公開日 2016/11/17 09:30
最大出力100Wもの強力なハイレゾ対応スピーカーを左右に奢ったパナソニックの4Kテレビ・ビエラ「DX850」。その迫力のサウンドに高い評価が集まったVGP2017金賞モデル「TH-49DX850」の実力を検証した。
■オーディオ部を徹底的に強化。リマスター性能も非常に高い
今期も熱戦が繰り広げられたVGPのテレビ部門。その中で多くの審査員らが高く評価した製品があった。パナソニックのビエラ「TH-49DX850」がそれだ。
大画面のフラグシップモデルらがバックライト構造を競い合った今期、本機は画質面でいわゆる「尖った」製品ではない。しかし、現在のテレビがなすべき仕事は多い。見て・聴いて・繋がること…。テレビの三大要件すべてのバランスと完成度、そしてコストパフォーマンスを加味した時に傑出していたのが本機だったのだ。
まずは「聴く」。大型のフラグシップシリーズならともかく、中型サイズでここまでオーディオに力を注いだテレビは本機が初めてだ。実際に最新ソフトでその威力を確認してみよう。
ハリウッド映画のかつての鉄則は、オフシーンは別にして登場人物のセリフはセンターから動かさないことだった。しかし、近年は左右にパンする場合も多い。コーエン兄弟の新作『ヘイル・シーザー!』のミュージカルシーンは、その好例だろう。本機はセリフの左右へのパンが自然で、しかも動きが画面とピタリと一致して実に小気味いい。
ミッドレンジとトゥイーターが画面の垂直中央にレイアウトされたことで、音源の微妙な動きが正しく表現できている。AVアンプとマルチchシステムでもなかなかこうはいかない。ステレオ再生なのに前後方向の豊かな移動表現が味わえるのは、特筆すべきポイントだ。
小道具を使ったSEに存在感があり、ミュージカルの興趣を盛り上げる。音声モードをスタンダードからミュージックに変えると、低音の量感が豊かになり広がり感が生まれるが上記の美点は損なわれない。
日本映画『麦秋』のような旧作(モノラル)はセリフ帯域が狭く、ハイレゾ設定を「リマスター」にして音声をアップサンプリングすると分解能が上がり聴きやすくなる。音楽が高まるシーンで音量を上げても歪まず、ナチュラルなサラウンドが水平方向に広がる。
サラウンドモードはオフとバーチャル3Dが選べるが、オフでも十分なサラウンド効果が楽しめる。どんな映画が来てもスタンダードで対応出来るパナソニック開発陣の自信の現れなのだろう。
地デジ放送を視聴する場合も長所がそのまま発揮され、アナウンスが映像中心にピタリと一致し小気味よい。背景の音楽が左右へ自然かつ豊かに広がる。放送試聴時もリマスターをオンにすることを薦めたい。
■スポーツや音楽のライブ配信、音声認識機能もサポート
次に「繋がる」。つまり機能だ。その1つの魅力が20種類もの動画配信サービスへの対応だろう。
国際的スポーツメディア企業のパフォームグループが運営するスポーツ専門動画サービス「DAZN」(ダ・ゾーン)もいち早くサポート。F1/マレーシアGP決勝をチェックしたが、解像度も申し分なく、民放では完全中継が難しい貴重なレースが即座に視聴できるのは実に心地よい。見逃し番組だけでなく、スポーツのライブ中継も本サービスの醍醐味なので、スポーツファンにはたまらない。
視聴したもう1つの動画サービスが「dTV」だ。dTVは、国内外の大物アーティストらのライブをリアルタイム配信するサービスを展開しており、会場さながらの興奮を自宅で楽しむことができる。ライブ終了後、4Kで配信されることもあり、視聴した久保田利伸のライブも4Kで楽しむことができた。高コントラストな映像で、4Kらしい豊かな階調と色彩感でステージが彩られる。躍動的な音質はいうまでもない。他にもYouTubeやNetflix、Amazonビデオ、ひかりTV 4Kなどもサポートし、4Kコンテンツの視聴には不自由しない。
音声認識機能もお薦めしたい機能の1つだ。例えば俳優や女優名で音声検索すれば、番組表、録画番組、レコーダー、YouTube、アクトビラなどから該当する出演番組を横断検索してくれる。本体にもマイクが搭載され、電源のオン/オフやチャンネル切替、音量調整などのシンプルな操作はダイレクトに反応してくれる。
■見る・聴く・繋がるが高次元でバランスした4Kテレビだ
最後になった「見る」。一言でいえば、実戦に強いテレビである。同社フラグシップ4KテレビのDX950と比べてしまえば、暗部表現は一歩譲るものの、放送番組も映画ソフトもビエラの強みであるカラーバランスが優秀で何ら不満は無い。UHD BD『レヴェナント:蘇えりし者』では、水面の光の反映や雪山の照り返しなどHDR映像のコントラストと階調が存分に味わえる。
「見る」「聴く」「繋がる」(対話する)が高次元でバランスした、4Kテレビ「TH-49DX850」。私はその多芸多才さとクオリティの高さから「世界で最もコンパクトな一体型ホームエンターテイメントシステム」と名付けたい。
(提供:パナソニック株式会社)
【特別企画】4Kには迫力のサウンドが必要だ!
パナソニック「4Kビエラ DX850」の“ハイレゾサウンド”を体感せよ!!
大橋伸太郎最大出力100Wもの強力なハイレゾ対応スピーカーを左右に奢ったパナソニックの4Kテレビ・ビエラ「DX850」。その迫力のサウンドに高い評価が集まったVGP2017金賞モデル「TH-49DX850」の実力を検証した。
■オーディオ部を徹底的に強化。リマスター性能も非常に高い
今期も熱戦が繰り広げられたVGPのテレビ部門。その中で多くの審査員らが高く評価した製品があった。パナソニックのビエラ「TH-49DX850」がそれだ。
大画面のフラグシップモデルらがバックライト構造を競い合った今期、本機は画質面でいわゆる「尖った」製品ではない。しかし、現在のテレビがなすべき仕事は多い。見て・聴いて・繋がること…。テレビの三大要件すべてのバランスと完成度、そしてコストパフォーマンスを加味した時に傑出していたのが本機だったのだ。
まずは「聴く」。大型のフラグシップシリーズならともかく、中型サイズでここまでオーディオに力を注いだテレビは本機が初めてだ。実際に最新ソフトでその威力を確認してみよう。
ハリウッド映画のかつての鉄則は、オフシーンは別にして登場人物のセリフはセンターから動かさないことだった。しかし、近年は左右にパンする場合も多い。コーエン兄弟の新作『ヘイル・シーザー!』のミュージカルシーンは、その好例だろう。本機はセリフの左右へのパンが自然で、しかも動きが画面とピタリと一致して実に小気味いい。
ミッドレンジとトゥイーターが画面の垂直中央にレイアウトされたことで、音源の微妙な動きが正しく表現できている。AVアンプとマルチchシステムでもなかなかこうはいかない。ステレオ再生なのに前後方向の豊かな移動表現が味わえるのは、特筆すべきポイントだ。
小道具を使ったSEに存在感があり、ミュージカルの興趣を盛り上げる。音声モードをスタンダードからミュージックに変えると、低音の量感が豊かになり広がり感が生まれるが上記の美点は損なわれない。
日本映画『麦秋』のような旧作(モノラル)はセリフ帯域が狭く、ハイレゾ設定を「リマスター」にして音声をアップサンプリングすると分解能が上がり聴きやすくなる。音楽が高まるシーンで音量を上げても歪まず、ナチュラルなサラウンドが水平方向に広がる。
サラウンドモードはオフとバーチャル3Dが選べるが、オフでも十分なサラウンド効果が楽しめる。どんな映画が来てもスタンダードで対応出来るパナソニック開発陣の自信の現れなのだろう。
地デジ放送を視聴する場合も長所がそのまま発揮され、アナウンスが映像中心にピタリと一致し小気味よい。背景の音楽が左右へ自然かつ豊かに広がる。放送試聴時もリマスターをオンにすることを薦めたい。
■スポーツや音楽のライブ配信、音声認識機能もサポート
次に「繋がる」。つまり機能だ。その1つの魅力が20種類もの動画配信サービスへの対応だろう。
国際的スポーツメディア企業のパフォームグループが運営するスポーツ専門動画サービス「DAZN」(ダ・ゾーン)もいち早くサポート。F1/マレーシアGP決勝をチェックしたが、解像度も申し分なく、民放では完全中継が難しい貴重なレースが即座に視聴できるのは実に心地よい。見逃し番組だけでなく、スポーツのライブ中継も本サービスの醍醐味なので、スポーツファンにはたまらない。
視聴したもう1つの動画サービスが「dTV」だ。dTVは、国内外の大物アーティストらのライブをリアルタイム配信するサービスを展開しており、会場さながらの興奮を自宅で楽しむことができる。ライブ終了後、4Kで配信されることもあり、視聴した久保田利伸のライブも4Kで楽しむことができた。高コントラストな映像で、4Kらしい豊かな階調と色彩感でステージが彩られる。躍動的な音質はいうまでもない。他にもYouTubeやNetflix、Amazonビデオ、ひかりTV 4Kなどもサポートし、4Kコンテンツの視聴には不自由しない。
音声認識機能もお薦めしたい機能の1つだ。例えば俳優や女優名で音声検索すれば、番組表、録画番組、レコーダー、YouTube、アクトビラなどから該当する出演番組を横断検索してくれる。本体にもマイクが搭載され、電源のオン/オフやチャンネル切替、音量調整などのシンプルな操作はダイレクトに反応してくれる。
■見る・聴く・繋がるが高次元でバランスした4Kテレビだ
最後になった「見る」。一言でいえば、実戦に強いテレビである。同社フラグシップ4KテレビのDX950と比べてしまえば、暗部表現は一歩譲るものの、放送番組も映画ソフトもビエラの強みであるカラーバランスが優秀で何ら不満は無い。UHD BD『レヴェナント:蘇えりし者』では、水面の光の反映や雪山の照り返しなどHDR映像のコントラストと階調が存分に味わえる。
「見る」「聴く」「繋がる」(対話する)が高次元でバランスした、4Kテレビ「TH-49DX850」。私はその多芸多才さとクオリティの高さから「世界で最もコンパクトな一体型ホームエンターテイメントシステム」と名付けたい。
(提供:パナソニック株式会社)