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公開日 2018/10/31 14:57
81プロデュースと電通が設立

声優による音声合成技術を推進する「デジタルボイスパレット」。玄田哲章などのデジタルボイスを作成

編集部:押野 由宇
電通と声優プロダクションの81プロデュースは、音声合成技術の活用を促進する一般社団法人「デジタルボイスパレット」を共同で設立し、11月1日より業務を開始することを発表した。

「デジタルボイスパレット」

デジタルボイスパレットでは、その目的を「今後、音声合成技術の成熟に合わせて利用の拡大が期待される人の声を元にしたデジタルボイスにおいて、声の主(声優)に新しいビジネスの選択肢を与え、その権利を長期的に守り活用していくこと、ならびにデジタルボイスという新しい声の力を活用して、生活者の日常をより楽しく、より便利にしていくこと」としている。

なお、ここでいう「デジタルボイス」とは、音声合成技術により「人工的に作り出した人間の音声」を指しており、肉声の録音を行うことで音声合成辞書(ライブラリ)を作成し、その辞書を用いて作られて、テキストの読み上げなどに利用されるものとなる。

昨今、AIの急速な発展とそれに伴うディープラーニング手法の浸透により、音声合成分野においてもさまざまな技術革新が起き、ユーザーにとって便利で楽しい使い方が生まれる一方で、コンテンツに欠かせない個性としての声の価値をどう守り、育てていくかが課題とされている。

こうした状況に対応するためには、広く一般のユーザーが人の声を元にしたデジタルボイスを活用する未来を想定して、人が自身の声を発することに対して権利を有することを証明する「発声権」の普及・整備と、声優を中心とした声のIP(知的所有権)を有する業界自体による新たな成長市場を支える基盤づくり、また、音声合成技術の活用を促進する各種サービス開発および持続可能なエコシステムの構築を進めていく必要があると同社は提唱。

そこで、音声技術関連業界とともに音声合成技術の活用促進に向けた新しいルールや仕組みづくり、デジタルボイスに対する品質の保証や保護などを進めていくと同時に、声優の言語や物理的な限界を超えた新しい体験価値の創造を推進し、コンテンツ業界の発展に貢献していくことを目指すという。 

主な活動内容として、デジタルボイスの質と権利を担保する認証の仕組みづくりや、「発声権」という権利概念の普及と、誤用の防止に向けたルールづくり、日本人の声質を生かした多言語デジタルボイスの開発、物故者などの生前の声の再現や、デジタルボイスとしての保存への取り組み、デジタルボイス活用におけるビジネスルールの策定とエコシステム構築のサポート、障がい者への音声サポートなど、声のダイバーシティの可能性についての検討などが挙げられている。

なお「発声権」とは、人格権に基づき、人間の声の本人への帰属と声の利用を定義する新しい権利の概念で、社団法人設立の際に国内の有識者に対するリサーチ・ディスカッションから生まれたとする。デジタルボイスが自分の声帯から離れて他人に利用される社会では、その権利を明確に定義・管理する必要があることから、今後、デジタルボイスパレットも主体的にルールづくりに参加するとしている。

また同社が想像を推進する新しい体験価値としては、インタラクティブゲーム、公共インフラ・イベントにおけるナレーション機能、コンテンツに付随するガイド機能、企業広告やプロモーション活動、コンテンツキャラクターの演出などのさまざまなサービスが想定されている。

本日10月31日より公式ホームページがオープン。サンプルとして玄田哲章の声を活用したナレーションが試聴できる。

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