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公開日 2023/02/17 17:33
エンターテイメント領域への展開も視野に
ソニー、AI自動追尾で“自然な構図”実現する4Kリモートカメラ。新機能「PTZオートフレーミング」搭載
編集部 : 伴 修二郎
ソニーは、AIアルゴリズムを活用した「PTZオートフレーミング機能」を搭載する業務用4Kリモートカメラ「SRG-A40」「SRG-A12」を6月15日より発売する。価格はオープンだが、SRG-A40は税込464,000円前後、SRG-A12は税込391,000円前後での実売が予想される。
リモートカメラ向けに新開発したAIアナリティクスを活用する、「PTZオートフレーミング機能」を搭載。狙った被写体をPan(水平方向)/Tilt(垂直方向)/Zoom(拡大縮小)の3軸で自動追尾する。なお、外付けPCや追加ライセンスは不要。
加えて、被写体の動きに合わせてリアルタイムに最適な構図に調整する構図取り(フレーミング)が可能。これにより、軽いお辞儀など被写体が微細な動きをした際にも、自然なカメラワークを実現するという。
また、被写体のクローズアップや上半身、全身の3つのアングルから画角を選択して、構図を微調整することが可能。自動起動設定をオンにすることで、カメラの電源を入れると同時に「PTZオートフレーミング」を自動的に開始できるほか、スタートや停止は付属の赤外線リモコンからボタン1つで操作できる。
さらに、骨格検出、頭部位置検出、特徴マッチングなど複数の認識技術を組み合わせることで、マスクをしている被写体でも高い自動追尾を実現するとアピール。ほかPTZオートフレーミング機能の稼働の有無は、本体のタリーランプの点灯で確認できる。
3840×2160/30fpsの4K出力、1920×1080/30fpsのフルHD出力に対応する裏面照射型「CMOSイメージセンサー Exmor R(エクスモアアール)」 を搭載。暗所でも高感度・低ノイズでの撮影が可能なほか、フルHD撮影時には4Kからのオーバーサンプリングによってより高品位な映像撮影も行える。
両モデルの異なる点はズーム比で、「SRG-A40」は光学20倍ズームに加えて、ソニー独自の画像処理技術を採用して解像感を保ったままズーミングが行える「全画素超解像ズーム」に対応。4Kで最大30倍、フルHDで最大40倍まで撮影できる。「SRG-A12」は光学12倍ズーム対応で、全画素超解像ズームは未対応。
また、両モデルともテレコンバードモードに対応し、SRG-A40は80倍、SRG-A12は24倍まで対応。これにより、広いホールや講義室などでも全体の俯瞰映像から被写体のクローズアップまで本機1台で撮影できる。
カメラの向きやズーム、フォーカス情報などを最大256個まで登録して呼び出せるプリセット機能も搭載。プリセット情報を呼び出した際は、カメラを向けたい場所に最大300°/秒(パン)、最大126°/秒(チルト)の速さで瞬時に照準を合わせる。また、旋回中に静止画を出力するPicture Freeze Preset機能を使用することで、1台でも違和感のない運用が可能だとしている。
映像出力方式は3G-SDI/HDMI/IPストリーミングに対応し、離れた場所でのモニタリングや映像収録などあらゆるシステムに対応。またNDI|HXにも対応し、スイッチャーやメディアサーバーなどネットワーク上のNDI対応機器と接続できる。ほか、VISCA/VISCA over IPやCGIにも対応し、外部コマンドによるカメラのリモート制御も行える。
さらに、PoE++(Power over 3/3 Ethernet Plus Plus)規格対応のネットワーク機器に接続することで、LANケーブルでの給電に対応。Virtual Webcam Driverのソフトウェアを介して、本機を最大5台まで同時にネットワーク接続し、リモート会議などを高品質な画質で配信も可能とのこと。
設置面では、ワイド端では水平画角約70°の広角撮影が可能なことで、小会議室における卓上設置や、天井設置など幅広い環境に対応する。カラーは両モデルともブラック/ホワイトの2色を展開。外形寸法(突起部含まず)/質量は、いずれも約156.7W×184H×200Dmm/約2.0kg。
そして本日2月17日、ソニーシティ大崎にて本製品のメディア向け発表会も実施された。ソニー(株)よりイメージングプロダクツ&ソリューションズ事業本部 カメラ第2事業部 ゼネラルマネジャーの関口 浩氏が登壇し、本製品の紹介を含む同社のリモート事業について説明した。
関口氏は、昨今のリモート撮影需要について、「コロナ禍によって世の中の需要が加速、定着しており、コロナ前の2019年と比べて市場は1.5倍以上に拡大している」と説明。「市場は今後さらに拡大していくとみられ、2021年は全世界で約700億円の市場規模だったところ、2026年には約800億円までになることが想定される」と、今後さらに需要が高まるであろうことを強調した。
そういった需要を加味し、「配信・制作現場における人手や専門性、予算の不足といった顧客課題を解決するべく、我々はインテリジェントな機能でそれらをサポートするリモートカメラの開発に取り組んでいる」として、「ソニーの内製開発の強みを活かした独自のハードウェアとソフトウェアの融合、独自のアルゴリズムによるAI技術をカメラ内でリアルタイムに制御することで、人の創造を超えるテクノロジーの実現を目指す」と語った。
そして、本ビジョンに沿って開発されたのが、今回発表した新リモートカメラ「SRG-A40」「SRG-A12」であると同氏はアピール。本機の一番の特長としてAIを活用した「PTZオートフレーミング機能」を挙げつつ、自動追尾機能やきめ細かいカメラアングル設定などその他の特長についても解説した。
今回採用したAIアルゴリズムについては、「従来の顔検出に加えて、新たに人間の骨格やどのようなポージングをしているかをリアルタイムに検出、さらに骨格に加えて頭の位置も検出することでより追尾の性能を高めた」と説明。「洋服の模様などの質感や色もリアルタイムで認識するなど、複数の独自技術を交差することで低遅延かつこれだけの性能を実現した」と語った。
また、様々な使用シーンを想定するなかでも、特に大学などの文教や企業での使用に着目したとも説明。オンライン授業を行う大学教授などの文教系顧客から配信面での課題を実際に調査し、ワンマンオペレーションで行えることや、動作に合わせた自動追尾機能の進歩を望む声を受けて、本製品の開発に望んだという。
説明会では、実際に本製品を使用してPTZオートフレーミング機能のデモンストレーションも実施。文教・企業領域での活用例として、被写体をこれまでにない追従性で捉えるさまや、常に自然なカメラワークを実現する様子を実演した。
また今後は国内向けに、映像配信用のサブカメラといったエンターテイメント領域への応用も視野に入れているとして、ダンサーによるパフォーマンスを撮影して出力する簡易映像制作領域での活用例デモも実施。ダンスの激しい動きや体勢変化にも対応するほか、ダンサー同士が近い動きで交差しても正確に追尾するといった点をアピールしていた。
最後に関口氏は、「本製品はこれまでの『撮るカメラ』から『撮ってくれるカメラ』への進化だ」とコメント。「我々はこの進化した新製品によって、リモートカメラの新境地を切り開いていく」と力を込めた。
リモートカメラ向けに新開発したAIアナリティクスを活用する、「PTZオートフレーミング機能」を搭載。狙った被写体をPan(水平方向)/Tilt(垂直方向)/Zoom(拡大縮小)の3軸で自動追尾する。なお、外付けPCや追加ライセンスは不要。
加えて、被写体の動きに合わせてリアルタイムに最適な構図に調整する構図取り(フレーミング)が可能。これにより、軽いお辞儀など被写体が微細な動きをした際にも、自然なカメラワークを実現するという。
また、被写体のクローズアップや上半身、全身の3つのアングルから画角を選択して、構図を微調整することが可能。自動起動設定をオンにすることで、カメラの電源を入れると同時に「PTZオートフレーミング」を自動的に開始できるほか、スタートや停止は付属の赤外線リモコンからボタン1つで操作できる。
さらに、骨格検出、頭部位置検出、特徴マッチングなど複数の認識技術を組み合わせることで、マスクをしている被写体でも高い自動追尾を実現するとアピール。ほかPTZオートフレーミング機能の稼働の有無は、本体のタリーランプの点灯で確認できる。
3840×2160/30fpsの4K出力、1920×1080/30fpsのフルHD出力に対応する裏面照射型「CMOSイメージセンサー Exmor R(エクスモアアール)」 を搭載。暗所でも高感度・低ノイズでの撮影が可能なほか、フルHD撮影時には4Kからのオーバーサンプリングによってより高品位な映像撮影も行える。
両モデルの異なる点はズーム比で、「SRG-A40」は光学20倍ズームに加えて、ソニー独自の画像処理技術を採用して解像感を保ったままズーミングが行える「全画素超解像ズーム」に対応。4Kで最大30倍、フルHDで最大40倍まで撮影できる。「SRG-A12」は光学12倍ズーム対応で、全画素超解像ズームは未対応。
また、両モデルともテレコンバードモードに対応し、SRG-A40は80倍、SRG-A12は24倍まで対応。これにより、広いホールや講義室などでも全体の俯瞰映像から被写体のクローズアップまで本機1台で撮影できる。
カメラの向きやズーム、フォーカス情報などを最大256個まで登録して呼び出せるプリセット機能も搭載。プリセット情報を呼び出した際は、カメラを向けたい場所に最大300°/秒(パン)、最大126°/秒(チルト)の速さで瞬時に照準を合わせる。また、旋回中に静止画を出力するPicture Freeze Preset機能を使用することで、1台でも違和感のない運用が可能だとしている。
映像出力方式は3G-SDI/HDMI/IPストリーミングに対応し、離れた場所でのモニタリングや映像収録などあらゆるシステムに対応。またNDI|HXにも対応し、スイッチャーやメディアサーバーなどネットワーク上のNDI対応機器と接続できる。ほか、VISCA/VISCA over IPやCGIにも対応し、外部コマンドによるカメラのリモート制御も行える。
さらに、PoE++(Power over 3/3 Ethernet Plus Plus)規格対応のネットワーク機器に接続することで、LANケーブルでの給電に対応。Virtual Webcam Driverのソフトウェアを介して、本機を最大5台まで同時にネットワーク接続し、リモート会議などを高品質な画質で配信も可能とのこと。
設置面では、ワイド端では水平画角約70°の広角撮影が可能なことで、小会議室における卓上設置や、天井設置など幅広い環境に対応する。カラーは両モデルともブラック/ホワイトの2色を展開。外形寸法(突起部含まず)/質量は、いずれも約156.7W×184H×200Dmm/約2.0kg。
そして本日2月17日、ソニーシティ大崎にて本製品のメディア向け発表会も実施された。ソニー(株)よりイメージングプロダクツ&ソリューションズ事業本部 カメラ第2事業部 ゼネラルマネジャーの関口 浩氏が登壇し、本製品の紹介を含む同社のリモート事業について説明した。
関口氏は、昨今のリモート撮影需要について、「コロナ禍によって世の中の需要が加速、定着しており、コロナ前の2019年と比べて市場は1.5倍以上に拡大している」と説明。「市場は今後さらに拡大していくとみられ、2021年は全世界で約700億円の市場規模だったところ、2026年には約800億円までになることが想定される」と、今後さらに需要が高まるであろうことを強調した。
そういった需要を加味し、「配信・制作現場における人手や専門性、予算の不足といった顧客課題を解決するべく、我々はインテリジェントな機能でそれらをサポートするリモートカメラの開発に取り組んでいる」として、「ソニーの内製開発の強みを活かした独自のハードウェアとソフトウェアの融合、独自のアルゴリズムによるAI技術をカメラ内でリアルタイムに制御することで、人の創造を超えるテクノロジーの実現を目指す」と語った。
そして、本ビジョンに沿って開発されたのが、今回発表した新リモートカメラ「SRG-A40」「SRG-A12」であると同氏はアピール。本機の一番の特長としてAIを活用した「PTZオートフレーミング機能」を挙げつつ、自動追尾機能やきめ細かいカメラアングル設定などその他の特長についても解説した。
今回採用したAIアルゴリズムについては、「従来の顔検出に加えて、新たに人間の骨格やどのようなポージングをしているかをリアルタイムに検出、さらに骨格に加えて頭の位置も検出することでより追尾の性能を高めた」と説明。「洋服の模様などの質感や色もリアルタイムで認識するなど、複数の独自技術を交差することで低遅延かつこれだけの性能を実現した」と語った。
また、様々な使用シーンを想定するなかでも、特に大学などの文教や企業での使用に着目したとも説明。オンライン授業を行う大学教授などの文教系顧客から配信面での課題を実際に調査し、ワンマンオペレーションで行えることや、動作に合わせた自動追尾機能の進歩を望む声を受けて、本製品の開発に望んだという。
説明会では、実際に本製品を使用してPTZオートフレーミング機能のデモンストレーションも実施。文教・企業領域での活用例として、被写体をこれまでにない追従性で捉えるさまや、常に自然なカメラワークを実現する様子を実演した。
また今後は国内向けに、映像配信用のサブカメラといったエンターテイメント領域への応用も視野に入れているとして、ダンサーによるパフォーマンスを撮影して出力する簡易映像制作領域での活用例デモも実施。ダンスの激しい動きや体勢変化にも対応するほか、ダンサー同士が近い動きで交差しても正確に追尾するといった点をアピールしていた。
最後に関口氏は、「本製品はこれまでの『撮るカメラ』から『撮ってくれるカメラ』への進化だ」とコメント。「我々はこの進化した新製品によって、リモートカメラの新境地を切り開いていく」と力を込めた。