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公開日 2016/09/03 11:02
開発者インタビューも

<IFA>ソニーの“全部入り”ヘッドホン「MDR-1000X」を、音質からノイキャン性能までレビュー

山本 敦

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ワイヤレスとアクティブノイズキャンセリングの技術を一体化した、“全部入り”のヘッドホンが注目されている。ソニーも以前から力を入れる製品カテゴリーだが、今年のIFAではプレミアムヘッドホンをベースにした高音質な全部入りヘッドホン「MDR-1000X」を発表した。ブースにて、ソニーのオーディオ製品開発者に本機の特徴を訊ねつつ、その音質やノイズキャンセリング性能を早速確認してみた。

ハイレゾ対応のノイキャン+BTワイヤレスヘッドホン「MDR-1000X」

アップルが9月7日に発表会を開催することが明らかになった。毎年、このタイミングでスマートフォン「iPhone」の新モデルを発表しているだけに、世間の関心は早くも高まっている。ウワサでは、新しいiPhoneはイヤホン端子を搭載しないという話も出ている。それが本当だとすると、オーディオ再生はLightning端子、あるいはBluetoothなどワイヤレスの伝送技術を採用するヘッドホン・イヤホンとの組み合わせがスタンダードになる可能性も高い。

ソニーをはじめヘッドホン製品を展開するブランドにとっては、大きなパラダイムシフトの時を迎えそうで、高品位なワイヤレスヘッドホンを市場に投入して定番ブランドの地位を固めたいところ。ソニーがこのタイミングで「Bluetooth+ノイキャン」仕様のプレミアムヘッドホンを発表した狙いは、iPhoneの動きと全く無関係ではなさそうだ。

インタビューに答えていただいた、ソニービデオ&サウンドプロダクツの渡辺直樹氏(写真左)と潮見俊輔氏(写真右)

ソニーはBluetooth+ノイキャン機能搭載の全部入りヘッドホンを、これまで積極的に展開してきた。現行モデルには、スタンダード価格帯の「MDR-ZX770BN」のほか、デザインコンシャスかつ全部入りヘッドホンとしては初のハイレゾ対応も実現したh.earシリーズの“h.ear on Wireless NC”「MDR-100ABN」が並んでいる。

今回発表されたMDR-1000Xは、2014年に発売されたプレミアムヘッドホン「MDR-1A」に始まり、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高品位再生に対応する初のLDAC搭載ワイヤレスヘッドホンである「MDR-1ABT」の流れも組んでいる。

デザインと装着感にプレミアム感を追求

カラバリはブラックとグレーベージュの2色。MDR-1RからMDR-1Aの流れではヘッドホンの外観が大きく変わらなかったが、今回は見た目のデザインが大きく変わった。シンプルな単色カラーリングは、むしろh.ear onシリーズからコンセプトを引き継いでいるようにも感じる。特にグレーベージュの方は、ハウジングに使われている合皮素材のマットな質感と、ヒンジやアームのメタル素材とのコントラストで高級感がある。h.earシリーズに比べると、色合いもより落ち着いている。オトナの音楽ファンにも抵抗なく身に着けられそうだ。

ヒンジのトルク感が心地よい

イヤーパッドは、耳にぴったり吸い付くようなフィット感。ゆったりと耳全体を覆うアラウンドイヤーの装着スタイルなので側圧も控えめ、長時間リスニングも苦にならなそう。MDR-1Rからの流れを組む、人間工学を研究した上での装着感改良の成果でもある。イヤーパッドの中味の素材は低反発ウレタン。クッション性に富み、MDR-1Aと同じく耳の後ろ側を少し肉厚にして低音の音漏れを防ぎ、パンチのあるリズムを再現する。パッシブなノイズキャンセリング効果も十分に期待できるだろう。

イヤーパッドの外皮には吸放湿製の高い合皮素材を使っている。おそらく長時間身に着けていても汗で蒸れにくいのではないだろうか。さらにイヤーパッドは外側の縫い目を無くして、身に着けた時に顔の横あたりに縫い目があたって不快に感じる要素をできる限り排除した。その心配りがソニーらしい。

吸放湿性にすぐれたイヤーパッドを採用。柔らかいので長時間の装着も苦にならない

本体はコンパクトに折り畳める

ヘッドバンドも構造を見直して剛性を保ちながら、パーツを薄肉化して全体の軽さを追求している。イヤーカップがパタパタと折れ曲がるコラプシブル設計なので、キャリングケースの中にもコンパクトに納まる。ヘッドバンドとアームをつなぐ回転部分にもソニー独自の設計ノウハウが活かされているようで、しっかりとしたトルク感が気持ちいい。

業界最高クラスのノイキャン性能をアピール

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