公開日 2017/01/16 10:00
名門メーカーが開発した意欲作
【レビュー】カールツァイス製、15,800円のVRゴーグル「VR ONE Plus」レビュー。段ボール製と何が違う?
編集部:風間雄介
カールツァイスといえば、ドイツの名門光学メーカー。特にカメラ用レンズで傑作モデルを数多く世に送り出している。そんなカールツァイスが作ったのが、VRヘッドマウントディスプレイ「VR ONE Plus」。昨年12月に日本でも発売された。本機のミニレビューをお届けしよう。
VR ONE Plusの機能はものすごくシンプル。スマートフォンをユニバーサルトレーに収納し、スマホに表示された映像を見るだけだ。Googleの「Google Cardboard」に準拠している。つまり基本的な構造は、1,000円くらいで買える段ボール製のゴーグルと変わりない。それでいて販売価格は15,800円と、段ボール製とは大きな差がある。
なぜこんなに高いかというと、カールツァイスのレンズを搭載しているからだ。レンズはVRゴーグルにとって、とても重要な要素だ。そしてレンズをちゃんと作ろうとすると、すごくコストがかかることは、カメラ用高級レンズの価格を見ればお分かりだろう。なお、VR ONE Plusの視野角は100度、瞳孔間距離は53〜77mmとなっている。
VR ONE Plusを使用するには、前面のトレーを引き出して、そこにiPhoneやAndroidスマホをセットする。対応するスマホは4.7インチ〜5.5インチ。なお今回はiPhone 7を使った。アップル純正のシリコンケースを装着しているが、着けたままでもセットできた。セットし終わったら、ゴーグルにトレーを収納する。
さて、Google Cardboardで見られるVRコンテンツは、いろいろなところで手に入る。
たとえばYouTubeアプリで「VR 360」などのワードを入れると、多種多様なコンテンツがある。それを再生開始し、フル画面にしたあと、右下のゴーグル型アイコンを押すと、左目用映像と右目用映像が左右に並べて表示される。
また質の高いVR映像を多数用意しているアプリとして「Within」もオススメしたい。かなり気合いの入ったコンテンツが数多く用意されている。今回の視聴は、主にWithinの「INVASION!」というコンテンツで行った。
視聴する際には、アプリでゴーグルの種類を設定できるので、これは必ずやっておきたい。設定はかんたんで、アプリの設定画面から、パッケージのQRコードをカメラで読み取るだけでよい。
いよいよ使ってみる。まず外観の出来映えは素晴らしい。青地に白のZEISSロゴマークがあるだけで、高級品を所有している喜びが感じられる。
段ボールや紙で作られたゴーグルはチープだが、VR ONEはさすがに1万円オーバーだけあって、デザインが美しいし、質感も安っぽくない。横に並べて比較してみるとその差は歴然だ。というより、同じ機能を提供するものとは思えないほどだ。
また内部が蒸れないように通気部が設けられていたり、顔と接触するクッション部が多層構造になっていたり、かんたんに取り外しできるようになっていたりと、細部に至るまで気が利いている。
装着感をチェックする。段ボール製ゴーグルは常に手で押さえておく必要があるが、VR ONEはヘッドバンドが左右方向と頭頂部に用意されており、調整も自在に行える。個人的にはヘッドバンドでギュッと締め上げるくらいが、しっかりとゴーグルが固定されるのでオススメだ。またゴーグル自体、見た目の存在感に比して軽量なので、長時間着けていても疲れにくい。
なお本機はメガネを着けたままでも装着できるとパッケージに書いてあるが、筆者のウェリントン型のメガネは、どうがんばっても入らなかった。上下方向が細いメガネなら入るかもしれない。このため裸眼で使用した。
では、肝心のレンズ性能はどうか。段ボール製ゴーグルと比べると、その違いは明らかだ。段ボール製ゴーグルは、「スマホの画面を至近距離で見ている」ことがあからさまに知覚されるが、VR ONEは、解像感をキープしながら、より空間の広がりのようなものが感じられる。これこそがレンズ性能の違いだろう。
ただしiPhoneのディスプレイが、至近距離で見るにはそれほど解像度が高くないので、ドット間の黒い格子がはっきりと見える。またコンテンツの画質がそれほど良くないと、やはりモヤモヤとした映像になってしまう。つまり、VR ONE Plusのレンズ性能を活かしきる以前の状況も多いので、あらかじめ留意しておきたい。
◇
Google Cardboardをヘビーに使っているユーザーなら、装着感の高さ、画質、デザインの三拍子がそろった本機を購入して損はないだろう。逆に、これからVRをはじめようという方は、まずは段ボール型ゴーグルで試してみるのをおすすめする。そこでVRの魅力にハマって、もっと体験を快適にしたいと思ったら、このVR ONEを検討すればよい。
VR ONE Plusの機能はものすごくシンプル。スマートフォンをユニバーサルトレーに収納し、スマホに表示された映像を見るだけだ。Googleの「Google Cardboard」に準拠している。つまり基本的な構造は、1,000円くらいで買える段ボール製のゴーグルと変わりない。それでいて販売価格は15,800円と、段ボール製とは大きな差がある。
なぜこんなに高いかというと、カールツァイスのレンズを搭載しているからだ。レンズはVRゴーグルにとって、とても重要な要素だ。そしてレンズをちゃんと作ろうとすると、すごくコストがかかることは、カメラ用高級レンズの価格を見ればお分かりだろう。なお、VR ONE Plusの視野角は100度、瞳孔間距離は53〜77mmとなっている。
VR ONE Plusを使用するには、前面のトレーを引き出して、そこにiPhoneやAndroidスマホをセットする。対応するスマホは4.7インチ〜5.5インチ。なお今回はiPhone 7を使った。アップル純正のシリコンケースを装着しているが、着けたままでもセットできた。セットし終わったら、ゴーグルにトレーを収納する。
さて、Google Cardboardで見られるVRコンテンツは、いろいろなところで手に入る。
たとえばYouTubeアプリで「VR 360」などのワードを入れると、多種多様なコンテンツがある。それを再生開始し、フル画面にしたあと、右下のゴーグル型アイコンを押すと、左目用映像と右目用映像が左右に並べて表示される。
また質の高いVR映像を多数用意しているアプリとして「Within」もオススメしたい。かなり気合いの入ったコンテンツが数多く用意されている。今回の視聴は、主にWithinの「INVASION!」というコンテンツで行った。
視聴する際には、アプリでゴーグルの種類を設定できるので、これは必ずやっておきたい。設定はかんたんで、アプリの設定画面から、パッケージのQRコードをカメラで読み取るだけでよい。
いよいよ使ってみる。まず外観の出来映えは素晴らしい。青地に白のZEISSロゴマークがあるだけで、高級品を所有している喜びが感じられる。
段ボールや紙で作られたゴーグルはチープだが、VR ONEはさすがに1万円オーバーだけあって、デザインが美しいし、質感も安っぽくない。横に並べて比較してみるとその差は歴然だ。というより、同じ機能を提供するものとは思えないほどだ。
また内部が蒸れないように通気部が設けられていたり、顔と接触するクッション部が多層構造になっていたり、かんたんに取り外しできるようになっていたりと、細部に至るまで気が利いている。
装着感をチェックする。段ボール製ゴーグルは常に手で押さえておく必要があるが、VR ONEはヘッドバンドが左右方向と頭頂部に用意されており、調整も自在に行える。個人的にはヘッドバンドでギュッと締め上げるくらいが、しっかりとゴーグルが固定されるのでオススメだ。またゴーグル自体、見た目の存在感に比して軽量なので、長時間着けていても疲れにくい。
なお本機はメガネを着けたままでも装着できるとパッケージに書いてあるが、筆者のウェリントン型のメガネは、どうがんばっても入らなかった。上下方向が細いメガネなら入るかもしれない。このため裸眼で使用した。
では、肝心のレンズ性能はどうか。段ボール製ゴーグルと比べると、その違いは明らかだ。段ボール製ゴーグルは、「スマホの画面を至近距離で見ている」ことがあからさまに知覚されるが、VR ONEは、解像感をキープしながら、より空間の広がりのようなものが感じられる。これこそがレンズ性能の違いだろう。
ただしiPhoneのディスプレイが、至近距離で見るにはそれほど解像度が高くないので、ドット間の黒い格子がはっきりと見える。またコンテンツの画質がそれほど良くないと、やはりモヤモヤとした映像になってしまう。つまり、VR ONE Plusのレンズ性能を活かしきる以前の状況も多いので、あらかじめ留意しておきたい。
Google Cardboardをヘビーに使っているユーザーなら、装着感の高さ、画質、デザインの三拍子がそろった本機を購入して損はないだろう。逆に、これからVRをはじめようという方は、まずは段ボール型ゴーグルで試してみるのをおすすめする。そこでVRの魅力にハマって、もっと体験を快適にしたいと思ったら、このVR ONEを検討すればよい。
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