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公開日 2023/03/13 16:44
画期的な製品で引退の花道を飾りつつ、後継者を後押ししたい?
アップルのAR/VRヘッドセット、年内発売は時期尚早?クックCEOが急かしているとの噂
多根清史
アップルは今後数か月のうちにAR/VRヘッドセットを発表し、早ければ2023年末までに発売すると見られている。しかし、その価格は3,000ドル前後、腰にバッテリーを装着しても2時間しか持たないと予想されており、本当だとすれば製品として練り込み不足で、発売は時期尚早の感がある。
なぜ、アップルは発売を急ぐのか。それはティム・クックCEOがオペレーション担当トップのジェフ・ウィリアムズの方針を支持し、デザインチームの反対を押し切ったからとの噂が報じられている。
英Financial Timesによれば、第1世代AR/VRヘッドセットをいつ発売するかをめぐり、アップル社内でかなり揉めていたようだ。同社のインダストリアルデザインチームは、まだ発売できる段階ではないとして、数年後に軽量なARメガネ製品の機が熟するまで遅らせたいと考えていたという。
かたやアップルのオペレーションチームは、3Dビデオの視聴やインタラクティブなワークアウト、バーチャルアバターでのFaceTime通話ができるVR特化のスキーゴーグル型ヘッドセットという形で初代製品を発売したいと主張したとのことだ。
そして自らもオペレーションチーフの経歴を持つクックCEOは、ウィリアムズに味方し、デザインチームの反対をはねのけて早期の発売を迫ったそうだ。取材に応じた元アップル勤務エンジニアは、「出荷への大きなプレッシャー」があったと語っている。
2019年に元デザイン部門トップのジョニー・アイブが退社した後、アップルのデザインチームはウィリアムズの直属となった。スティーブ・ジョブズ時代にはデザインが製品の方向性をリードしてきたが、クック体制のもとではオペレーションが製品開発の主導権を握るようになったという。
ある元エンジニアは、かつてアップルで働く醍醐味は、デザインチームの「非常識な要求」を満たすために技術的なソリューションを考案することだったと語っているが、近年は明らかに変わってきているようだ。
アップルの初代AR/VRヘッドセットは、初代iPhoneの2倍に当たる7年もの間、開発が続けられてきたという。本製品はクックCEOのリーダーシップの元で開発された初のコンピューティング・プラットフォームとして「クックの遺産」だと見なされているとのことだ。
クック時代にはApple WatchやAirPodsなど新たな製品カテゴリーが生み出されてきたが、いずれも「アクセサリー」であって「コンピュータ」ではない、ということだろう。クックCEOは2021年、10年以内の引退を示唆するとともに、ARがアップルにとって非常に重要だと語っていた。
またBloombergは、アップルがクックCEOの後継者を探しており、ウィリアムズが最有力候補だと報じていたことがある。初代AR/VRヘッドセットの早すぎるとも思える投入は、クックCEOが自らの花道にしたいという情念や、社内政治の思惑が絡んでいるのかもしれない。
Source: Financial Times
via: MacRumors
なぜ、アップルは発売を急ぐのか。それはティム・クックCEOがオペレーション担当トップのジェフ・ウィリアムズの方針を支持し、デザインチームの反対を押し切ったからとの噂が報じられている。
英Financial Timesによれば、第1世代AR/VRヘッドセットをいつ発売するかをめぐり、アップル社内でかなり揉めていたようだ。同社のインダストリアルデザインチームは、まだ発売できる段階ではないとして、数年後に軽量なARメガネ製品の機が熟するまで遅らせたいと考えていたという。
かたやアップルのオペレーションチームは、3Dビデオの視聴やインタラクティブなワークアウト、バーチャルアバターでのFaceTime通話ができるVR特化のスキーゴーグル型ヘッドセットという形で初代製品を発売したいと主張したとのことだ。
そして自らもオペレーションチーフの経歴を持つクックCEOは、ウィリアムズに味方し、デザインチームの反対をはねのけて早期の発売を迫ったそうだ。取材に応じた元アップル勤務エンジニアは、「出荷への大きなプレッシャー」があったと語っている。
2019年に元デザイン部門トップのジョニー・アイブが退社した後、アップルのデザインチームはウィリアムズの直属となった。スティーブ・ジョブズ時代にはデザインが製品の方向性をリードしてきたが、クック体制のもとではオペレーションが製品開発の主導権を握るようになったという。
ある元エンジニアは、かつてアップルで働く醍醐味は、デザインチームの「非常識な要求」を満たすために技術的なソリューションを考案することだったと語っているが、近年は明らかに変わってきているようだ。
アップルの初代AR/VRヘッドセットは、初代iPhoneの2倍に当たる7年もの間、開発が続けられてきたという。本製品はクックCEOのリーダーシップの元で開発された初のコンピューティング・プラットフォームとして「クックの遺産」だと見なされているとのことだ。
クック時代にはApple WatchやAirPodsなど新たな製品カテゴリーが生み出されてきたが、いずれも「アクセサリー」であって「コンピュータ」ではない、ということだろう。クックCEOは2021年、10年以内の引退を示唆するとともに、ARがアップルにとって非常に重要だと語っていた。
またBloombergは、アップルがクックCEOの後継者を探しており、ウィリアムズが最有力候補だと報じていたことがある。初代AR/VRヘッドセットの早すぎるとも思える投入は、クックCEOが自らの花道にしたいという情念や、社内政治の思惑が絡んでいるのかもしれない。
Source: Financial Times
via: MacRumors
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