8つのデジタル・チャネルを同時にサンプリングできる高性能Burr-BrownオーディオADC。ダイナミックレンジが106dB超の最新マイクに完全対応しているとのこと。
ダイナミックレンジエンハンサ(DRE)を内蔵し、120dBのSN比を実現。ビーム形成システムにおいて、低音量のオーディオ信号を増幅すると同時に、スピーカー出力のすぐ近くであっても歪みの少ないクリアな録音を維持することが可能としている。
スマートスピーカーなどのデバイスに搭載することで、騒音の大きな環境下や遠い距離からでも、高精度に音声のキャプチャが可能。小声で発せられたコマンドも繰り返すことなく、クリアに認識できるとしており、同社は「前世代や市場にある他のプロダクトと比較して、約4倍の距離(目安として、最も高性能なマイクを組み合わせた場合で10m以上)からの音声も対応する」と説明する。
ラインおよびマイクロフォン入力をサポートし、シングルエンドと差動の両方の入力構成が可能。マイクロフォン・アレイの不整合を均等化するゲイン、および位相キャリブレーションなどプログラム可能な機能も搭載する。
その他にもプログラム可能なゲイン・アンプ、ハイパス・フィルタ、チャネル・ミキシング、リニア・フェーズまたは超低レイテンシーのデジメーション・フィルタなどを搭載。最大768kHzのサンプリング・レートに対応する。
サイズは4mm×4mmで、同等レベルの性能では業界最小とのこと。スマートスピーカーだけでなく、サウンドバーや液晶テレビといった家電から、IP ネットワークカメラ、テレビ会議システムといった様々な製品のアプリケーションに組み込むことができる。
チャネルあたりの消費電力は48kHzで9.5mW。内蔵する機能を利用することで、デジタル信号処理の負担を軽減でき、システムの信頼性を損なわずに設計サイズを縮小することが可能とのこと。またアレイのマイク数を減らすことで、設計コストの削減にも貢献するとしている。
なお同製品は現在3種類ラインナップしており、いずれも騒音の大きな環境での低歪オーディオ録音が可能なだけでなく、あらゆる環境で高音質のファー・フィールド録音を実現するとしている。
同社は本日、製品説明会を開催。TI社オーディオ製品マーケティング・エンジニアのAbhi Muppiri氏が登壇した。
高品位な音質が求められるジャンルとして、カーオーディオ/プロ用製品/スマートホームと3つのカテゴリーを挙げ、TLV320ADC5140はスマート家電向けのADCであると説明。スマートホームのシステム構築が進む現在、「500億のデバイスがお互いに接続し合い、マイクやスピーカーにおいても同様の状況」だとし、発展に向けた課題の一つとして「ファー・フィールド音声キャプチャ」を挙げる。
「スマホなどモバイルデバイスだけでなく、冷蔵庫やエアコンといった家電に至るまで、デバイス同士が互いに接続することに加えて、使用するユーザーとのやりとりも要求されている。つまり、高音質に音声をとらえる必要がある」とし、今回「より高音質で、高い性能のダイナミックレンジで、デバイス同士の接続を実現したいと考えた」と語る。
市場ではスマートスピーカーはもちろん、55インチ以上のテレビ製品、カメラ、サウンドバーなどにおいてオーディオ性能の重要度は高まっているという。一方現在のシステムでは、限られたマイク数と信号処理能力の制限から、ユーザーとの距離が離れてしまったり、騒音の大きな環境の中では、正しく音声コマンドを受け取り認識することが困難とされているとし、TLV320ADC5140の開発ではこの課題に取り組んだという。
「ユーザーがデバイスとやりとりする際、繰り返すことなく、高精度に認識することが求められている。TLV320ADC5140では、部屋の反対側からの音声でも良好にキャプチャできる」とアピールする。なお音声認識性能については、同社ラボにて何度もテストを行い、騒音の多い環境下かつ10m以上の距離から小声で発したコマンドも捉えることに成功したとのこと。
スマートスピーカー以外における例として、IP ネットワークカメラなどでは、人が侵入した際に音を感知してデバイスを起動、アナログマイクでオーディオ録音しビデオ録画を開始するといった活用も可能。サウンドバーでは、スピーカーが大きな音量で再生を行なっている場合でも、出力をフィルター処理することで音声を受け取ることができるとし、「アナログ/デジタルマイク両方の特性を活かすことができ、また電力消費を低く抑えられる点も特長」だと語る。
開発にはスマートスピーカーの開発メーカーとパートナーシップを結び、製品に求められるフィーチャーをより正確に確認できたと語る。TLV320ADC5140は11月5日にすでに米国発表、発売されており、多くのメーカーから様々なフィードバックがあるという。Muppiri氏は「オーディオのメッカである日本においても、提供していきたいと考えている」とした。
なお、TI社がBurr-Brownを2000年に買収完了としてから久しいが、TLV320ADC5140を新たな「Burr-BrownオーディオADC」として発表した意義について質問も上がった。
Muppiri氏はこれについて「たしかに買収後はTI社としてオーディオデバイスに対する力の入れ方は強くなかったかもしれない」としつつ、「先に説明した通り、エレクトロニクス産業において高音質に対する技術要求は高まっている。Burr-Brownのリブランディングという意味合いではないが、オーディオ業界に知られるBurr-Brownの技術力、高音質テクノロジーの哲学を、最新デザインの中に生かしていきたいと考えた」と説明。
今後も「特にオーディオ市場のため、スマートホームやカーオーディオ関連も含めて、Burr-Brownの技術を生かした高品質、高音質な製品導入を考えている」とし、高性能クラスDアンプ、データ・コンバータ、オペアンプ、ADCやDACなど各製品ラインナップにおいても技術導入をしていく予定とした。
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