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公開日 2022/11/17 14:42
小型家電市場に“開発型サプライヤー”として存在感をアピールする小泉成器。自社ブランド「KOIZUMI」製品の企画・開発および国内外有力ブランド製品の代理店業務という二本柱のコンビネーションで、実に幅広い商品群を通じて豊かなライフスタイルを提案する。いわばくらしに欠かせないナビゲーターとも言える存在だ。
自社ブランド製品では、ビューティー家電(ヘアドライヤー、カーリングドライヤー、ヘアアイロンなど)、調理家電(トースター、オーブンレンジ、IHクッキングヒーターなど)、季節家電(ヒーター、電気ストーブ、家具調こたつ、電気カーペットなど)を主力に、音響商品や照明(コイズミ照明)も手掛ける。
一方、代理店業務では、T-fal、TCL、sodastream、PHILIPS、Vidal Sassoon、Energizer、Nestleなどの海外ブランドや、パロマ、タニタ、TOTO、オムロン、トヨトミ、京セラの可国内ブランドなど、名立たる国内外のブランドから高品質でスタイリッシュな製品を厳選して届けている。
自社ブランド製品では企画・開発を担い、製造拠点とするのは大部分が中国。同社商品事業統括部 商品企画開発部 商品企画課 課長 吾郷晋司氏は「以前は韓国等にも製造委託拠点を構えていましたが、サプライチェーンの優位性などから中国へのシフトが進み、30年近くになります。現在では製品ジャンルも多岐にわたりますが、必要となる部品がすべて揃えられるなど、一気通貫による製造が可能です。他に代替する場所は現在のところは考えていません」と語っており、揺るぎないポジションにある。
ここで同社の大きな武器とするのが、スピーディーな対応と連携による情報の共有化をベースとした品質管理力だ。中国を製造拠点とする製品の開発フローにも、構築された当初より、PSEマークとは別に任意となるSマーク認証をそのなかに組み込み、電気用品安全法(電安法)の対象となる商品にはすべてSマークが付けられている。「取り扱う製品カテゴリーも大変幅広く、委託する工場もかなりの数にのぼります。自前の試験設備を所有していないこともあり、第三者認証となるSマークを取得することで、お客様へ安全・安心な品質を担保しています」。
電安法で表示が義務づけられるPSEマークについては、「いわば企業が担保する安全のマーク。付けるからには電安法の基準をクリアしているということなのですが、丸型については自己確認となりますから、企業のコンプライアンスに負うところが大きく、正直『これは本当に大丈夫なのか?』という場面に遭遇することも事実です。しかも、そうして見抜けるのも業界の人間だからであり、一般のユーザーからすればわからない。そもそもPSEマークを確認していない人や意味を理解していない人も少なくないと思います」と課題を提起する。
「Sマーク認証を取得するための試験では不適合になることもあります。日常の仕事のなかでも本当に肝を冷やす瞬間です」と語る吾郷氏。委託する中国の製造現場は10年以上の長い付き合いのところもあれば、つい最近というところもある。「定期的なコミュニケーションは欠かせませんし、コロナ前は現地滞在も珍しくありませんでした。しかし、たとえ長年馴染みがある気心が知れた工場でも、移転した時などは注意が必要となります」と製品安全に対する意識の違いは一筋縄ではいかない。
量産化に向けては試作段階から立ち合いで品質の検証が行われる。中国に構える同社事務所やSマーク認証を依頼する認証機関「一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)」「一般財団法人日本品質保証機構(JQA)」により定期的な工場監査も行われ、不具合が見つかればすぐに工場に対して改善の措置が取られる。
一方、お客様相談窓口に寄せられるクレームにもひとつひとつ丁寧に耳を傾け、改善にも努めている。また、リチウムイオン電池を搭載した商品が増えて事故の発生が拡大しているといった傾向もしっかりと把握し、認証機関の協力を得てさらなる安全性の確保に取り組んでいる。
Sマークはこうしたお客様への安全・安心を担保する日々の取り組みの集大成とも言える。同社オンラインストアではすべての製品にSマークが付いていることをアピール。「今後、Sマークの認知がもっと高まってくることで、消費者が『Sマークが付いているから安全、安心して購入できる』と判断できるようになればうれしいですね。国内外の家電ブランドが増え、商品ジャンルも多様化し、安全・安心な製品を判断しづらくなっています。店頭でもネットでも目安があれば本当に助かるはずです」と期待を寄せる。
Sマークでは市場の事故情報に基づき、電安法はすぐに対処できないところを「追加基準」や「運用基準」を設けてカバーしている。2012年に電気ケトルが転倒して子どもがやけどを負う事故が相次いだことがあるが、その際もSマーク認証の追加基準として電子ケトルに転倒流水試験を新たに加え、早急な対応が図られた。
メーカーのみならず、販売する側にも責任はあり、「ここ数年、商品の安全試験に対する証明書を求めるなど、流通サイドのハードルも俄かに上がってきました。ただ、気になるのはやはりネット通販で、リアル店舗とは違い商品数も際限がありません。商品がモジュール化して誰でも作れてしまう世の中ですから、マーケティングは長けていても品質はイマイチというものも見受けられます」と警鐘を鳴らす。
「品質をどのようにアピールし、差別化を図るか。それは長い目で見れば消費者との関係性を築いていく上で大変重要なテーマになります」と訴える吾郷氏。「ものづくりをしているメーカーが恐れているのはリコールや商品回収です。企業イメージを損ねてしまうことにもなりかねませんからね。小泉成器ではモノづくりのプロセスすべてにクオリティファーストの哲学が息づいています。これからもSマークも用いて安心で安全な商品を提供して参ります」と力を込めた。
クオリティファーストの哲学が息づく
小泉成器、第三者認証“Sマーク”を組み込む開発フローで安全品質を徹底
PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純■情報共有化をベースとした品質管理力で安心を届ける
小型家電市場に“開発型サプライヤー”として存在感をアピールする小泉成器。自社ブランド「KOIZUMI」製品の企画・開発および国内外有力ブランド製品の代理店業務という二本柱のコンビネーションで、実に幅広い商品群を通じて豊かなライフスタイルを提案する。いわばくらしに欠かせないナビゲーターとも言える存在だ。
自社ブランド製品では、ビューティー家電(ヘアドライヤー、カーリングドライヤー、ヘアアイロンなど)、調理家電(トースター、オーブンレンジ、IHクッキングヒーターなど)、季節家電(ヒーター、電気ストーブ、家具調こたつ、電気カーペットなど)を主力に、音響商品や照明(コイズミ照明)も手掛ける。
一方、代理店業務では、T-fal、TCL、sodastream、PHILIPS、Vidal Sassoon、Energizer、Nestleなどの海外ブランドや、パロマ、タニタ、TOTO、オムロン、トヨトミ、京セラの可国内ブランドなど、名立たる国内外のブランドから高品質でスタイリッシュな製品を厳選して届けている。
自社ブランド製品では企画・開発を担い、製造拠点とするのは大部分が中国。同社商品事業統括部 商品企画開発部 商品企画課 課長 吾郷晋司氏は「以前は韓国等にも製造委託拠点を構えていましたが、サプライチェーンの優位性などから中国へのシフトが進み、30年近くになります。現在では製品ジャンルも多岐にわたりますが、必要となる部品がすべて揃えられるなど、一気通貫による製造が可能です。他に代替する場所は現在のところは考えていません」と語っており、揺るぎないポジションにある。
ここで同社の大きな武器とするのが、スピーディーな対応と連携による情報の共有化をベースとした品質管理力だ。中国を製造拠点とする製品の開発フローにも、構築された当初より、PSEマークとは別に任意となるSマーク認証をそのなかに組み込み、電気用品安全法(電安法)の対象となる商品にはすべてSマークが付けられている。「取り扱う製品カテゴリーも大変幅広く、委託する工場もかなりの数にのぼります。自前の試験設備を所有していないこともあり、第三者認証となるSマークを取得することで、お客様へ安全・安心な品質を担保しています」。
電安法で表示が義務づけられるPSEマークについては、「いわば企業が担保する安全のマーク。付けるからには電安法の基準をクリアしているということなのですが、丸型については自己確認となりますから、企業のコンプライアンスに負うところが大きく、正直『これは本当に大丈夫なのか?』という場面に遭遇することも事実です。しかも、そうして見抜けるのも業界の人間だからであり、一般のユーザーからすればわからない。そもそもPSEマークを確認していない人や意味を理解していない人も少なくないと思います」と課題を提起する。
■自社オンラインストアではSマーク付きをアピール
「Sマーク認証を取得するための試験では不適合になることもあります。日常の仕事のなかでも本当に肝を冷やす瞬間です」と語る吾郷氏。委託する中国の製造現場は10年以上の長い付き合いのところもあれば、つい最近というところもある。「定期的なコミュニケーションは欠かせませんし、コロナ前は現地滞在も珍しくありませんでした。しかし、たとえ長年馴染みがある気心が知れた工場でも、移転した時などは注意が必要となります」と製品安全に対する意識の違いは一筋縄ではいかない。
量産化に向けては試作段階から立ち合いで品質の検証が行われる。中国に構える同社事務所やSマーク認証を依頼する認証機関「一般財団法人 電気安全環境研究所(JET)」「一般財団法人日本品質保証機構(JQA)」により定期的な工場監査も行われ、不具合が見つかればすぐに工場に対して改善の措置が取られる。
一方、お客様相談窓口に寄せられるクレームにもひとつひとつ丁寧に耳を傾け、改善にも努めている。また、リチウムイオン電池を搭載した商品が増えて事故の発生が拡大しているといった傾向もしっかりと把握し、認証機関の協力を得てさらなる安全性の確保に取り組んでいる。
Sマークはこうしたお客様への安全・安心を担保する日々の取り組みの集大成とも言える。同社オンラインストアではすべての製品にSマークが付いていることをアピール。「今後、Sマークの認知がもっと高まってくることで、消費者が『Sマークが付いているから安全、安心して購入できる』と判断できるようになればうれしいですね。国内外の家電ブランドが増え、商品ジャンルも多様化し、安全・安心な製品を判断しづらくなっています。店頭でもネットでも目安があれば本当に助かるはずです」と期待を寄せる。
Sマークでは市場の事故情報に基づき、電安法はすぐに対処できないところを「追加基準」や「運用基準」を設けてカバーしている。2012年に電気ケトルが転倒して子どもがやけどを負う事故が相次いだことがあるが、その際もSマーク認証の追加基準として電子ケトルに転倒流水試験を新たに加え、早急な対応が図られた。
メーカーのみならず、販売する側にも責任はあり、「ここ数年、商品の安全試験に対する証明書を求めるなど、流通サイドのハードルも俄かに上がってきました。ただ、気になるのはやはりネット通販で、リアル店舗とは違い商品数も際限がありません。商品がモジュール化して誰でも作れてしまう世の中ですから、マーケティングは長けていても品質はイマイチというものも見受けられます」と警鐘を鳴らす。
「品質をどのようにアピールし、差別化を図るか。それは長い目で見れば消費者との関係性を築いていく上で大変重要なテーマになります」と訴える吾郷氏。「ものづくりをしているメーカーが恐れているのはリコールや商品回収です。企業イメージを損ねてしまうことにもなりかねませんからね。小泉成器ではモノづくりのプロセスすべてにクオリティファーストの哲学が息づいています。これからもSマークも用いて安心で安全な商品を提供して参ります」と力を込めた。
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