公開日 2016/10/28 13:19
元WADIA技術者が手がけるDAC&パワーアンプ
EXOGAL「Comet」「Ion」を聴く - 先端デジタル技術が実現したコンパクトオーディオ
角田郁雄
スピーカーはアナログでドライブする、そんな考え方はいまや過去のものとなった。高度に進化したデジタル技術が存在する現在、スピーカーまで音質劣化の少ないデジタルで送り込むことは、想像以上のサウンドを約束するアプローチとなっている。EXOGAL(エクソギャル)の「Comet」「Ion」は、そんな現代らしさ溢れる技術を駆使したコンパクトシステムだ。最先端のアルゴリズムとテクノロジーが凝縮された本機のサウンドと駆動能力をレビューする。
■名ブランドを手掛けた人物の卓越したアルゴリズム
インターネット時代になり、オーディオで音楽を楽しむスタイルも多様化している。伝統的な大型システムを決して望まず、有名ブランドのコンパクトスピーカーととびきり上質でスタイリッシュなプレイバックシステムを組み合わせ、ハイレゾミュージックをゆったりと楽しみ極上の時を過ごす。このスタイルは、ドイツの大型高級車ではなくイタリアの小ぶりでパワフルなスポーツカーでおしゃれに外出を楽しむスタイルと似ているのかもしれない。
コンパクトで質感のあるオーディオを長く愛用したい若い世代や、音楽をゆったりと楽しみたい団塊の世代、リビングや書斎などのプライベートルームにシンプルなオーディオをセットしたい方などにお薦めしたいのが、エクソギャルのDAC/ヘッドホンアンプ「Comet」(関連ニュース)と、“Power DAC”「Ion」(関連ニュース)の組み合わせだ。
ユニボディのMacBook ProやMacbook Airともしっくりと馴染む。新たにスピーカーを探しているなら、イギリス・B&Wの最新モデル「805 D3」や、デザインの良さで知られるデンマークのディナウディオ「Excite X18」、そしてスタジオにも関わりを持つ日本ブランド・TADの最新モデル「TAD‐ME1」などが相応しく思えてくる。それぞれ組み合わせた際の音の印象については後述する。
ところで、“EXOGAL(エクソギャル)”というブランドをご存じだろうか? まず概要を説明しよう。このブランドのメンバーの一人であるジム・キニーは、CDが登場し始めた直後に、CDの硬く平面的な音をアナログのような滑らかな音質にしたいと思い、WADIA(ワディア)というブランドで滑らかな波形をアルゴリズムで作り、マルチビット型DACを複数並列駆動させたDAC部と組み合わせ、アナログライクなCDプレーヤーやDACを発売した。その代表モデルが「Wadia27」「Wadia9」などだ。そして2013年に新たなブランドとしてエクソギャルを創業した。
■ピラミッドバランスのアナログイメージを展開する「Comet」
このブランドの特徴は、デジタルオーディオに応用できる卓越したコンピューター・アルゴリズムをDAC技術に融合することと、高いアナログ技術を駆使することだ。その第1弾モデルがコンピューターDAC(USB-DAC)「Comet」である。滑らかで美しいアルミ・ウォールがボディを覆い、トップボードにはアクリルが使われている。
機能と特徴は、同軸/光TOS/AES/EBUの外部入力と384kHzまでのPCM、2.8/5.6MHzのDSDに対応するUSB入力を備え、RCAアナログ入力とヘッドホンアンプも装備。音量も可変できるので、アクティブスピーカーと組み合わせてシンプルなオーディオも楽しめる。
内部技術のこだわりは、マイコン/DSPで制御されていること。そして、ラインとヘッドホン出力用にDACチップを分けていることだ(前者はバーブラウンのPCM4140、後者はPCM5122)。ライン出力で特筆すべきことは、驚異のスルーレート2000V/μs、250mAの高電流出力を実現するTIのバッファーIC「LME49600」を採用した点だ。
その音はワディアのマルチビット型DACの中低域の力強さと、繊細で柔らかな質感を融合した感じと言える。このサイズで中低域に厚みをもったピラミッドバランスのアナログイメージを展開する所がとても良い。もちろん、どんな音楽ジャンルでも極上のアナログサウンドを楽しませてくれる。
Cometにはまだまだ拡張性があるはずだと思っていたが、その後さらに高音質化してくれる「Upgraded Power Supply」という外部電源装置が登場した(関連ニュース)。使用すると明らかにS/Nとダイナミックレンジの向上に貢献していることが分かる。Cometのユーザーであれば、ぜひ一度試してみることをお薦めする。
■名ブランドを手掛けた人物の卓越したアルゴリズム
インターネット時代になり、オーディオで音楽を楽しむスタイルも多様化している。伝統的な大型システムを決して望まず、有名ブランドのコンパクトスピーカーととびきり上質でスタイリッシュなプレイバックシステムを組み合わせ、ハイレゾミュージックをゆったりと楽しみ極上の時を過ごす。このスタイルは、ドイツの大型高級車ではなくイタリアの小ぶりでパワフルなスポーツカーでおしゃれに外出を楽しむスタイルと似ているのかもしれない。
コンパクトで質感のあるオーディオを長く愛用したい若い世代や、音楽をゆったりと楽しみたい団塊の世代、リビングや書斎などのプライベートルームにシンプルなオーディオをセットしたい方などにお薦めしたいのが、エクソギャルのDAC/ヘッドホンアンプ「Comet」(関連ニュース)と、“Power DAC”「Ion」(関連ニュース)の組み合わせだ。
ユニボディのMacBook ProやMacbook Airともしっくりと馴染む。新たにスピーカーを探しているなら、イギリス・B&Wの最新モデル「805 D3」や、デザインの良さで知られるデンマークのディナウディオ「Excite X18」、そしてスタジオにも関わりを持つ日本ブランド・TADの最新モデル「TAD‐ME1」などが相応しく思えてくる。それぞれ組み合わせた際の音の印象については後述する。
ところで、“EXOGAL(エクソギャル)”というブランドをご存じだろうか? まず概要を説明しよう。このブランドのメンバーの一人であるジム・キニーは、CDが登場し始めた直後に、CDの硬く平面的な音をアナログのような滑らかな音質にしたいと思い、WADIA(ワディア)というブランドで滑らかな波形をアルゴリズムで作り、マルチビット型DACを複数並列駆動させたDAC部と組み合わせ、アナログライクなCDプレーヤーやDACを発売した。その代表モデルが「Wadia27」「Wadia9」などだ。そして2013年に新たなブランドとしてエクソギャルを創業した。
■ピラミッドバランスのアナログイメージを展開する「Comet」
このブランドの特徴は、デジタルオーディオに応用できる卓越したコンピューター・アルゴリズムをDAC技術に融合することと、高いアナログ技術を駆使することだ。その第1弾モデルがコンピューターDAC(USB-DAC)「Comet」である。滑らかで美しいアルミ・ウォールがボディを覆い、トップボードにはアクリルが使われている。
機能と特徴は、同軸/光TOS/AES/EBUの外部入力と384kHzまでのPCM、2.8/5.6MHzのDSDに対応するUSB入力を備え、RCAアナログ入力とヘッドホンアンプも装備。音量も可変できるので、アクティブスピーカーと組み合わせてシンプルなオーディオも楽しめる。
内部技術のこだわりは、マイコン/DSPで制御されていること。そして、ラインとヘッドホン出力用にDACチップを分けていることだ(前者はバーブラウンのPCM4140、後者はPCM5122)。ライン出力で特筆すべきことは、驚異のスルーレート2000V/μs、250mAの高電流出力を実現するTIのバッファーIC「LME49600」を採用した点だ。
その音はワディアのマルチビット型DACの中低域の力強さと、繊細で柔らかな質感を融合した感じと言える。このサイズで中低域に厚みをもったピラミッドバランスのアナログイメージを展開する所がとても良い。もちろん、どんな音楽ジャンルでも極上のアナログサウンドを楽しませてくれる。
Cometにはまだまだ拡張性があるはずだと思っていたが、その後さらに高音質化してくれる「Upgraded Power Supply」という外部電源装置が登場した(関連ニュース)。使用すると明らかにS/Nとダイナミックレンジの向上に貢献していることが分かる。Cometのユーザーであれば、ぜひ一度試してみることをお薦めする。