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公開日 2024/03/15 21:20
テキストでの情報発信についても説明
NHK「ネット受信料」、金額や解約方法は「まだ言及する段階にない」。稲葉会長らが会見
編集部:小野佳希
NHKの稲葉延雄会長は、スマートフォンなどでNHKのインターネット配信番組を視聴する際の、いわゆる「ネット受信料」などに3月の定例会見で言及した。
3月の定例会見での質疑応答に答える形でコメントしたもの。いわゆるネット受信料についてを含むNHKのインターネット活用業務を「本来業務」にする放送法改正案が先日閣議決定され、今後国会で審議されることになっていた。
これに関して、会見に出席したメディアが「放送法が改正された後は、テレビを持っていないがスマホなどでNHKプラスを視聴する際には、アプリをインストールしてID番組を登録することなどによってその端末が放送受信機器と同等と見なされ、受信契約義務が発生すると理解しているが、その場合の受信料学は、地上契約と同額になるという理解でよいか」と質問。
これに対し稲葉会長は、「まず、受信料を支払っている方がNHKプラスをインストールして、それで見ようということであれば、受信料はいただかない」と前提をコメント。テレビ(放送)とスマホ(配信)とで“二重取り”になることがない点をあらためて説明する。
そして、テレビを持っていないがスマホなどでNHKを見たいという意志を持っている人に対して「アプリをインストールして、IDを登録して視聴することをしっかり宣言された方については、公平性を担保する見地から、放送と同様の受信料をいただくことになると思う」と続けた。
ただし、「金額については、まだそこまで決まっていない」とのこと。「議論がなされている真っ最中なので、具体的なことを申し上げる段階ではないと考えている」とした。
また、仮にスマホのみでの受信契約を結んだ場合、インストールしたアプリを削除すると契約義務が消失するかどうかについては、「解約については、受信機の設置がないことを確認したうえで受け付けるという、現在の手続きと同様になると思っている」(NHK 根本理事)と説明。ただし、こちらについても「具体的な方法については検討中のため、まだ言及することができない」とした。
そのほか、「テレビを持たない人のなかで、実際に番組をネットで視聴するために受信契約を結ぶ人はさほど多くないのではないか。財政への貢献度は低いのでは」という質問も。
これに対しては稲葉会長が「インターネット活用業務の必須業務化については、NHKの財政を豊かにするためにやっているわけではない」と回答。「あくまで、NHKの放送があまねく配信されるように、テレビを持たないでネットで見たいという人にもちゃんと届くように、というのが基本的な考え方だ」とし、「労力と収入が見合わないのではないかということについては大事な論点ではあるが、大切なことは、ネットでNHKの放送のサービスを受けたいという人がいるのであれば、それに応えることだと考えている」と述べた。
インターネット活用業務の必須化に関しては、番組のネット配信とともに、「NHK政治マガジン」などテキストでの情報の扱いについても議論になっている。これらの特設サイトが4月以降どうなるのかという質問も出た。
NHKの担当者は「放送番組で毎年行っていることと同様だが、新年度に向けてさまざまな見直しや提供の仕方を検討している」と説明。「そのなかで、現在のような形ではなく、政治を含め国内外のニュースの分野ごとに特集記事などを見やすくするよう、いま再整理を考えているところだ」とし、更新の停止などが決定しているのではなく、そのあり方を再検討していると説明した。
そして「来年度の予算案において、インターネット活用業務の経費は、受信料値下げによる大幅な支出削減のなかにおいても必要な額は確保し、コンテンツの質・量ともにしっかり維持をしていきたい。ご指摘のサイト(NHK政治マガジン)で提供している内容も含めて、サービスが低下したと言われることがないように取り組み、視聴者や国民の皆様の期待に応えていきたい」とした。
また、根本理事は「サービスの交代・縮小と言われないようにしっかりやっていくことに尽きるが、NHKとして取り組むべきことは、放送でもネットでも同じ価値を提供していくことだと思う」とコメント。「サービスの具体的な内容はこれから検討するところであり、災害情報、地域情報を含めて、政治経済、社会、科学、文化、スポーツといったさまざまなニュースをしっかりと特性にあわせて伝えていく」と述べた。
加えて、稲葉会長も「確定したようなことはなかなか言いにくいのが現状」とした上で、「理念的に整理すれば、ネットの必須業務化が実現すると、ネットで放送と同様のサービスを配信することができる。例えばテキスト情報を媒体としてやる場合にも、従来と違う、放送と同等のサービスが情報として盛り込まれて供給されることになると思う。したがって、サービスは後退するとか縮小するということではなく、むしろ拡大する」とコメント。
「そうすると、放送のサービスを受けている人との公平性を維持するために、ネットでサービスを享受する方には、受信料をいただく形になるということだと思う」とした。
また、NHKのウェブでのテキスト展開については、日本新聞協会が民業圧迫だと指摘しているが、根本理事は「ご指摘のようなことはないと思っている」とコメント。「NHKでは、次期中期経営計画でも明記しているように、新聞社や民放とともに信頼できる多元性確保への貢献を謳っている。インターネット活用業務の中身については、これまでも総務省の作業部会などの場で、メディア開発委員会、民放連ともしっかりと議論をしてきた。そのなかで一致した点もあるので、それを踏まえて対応していきたい」とした。
■NHK「ネット受信料」、金額は「まだそこまで決まっていない」
3月の定例会見での質疑応答に答える形でコメントしたもの。いわゆるネット受信料についてを含むNHKのインターネット活用業務を「本来業務」にする放送法改正案が先日閣議決定され、今後国会で審議されることになっていた。
これに関して、会見に出席したメディアが「放送法が改正された後は、テレビを持っていないがスマホなどでNHKプラスを視聴する際には、アプリをインストールしてID番組を登録することなどによってその端末が放送受信機器と同等と見なされ、受信契約義務が発生すると理解しているが、その場合の受信料学は、地上契約と同額になるという理解でよいか」と質問。
これに対し稲葉会長は、「まず、受信料を支払っている方がNHKプラスをインストールして、それで見ようということであれば、受信料はいただかない」と前提をコメント。テレビ(放送)とスマホ(配信)とで“二重取り”になることがない点をあらためて説明する。
そして、テレビを持っていないがスマホなどでNHKを見たいという意志を持っている人に対して「アプリをインストールして、IDを登録して視聴することをしっかり宣言された方については、公平性を担保する見地から、放送と同様の受信料をいただくことになると思う」と続けた。
ただし、「金額については、まだそこまで決まっていない」とのこと。「議論がなされている真っ最中なので、具体的なことを申し上げる段階ではないと考えている」とした。
また、仮にスマホのみでの受信契約を結んだ場合、インストールしたアプリを削除すると契約義務が消失するかどうかについては、「解約については、受信機の設置がないことを確認したうえで受け付けるという、現在の手続きと同様になると思っている」(NHK 根本理事)と説明。ただし、こちらについても「具体的な方法については検討中のため、まだ言及することができない」とした。
そのほか、「テレビを持たない人のなかで、実際に番組をネットで視聴するために受信契約を結ぶ人はさほど多くないのではないか。財政への貢献度は低いのでは」という質問も。
これに対しては稲葉会長が「インターネット活用業務の必須業務化については、NHKの財政を豊かにするためにやっているわけではない」と回答。「あくまで、NHKの放送があまねく配信されるように、テレビを持たないでネットで見たいという人にもちゃんと届くように、というのが基本的な考え方だ」とし、「労力と収入が見合わないのではないかということについては大事な論点ではあるが、大切なことは、ネットでNHKの放送のサービスを受けたいという人がいるのであれば、それに応えることだと考えている」と述べた。
■「NHK政治マガジン」などテキストでの情報発信はどうなる?
インターネット活用業務の必須化に関しては、番組のネット配信とともに、「NHK政治マガジン」などテキストでの情報の扱いについても議論になっている。これらの特設サイトが4月以降どうなるのかという質問も出た。
NHKの担当者は「放送番組で毎年行っていることと同様だが、新年度に向けてさまざまな見直しや提供の仕方を検討している」と説明。「そのなかで、現在のような形ではなく、政治を含め国内外のニュースの分野ごとに特集記事などを見やすくするよう、いま再整理を考えているところだ」とし、更新の停止などが決定しているのではなく、そのあり方を再検討していると説明した。
そして「来年度の予算案において、インターネット活用業務の経費は、受信料値下げによる大幅な支出削減のなかにおいても必要な額は確保し、コンテンツの質・量ともにしっかり維持をしていきたい。ご指摘のサイト(NHK政治マガジン)で提供している内容も含めて、サービスが低下したと言われることがないように取り組み、視聴者や国民の皆様の期待に応えていきたい」とした。
また、根本理事は「サービスの交代・縮小と言われないようにしっかりやっていくことに尽きるが、NHKとして取り組むべきことは、放送でもネットでも同じ価値を提供していくことだと思う」とコメント。「サービスの具体的な内容はこれから検討するところであり、災害情報、地域情報を含めて、政治経済、社会、科学、文化、スポーツといったさまざまなニュースをしっかりと特性にあわせて伝えていく」と述べた。
加えて、稲葉会長も「確定したようなことはなかなか言いにくいのが現状」とした上で、「理念的に整理すれば、ネットの必須業務化が実現すると、ネットで放送と同様のサービスを配信することができる。例えばテキスト情報を媒体としてやる場合にも、従来と違う、放送と同等のサービスが情報として盛り込まれて供給されることになると思う。したがって、サービスは後退するとか縮小するということではなく、むしろ拡大する」とコメント。
「そうすると、放送のサービスを受けている人との公平性を維持するために、ネットでサービスを享受する方には、受信料をいただく形になるということだと思う」とした。
また、NHKのウェブでのテキスト展開については、日本新聞協会が民業圧迫だと指摘しているが、根本理事は「ご指摘のようなことはないと思っている」とコメント。「NHKでは、次期中期経営計画でも明記しているように、新聞社や民放とともに信頼できる多元性確保への貢献を謳っている。インターネット活用業務の中身については、これまでも総務省の作業部会などの場で、メディア開発委員会、民放連ともしっかりと議論をしてきた。そのなかで一致した点もあるので、それを踏まえて対応していきたい」とした。